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年俸制と月給制どちらが良い?ボーナスは含む?デメリットについても解説

年俸制

年俸制とはいったいどんな仕組みで、実際のところ自分はいくら受け取れるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
月給制との違いや支払われ方、残業代やボーナスはどうなるのか。そんな疑問について、社会保険労務士の岡佳伸さんと、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

年俸制とは年単位で給与総額を決めること

年俸制とは成果や業績に応じて、年単位で給与総額を決める制度のことを指します。
給与総額は特に前年度の業務実績や評価が基準となり、主に成果主義の企業に採用される場合が多い賃金制度です。

年俸額の決め方

ほとんどの企業が前年度の評価基準や賃金規定のルールを基に、計算式に当てはめて算出しています。算出された金額を従業員に提出し、合意のもと最終決定がされます。
給与総額については賞与を含め完全に固定される場合もあれば、賞与のみ変動して支給されることもあるため、不明な場合は就業規則、または雇用契約書で確認できます。

給与の支払われ方

1年分の給与は1回にまとめて支払われるわけではなく、分割して支払われます。
年俸は労働基準法第24条により「毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」と定められているため、決定した年俸額を12分割・14分割・16分割などで支払われることが多いでしょう。遅刻・早退・欠勤した場合は賃金を控除されますが、当事者同士の取り決めによるので控除されない場合もあります。

 【例】
年俸÷12=毎月支払われる給与額

必ずしも、上記の計算式が当てはまるわけではないため、一例として参考にしてください。

参考:労働基準法第24条(e-Govポータル)

賞与の支払われ方

賞与の支払い方には一般的に2パターンあります。
1つ目は12分割した給与とは別途、業績に応じて賞与が加算されるパターンです。
2つ目は年俸に賞与を含める場合は12分割ではなく、14分割などで支払われるパターンで、例えば12回分は毎月の給与として支給、残り2ヶ月分を賞与の意味合いで夏や冬に追加支給して支払われるのが一般的です。

【例】
賞与が別途支給の場合
年俸÷12=毎月支払われる給与額
上記に加え業績に応じて賞与が加算される

賞与が年俸額に含まれてる場合(14分割の場合)
年俸÷14=毎月支払われる給与額
上記に加え余った2ケ月分を夏か冬などに加算される

年俸制と月給制の違い

大きな違いは給与額の変動の有無にあります。
年俸の場合1年間に支払われる給与額が決定しているため変動することは基本的にありません。
一方、月給制は年齢や勤続年数を考慮され、毎月の基本給や諸手当、業績不振によるボーナスの増減が変動要素になることもあります。

年俸制のボーナス(賞与)や残業代は支給されない?

年俸制でもボーナスは支給されます。ただし、支払われ方は年俸額に含める場合と別途支給される場合があるためあらかじめ確認しておきましょう。

ボーナスは原則支払う義務がない

年俸制、月給制を問わずボーナスが支払われるかは企業の任意となります。
経営状況や方針によって、年俸制でもボーナスが支払われるかが決められますが、年俸額にあらかじめ含まれて支払われる場合は金額を変更されることはありません。
年俸の賃金総額に含めない場合は、業績などに応じて自由に変更することができます。

残業代は発生するのが前提

年俸制であっても1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えた分は、会社側は残業代を支払う義務があると労働基準法で定められています。

しかし固定残業代(みなし労働時間制)では一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働したものとみなす勤務形態のために、あらかじめ定められた一定の労働時間の範囲では残業代は発生しません。実際の残業時間が定められた一定の時間外労働時間を超えた場合やみなし時間外労働に含まれないとされた休日出勤・深夜労働を行う場合は割増賃金が適用されて支払われます。

裁量労働制、変形労働時間制、フレックスタイム制といった特殊な労働時間の制度を採っている会社もあります。それによって残業代の算出の仕方は変わってくるため、就業規則や募集要項でどのような勤務形態なのか確認しておくとよいでしょう。

年俸制の賃金の支払われ方

年俸制はどのように賃金を支払われるのか紹介します。

中途入社の場合

中途入社した社員の年俸額の決め方は、初年度は在籍期間に応じて決定します。
例えば9月に年俸800万円で中途入社した場合、4月が年度始まりの企業は計算式にあてはめると下記のような計算になります。

 【例】
年俸800万円÷12ヶ月×在籍7ヶ月=466万円

466万円が初年度の年俸額となり、翌年度から通常の年俸制度へ移行されます。

税金や社会保険料

年俸制から控除されるものには、所得税、厚生年金保険料と呼ばれる社会保険と雇用保険、健康保険料、介護保険料などがあります。
各種税金の支払方法は年俸を、12分割・14分割・16分割して、さらに一部が賞与で支払われる場合など、どのように受け取るかによって決まります。

税金や保険料を計算する基となる金額が給与なら「標準報酬月額」、賞与の場合には「標準賞与」額と計算が異なるため、社会保険料や雇用保険料、所得税などの金額が変わります。

退職金

企業に退職金の制度がある場合は支給されますが、退職金の支払いは企業の義務ではないため、制度が無い場合は支払われません。
また年度途中で退職となった場合には、1年間の給与支払いを契約していたとしても、働いていない期間分の給与は支払われないのが一般的となってるようです。

年俸制のメリット・デメリット

年俸制のメリットとデメリットを参考にして、求人を見比べる際にも役立ててみてください。

メリット

年間の成果が翌年の給与に反映されるので成果がわかりやすく、高い評価を得ようと仕事に対する意識が高くなるため、モチベーションが上がりやすいといえるでしょう。
年齢に関係なく、達成した成果を評価基準とするため若年層でも、給与の大幅アップを狙えるかもしれません。
また1年間に急な減給がないため、年間の収入の見通しが立ちやすいことや、自家用車や住宅購入の際のローン返済などの長期計画が立てやすいこともメリットとして挙げられます。

デメリット

成果が給与に反映されるのは翌年となり、タイムラグがあるのですぐに昇給にはつながらないことです。また給与が下がった場合それが1年間続くので、モチベーションの低下に影響することもあるでしょう。モチベーション維持のためには、計算式が明らかで適正評価される環境が大切になってきます。
成果を出し続けなければ給与が下がってしまうため、常にプレッシャーを感じる環境であるともいえるでしょう。

社会保険労務士法人 岡 佳伸事務所代表 岡 佳伸氏

大手人材派遣会社にて1万人規模の派遣社員給与計算及び社会保険手続きに携わる。自動車部品メーカーなどで総務人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険適用、給付の窓口業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として複数の顧問先の給与計算及び社会保険手続きの事務を担当。各種実務講演会講師および社会保険・労務関連記事執筆・監修、TV出演、新聞記事取材などの実績多数。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。