【履歴書の送り方】郵送・メール・手渡しの送り方別マナー

転職活動において履歴書を応募企業に提出する際、企業によって「郵送」「メール」「面接で訪問した際に手渡し」などの方法が指定されます。それぞれの提出の仕方についてのマナーや注意点を、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

履歴書を応募先企業に送る際のマナー

履歴書を郵送やメールで送るにしても、面接時に手渡しするにしても、「丁寧さ」「受け取る相手への配慮」が重要です。採用選考においては、経験・スキル・人物が重視されますので、履歴書の送り方が採否に大きく影響することはまずありません。

とはいえ、送り方・渡し方が雑であれば「仕事も雑なのではないか」「受け取る相手の気持ちを思いやれない人なのか」と、マイナス印象を与えてしまうおそれがあります。

また、同等の経験・スキルを持つ応募者が複数いた場合、書類を扱うマナーがしっかりしている人とそうでない人に分かれれば、やはり前者の人が選ばれる可能性があります。面接前から評価を落としてしまわないように注意しましょう。

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履歴書を郵送で送る場合のマナー・注意点

履歴書を郵送で送る場合の、「折り方」「入れ方」「封筒の書き方」「切手」などに関するマナー・注意点をお伝えします。

必要書類の折り方・入れ方

履歴書の正しい折り方は「二つ折り」です。市販の履歴書の多くはA3サイズを二つ折りにしたA4サイズ（210×297mm）となっています。新たに折り目をつけないようにしてください。A4サイズの状態で入れるために、角形A4号または角形2号の封筒を使用しましょう。

なぜ、三つ折り・四つ折りにするのがNGかというと、「読むときに広げる手間がかかる」「折り目部分の文字が読みにくい」「コピーを取りにくい」など、採用担当者に負担をかけるからです。ただし、派遣会社や人材紹介会社に履歴書を提出する場合は、三つ折りでも問題ないとされています。

封筒に入れる際には、上から、送付状→履歴書→職務経歴書→その他の書類（あれば）の順に重ねます。汚れやシワを防止するため、無色透明のクリアファイルにはさむことをおすすめします。

封筒の書き方

使用するペン

封筒の宛名を書く際には、油性のペンを使いましょう。配達中に雨などで文字がにじむことを防げます。

宛名の書き方

縦書きで記載するのが一般的。一番右に都道府県から住所を書き、長ければバランスのよいところで次行に移ります。数字はアラビア数字（1・2…）、漢数字（一・二…）のいずれかに統一しましょう。
住所から少し空けて宛名を記載。（株）と省略せず、「株式会社○○」「○○株式会社」とします。
組織宛に送る場合は「○○御中」と記します。「株式会社○○御中」「株式会社○○　人事部御中」など。採用担当宛に送る場合は、「採用担当御中」と記します。指定された宛先が担当者の個人名であれば、「人事部　○○様」などとします。

表面に「履歴書在中」と記載

表面の左下、宛名から離れた位置に、赤色で「履歴書在中」あるいは「応募書類在中」と書き、赤色の枠で囲みます。この記載があれば、企業側で郵便物を仕分ける際に封入物がわかり、確実に採用担当者のもとに届けられます。中身が履歴書＝重要な書類であると判断されるので、開封を後回しにされるリスクも防げます。

●裏面の書き方

左下のスペースに、差出人である自分の郵便番号・都道府県からの住所・氏名を記載。このとき、数字の表記は表面と統一します。

切手の料金

A4サイズの書類を折らずに入れられる角形2号封筒の場合、「定形外郵便」に区分され、料金は50g以内で120円、100g以内で140円です。

薄型の封筒に履歴書1枚、職務経歴書1～2枚であれば50g以内で収まります。しかし、クリアファイルに入れたり、ポートフォリオなどを添えたりする場合は50gを超える可能性があります。

料金不足とならないようにするためには、郵便局に持ち込み、重さを計測してもらって切手代を支払うと安心です。

履歴書をメールで送る場合のマナー・注意点

履歴書のデータをメールに添付して送る場合のマナー・注意点は次のとおりです。送付文面の一例もご紹介します。

件名／本文の書き方

採用担当者は毎日大量のメールを受信するため、件名で「差出人」「用件」が簡潔に伝わるようにします。「○○○職応募の件／氏名（フルネーム）」もしくは「履歴書ご送付の件／氏名（フルネーム）」などとすると、わかりやすいでしょう。

メール本文では、必要な情報を簡潔に記載します。記載順は次のとおりです。

1．宛名
2．氏名と簡単な自己紹介　※直接応募する場合は、氏名に加え簡単な自己紹介を添える
3．要件
4．結び
5 ．署名

パスワードをかける

履歴書には個人情報が記載されているため、メールを送る際には履歴書のファイルにパスワードをかけておくといいでしょう。
履歴書を添付したメールとパスワードを記載したメールは別々に送ります。最初のメールを送信後、すぐにパスワード通知のメールを送りましょう。

メール送付の例文

メールで履歴書を送る場合の例文もご紹介します。

例文1：応募後、企業から履歴書の送付指示を受けて送る場合

 

例文２：応募と同時に履歴書を送る場合

 

例文３：履歴書添付メール送信後、パスワードを送る場合

履歴書を持参する場合のマナー・注意点

面接時に履歴書を持参するよう指示されるケースもあります。面接担当者に直接手渡す場合のマナー・注意点をお伝えします。

クリアファイル・封筒に入れる

汚れやシワがないきれいな状態で手渡すために、先ほど「郵送で送る場合」で紹介したのと同様、二つ折りでクリアファイルにはさみ、封筒に入れて持参しましょう。ただし、封をする際にのり付けはしません。

受付で履歴書を提出することもありますので、封筒の表面に赤字で「履歴書在中」、裏面には誰の応募書類かわかるように、黒色で住所（郵便番号、都道府県も記載）と氏名を記載しておきます。

履歴書の渡し方

受付などで面接担当者以外の人に提出する場合は、封筒に入れたまま渡します。面接開始時に面接担当者に直接提出する場合は、封筒から出して渡します。いずれの場合も、両手で封筒または履歴書の上部を持ち、相手側に正面を向けて差し出します。

履歴書の送り方マナーが大切な理由

履歴書をはじめとする応募書類は、そのまま応募者の「第一印象」となります。提出の段階で「マナー違反」「雑」といった印象を与えると、面接へ進めたとしても、ネガティブな印象を引きずってしまうおそれもあります。

「ビジネスマナーの大切さを理解していない」「仕事でもいいかげんなのではないか」といった不信感を持たれることがないよう、最低限のマナーはしっかり押さえておきましょう。