転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 職種 > 外資系企業とは?転職者が働きやすい企業の見極め方を解説

外資系企業とは?転職者が働きやすい企業の見極め方を解説

外資系企業 転職

外資系企業への転職に興味がある皆さんに、日本企業との違い、求められるスキル、メリット・デメリット、自分にとって働きやすい外資系企業を選ぶためのポイントなどについて、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏がアドバイスします。

外資系企業とは?

外資系企業とは、海外の企業もしくは海外の投資家が一定水準以上の出資をしている、日本国内にある企業を指します。大きく分けると、次のような企業があります。

  1. 海外の企業が日本で設立した子会社(日本法人)
  2. 海外企業と日本企業が共同出資して設立した会社(合弁企業)
  3. 海外企業が日本企業に出資、または買収した会社(資本参加・提携企業)

日本にある外資系企業の多くは(1)の形態。海外のグローバル企業が日本市場でビジネスを展開するため、100%出資の日本法人を運営しているケースが多数を占めています。

外資系企業と日本企業との違い

日本企業と比較して、外資系企業にはどのような特徴があるのでしょうか。

外資系企業といっても、日本での業歴が長ければ、各種制度や風土などは一般的な日本企業とほとんど変わらないこともあります。当然ながら企業によって特色はさまざまですが、ここでは一般的な傾向をお伝えします。

社内公用語が英語

グローバル企業の多くは、社内公用語が英語です。従業員の国籍・母国語は多様ですが、社内コミュニケーションでは英語が一般的です。ただし、日本法人では英語を使わない職種やポジションもあります。

個人主義の組織風土

協調性を重視することが多い日本企業に対し、個々のメンバーが自主性を持って判断・行動する「個人主義」が強い組織風土にあります。

「チームワーク」の概念も、日本企業では「助け合う」「お互いの足りない部分をカバーする」といった考え方が強い一方、外資系企業では、「メンバー一人ひとりがプロフェッショナルとして自分の役割を果たし、チームに貢献する」という考え方です。

成果を重視する評価制度

日本企業の人事評価では「プロセス」も考慮されることが多いのですが、外資系企業では「成果」が重視され、成果に応じて報酬や昇進・昇格が決まります。

日本では「年功序列」が根強く残っている企業もありますが、外資系企業は年齢に関係なく、若い世代や入社年次が浅い人が先輩社員を飛び越えて昇進・昇格するケースも珍しくありません。

働き方の自由度が高い

前述のとおり「成果」が重視されるため、時間の使い方や働く場所などは、ある程度個人の裁量に委ねられます。働く時間や仕事のペースを比較的自由にコントロールでき、長期休暇も取得しやすいといえます。

給与水準が高め

同じ業種・職種・等級で比較したとき、日本企業より給与水準が高いケースが多く見られます。ただし、成果を挙げることが前提となります。

一方、福利厚生面においては、日本企業に浸透している「○○手当」などは付与されないことも多いため、転職の際にはトータル年収でいくらになるかを確認することが大切です。

外資系に転職するために必要なスキル

外資系企業の採用選考においては、次のようなスキルや意欲を持っているかどうかが評価のポイントとなります。

英語力

中途採用では、TOEIC600程度以上の英語力が求められることが一般的ですが、顧客や社内でコミュニケーションをとる相手が日本人のみである場合、英語力を必要としない求人もあります。また、業務内容によって「英文メールや英文資料の読み書きができればOK」「日常会話程度ができればOK」とする求人もあります。

ただし、管理職以上になると本国へのレポーティングや会議への出席などの業務が生じるため、高度な英会話力が必要となります。いずれマネジメント職に就くことを期待している求人であれば、入社後に英語力を磨く意欲があるかどうかが重視されます。

自律心

一人ひとりがプロフェッショナルとして自身の役割を果たすことが求められるため、組織やチームに依存せず、自身で考えて行動できる自律心が欠かせません。目標達成への意識を強く持ち、セルフコントロールできる力が必要とされます。

論理的なプレゼンテーションスキル

多様な国籍のスタッフが協業する環境では、さまざまな考え方・価値観が混在しています。日本人のみの組織では明確に言わなくても感覚的に理解してもらえることもありますが、多様性がある環境でのコミュニケーションやプレゼンテーションにおいては、論理的に伝えるスキルが重要です。

外資系企業で働くメリット

外資系企業で働くメリットとして次のようなことが挙げられます。

「グローバル人材」として転職市場価値がアップ

「語学力を磨ける」「多様な国籍の人と協業する機会が多い」「海外出張・海外勤務の経験が積める」ことから、グローバル人材として転職市場での価値を上げられる可能性があります。最先端の技術や手法などに触れられたり、異なる価値観に触れて視野が広がったりと、自己成長につながるでしょう。

裁量権を持って働ける

個人主義・成果主義の傾向が強いため、自身の裁量で仕事を進められます。リモートワークやフレックスタイム制度などを活用し、働く時間を自由にコントロールすることも可能なことが多いでしょう。

適正な評価を得て、収入アップのチャンスがある

同じ職種・仕事内容でも、外資系企業に移ることで年収アップとなるケースがあります。成果が正当に評価され、成果に連動してインセンティブが支給されるため、会社に貢献することで高い報酬を得られるチャンスがあります。

外資系企業で働くデメリット

外資系企業で働くデメリットとしては、以下のようなことが考えられます。

雇用が不安定

「成果が挙がらなければ即解雇」というイメージを持たれていますが、実際には外資系企業であっても日本の労働契約法や労働基準法が適用されており、業績改善プログラムなども設けられていることも多く、すぐに解雇されるわけではありません。

とはいえ、業績不振が続くと降格や配置転換の可能性もあります。また、本国の方針によって、日本市場でのビジネスの縮小・撤退が決まることもあり得ます。

自主的に動ける人でないとフィットしにくい

しっかりと自己主張ができる人、受け身姿勢ではなく能動的に動ける人などは外資系企業の風土にフィットしますが、そうではないタイプの人はストレスを感じることもあるでしょう。

外資系企業に転職する方法・自分に合う企業の見極めポイント

転職先企業を選ぶポイントは、基本的に日本企業も外資系企業も変わりません。しかし、外資系企業の特性を踏まえ、自身に合う企業を見極めることが大切です。次のようなポイントに注目してみましょう。

組織構成・風土

外資系企業にも、ほとんど日本人で構成されている組織や、日本企業に近い風土の企業もあります。「英語力を磨きたい」「さまざまな国籍の人と働きたい」といった志向を持つ人は、組織の人員構成や風土などをチェックしましょう。選考過程で、一緒に働くメンバーとのカジュアル面談をセッティングしてもらう方法もあります。

英語の使用場面・使用頻度

外資系企業とはいえ、英語を使わない部署・職種もあります。自身が英語力をどのように活かしたいのか、磨きたいのかによって、入社後の英語の使用場面・使用頻度が目的に合うかどうかを確認しておくといいでしょう。

企業のフェーズ

すでに日本市場に定着しているのか、これから日本市場を開拓していくのかなど、企業のフェーズによって仕事内容や働き方、組織風土などが異なります。自身が活かしたいスキルやキャリアプランにフィットするフェーズの企業を選ぶことが大切です。

本国と日本拠点のパワーバランス

本国が戦略を決め、日本拠点にはその方針に従って遂行することを求めるケースもあれば、戦略策定から日本拠点に任せるケースもあります。自身のアイデアを活かしたい人、戦略策定から手がけたい人は、日本法人の裁量範囲を確認するといいでしょう。

報酬体系

企業によって、評価・報酬の仕組みが異なります。特に営業職の場合、固定給とインセンティブの割合を確認しましょう。インセンティブが約半分を占める報酬体系の企業もあり、業績を挙げられなければ前職より大幅な収入ダウンとなってしまうケースもあります。

自身が早期に成果を挙げられるポジションか

外資系企業では、早期に成果を出せないと、プレッシャーや居心地の悪さを感じてしまう可能性があります。成果と報酬が連動するため、収入ダウンにもなりかねません。

早く成果を挙げるためには、これまでの経験やスキルを活かして即戦力として活躍できるポジション・仕事内容を選ぶ方法もあります。自身の評価者である上司との相性も重要ですので、マネジメントスタイルを確認しておくと良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。