転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 履歴書・職務経歴書 > 職務経歴書の書き方・職種別の書き方見本とフォーマットダウンロード > 介護職の職務経歴書の書き方|書類が通過しやすくなるポイントを解説【フォーマット・見本付】

介護職の職務経歴書の書き方|書類が通過しやすくなるポイントを解説【フォーマット・見本付】

職務経歴書 介護

職務経歴書は、企業があなたの業務経験とスキルを確認するための書類です。介護職を経験し、転職を考えている方は、どのように職務経歴書を書けばいいのでしょうか。職務経歴書を見る人の視点を踏まえて、書類選考が通過しやすくなる書き方についてご紹介します。

介護職の転職活動に職務経歴書が必要な理由

職務経歴書は、業務経験とスキルを応募先企業に伝えるための書類です。転職には、同じ業種や職種を選ぶ場合、異なる業種や職種を選ぶ場合がありますが、いずれの場合も、過去の業務経験・スキル、自己PRを適切に伝えることが必要です。応募先企業が、「この人に会ってみたい」と思える職務経歴書を作成しましょう。

介護職から介護職へ転職をする場合、職務経歴書に書くべきこと

では、同業種へ転職する場合に、応募先企業が見ているのはどんな点でしょうか。
介護職から介護職への転職であれば、即戦力としての活躍が期待されます。今まで経験してきた施設の規模やそこで対応してきた業務内容は知りたいところです。中でも次の2点について、職務経歴書に書いておきましょう。

1.介護支援経験のある利用者の属性や特徴
2.マネジメント視点を持って取り組んできた内容

介護支援経験のある利用者の属性や特徴というのは、年齢層、基礎疾患の有無、介護の重度などです。命に関わる部分まで介護が必要な場合は、ケアの難易度が高くなりますので、応募者の経験の幅が見えてきます。

また、介護職として転職でキャリアアップを希望する場合、マネジメントに関する視点をもっていることが伝わるようにしましょう。ケアマネジャーの資格を持っている必要はありませんが、後輩の指導をした経験や、シフトを組む経験、担当フロア全体の進捗管理の経験など、担当している介護支援だけではなく、チーム業務の全体を取りまとめる仕事に関わっていれば、具体的に書きましょう。

介護職から異業種異職種へ転職をする場合、職務経歴書に書くべきこと

介護職から異業種や異職種へ転職をする場合、大きく次の3つの転職パターンに分かれることが多いでしょう。

1.事務職等のデスクワーク
2.営業・接客販売
3.工場の製造、物流倉庫管理

どの場合でも、応募企業に活かせそうな経験は、必ず書き、業種・職種経験はなくとも、即戦力に近い経験を持っていることを伝えます。

事務職の場合は、必ずパソコンを使うため、業務でパソコンをどのように使っていたか書きましょう。Excelは入力のみなのか、関数が組めるのか、Power Pointを使った経験があるかなど、具体的に書いていきます。もし業務で使用経験がなければ、学生時代やプライベートでのパソコン使用経験も含めて書きましょう。

また、事務職にも営業・接客業にも通じますが、顧客対応力もアピールできます。利用者のみならず、同僚、自治体の福祉課の方、利用者のご家族と、幅広い年齢・立場の方とコミュニケーションを取ってきた経験は一つのスキルです。

さらに、営業職・接客販売を希望する場合は、目標達成意欲が求められるため、実績を伝えましょう。数値化した目標でなくても、車いすの利用者が自立歩行するためのサポートをしたなど、自分が設定した目標と努力をしたプロセスがアピールポイントとなります。

さらに、どの職種にも活かせるスキルとして、マルチタスクへの対応力や、進捗管理力もアピールポイントです。複数の利用者の日常ケアを同時進行で対応しながら、すきま時間にイベントの準備をするなど、種類の異なる複数の業務を対応しながら、全体を把握し、的確に支援を進めてきた経験は、ポータブルスキルとして、ほかの業種や職種にも活かすことができるでしょう。

介護職から介護職への転職でも、介護職からのキャリアチェンジ(異業種・異職種への転職)でも、今までの経験を5W1Hで明確に書いていくことで、より具体的な能力を示すことができます。自分の経験してきたことを、相手に丁寧に伝えようという気持ちで職務経歴書を作成していきましょう。

フォーマット選びのポイント

職務経歴書の書き方にはいくつかのフォーマット(形式)があります。それぞれ特徴がありますが、自分のキャリアに合わせて選びましょう。

編年式(逆編年式)

編年式は、新卒入社時から時系列に沿って、職務内容を示していく一般的な形式です。履歴書と照らし合わせて読み進めやすいため、採用担当者が経歴を把握しやすいという特徴があります。特に、若手の方や転職回数の少ない方は、編年式がわかりやすいでしょう。

また、最近の職務内容から過去に遡っていく逆編年式もあります。職歴が長く、今の仕事内容と過去の経験に差がある場合、即戦力として活かしたい最近の職務内容を、わかりやすくアピールするために、逆編年式を使う場合があります。

キャリア式

職務経験を、時系列ではなく業務経験や関わったプロジェクトなどの単位でまとめていく形式です。業務内容を見出しにするため、自分が経験したキャリア・実績をアピールしやすい形式といえます。特に、経験を積むために複数回転職をしてきた方や、専門性をアピールしたい方にはお勧めです。

形式別のテンプレートのダウンロードはこちら

職務経歴書テンプレートの選び方とダウンロード(Word形式)

職務経歴書の書式についてのポイント

職務経歴書の書式について確認してみましょう。

用紙サイズはA4に1〜2枚以内にまとめましょう

採用担当者に今までの経験がわかりやすく伝わるように整理・要約して、A4サイズの用紙1~2枚以内でまとめましょう。長すぎると要点がつかめず、短すぎると経験内容が伝わりません。

介護職の職務経歴書の記入見本

職 務 経 歴 書

20xx年xx月xx日現在
氏名 ○○ ○○

職務要約

大学卒業後、〇〇施設へ入社。ユニット(利用者〇名)で生活支援員として、主に利用者様の生活のお手伝いをさせていただいております。またご家族との情報共有をまめに行い、利用者様の生活の充実に力を入れております。

職務経歴

□〇年〇月~現在 株式会社〇〇

◆事業内容:

◆資本金:〇百万円 売上高:〇百万円(2013年) 従業員数: ○○名 非上場 上場

期間 業務内容
〇年 〇月

〇年〇月

利用者:〇名
入所利用者様および、短期入所利用者様の生活支援を行う。

 

【担当業務】

・利用者様の生活支援

(食事介助/入浴介助/排泄介助/環境整備/通院引率 等)

・日中活動支援

・旅行・レクリエーションの企画/実施

・支援計画の作成

(取り組みの提案/実施)

・担当利用者様の物品購入/出納簿作成

・個人データの管理

・ご家族・各作業との情報共有

 

 

社員スタッフ数:〇名

 

■PCスキル

・Excel    :入力・集計 日常の記録業務で使用

・Word    :文字入力、図表・グラフ挿入、校正機能、会議用資料作成、顧客データ作成時に使用

・PowerPoint  :文字入力、図版作成、マスタ作成、アニメーション レクリエーション資料作成時に使用

■資格

・普通自動車免許第一種

・社会福祉士

自己PR

・対人折衝力
同じ職場の職員、利用者様とそのご家族、その他専門職員との会話の中で丁寧なコミュニケーション、相手のニーズを素早くキャッチすることをこころがけ、大切にしております。一人一人に合わせた対応を学び、円滑に会話と情報交換が進むように配慮しております。

・計画を立てて行動する力
日々の生活の流れから逆算して、トイレ誘導や食事、与薬の準備、利用者様ごとの日課(洗濯物干し、体操等)を促すことで利用者様が安定した生活を送れるようにしております。また、少しでも普段と違う様子が見られればすぐに看護師に報告し、通院をする等、安心して生活できるよう小さな変化にも常に気を配っております。

・臨機応変な対応力
利用者様の生命にかかわる業務でもあるため、常に先を見越した行動はもちろん、何か特変があった­­場合にも冷静に判断し、柔軟に対応する力と精神面が鍛えられました。日々、変化が伴う環境の中で、固定されたスタイルではなく、周囲と協働し、巻き込みながら、より良い業務スタイルを提案し、行動しています。

志望動機

私は生活支援員として、利用者様のサポートに携わってまいりました。利用者様とのコミュニケーションは元より、そのご家族や福祉職員さんなど、さまざまな立場の方とコミュニケーションを取りながらも、正確な対応をするため、細かい個人情報・進捗管理にExcel関数を使い、誰が見てもわかりやすい、ミスが出にくいデータ管理を心掛けてきました。営業事務でも、正確な事務処理が求められる一方で、お客様やチームの皆様のご要望に寄り添った臨機応変な対応も求められると思いますが、介護支援と進捗管理事務を併せて対応してきた経験を活かして、さらにExcelスキルを磨きつつ、貢献してまいります。

以上

介護職の職務経歴書の記入見本のダウンロードはこちら

職務経歴書に記入する項目

職務経歴書には、次の内容を記入します。

タイトル「職務経歴書」

日付

「◯年◯月◯日現在」(西暦もしくは和暦で統一)と、記入日を書きます。

氏名(フルネームで記載)

連絡先

名前の下に任意で、住所・電話番号を記載します。

職務要約

2~3行程度(120文字程度)で、職務経歴の概要を分かりやすく伝えます。

職務経歴

「どこで」「誰に対して」「どんなことをしてきたか」が分かるように書きます。具体的には、在職期間/ 会社名/ 規模/ 事務内容/ 自分が行った業務内容を1社ごとに記載します。また、会社の規模や実績などは数字で表すと分かりやすいでしょう。ただ、社会福祉法人や医療法人などは資本金がありませんので、記載の必要はありません。

保有資格

応募する業務に関連した保有資格があれば、必ず書きましょう。取得年月順に正式名称で記載します。介護職へ転職する場合は介護職に関する資格を、それ以外の業種へ転職する場合は、介護職の資格ではなく、次のキャリアに活かせる資格を書くようにしましょう。また、資格取得に向けて勉強中であれば、「〇〇資格取得に向け勉強中」などと記載しましょう。

自己PR

自己PR はどの企業でも通用するビジネスパーソンとしてのコアスキルを簡潔に記載しましょう。PRしたいスキルを箇条書きで3つほど書き出し、それぞれの根拠となる具体的なエピソードを、5 行以内(200文字程度)を目安にまとめましょう。

志望動機

応募する職種に合わせて、5~7行程度で志望動機をまとめると、訴求効果が高まります。自己PRと重複する部分もあるかもしれませんが、今までのどんな経験を、応募先の仕事でどのように貢献したいのか書いてみましょう。

書類通過しやすくなる職務経歴書の書き方のポイント

採用担当者に「会ってみたい」と思われる、書類選考が通過しやすい職務経歴書の書き方について見てみましょう。

行頭と行末を揃えて書く

職務経歴書の文章は横書きですから、左側から右に向かって書いていきます。左端の文字と右端の文字の位置が行ごとにばらばらにならないように、行の頭を揃えて書いていきましょう。一文は2行以内に抑えるようにし、また、適宜改行しましょう。

見出しや箇条書きで見やすさを意識して書く

業務内容や実績など、見出しを付け、箇条書きで書きましょう。見やすさを意識してレイアウトを考えるとよいでしょう。

読み手に負担がない職務経歴書を作成する

採用担当者に自分の経験・スキルを知ってもらうためには、数字や固有名詞を入れていきましょう。自己PRでは、小見出しの後に具体的なエピソードを入れると、読み手に経験が伝わりやすくなります。

勤めていた介護施設の規模や担当した利用者数などは具体的数値で書く

勤務先の施設が入所なのか通所なのか、日勤のみなのか、夜勤も対応してきたのか、何人のケアをしているのかなど、施設全体の規模や仕組み、勤務体制がわかるものを具体的にし、対応してきた人数も具体的な数字で書きましょう。

経験した業務内容は詳細に書き、強みをアピール

「高齢者の生活を支援してきました」だけではどのようなことができる人なのか伝わってきません。業務内容で何を書けばいいか迷ったら、朝、タイムカードを押すところから退勤まで、1日の作業内容を書き出してみましょう。その上で、それぞれの作業を「食事介助」「排泄介助」「支援計画策定」など、大きなカテゴリに分類して、書類にまとめていくと、業務内容が整理できます。特に、次の仕事に活かしたいスキルを使う業務については、「Excel関数での個人データ管理」などと、どんなツールを使うかまで、詳細に書きます。

具体的な数値を書けない場合は仕事とどう向き合ったのかを書く

ある介護職の方は、勤務が始まる前に、自分が担当する10人の利用者の顔を必ず確認してから通常の勤務に入っていました。施設の決まりではなく、自分が仕事をする上で、利用者の様子を把握しておきたいからという理由です。業務を数値化するのが難しい場合は、こうした自分自身が工夫してきたエピソードを伝えるだけでも、きめ細やかな対応ができる人だと伝わります。些細なことでもいいので、仕事に対する上で大事にしていることを振り返ってみましょう。

自己PRには介護職に対する考え方や業務を改善した工夫などを書く

自己PRで小見出しにアピールしたいスキルを書いたら、具体的なエピソードを文章2~3行で伝えます。誰もがすごいと思うようなエピソードである必要はなく、「自分なりに意識していること」「大事にしてきたこと」「周りから褒められたこと」を思い出し、整理していけば自分らしさや強みのエピソードになります。

ブランク期間がある場合は働いていた経歴のみ書く

ブランク期間がある場合、その期間については書かず、働いていた経歴だけを書きましょう。
現在がブランク期間に当たる場合、非常勤やアルバイトの仕事でも書いておきましょう。

採用担当者の目線で、書いた経歴書の内容を確認

隅々まで注意して書いたつもりの職務経歴書でも、時間を置いてから確認すると、意外な点を見落としていたりします。伝えたいポイントが一目でわかるようになっているか、変な部分で改行されていないか、文章が長すぎないか、など、一日以上おいて確認してみましょう。

指宿 優子

リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアコンサルタントとして、主に介護業界等を担当。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。