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【Q&A】転職の入社日はどうやって決まる?入社日に関する疑問に答えます

転職 入社日

「志望企業と入社希望日の折り合いがつかない。最悪の場合、内定取り消しになるのではないか」「入社日を円滑に交渉するにはどうしたらいいのか」「入社日までにしておくことは何かあるのか」など、転職活動者が抱く悩みは少なくありません。そんな入社日に関する疑問について、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏がアドバイスします。

Q.入社日はどうやって決まる?

入社日の決定には、大きく2つのパターンがあります。

1)企業側があらかじめ入社日を設定している

企業側が入社日をあらかじめ設定している背景は企業によって異なりますが、例えば次のような理由があります。

  • 「4月」「10月」など、中途採用者を受け入れる時期にルールがある
  • 採用予算を消化できる時期が決められている
  • 退職や異動に伴う欠員補充の募集である場合、引き継ぎなどの都合で入社日を指定する

企業側で設定された入社日は、求人情報に記載されていることもありますが、求人情報には記載がなく、選考過程で知らされることもあります。

2)応募者の希望に応じ、協議の上、入社日を決定する

応募者側の事情や希望、もしくは選考の進み具合に応じて入社日を決めます。通年で募集を行っている職種の場合や「退職者の後任者の採用を急いでいる」「この時期に始動するプロジェクトに最初から入ってもらいたい」などの特別な事情がない場合は、応募者の希望も考慮の上、入社日を決定していきます。

Q.転職先に入社日を交渉するリスクは?

交渉することはできますが、応じてもらえるかどうかケースバイケースです。また、交渉を持ちかけることには、リスクがあることも心得ておきましょう。入社日を交渉するタイミングによって、次のようなリスクをはらんでいます。

内定前に交渉を持ちかけた場合

企業側が入社日を設定している場合、その期日に入社できないとなれば、確実に入社できる他の応募者を優先して採用する可能性があります。

応募者側の希望に柔軟に応じてもらえる場合でも、例えば「3ヵ月後」「半年後」など、かなり先を指定した場合、「入社意欲が高くない」と判断され、内定を見送られるかもしれません。

内定後に交渉を持ちかけた場合

企業側が入社日を設定しており、期日に入社できない場合は、内定を取り消される可能性もあります。内定を受け、入社承諾の返事をする前であれば、期限内に「設定された日に入社できる」と回答できない場合、「内定辞退」として扱われることもあります。

前職にすでに退職届を提出しており、かつ応募先企業の指定入社日に応じられず内定取り消しとなると、無職となってしまいますので注意が必要です。

入社日を柔軟に調整できるケースであっても、一度決めた入社日を後ろ倒しにすることで、「入社意欲が低いのでは」「交渉力やスケジュール管理能力に欠けるのでは」といったように相手企業の心証を害する恐れがあります。

相手企業は入社者の受け入れ準備を進めており、入社日が遅れることで既存社員に負担をかけることになる可能性もあります。入社前からマイナスイメージを抱かれることは、なるべく避けたいものです。

Q.入社日交渉を円滑に進めるポイントは?

入社日交渉を行うにあたっては、以下4つのポイントを意識してください。

1)状況を整理した上で「最短入社可能日」「入社希望日」を決める

「勤務中の会社の就業規則」「退職交渉~引継ぎにかかる時間」「有給休暇の消化」「家族の事情」など、さまざまな角度から状況を整理し、退職から入社までのスケジュールを把握しておきましょう。そして、最短での入社可能日、余裕を持たせた希望日の設定を進めます。

2)入社希望日の「理由」を伝えられるように準備する

設定した「最短入社可能日」「入社希望日」それぞれについて、「なぜ、その日なのか」を説明できるようにしておきましょう。理由に納得を得られれば、希望を受け入れられる可能性が高まります。

例1:現職の就業規則上(あるいは引継ぎの都合上、など)、退職意思を告げてから退職までに○カ月かかる見込みです
例2:現在関わっているプロジェクトから途中で離任できるのは○月○日頃(最短入社可能日)。しかし、できれば完了まで見届けたいので、希望日は○月○日となります。

3)企業側の事情にも理解を示す

自身の都合や希望を主張するだけの一方通行にならないように注意しましょう。企業側にも受け入れの事情があります。それを聞いて理解し、落としどころを調整していくようにしてください。

4)企業の希望に合わせ過ぎないことも大切

「何とかこの日までには入社してほしい」と請われると、つい受け入れてしまうこともあるかもしれません。しかし、退職交渉や引き継ぎのスケジュールに無理が生じ、前職の会社でトラブルを引き起こしてしまう恐れもあります。安易に受け入れず、スケジュールをしっかり確認した上で可能日を伝えましょう。

Q.入社日交渉を行うタイミングは?

内定を通知された段階では、入社にあたっての諸条件について社内承認が完了しています。そのため、内定後では入社日変更が叶いにくいこともあります。

最悪の場合、内定が取り消されるケースもあり得ます。入社日交渉は「内定前」が原則。選考の初期段階から、人事担当者に希望を伝え、協議を進めていきましょう。

Q.一度決定した入社日を後から変更できる?

企業側と相談して入社日を決定したものの、退職交渉や引き継ぎが難航して、入社日までに退職することが難しくなった。この場合、入社日を変更することは可能なのかという相談はよくいただきます。

企業側としては、受け入れ準備を進めており、「その日に入社してほしい」という意向が強いケースが多いと思います。しかし、先ほども触れたとおり、理由を具体的に伝え、それが納得できるものであれば柔軟に対応してくれるケースもあります。ただし、程度にもよります。採用をそれほど急いでおらず、「半月~1カ月程度ならOK」としても、「2~3カ月は待てない」ということはあり得ます。

「退職交渉が難航していると言うが、本当に退職交渉を進めているのだろうか?」「まだ転職活動を続けていて、他社から内定を得たらそちらに行くのではないか」といった疑念を抱かれないとも限りません。柔軟に対応してくれる企業であっても、企業側としっかりとコミュニケーションをとりながら、なるべく早いタイミングで入社できるように努めましょう。

Q.内定から入社までの期間はどのくらい?

内定から入社日までは、一般的には2~3カ月程度です。

「転職市場で希少な専門分野の人材やどうしても欲しい知見を持っている人材であれば、何カ月待ってもいいので来てほしい」など、採用の重要度と緊急度の比較したときに、重要度が圧倒的に高い場合は半年~1年以上先の入社となるケースもありますが、それはごくまれなこと。重要度×緊急度によって変わりますが、2~3カ月を目安としてください。

特に、転職先がベンチャー企業の場合、数カ月~半年後には事業環境や戦略がガラリと変わり、採用計画も変更になることもあり得ます。「半年後に入社」を設定して交渉しようとするのは、得策とは言えません。

Q.「入社希望日」を決める目安とは?

入社日について、企業側が応募者の希望に応じてくれる場合、何を目安に入社希望日を決めればいいのか。次のポイントについて確認した上で、入社希望日を決めましょう。

就業規則

退職希望日のどれくらい前に退職願を提出する必要があるか、就業規則に定められており、各社異なります。これを認識していないと、入社希望日として伝えた期日までに退職できないという事態に陥ることもありますので、必ず確認しましょう。会社によっては、就業規則を守らずに退職した場合、賞与や退職金などが支給されなくなるケースもあります。

自身の仕事の状況

関わっているプロジェクトが完了する、あるいは一区切りがつくなど、周囲に極力迷惑をかけないタイミングで退職するのが望ましいと言えます。

後任者の手配~引継ぎにかかる期間

後任者の手配の必要性、引き継ぎに要する時間も人それぞれです。自身の場合の所要期間を把握しましょう。すでに退職した同僚が、どのようなスケジュールで退職したかも参考にするといいでしょう。

有給休暇の消化期間

有給休暇が残っている場合は、その消化期間も考慮してください。

家庭の状況

配偶者の仕事、育児、介護など、家庭に事情がある場合は、家族との相談も必要です。

賞与・年末調整など

退職するタイミングによっては、「賞与を受け取れない」「年末調整などの事務手続きを自分でやらなければならない」といった状況になることもあります。上記のポイントも考慮しつつ、最終的には自身の入社意欲と相手企業の事情を踏まえて決定しましょう。

Q.離職中の場合、入社日を聞かれたらどう答えるか?

面接で「いつから入社可能ですか?」と聞かれたら、「内定をいただければ、御社の基準に従い、速やかに入社します」と伝えるのが望ましいでしょう。離職中の場合、内定承諾した月のから翌月月初が入社日になることが多いようですが、受け入れ準備に一定期間必要なケースや入社日が定められている企業もあります。

Q.入社日までにしておくことは何か?

内定を得た企業への入社を決めたら、入社まで、次のようなステップで進んでいきます。

直属の上司に退職を申し出る

業務の引き継ぎ

退職届の提出

退職の挨拶(訪問/メール)

会社から貸与されているものを返却する

離職票、源泉徴収票など、会社から必要なものを受け取る

新しい会社に提出するものを準備する

退職時に会社に返却するもの

  • 健康保険被保険者証
  • 身分を証明するもの(社員証・入館証・社章・IDカードなど)
  • 名刺
  • 貸与されていたパソコン、携帯電話など
  • 仕事で使用していた書類やデータ

前の会社から受け取るもの

  • 離職票
  • 源泉徴収票
  • 退職証明書
  • 年金手帳(会社が保管している場合)
  • 雇用保険被保険者証(通常は入社時に交付されて自分で保管していることが多いですが、会社に預けていた場合は受け取ります。)

※状況により必要ないものもあります。

転職先の会社へ提出するもの

  • マイナンバー
  • 源泉徴収票
  • 基礎年金番号のわかるもの
  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 給与振込先届出書
  • 雇用保険被保険者証(転職先に一度提出し、その後は自分で保管するのが一般的です。被保険者番号のみでも手続きは可能です。)

このほか、企業によっては、以下の提出を求められることもあります。

  • 健康診断書
  • 退職証明書
  • 入社承諾書・入社誓約書
  • 身元保証書
  • 免許や資格の証明書
  • 卒業証明書

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企業との交渉をサポートしてくれる、転職エージェントを活用しよう

応募先企業と直接交渉しづらいことも、転職エージェントを利用すれば、自分の代わりに交渉してもらうことも可能です。入社日についても、企業との交渉を任せた結果、着地点が見つかることもあります。1人で悩むよりも転職エージェントに相談し、サポートサービスを活用してはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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