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「転職が難しい」と感じるケースとは?【キャリアアドバイザーが解説】

転職 難しい

企業や転職エージェントから「転職は難しいかもしれない」と判断されるケースには、どのような傾向があるのでしょうか。企業が選考で判断しているポイントや、「転職が難しい」と判断されるケース、転職成功に導く考え方のポイントを、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

企業が重視する2つの観点

企業は、応募書類や面接での質問を通じて何を判断しているのでしょうか。企業の採用担当者は、大きく分けて「定着性(長く定着して働いてもらえるか)」「活躍可能性(入社後に活躍してもらえるか)」の2点を判断するために、選考を行っています。

まず応募書類の経験・スキルや自己PRで、募集している仕事にマッチしているのかを確認します。仕事にマッチしていないと、やりがいを感じられずに退職したり、成果を出せなかったりするからです。また、面接では志望動機や転職理由などの掘り下げた質問を通じて、人柄や志向、こだわりなどが社風やポジションにマッチしているかを判断しています。

「転職が難しい」と判断される4種のケース

では、「転職が難しい」と判断されてしまうのはどのようなケースなのでしょうか。よくある4つのケースをご紹介します。

キャリアビジョンやキャリアの方向性への懸念

企業は、これまでのキャリアや転職理由などの質問を通じて、求職者のキャリア観や目指す姿に一貫性があるか、それは自社で実現できるのかを判断しています。例えば、転職理由が不明確で、応募した企業で実現しそうもない内容だったり、目先の不満解消のために転職を繰り返していたり、将来像がこれまでのキャリアとかけ離れていたりすると、「入社して何を実現したいのか分からない」「また転職してしまうのではないか」といった不安につながります。こうした懸念を抱かれないためには、転職理由を明確化し、これまでのキャリアを論理的に説明する必要があります。

職種・仕事内容、実績への懸念

自身の経験・スキルを客観的に把握し、アピールできているかどうかも重要です。募集している仕事に対して、応募書類や面接で経験・スキルがアピールしきれていなかったり、仕事内容にマッチしていなかったりすると、「この業務を任せられるか不安」「成果を出すことができないのでは」と判断されてしまいます。明らかに経験不足の求人に応募したり、強みや長所が明確化されていなかったりすると、こうした不安を抱かれる可能性があります。

人物タイプ(価値観・志向性)への懸念

仕事内容はマッチしていたとしても、主体的に取り組む姿勢や意欲がないと長く活躍することはできません。前向きな思考で成長意欲があるか、社風に馴染んでチームワークやリーダーシップを発揮できる人柄かどうかを判断しています。人物タイプがマッチしない場合、「否定的な発言が多く、何をしたいのか掴めない」「受け身の姿勢で、リーダー候補を任せられるのだろうか」といった懸念を抱かれる可能性があります。

年収や勤務地、勤務時間や福利厚生など、希望条件への懸念

高すぎる年収や勤務地・勤務時間への強い要望など、希望条件が現実的でない場合も、「転職が難しい」と判断されてしまいます。転職先に求める条件は重要ですが、多くの企業では給与テーブルや就業規則が設定されており、制度上、希望条件を実現できないケースがあります。また、経験・スキルに対して不相応な年収や待遇などを求めた場合も、「客観的な自己評価ができていない」「不満が原因で辞めてしまうのでは」といった懸念に繋がります。

転職を成功させるための考え方とポイント

転職を実現するために、どのようなことを意識しておくと良いのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。

転職の目的を明確にする

企業は「転職理由」によって、定着性や活躍可能性を判断しています。求職者にとっても、転職で実現したいことを明確にすることによって、適切な転職先を選ぶことができるでしょう。転職理由が「現職の不満解消」になっていないか、応募先企業で本当に実現できるのかどうかをしっかりと考えてみましょう。場合によっては、「現職に残って実現に向けてチャレンジする」という選択肢もあるかもしれません。

転職市場を理解する

転職市場は、企業の採用ニーズと求職者数のバランスで成り立っています。例えば、企業の採用ニーズが少なく求職者が多い「買い手市場」の場合は、少ない採用枠に多くの求職者が集中するため厳選採用となってしまいます。応募書類や面接対策を念入りに行い、志望動機や自己PRを通じて積極的に入社意欲を伝える必要があるでしょう。

一方で、企業の採用ニーズが高く、求職者が少ない「売り手市場」の場合は、企業側は条件を見直したり人材要件を緩和したりして、採用を実現しようとします。一般的に売り手市場の方が、条件の交渉はしやすい傾向にあるでしょう。自身の経験・スキルが転職市場でどのくらいニーズがあるのか、また、希望している条件が適正かどうかを理解しておくことが大切です。

キャリアは中長期で考える

転職で実現したい目標を設定することは重要です。ただし、一気に実現するのが難しい場合は、「入社時点で絶対に叶えたい目標」と「入社後にいずれ叶えたい目標」に分けてキャリアを考えるのもひとつの方法です。

例えば、「年収〇〇万円で管理職を希望」「未経験で〇〇職にチャレンジしたい」などの目標があった場合に、「リーダー職を経てマネジャーを目指し、5年以内に年収〇〇万円を実現する」「〇〇アシスタントとして経験を積み、〇〇職を目指す」など、中長期的なキャリアを描くことで実現可能性が高くなるでしょう。

家族や知人、転職エージェントなど第三者の意見も参考に

単身で転職活動していると、視野が狭くなったり孤独を感じたりすることもあります。家族や知人、転職エージェントなど、第三者にアドバイスを求めることによって、転職活動の助けになる可能性があります。特に転職エージェントのキャリアアドバイザーは、豊富な転職支援実績から得られた転職活動のノウハウを持っています。求人の選び方や応募書類の作成方法、面接へのアドバイスを受けることで、新たな道筋が開けるかもしれません。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。