転職マーケットトピックス　営業職（2011年1月号）編

2010年の転職市場を振り返る

●幅広い業界で、大手企業の総合職求人が続々
2009年度と比較すると、企業の採用意欲は全般的に高まりました。
特に目立ったのが、大手企業による｢総合職｣の採用。消費財、食品、飲料、医療機器、コンピュータなどのメーカーのほか、総合商社、財閥系不動産会社、情報サービス会社、予備校、学校法人など、幅広い業種の大手企業が未経験者も対象に総合職の募集を行いました。中には、採用枠が少ないことから、エージェントのみを通じて非公開で募集を行った企業もあります。

●医療、ネット業界を中心に、未経験者を積極採用する動きも
医療業界、ネット業界では、｢営業経験者対象。業界経験は不問｣とする、ポテンシャル重視の採用が活発でした。
医療業界では、大型医薬品の多くが特許切れとなる「2010年問題」に備え、新薬の拡販体制を整備する動きが加速。未経験者も対象としたMR（医薬情報担当者）の積極採用が続き、国内最大手の医薬品メーカーも未経験者に門戸を開きました。医療機器営業の採用も活発でした。
ネット業界では、年の前半には、大手企業がECサイトのコンサルティング営業の大量採用を実施。後半には、クーポンビジネスの立ち上げ・拡大を図る企業の求人が増えました。

このほか、スポーツジムのFC店舗開発、ウェディングプランナー、生命保険のリテール／代理店営業、不動産営業など、幅広い分野から未経験者対象の求人が寄せられました。

2011年、求人市場はどう動く？

●採用意欲の回復は決算次第。海外業務のニーズは堅調か
2010年の秋以降、円高や日中関係の悪化など不安要素が重なり、メーカーの採用意欲が低下しています。求人が回復するかどうかは決算次第。業績が安定し、攻めの戦略を取る企業は、積極採用へと動き出す可能性があります。動向に注目してください。

なお、海外展開の動きが止まることはなく、海外営業など海外関連業務の求人は堅調に推移しています。海外業務経験や語学力を持つ人は一定のニーズがあるでしょう。

●医療業界では、2010年と同様、活発な採用が続く
医薬品業界の「2010年問題」はまだ解決に至っておらず、2011年も引き続き人材強化を進める見込み。未経験からMRを目指す人にもチャンスがあります。医薬品メーカーからマーケティング・MR活動を受託する「CSO」は通年採用を行っていますが、メーカーは限られた期間内で「入社日指定」の募集を行うケースが多いため、タイミングを逃さないよう情報収集を続けてください。

選考～採用決定を急ぐ企業が多数。選考に乗り遅れないように

「予算取りの都合上、年度内に採用計画を達成したい」「4月1日に入社してもらい、新卒入社者と一緒に研修を行いたい」などの理由から、1～3月に採用活動をスピードアップする企業もあります。選考が速く進むので、求人が出たらすぐに応募すること、面接対策を早め早めに進めておくことで成功率が高まります。

新卒採用が本格始動すると中途採用が縮小へ。その前に早めに活動を

2月中頃から、多くの企業は新卒採用活動に本格シフトします。新卒採用活動に注力するに伴い、中途採用活動にかけるパワーが下がり、中途採用活動を保留･縮小する企業も増えてきます。そうなる前に、なるべく早いうちに行動することをおすすめします。

普段は見られないポジションの求人が出てくる可能性も

冬のボーナス支給後に退職した人の欠員補充求人が、1月中旬に出てくることがあります。通年採用を行っていない企業・職種・ポジションの求人が見つかる可能性もありますので、見逃さないように継続して情報収集をしてください。

新年度を迎えた外資系企業の採用計画に注目

12月決算の外資系企業では、新年度の採用計画が固まり、早ければ1月から求人が出てきます。外資系企業への転職を希望している方、視野に入れている方は、新規求人の動向に注目してください。