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第二新卒の自己PR【書き方例文付き】未経験・実績がなくてもアピールできる強みの見つけ方

第二新卒 自己PR

第二新卒として転職活動をする場合、社会人経験が短いこともあり、自己PRで何をアピールしていいのか分からない人もいるようです。そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が、第二新卒の自己PRの見つけ方、応募書類への書き方について解説します。

企業が第二新卒に求めているものとは

最初に第二新卒の定義と、企業が第二新卒を採用する理由について解説します。

第二新卒の定義

「そもそも第二新卒とは社会人何年目までを指すの?」と疑問に感じている人もいるかもしれませんが、第二新卒がいつまでを指すのかには、明確な定義はありません。
企業が独自の定義を持っている場合は、その定義に従うことになりますが、この記事では、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内で、職務経歴がある人を第二新卒として解説します。

企業が第二新卒を採用する理由

企業が第二新卒を採用する背景には、おもに次のような期待やニーズがあると考えられます。

将来のコア人材として育成できる

同じ企業で長く働いていると、社風などに影響を受けて、企業特有の思考や行動パターンに同質化することもあります。その結果、転職先企業の考え方や仕事の進め方に慣れず、なかなか成果を出せない可能性もあるでしょう。

一方、第二新卒の場合は在籍期間が短いことから、前職(現職)の影響は、長年勤めている人よりも少ないと考えられます。そのため、転職後も自社の社風に早いうちから馴染み、自社を支える将来のコア人材として育成できる可能性を期待して、採用されるケースもあるようです。

基礎的なビジネススキルがある

新卒採用の学生とは異なり、社会人経験がある第二新卒の場合は、ビジネスマナーやPCスキルなど、企業で働く上で必要となる基礎的なビジネススキルを有していることが一般的です。仕事をする上での前提となるスキルを一から教える必要がないため、早期戦力化を期待されるケースも見られます。

組織活性化を図ることができる

第二新卒は経験・スキルよりもポテンシャルを重視して採用される傾向があり、企業は今後の伸びしろや成長性に期待します。入社後に多くのことを吸収し成長する若手がいると、既存の社員にも良い影響を与え、組織の活性化を図れる可能性があります。

企業が第二新卒を評価するポイント

第二新卒を採用する際に、企業の採用担当者が見るポイントの一例をご紹介します。

熱意やポテンシャルがあるか

応募者が第二新卒の場合、採用担当者はその人の熱意やポテンシャルに注目する傾向があります。なぜなら、経験が短くても熱意やポテンシャルの高い人材は、今後の成長が見込まれ、中長期にわたり組織の成長に貢献してくれると考えられるからです。

前職(現職)の経験・スキルをうまく活かせそうか

前職(現職)の経験やスキルがうまく活かせるかを確認するケースもあります。在籍期間が短くとも、特定の領域に精通していたり、専門性の高い技術やスキルを保有していたりすれば、評価される場合もあるでしょう。

基礎的なビジネスマナーやビジネススキルが備わっているか

就業経験のある第二新卒に対しては、最低限のビジネスマナー・スキルを前提とする企業もあります。応募書類の書き方や面接での応対、言葉遣いや立ち居振る舞いなどから、基礎的なマナーが備わっているかどうかを判断するケースもあるようです。

前職(現職)と同じように早期退職をしないか

第二新卒は前職(現職)を比較的短い時間で退職しているため、採用担当者は「またすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱くことがあります。そのため、前職(現職)を早期退職した理由に納得感があるかどうかや、自社で長期的に働きたいという意欲・姿勢を確かめようとするでしょう。

第二新卒の自己PRで伝えたいこと

上述の内容を踏まえて、第二新卒の自己PRで伝えておきたいことを4つご紹介します。

前職(現職)で身に付けた経験・スキル

これまでに身に付けた専門スキルや、対人スキルを伝えると良いでしょう。就業した企業で得たスキルや、キャリアアップのために取得した資格、他の社員とコミュニケーションを取るときに意識していることなどです。

例えば、経理職への転職を希望する場合は、日商簿記やFP技能士などの資格、Excelの活用スキルなどをアピールできます。また、誰とでも分け隔てなく関係を築けるコミュニケーションスキルは、あらゆる業種・職種においてアピールできる要素でしょう。

前職(現職)での成果について

前職(現職)での成果があれば、具体的な数字とともに述べることも大切です。自分の成果によって、会社にどのような貢献ができたのかを伝えましょう。

例えば「営業担当として新規開拓に取り組み、○カ月で○件の新規契約を獲得しました」などと具体的な成果を示すことで、採用担当者に自分の能力をアピールできます。また、自分や会社が設定した目標を達成した経験があれば、課題や問題を乗り越える力があることも伝えられるでしょう。

前向きに取り組む姿勢があること

上述したように、伸びしろと成長性の高さが第二新卒の魅力です。そのため、自己PRでは学ぶ意欲があり、前向きに取り組む姿勢があることを伝えるという方法もあります。

例えば「会議に積極的に参加したいと考え、事前に資料を読み込み、質問や提案をするように努めた」「苦手な分野を克服するために、同期と勉強会を開いて教え合った」など、自ら学んで成長に向う姿勢を伝えれば、評価される可能性があるでしょう。

強みを応募企業で活かせること

自己PRでは「入社後、その強みを活かしてどのような成長・貢献ができるか」まで伝えることもポイントです。ただ「成長したい」「貢献したい」と伝えても「自分の思いばかりで説得力がない」と判断されてしまうかもしれません。

自分として「このように」成長したい、「このような部分」に貢献できるようになりたいという具体的なビジョンを伝えれば、入社後の姿をイメージしてもらいやすくなります。「謙虚に学ぶ力を活かして早く先輩たちに追いつき、1年後には顧客から信頼される営業職へと成長したい」など、自分なりの入社後の姿を考えてみましょう。

第二新卒の自己PRの例文<ポイント解説付き>

第二新卒の自己PRの例文をご紹介します。それぞれのポイントも解説しているので、参考にしてみてください。

同業種で経験を活かす場合の自己PR例文(サービス企画)

私は「ヒアリング力」を強みとしています。自分が関わっているサービスがどのように使われ、どのような評価を受けているのかを知るために、ユーザー調査を続けてきました。2年間でユーザー調査のために会った人数は○○名以上になりました。

ヒアリング結果やサービスの改善点をまとめて開発部門に提案したところ、エンジニアからの反応が非常に良く、優先順位を上げてUI改善してもらうことになりました。結果的にMAUは7%アップし、開発検討会にも参加させてもらうようになりました。今後も、ユーザー視点を持つためにヒアリングを続け、事業に貢献できるプランナーとして成長したいと考えております。

ポイント

自身の強みについて、エピソードや実績を具体的な数値を交えてアピールしています。このケースのように、これまでの経験を活かして同じ職種に転職する場合は「UI(User Interface)」「MAU(Monthly Active Users)」などといった専門用語をそのまま使っても伝わりますが、異業種や異職種に転職する場合は、誰にでも分かる表現に言い換えると良いでしょう。

キャリアチェンジの自己PR例文(営業→営業事務)

私の強みは「先回りするサポート力」だと考えています。現職では営業職を務め、既存顧客約○○社を担当していますが、先輩に比べると業界経験が少ないため、その分スピード感を意識していました。普段の会話から顧客の課題や悩みを推測し、先輩にも相談して素早く提案・サポートしています。

こうした行動により、入社1年目で目標に対して105%の達成をすることができました。また、顧客から「資料や提案が的確で助かる」というお言葉を頂くこともできました。この経験を活かして、貴社の営業事務職においても「先回りするサポート力」で貢献したいと考えております。

ポイント

自身の工夫によって、経験の短さをカバーしようとする姿勢が伝わる自己PRです。営業から営業事務へのキャリアチェンジであるため、これまでの経験が応募する職種でも活かせることを、最後にしっかりとアピールしています。

学生時代の経験と、応募企業との接点を強調した自己PR例文(販売)

私の強みは「自ら行動する力」です。学生時代のアルバイト先は10名ほどの小規模企業で忙しく、問題が起こった場合は自分から動いて解決を図る必要がありました。半面、人数が少ないため主体的に動けば評価してもらえる環境でもありました。

そこで、サービスに対して積極的にアイデアを出し、自分なりに売り上げアップを図りました。新たなターゲット層向けに○○プランや△△プランを提案し、月におよそ○○万円の売り上げも実現できました。貴社は積極的に店舗を増やしており、自ら行動できる店長候補を募集されています。これまでの経験や強みである行動力を活かして、貴社の事業発展に貢献したいと考えております。

ポイント

応募企業が求めている人物像と、自身の強みに共通点があることを強調しています。学生時代のアルバイト経験でも、具体的なエピソードを交えて経験や実績、前向きに取り組む姿勢を伝えることで、応募企業との接点につながり、意欲や伸びしろを評価してもらえる可能性があるでしょう。

第二新卒が自己PRを書くときに注意するポイント

第二新卒が自己PRを書くときに、注意したいポイントについてご紹介しましょう。

「企業にどのように貢献できるか」をアピールする

第二新卒が自己PRを作成するときに注意したいのは、「成長につながる業務を任されたい」「やりがいを感じられる仕事を期待している」など、企業に対する理想や要求が強くなりすぎてしまうことです。

自分本位な自己PRは、企業にマイナスな印象を抱かれかねないため、将来に対する理想や希望を伝えたい場合は、同時に企業側に自分を採用するメリットを提示することが重要です。「貴社に入社して自身のスキルを高めながら、貴社の事業展開・プロジェクトの成功に貢献します」などのように、応募企業の利益になることを提案すると良いでしょう。

自己PRと志望動機の一貫性を意識する

自己PRを書くときは、志望動機との一貫性や整合性を意識することも大切です。例えば、自己PRで「コツコツと積み上げる継続力」をアピールしているのに、志望動機では「貴社が環境変化に合わせて事業を柔軟に方針転換していることに惹かれた」などと伝えると、採用担当者が違和感を覚えかねません。自己PRと志望動機は一貫性を持たせて、採用担当者が納得できる内容を伝えると良いでしょう。

学生時代のエピソードは伝え方を工夫する

「入社して間もないため、社会人として語れる経験が少ない」といった場合は、自己PRに学生時代のエピソードを使用しても問題はありません。ただ、アルバイトやサークルでの経験を詳細に語るだけでは、企業が知りたい「わが社にどう貢献できるのか」という内容とはミスマッチとなり、評価につながりにくい可能性があります。

従って、自己PRで学生時代のエピソードを伝える場合は、本題への導入や、強みを示す具体例として補足的に使うことを意識しましょう。例えば、「学生時代は○○サークルの部長を務め、広くリーダーシップを強みととらえておりました。その中で、新卒同期◯名で全社員□名が参加する社内イベントの企画を行った経験から、特に周囲を巻き込む力が自分の強みと感じるようになりました」など、学生時代のエピソードに紐付けた「社会人になって気付いたこと・学び」を伝える方法もあります。そのうえで、自分なりに取り組みたいことや、応募企業で活かせることを盛り込み、貢献への意欲を見せると良いでしょう。

第二新卒が自己PRできる「強み」を見つける方法

第二新卒が自己PRに活かせる強みを見つけるには具体的にどうすれば良いか、4つのステップで解説しましょう。

1. 過去の経験を書き出してみる

自己PRでは、過去のエピソードを通じて成果を出した経験を伝えることが大切です。自己PRに何を書けば良いのか分からない場合は、まず過去に経験した業務を全て書き出してみましょう。社会人経験が短い場合は、研修で学んだことや学生時代のアルバイト経験でも良いでしょう。

「先輩のアシスタントとして、資料作成を手伝った」「会議の議事録作成を任された」など、過去の経験を通じて学んだことや気付いたこと、自分なりに工夫したことなどを書き出しましょう。

2. 評価されたことや過去の取り組みを探して言語化する

書き出した過去の経験をもとに、目的意識を持って取り組んだことや頑張ったこと、周囲に感謝されたり褒められたりしたことを探します。その際は、当時の状況や背景、自分の役割や感情などを掘り下げることがポイントです。

それらを俯瞰して、共通するキーワードがないか探しましょう。例えば、周囲からコツコツと続けることを褒められたり、自分でも続けることが重要だと考えていたりする場合は「継続力」というキーワードが浮かびます。チームで仕事をするのが好きで、周囲とのコミュニケーションに気を配った経験があれば「協調性」というキーワードが該当します。自分なりのこだわりや頑張ったことなどに共通点を探し、強みとして言語化してみましょう。

3. 応募先企業が求めている人物像とマッチする強みをピックアップ

自己PRは、自分の強みと応募企業が求めている人物像の接点を探すことが重要です。せっかく見つけた強みも、応募企業で発揮できないのでは、なかなか成果につながらないかもしれません。

応募先企業が求める人物像や社風、働き方などを分析し、自分の強みとマッチする内容をピックアップします。もし強みと応募企業との接点が見つからない場合は、もう一度ステップ2をやり直して、他にも強みがないか探ってみましょう。

4.エピソードを交えて4つの構成で自己PR文を作成する

ステップ1で書き出したエピソードと、ステップ2で見つかった強み、ステップ3で探した応募企業との接点を交えて、自己PR文を作成します。企業研究をしっかり行ってから自己PRを考えれば、志望度の高さをアピールでき、分析力や意欲の高さなども評価につながるかもしれません。文章にまとめる際は、以下のように構成すると伝わりやすくなるでしょう。

(1)自身の強みや仕事におけるこだわり…「私の強みは〇〇〇です」
(2)強みやこだわりを裏付ける具体的なエピソード…「○○と考え□□を実行しました」
(3)結果として得られた成果や実績…「その結果、○○を達成することができました」
(4)応募先企業でどう活かせるか…「この強みを活かし、貴社では△△で貢献していきたいと考えています」

自己PRに明記できる実績や成果がない場合の考え方

企業が第二新卒を採用対象とする場合は、在籍期間の短さを前提として書類選考や面接を行います。そのため、自己PRで「とにかく実績をアピールしなくては」などと構えすぎる必要はないでしょう。逆に、わずかな在籍期間にもかかわらず、自分を大きく見せるために話を盛ってしまえば、「そんなに活躍しているのなら、なぜ転職するのだろう?」などと、採用担当者に違和感を抱かれるかもしれません。

「在籍期間が短すぎて実績がない」と思っていても、ごく日常的な業務の中で「大事にしてきたこと」「注意を払って対応したこと」「少し褒められたこと」「他の同期・同年代と違いを感じること」などの些細な事柄と見落としがちなことを、一つずつ見つけていくと良いでしょう。

例えば「資料作成を指示されたときに、いきなり自己流で取り組むのではなく、自社サイト内の過去資料をしっかりチェックし、参考にして作成した」という経験は、上司や会社が求めるゴールを意識し、目的から逆算して仕事に取り組む姿勢のアピールにつなげられるでしょう。

また「リサーチを頼まれたとき、最終納期や報連相のタイミングを確認し、時間の概算も行って全体像をプランニングしてから取りかかった。納期より早く完了して上司から評価された」といった経験からは、業務の全体設計を行う計画力を強みとして伝えられるでしょう。

自己PRが思いつかない場合は転職エージェントに相談を

第二新卒で経験が少なく、過去の経験を洗い出しても自己PRに活かせるものが見つからない、どのようにアピールすれば良いのか分からないという場合は、転職エージェントに相談するという方法もあります。転職エージェントは多くの転職支援実績があるため、経験の短さをカバーできる効果的な自己PRの考え方について、アドバイスを受けられるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2021年02月04日
記事更新日:2023年06月28日
記事更新日:2024年10月09日
記事更新日:2025年07月14日  リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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