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プロセスエンジニアの仕事内容・やりがい・必要スキル・将来性とは?

プロセスエンジニア

「プロセスエンジニア」の仕事に「興味がある」「転職を考えている」皆さんに、仕事内容、働き方、仕事の魅力、適性、キャリアパス、転職市場でのニーズなどについて、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがお伝えします。プロセスエンジニアの仕事をやってみたい、転職したいという方はぜひご一読ください。

プロセスエンジニアとはどんな仕事?

プロセスエンジニアは、「製品の製造や量産化するための工程を担う技術者」です。開発担当者が試作した半導体製品を、いかにして量産化するかをミッションとし、主に半導体・太陽光・液晶・化学プラントなどの製造業で活躍しています。

「生産技術」との違いについては、わかりやすく料理に例えてみましょう。プロセスエンジニアは、「レシピ」を作ります。どんな材料を使い、どんなサイズにカットして、どれくらいの温度で加熱し、どんな調味料で味付けするか、作り方を考えます。

一方、生産技術は、レシピ通りに作るために、必要な道具を考えて揃えます。「自動野菜カット機が必要」「鍋のサイズはこれ」「オーブンは*℃まで熱を加えられる機能のもの」といったようにです。

つまり、製品を量産化するための原材料の選定から製造方法の選定まで、生産プロセス全般を担うため、化学・物理・電気・機械など様々なバックグラウンドを持つ人が活躍しています。

プロセスエンジニアの具体的な仕事内容

プロセスエンジニアは、1人が全工程を一気通貫で手がけることはまずありません。分業制で、細かく担当が分かれています。

例えば、半導体を製造するプロセスの前工程では、シリコンウエハーの表面に集積回路(LSIチップ)を載せていきます。後工程では、ウエハー上で作られた集積回路を細かく切り出し、パッケージングを行います。近年の技術競争は前工程に集約されており、工程数も多いため、多くのエンジニアが前工程に携わっています。

プロセスエンジニアの主な活躍の場は半導体や液晶、プラントエンジニアリングなどのメーカーですが、半導体製造装置メーカー、「ファウンドリ」と呼ばれる半導体製造の請負専門企業などにも所属しています。

プロセスエンジニアの仕事のやりがいは?どんな人が向いている?

ものづくりの品質は、製造工程によって品質が決まります。設計段階でハイスペックな部品ができたとしても、製造工程で品質を落としてしまうことは少なくありません。設計段階の品質を守りながら量産化を実現するところが、プロセスエンジニアにとっての難しさであり、面白さであるといえるでしょう。

「加熱温度を1℃変えてみる」「加熱時間を30秒長くしてみる」といった細かな検証を何度も繰り返し、わずかな変化を察知して改善していく仕事ですから、緻密な作業が得意な方が向いています。

エンジニアの志向としては、「特定の技術を深掘りしたい、極めたい」「最先端の技術に触れていたい、新しい技術を追い続けていたい」というタイプの方にマッチする仕事です。

プロセスエンジニアに必要なスキル・資格は?

プロセスエンジニアは細分化された工程の一部を担当しますが、製造工程全般についての知識が必要です。そして、自身が担当するプロセスで扱う装置の知識、操作スキルが欠かせません。

また、海外企業との連携も多いため、ポジションによっては英語力が必要とされます。実務経験が重視されるため、資格を求められることはありません。

技術面以外では、先ほども触れたとおり、細部にこだわり、緻密な作業を繰り返し行える力が必要です。担当する工程の前工程・後工程担当者や、装置メーカーの担当者とのやりとりも発生するため、必要に応じて適切に連携するコミュニケーション力やマネジメント力も大切です。

プロセスエンジニアには、どんなキャリアパス、キャリアチェンジがある?

これまでお話ししたとおり、プロセスエンジニアの仕事は分業制で行われます。ポジションが上がるにつれて、マネジメントする工程の範囲が広がります。専門性が高くニッチな領域ですので、転職を図る場合の選択肢は限られています。

プロセスエンジニアの中で、最も募集が多い半導体プロセスエンジニアを例に説明をすると、半導体メーカーから半導体装置メーカーやファウンドリへ、あるいはその逆へ転職するケースが中心となります。

半導体は技術革新のスピードが非常に速い業界であり、投資戦略を誤るとシェアトップから一気に転落することも起こり得ます。これまでも業界地図がめまぐるしく変化してきましたし、今後もそんな状況が続くでしょう。

そうした点では、半導体業界で働くエンジニアは、安定しているとはいえないと思います。しかしながら、半導体の需要は伸び続けていますので、人材の需要も続くでしょう。技術力を高めれば、転職はしやすいといえます。

ただし、転職先の勤務地は選びにくい場合もあります。実際、中国・韓国の企業に転職するエンジニアも少なくありません。この先、プロセスエンジニアのキャリアを活かし続けるとすれば、外資系企業への転職も視野に入ってくるでしょう。その可能性も想定し、グローバル思考を身に付けておくことも大切だと思います。

そして、環境の変化に対応するためにも、転職チャンスのタイミングを逃さないためにも、定期的に自身の市場価値を確認しておくといいでしょう。

プロセスエンジニアの採用市場について

現在、需要が伸びている製品分野に強いメーカー、および半導体製造装置メーカーがプロセスエンジニアの積極採用を行っています。経験者であれば、転職によって年収アップも可能な環境です。海外志向がある方であれば、グローバルなステージへ移るチャンスもあります。

プロセスエンジニアは育成に時間がかかり、人材不足の状態が続いています。そのため、物理・化学・電気などの学部を卒業した第二新卒層を対象に、未経験者を受け入れている企業もあります。学生時代に取り組んだ研究テーマや、細部にこだわって研究を行ったエピソードなどをアピールすることで、採用される可能性も出てくるでしょう。

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※本記事の内容は、2020年12月取材時点の情報です。

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