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転職エージェントを使うデメリットは?自分に合った転職方法の選び方

転職エージェント_デメリット

転職活動を始める際「転職エージェントを使ったほうがいいのか、使わないほうがいいのか」と迷う人もいるのではないでしょうか。メリットが多い転職エージェントですが、うまく活用するためにはデメリットを理解しておくことも大切です。

転職エージェントを使うデメリットやメリット、転職エージェント以外の転職活動方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

転職エージェントを利用するデメリット

転職エージェントを利用した場合、デメリットだと感じる可能性があるポイントをお伝えします。

希望する求人を取り扱っていない場合がある

利用したいと考えている転職エージェントが、自身の希望条件にマッチする求人を取り扱っていないこともあります。自由に応募できる転職サイトや企業の採用サイトと異なり、エージェントによって扱っている求人に特徴がある場合もあるため、保有していない求人は紹介を受けることができません。

【解消法】

希望条件の一部を緩和したり、変更したりすることで、求人紹介を受けられる可能性があります。それでも「マッチする求人がない」と言われた場合は、他の転職エージェントを利用してみましょう。専門性が高い職種などであれば、その領域に専門特化したエージェントがあるかもしれません。

キャリアアドバイザーとの相性が合わないことがある

転職エージェントを利用する際、担当のキャリアアドバイザー(コンサルタント)との相性は非常に重要です。

「担当者が丁寧に相談に乗ってくれるか」「紹介される求人が希望に沿っているか」「サポートやアドバイスに納得感があるか」などの観点で、相性の見極めが必要になる場合もあります。相性が合わないと「思うように転職活動できない」「希望にマッチする求人を紹介されない」といった不満が生じるかもしれません。

【解消法】

合わないと感じる原因は「相性」ではなく「相談者が求めているサービス」と「キャリアアドバイザーが提供しようとしているサービス」のギャップであることもあります。「自分はキャリアアドバイザーに何を求めているのか」を事前に伝えることで、ギャップが生じるのを防げる可能性があります。

例えば「キャリアプランを一緒に考えてほしい」「この条件に合致する求人だけ紹介してほしい」など自身が求めるサポートスタイルを伝えておくとよいでしょう。

サポート期間が決まっている転職エージェントもある

転職エージェントによっては、サービスの提供期間を設定しているケースもあります。そのため、半年や1年など長期でじっくりと転職活動を行いたい場合は、サービス提供期間を超えてしまうと積極的なサポートを受けられない可能性があります。ただし、希望によってはサービス提供期間を延長してもらえるケースもあるので、不安な場合は転職エージェントに確認することをおすすめします。

【解消法】

転職エージェントによっては、定められた期間を過ぎても相談に応じたり、マッチする求人が出てくれば紹介してくれたりすることもあります。サービス提供期間はエージェントによって異なるため、長期での転職活動を希望している場合は事前に相談しておきましょう。

転職エージェントを増やしすぎると手間も増える

複数の転職エージェントを同時に利用することは、多様なアドバイスを受けられるというメリットがあります。ただし、転職エージェントごとにやりとりが発生し、応募先企業や選考の進捗状況などの管理が煩雑になります。面接日程もエージェントごとに調整しなければならないなど、利用する転職エージェントが多すぎると手間が増え、負担を感じることがあるでしょう。

【解消法】

さまざまな転職エージェントに登録して求人紹介やサービスを受けるうちに、自分に合うか合わないかが掴めてくると思います。自身の希望や相性などを踏まえ、利用する転職エージェントを絞って利用することをおすすめします。

転職エージェントを利用するメリット

転職エージェントの機能やサービスをうまく活用するために、転職エージェントのメリットを確認しましょう。

キャリアアドバイザーからアドバイスがもらえる

転職が実現できるかは、自身の経験・スキルに大きく左右されます。転職市場の動きをリアルタイムで掴んでいるキャリアアドバイザーからは、現在の経験・スキルをどのように活かせばよいかのアドバイスを受けられます。

キャリアアドバイザーとの対話によって、自分では認識していなかった「強み」に気付けることもあるでしょう。

非公開求人を紹介してもらえる

転職エージェントは、転職サイトや企業サイトの採用情報ページなどで公募されていない「非公開求人」を多数保有しています。

具体的には、専門性の高い人材を求めるピンポイント採用、競合他社に戦略を知られたくない採用(新規事業メンバーなど)、応募が殺到してしまう可能性がある人気職種の採用などです。

「いい人がいれば採用を考えたい」といった長期視点の採用などは、求人を公開せず、転職エージェントのみに依頼するケースも多々あります。

自分の経験・スキルに合った求人を紹介される

キャリアアドバイザーは求職者の経験やスキル、今後目指すキャリア、年収、社風などの希望にマッチする求人を探して紹介します。そのため、独自で自分に合う求人を探すよりも、効率的に転職活動を進められます。

ときには「自分の経験・スキルがこんな業界でも活かせるのか」と、思いがけない選択肢を発見できることもあるでしょう。

履歴書・職務経歴書作成のアドバイスがもらえる

履歴書・職務経歴書作成のサポートが受けられます。「この経験は高く評価されるのでより具体的に記載してアピールしたほうがいい」「このポジションを希望するなら、この経験を厚めに記載し、この経験は最小限の記載でいい」などのアドバイスによって、選考通過につながる可能性があるでしょう。

面接対策のサポートが受けられる

企業によって面接で重視するポイントは異なるものです。面接対策にあたり、キャリアアドバイザーから、その企業が面接で必ずする質問や注目しているポイント、面接担当者の人物タイプなどの情報が得られることもあります。「模擬面接」を行い、面接の練習相手になってくれるサービスもあります。

応募や面接の日程調整などを行ってくれる

転職エージェントは、応募先企業との面接日程調整のサポートが可能です。企業が指定する期間・時間内に面接を受けられない場合、別日で実施できないかと交渉してくれることもあります。

複数企業に応募する場合、各社の選考スケジュールを踏まえて「第1志望の結論より先に第2志望以下の結論が出ないようにする」といった調整を図ってもらうことも可能です。

転職エージェントを利用しない転職活動方法

転職エージェントを利用する以外の転職活動の手段としては、次のようなものがあります。

転職サイト

総合型の転職サイトには、業界・職種問わず多様な求人が掲載されているため、幅広い選択肢から候補企業を選びたい人に向いています。自身がサイトに登録した希望条件や経験・スキルなどの情報から、マッチする可能性の高い求人を案内するレコメンド機能を持つサイトもあります。

「ITエンジニア」「メディカル」など専門特化した転職サイト、地域限定の転職サイトなどもあるため、目的に応じて使い分けましょう。

直接応募(企業の公式サイト・オウンドメディアなど)

企業の公式サイトの採用情報ページ、採用専用のオウンドメディアなどから直接企業に応募する方法です。企業のSNSでエントリーを受け付けている場合もあるので、興味がある企業のアカウントも確認するとよいでしょう。

スカウトサービス

スカウトサービスとは、企業が人材データベースで求める人材を探し、直接アプローチする採用活動です。自身の職務経歴・転職先の希望条件を登録できる転職支援サービスを活用することで、企業から直接オファーを受けられる可能性があります。

ヘッドハンティング

ヘッドハンティングとは、他社に勤めている魅力的な人材にアプローチする採用手法です。ビジネスSNSや転職支援サービスに職務経歴・希望条件を登録しておくと、ハイクラス専門の転職エージェントやヘッドハンターなどからスカウトが来ることがあります。

SNSや転職サービスに登録していなくても、メディアなどに露出することで声がかかるケースもあります。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の従業員から、自社に興味がある友人・知人を紹介してもらい、採用へつなげる手法です。近年、制度として設ける企業が増えています。転職を考えている企業があれば、その企業に勤務する友人・知人に相談してみると、リファラル採用につながる可能性があるでしょう。

在籍者のSNS

興味がある企業に在籍している人のSNSをフォローしてダイレクトメッセージを送ってアプローチする方法もあります。人材ニーズについての情報を得られ、リファラル採用につながるかもしれません。

ハローワーク(公共職業安定所)

ハローワークは国が主体となって運営する公的な職業紹介事業で、就職相談や応募書類の作成、面接対策などのサポートを受けられます。中小企業が登録しているケースが多いのが特徴です。

全国に拠点が置かれているため、居住地を問わず利用しやすい傾向にあります。特定の地域で就職したい人は利用を検討してみましょう。

転職エージェントを利用しない場合に困るポイント

転職エージェントを利用しない場合、転職活動のプロセスでどのようなときにつまずく可能性があるのでしょうか。困ることが多いポイントをお伝えします。

履歴書や職務経歴書を自力で作成する

一から職務経歴書を作成するには労力がかかります。「この経験・スキルは、どのような言葉で表現すればいいのか」と悩むこともあるでしょう。また、独自で作成すると「書くべきこと」「書けばプラス評価につながる経験」を書き漏らすケースも多いものです。

転職エージェントでは、職種ごとの職務経歴書見本フォーマットの提供を受けられることもあります。キャリアアドバイザーから、採用ポジションに合わせた効果的な書き方のポイントについてアドバイスも受けられます。

非公開情報を得たり非公開求人に応募したりできない

転職エージェントだけが保有する「非公開求人」の存在を知らないまま、公募求人の中から応募先を選ぶことになるため、選択肢が狭まるかもしれません。

自己分析や企業研究を自分で行う

自己分析を自分一人で行うと客観的視点を持てず、「転職市場で評価される強み」に気付けないこともあるでしょう。「今すぐ転職すべきか、しばらく現職にとどまって経験を積むべきか」の判断に迷う人も多いようです。

また、企業研究をする際、公式サイト・SNS・メディアの記事などが情報源となりますが、独自で「公開されていない情報」を入手するのは困難です。転職エージェントでは、表に出ていない企業の情報を得られることもあります。

面接対策や面接後のフォローがない

面接対策を、独自で得られる範囲内の情報で行わなくてはいけません。また、面接後に「あの受け答えでよかったのか」「評価されたのか、されていないのか」と悩むこともあるでしょう。次の面接に進めるにしても、前の面接の反省を活かしきれないことがあります。

転職エージェントでは、その企業の面接で聞かれる質問や選考で重視されるポイントなどの情報を得られることもあります。また、面接後に転職エージェントを通じて企業側の評価のフィードバックを受けられることもあるため、次の面接に向けて適切な準備をすることが可能です。

転職エージェントの利用をおすすめする人

納得できる転職を実現するために、転職エージェントの利用がおすすめの人をお伝えします。

転職活動が初めての人

転職活動が初めての方にとって、キャリアアドバイザーは頼りになる存在です。何から手をつけてよいか分からないという場合も、的確なアドバイスで手順を示してくれます。

また、履歴書や職務経歴書の書き方から面接対策なども、豊富なノウハウをもとにアドバイスしてくれます。初めて転職活動を行う場合は分からないことも多いため、親身になってサポートしてくれるキャリアアドバイザーと一緒に進めることがおすすめです。

キャリアの相談をしながら進めたい人

転職エージェントはキャリアの棚卸しや希望条件の洗い出しにおいて、客観的な意見を伝えてくれます。自己分析が難しいと感じる方や、新しい業界に挑戦したいが転職先があるのか不安だという方などにおすすめです。

キャリアアドバイザーからの提案が自分に適した転職先の発見につながり、納得のいく転職活動を実現できるかもしれません。

効率的に転職活動を進めたい人

在職中の転職活動など時間が限られているなかで転職活動を行う場合、転職エージェントは大きな助けとなります。条件に合致した求人を選定し、応募手続きをサポートしてくれるため、転職活動を迅速かつ効率的に進めることができます。

事前に転職希望時期を伝えておくことで、その時期に合わせた日程調整もしてくれるため、時間が取りにくい方におすすめです。

転職エージェントの利用をおすすめできない人

「特定の企業で働きたい」という明確な目標を持つ場合は、自分自身で応募を進めたほうがよい可能性があります。転職エージェントは候補者の経歴やスキルに基づいて多様な企業を提案しますが、希望する特定企業の求人を保有していないこともあるためです。ただし、保有している場合は提案を受けることが可能なため、保有しているか気になる場合は転職エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。

転職エージェントをうまく活用するためのポイントは?

転職エージェントに登録する時点で、 キャリアアドバイザーにサービスに対する希望を伝えておくと、満足度の高いサービスを受けられる可能性が高まります。紹介してほしい求人の条件についても「必須」「妥協できる」などの優先順位をつけて伝えておくと、よりマッチした求人の紹介につながりやすくなるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2022年10月31日
記事更新日:2023年04月28日
記事更新日:2024年04月18日 リクルートエージェント編集部

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