転職エージェントは使わない方がいい？使わない方がいい人とデメリットを解説！

転職エージェントを使わずに転職を成功させることは可能なのでしょうか。転職エージェントには、メリットとデメリットがあるため、使わずに転職成功する方もいます。そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、転職エージェントを使わない場合の転職活動のポイントやメリット・デメリットなどを伺いました。

転職エージェントを使わない方がいい人の特徴は？

転職エージェントのサービスは基本的に無料で、一般に公開していない求人に応募することができます。そのため、転職エージェントを活用した方が、選択肢が広がる可能性が高いでしょう。ただし、転職エージェントを使わなくても問題のないケースもあります。

自分のペースで転職活動したい人

転職エージェントの中には、サービス提供期間を定められているケースがあります。そのため、半年や1年といった長期間で転職を進めたい方は注意が必要です。サポート期間が終わってしまうと、十分な支援を受けられないこともあります。ただし、長期間にわたって対応してくれる転職エージェントもあるので、面談の際に相談しておくと良いでしょう。

また、複数の企業を検討できるように、キャリアアドバイザーが内定のタイミングを合わせるケースが一般的です。その結果、想定よりも時間がかかってしまうこともあります。もし、転職を急ぎたい場合は、その意向を伝えておきましょう。

志望先の企業を絞り込んでいる人

業界や職種の希望があり、「この求人に応募する」と決めているケースもあります。特に、同業界同職種を志望していて、業界事情や給与の相場観を理解している方は、転職エージェントに頼らなくても問題ないでしょう。

ただし、応募書類の品質を向上させたい、選考過程でフォローしてもらいたいと考えている場合は、転職エージェントの利用も検討しても良いかもしれません。万が一、思い通りの結果にならなくても、条件に近い求人を紹介してもらえる可能性があります。

担当者とのやりとりが面倒な人

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、求職者とコミュニケーションを図りながら転職支援を行います。転職活動をしているうちに、希望条件が変わることはよくありますが、条件が変わった場合は都度キャリアアドバイザーに報告しなければなりません。やり取りする手間や時間を取れない場合は、自分で転職活動を進める方がスムーズなケースもあります。

転職エージェントを使わない場合のデメリット

転職エージェントを使わなくても転職成功は実現できますが、使わない場合のデメリットも考えられます。3つのデメリットを解説します。

転職のプロからアドバイスをもらえない

転職エージェントのキャリアドバイザーは、豊富な転職支援実績や転職活動のノウハウを持っています。転職することに迷っている求職者に対しては、転職を勧めずに今後のキャリアプランを一緒に考えることもあります。また、転職する意思が固まっている求職者に対しては、応募書類の書き方や面接の受け答えなどのアドバイスを行い、転職成功まであらゆる方面からサポートします。一人で転職活動を進めると、こうした客観的なアドバイスやサポートを受けることができなくなります。

非公開求人の紹介を受けられない

転職エージェントは、一般に公開されていない非公開求人を数多く保有しています。非公開求人は、競合他社などに経営戦略を知られたくない新規事業などのポジションや、人気が高く応募が集中してしまうためあえて一般に公開しない企業など、魅力的な求人が含まれています。転職エージェントを利用しない場合、非公開求人に応募できないため、機会損失になる可能性があるでしょう。

企業研究や日程調整を自分で行わなければならない

転職活動は、求人の検索、企業研究、応募、面接日程の調整、勤務条件の確認、入社日の交渉に至るまで、応募企業と確認や交渉をしなければなりません。仕事と並行して転職活動をしていたり、数多くの企業に応募していたりする場合、一人ですべてを行うのは難しいものです。転職エージェントを利用すると、キャリアの棚卸しから面接の日程調整の代行、転職活動に関する様々なアドバイスなど、転職活動を成功に導くサポートを受けることができます。

転職エージェントを使わない場合の転職方法

転職エージェントを使わない場合の転職方法を解説します。

自己分析

自分の経験・スキルを洗い出し、強みを明らかにします。強みを発揮できそうな業界や職種を見つけて、転職理由を整理しておきましょう。キャリアチェンジに挑戦する場合は、業界や職種を超えて持ち運べる「ポータブルスキル」を明らかにしておくことが大切です。

履歴書・職務経歴書の作成

応募書類を作成します。過去の実績やスキルを具体的に記載することで、応募先企業にアピールすることができるでしょう。

求人検索

企業の採用ページや転職サイト、検索型求人サイトやビジネスSNS、人脈などを活用して、自分に合った求人を探します。

応募

興味を持った企業が見つかったら、応募書類を送付し、選考プロセスに進みます。求人は厳選せず、気になった企業には応募して直接話を聞いた方が選択肢は広がります。

面接対策

転職の面接で必ず聞かれるのは「自己PR」「志望動機」「転職理由」です。事前に面接の練習をしておきましょう。鏡の前で練習をすると、自分の話し方のクセが分かるので面接対策になります。

内定

内定が出たら、労働条件通知書を確認して、内容に問題がないか確認しましょう。志望度の高い企業の選考が残っている場合は、回答期限を確認し、間に合わないようであれば企業に期限を延ばしてもらえないか相談してみましょう。

退職手続き

退職する際は、事前に上司に退職の意志を伝え、指定された様式で退職届けを提出しましょう。退職後も円満な関係を維持するため、感謝の言葉を述べることも重要です。

転職エージェントを使わずに転職活動を行う場合のポイント

転職エージェントを利用しない場合は、以下のポイントに従って転職活動を行うと良いでしょう。

応募数を増やす

転職エージェントを利用しない場合は、転職エージェントが保有している非公開求人に応募できないため、応募する手段や企業数を増やした方が良いでしょう。公開されている求人は、ライバルとなる他の応募者が多くなる可能性があるからです。様々な転職サービスを活用するほか、人脈を活かして人材募集をしているか確認してみるなどして、自分の希望と経験・スキルに合った企業に巡り合える機会を作っていくと良いでしょう。

スケジュール調整をしっかり行う

選考が進むと面接の日程調整の機会が増えるため、面接をダブルブッキングしてしまったり、提示された日程で調整がつかず再調整になったりと、スケジューリングに難航する可能性が考えられます。こうした事態を防ぐため、手帳やスケジュール管理ツールなどを活用し、日程調整を効率的に行いましょう。

第三者からのアドバイスを参考にする

転職活動では、第三者からの意見をきっかけに、自分では気づかない強みや適性が明らかになる可能性があります。転職活動のヒントをもらえる可能性もあるので、転職エージェントを利用しない場合は、家族や友人、信頼できる知人などのアドバイスも参考にすると良いでしょう。ただし、最終的な決断は必ず自分の意志で決めるようにしましょう。

転職エージェントを使うメリット

転職エージェントを使うメリットはどのようなことが挙げられるでしょうか。3つ解説します。

無料でサービスを受けることができる

転職エージェントを使うメリットで一番大きいのは、やはり無料でサービスを利用できることです。転職エージェントは、紹介した求職者が企業と雇用契約を結んだら、企業から報酬を受け取るサービスです。そのため、求職者側はサービスを無料で利用することができるのです。

未経験職種や業界にも詳しい

キャリアチェンジを検討している場合は、知らない業界や職種にチャレンジすることになるので、様々な業界・職種の採用動向を知っている転職エージェントを利用した方が転職成功の確率が高まります。これまでの経験・スキルを活かせる業界・職種のアドバイスを受けることができるでしょう。また、応募書類や面接でのアピール方法も相談することができます。

転職市場の相場観を知っている

業界や職種によって採用動向は異なります。求人よりも求職者が少ない売り手市場は、選考通過の難易度が下がりますが、求人よりも求職者が多い買い手市場では、選考通過が難しくなります。また、業界や職種、企業によって給与の相場も変わります。そのため、転職市場の相場観を知っている転職エージェントを利用すると、転職の難易度や期待できる年収などの見通しがつけやすくなるでしょう。

転職エージェントに相談してから使うかどうかを決めよう

転職エージェントを利用するか迷っている場合は、まず転職エージェントに相談して話を聞いてみることで、判断しやすくなります。転職エージェントの多くは、初回の面談をオンラインで実施しているため、足を運ぶことなく気軽に相談することができるでしょう。