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転職活動で「地元で働きたいから」を「志望動機」としてもOK?

「地元で働きたい!」と、地元で勤務できる企業に応募したいと考えている方。その場合、「志望動機」を応募書類に書くとき、あるいは面接で聞かれたとき、ストレートに「地元で働きたいから」と伝えてもいいのか悩む方もいるのでは?――そんな疑問に組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏がアドバイスします。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

「地元で働きたい」を、志望動機としてOK?

転職の理由、あるいは応募先企業を志望した理由をたずねられた際、正直に「地元で働きたいから」と伝えて通用するものなのでしょうか?

結論から言えば、それだけでは相手企業は納得しないと可能性が高いといえます。

もちろん、相手企業も応募者にとって「働く地域」が重要であることは理解しています。しかし、相手企業としては「働く意欲を持って入社してほしい」と考えています。「地元で働けるなら、うちの会社でなくてもいいのか」という印象を抱くと、「この人を迎えて、一緒に働きたい」という気持ちにはならないでしょう。

「地元で働きたい」だけではなく、「その会社で働きたい理由」を伝えよう

「地元で働きたい」と伝えるのは構いませんが、プラスアルファの志望動機を語れるようにしておきたいものです。そこで、次のステップを踏んで、「仕事」にフォーカスした「志望動機」を整理してみましょう。

【STEP-1】仕事で大切にしたいこと、こだわりたいことを見つめ直す

これまで仕事をしてきた中で、「やりがい・喜びを感じた場面」「自然と夢中になった場面」などを思い出してみてください。就職してまだ間もない人であれば、学生時代のサークル経験、アルバイト経験などでも構いません。

また、仕事についての将来の目標が特にない人は、これまで出会った「魅力的な人」を思い浮かべ、「こんな人になりたい」というイメージを描いてみましょう。漠然とでも思い描いてみることで、自分が仕事で大切にしたいこと、目指したい将来像が見えてくるはずです。

【STEP-2】候補企業を研究し、STEP-1で見つけたキーワードを探す

応募しようと考えている企業の研究をしましょう。企業サイトのほか、ニュースリリースやインタビュー記事など、幅広く情報収集してください。

中途採用でも、「新卒採用」サイトにも目を通すのもおすすめ。学生向けの採用サイトでは、事業内容や仕事の進め方などがわかりやすく解説されているケースがあります。社員インタビューを読めば、社員がどんなやりがいや成長を感じながら働いているかがわかります。

上場企業の場合、「IR」のページなどで決算資料を確認するのもいいでしょう。事業内容や今後の方針について説明されています。中長期ビジョンもつかんでおけば、役員面接で話題にすることができ、評価アップにつなげられるかもしれません。

このように、候補企業を研究する際、STEP-1で挙げた「自分が大切にしたいこと」「こだわり」のキーワードを意識して見てみましょう。相手企業と自分の「大切にしたいこと」「こだわり」の共通点を探るのです。

【STEP-3】企業と自分の共通性を伝える準備をする

企業研究で、相手企業が「大切にしていること」をつかんだら、それが自分と共通していることを伝えられるように準備します。

面接の場で、「御社が**を大切にしているところに強く共感している」と伝えますが、それだけで終わらず、それが大切だと思うようになったきっかけ、体験のエピソードを具体的に語れるようにしておいてください。

【STEP-4】入社後、自分がどのように活躍できるかを伝える準備をする

相手企業としては「会社の理念に共感してくれている」ことも大事ですが、それだけでは不足。「私を採用するメリット」も伝えることが大切です。

自分の経験・スキルを活かして、相手企業にどう貢献できるかを伝えましょう。入社後に取り組みたいことを具体的に伝えることで、「活躍してくれそうだ」という期待を得ることができます。

地元で働きたい人の志望動機の伝え方【例文紹介】

「地元で働きたい」「その会社で働きたい」を組み合わせた志望理由の伝え方をご紹介します。

これまで東京で働いてきましたが、私は長男ですので、将来的には自分が親の面倒をみたいと考え、地元である○○市へのUターン転職を決意しました。前職では△△の営業を務めていましたので、その経験が活かせると考え、御社を志望しました。
私は営業活動において、一方的に自社商品の説明をするだけでなく、お客様の話をじっくり聴き、相手のニーズに沿った提案をすることにこだわってきました。それによって強い信頼関係を築くことにやりがいを感じています。
御社の、「お客様のパートナーとして寄り添う」という理念に共感し、御社であれば私が希望する働き方ができるのではないかと思い、志望致しました。

なお、志望企業が地元を代表する企業であり、地域貢献・振興の役割を強く意識しているようであれば、次のようなメッセージを取り入れてもいいでしょう。

一時期、○○市から離れて暮らしたことで、この地域の良い面・悪い面を改めて認識しました。御社は○○市の発展を担う企業だと考えておりますので、私もその一員として働くことで、この地域に貢献したいと思います。

このように、一番の志望理由が「地元勤務」だとしても、「仕事」にフォーカスして、「この経験を活かしたい」「こんなふうに働きたい」「これを目指したい」を伝えてください。

【参考記事】志望動機が書けない!転職活動で志望動機を伝える3ステップとは?【例文つき】

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