
転職活動で履歴書を作成する際、「履歴書に貼る写真のサイズはどのくらいの大きさが適切なのか?」「写真を貼る枠にぴったり合わせた方がいいのだろうか」と迷う人もいるでしょう。そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に「転職活動の履歴書に貼る写真のサイズ」について聞きました。履歴書に貼る写真に対する考え方から好印象を与えるポイントまで紹介するので、参考にしてみましょう。
目次
履歴書に貼る写真の一般的なサイズとは?
まずは、履歴書に貼る写真のサイズを把握しましょう。Web応募などで画像データを添付する場合のサイズについても紹介するので、こちらも参考にしましょう。
紙の履歴書に貼る写真のサイズ
履歴書の写真を貼り付ける欄には、推奨サイズが記載されてるものもあります。写真の枠線はタテ40mm×ヨコ30mmのことが多く、枠内にはタテ36~40mm、ヨコ24~30mmと記載されていているケースがほとんどでしょう。2mm~3mmは誤差の範囲内のため、紙の履歴書に貼る写真は「タテ4cm×ヨコ3cm」が一般的なサイズと考えましょう。ただし、履歴書によって写真欄の大きさが異なるケースもあるので、撮影前に測っておくとより安心でしょう。
Web応募などで添付する写真のサイズ
Web応募で写真を添付する場合は、cm単位ではなくpx(ピクセル)単位でサイズを指定されることが一般的です。企業によって異なりますが、「560×420ピクセル」「600×450ピクセル」の2種類が多いでしょう。どちらもタテとヨコの比率は、履歴書に貼る写真と同様に4:3ですが、企業によってはこれに当てはまらないケースもあるので注意しましょう。
また、画像データの容量が大き過ぎると、応募時にアップロードできない可能性があるので、こちらも注意が必要です。上限は企業によって異なりますが、一般的には2MBまでなら問題なくアップロードできるでしょう。
写真撮影時に気を付けたいポイント
新たに写真を撮影する際、気を付けたいポイントを把握しておきましょう。
写真の使用期限
履歴書に貼る写真は、一般的に3カ月以内に撮影したものを使用することがマナーとなっています。撮影時から長く時間が経てば、髪型や輪郭などの外見が変化してしまう可能性があるためです。新たに撮影する際は、写真のサイズ調整に影響を与えないためにも、以降のポイントに注意しましょう。
履歴書に貼る写真を撮影する際のポイント
写真館で撮影する場合は、撮影前の時点で「履歴書用であること」を伝えましょう。タテ4cm×ヨコ3cmにバランス良く収まるように撮影してもらえますし、そのサイズにカットしてもらうこともできます。
スピード写真を利用して自分で撮影する場合は、証明写真の選択ボタンに「履歴書用」「運転免許証用」「パスポート用」があるので、「履歴書用」を選びましょう。同じ証明写真でも、「運転免許証用」はタテ30mm×ヨコ24mmのため、履歴書用よりも小さくなってしまいます。逆に、「パスポート用」はタテ45mm×ヨコ35mmで大き過ぎてしまうので、必ず「履歴書用」を選ぶように注意しましょう。
自分で撮影・サイズ調整する場合は、写真の中央に顔が配置されるよう、特に注意が必要です。また、写真をカットする際には定規などを利用し、真っ直ぐキレイに切り抜くようにしましょう。
web応募用の写真を撮影する際のポイント
写真館で撮影する場合は、撮影データをCD-ROMで受け取れますし、スマートフォンへのデータ転送サービスも利用できます。サイズ調整も任せることができるので、事前に写真の用途と応募企業が指定している画像サイズを伝えましょう。
スピード写真で撮影する場合は、スマートフォンやPCでデータ受け取りができる機種を利用するといいでしょう。アプリ上でデータの用途を選択できるので、「履歴書用」を選べば自動でサイズ調整ができますし、任意のサイズへの調整機能を利用できる機種もあります。
自分で撮影・サイズ調整する場合は、画像のデータ容量はもちろん、写真の中央に顔を配置するように気を付けましょう。サイズ調整の際は、PC上で使えるトリミングツールや、スマートフォンの写真加工アプリを利用しましょう。自分で全て行うので、「費用が掛からず、出かける必要もない」というメリットはありますが、撮影の準備やサイズ調整の手間、仕上がりの良さを考えれば、写真館やスピード写真を利用する方がお勧めです。
好印象を持たれるためには?履歴書に貼る写真で注意したいポイント
ここでは、履歴書に貼る写真で好印象を持たれるために気を付けたいポイントを紹介します。
サイズを間違えると印象が悪くなる
履歴書の写真欄の枠線にぴったり収まるようなサイズにしましょう。2mm~3mm程度なら、誤差の範囲内のため問題ありません。写真のサイズのみで選考の判断が左右されるわけではありませんが、大きくはみ出していたり、小さ過ぎて余白ができたりしていると、やる気のない印象やルーズな印象につながる可能性があります。「きちんと写真を用意していないのは、志望度が低いからでは?」「仕事においても、いい加減な対応をする人物なのでは?」と捉えられかねないので注意しましょう。
「胸から上を映し、中央に顔が収まっていること」が大事
写真そのものも、「胸から上が映っていること」「中央に顔がきちんと収まっていること」が大事です。サイズがぴったりでも、あまりにもアップだったり、背景に対して人物が小さ過ぎたりした場合、「パスポート用や運転免許証の証明写真など、用途の違う写真を使い回している」と思われてしまう可能性があります。こうした場合も、「志望度が低い」「選考に対して真剣に取り組んでいない」「社会人としての常識に欠ける」などのマイナス印象につながりやすいでしょう。履歴書に貼る写真だけでなく、Web応募で添付する画像データも同様に注意が必要です。
履歴書に貼る写真をきちんとした方がいい理由
最後に、履歴書に貼る写真やWeb応募の画像データを「適切なサイズで、きちんと映っているものにした方がいい理由」について解説します。
写真は、面接前の「第一印象」を左右する
まだ対面していない書類選考の時点では、自分に代わるものが履歴書であり、「会いたいと思うかどうか」を判断される重要な材料となります。その際、履歴書に書かれた経験・実績・スキル、志望理由や志望度の高さなどに加え、写真から受ける印象も重視するケースが多いでしょう。人間には視覚情報から物事を判断する傾向もあるので、写真から人柄を推測するケースもありますし、その印象が履歴書に書かれた内容を読む際に何らかの影響を与えてしまう可能性もあるのです。
履歴書の重要性を認識していない人もいますが、最初の関門である書類選考において「履歴書は第一印象を左右するもの」であり、その印象は面接にも影響を与えるものです。経歴や写真の表情だけでなく、写真のサイズ・切り方などが「丁寧であり、きちんとしているかどうか」という細かな面においても、応募者の人柄や応募先企業に対する志望度を見られていると考えましょう。
違和感のある写真は、マイナスの先入観を与える可能性もある
どんなに良い表情で撮れていても、写真のサイズが小さかったり、真っ直ぐカットされていなかったり、極端に顔がアップになっていたりする場合、採用担当者は違和感を感じてしまうものです。選考に向けてきちんと準備していない印象を与え、「ビジネスマナーが身に付いていない」「手抜きしているのは、うちの会社への志望度が低く、軽んじているからではないか」と思われる可能性があります。営業職など対外的な職種の場合は、「自分が人からどう見られるかを客観的に考えられない人物」と捉えられるケースもあるでしょう。
ほとんどの応募者はきちんと準備をしてくるため、違和感を与えるような写真を使えば悪目立ちする可能性が高いでしょう。「写真」は、履歴書の中で最も目立つ部分であり、繰り返し見られる場所でもあるので、面接の前の段階からマイナスの印象が刷り込まれてしまうリスクもあります。
写真の印象が悪いために「面接選考に進めなかった」「面接時に良いところを引き出してもらえなかった」という結果になるのは、非常にもったいない話です。自分の経験・スキル・熱意を面接でしっかり伝えるためにも、履歴書を作成する段階からきちんと準備する意識を大切にしましょう。
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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。