新卒入社から7年「このままでいいのか」と悩みながら会社を飛び出して見つけた、「自分の価値」と新しいキャリア

学生時代に海外経験を持ち、新卒で入社した企業では念願だった国際的な商品に携わったKさん。約7年間勤めた居心地の良い環境から一歩を踏み出し、転職を決断するまでの葛藤や、転職エージェントの活用法、そして新しい環境で得た自身の変化についてお話を伺いました。

プロフィール: K.Yさん(30代・学部卒)
家族の仕事の都合で、学生時代に7年間を海外で過ごす。将来的に日系企業に勤務しながら海外に駐在したいと考え、新卒で入社した企業では2年間の営業を経て、国際部で商品企画に従事。新卒から約7年働いた末に転職し現在に至る。

希望の部署で抱いたモヤモヤと、転職に踏み切れない葛藤

――まずは簡単な経歴を教えてください。

新卒で入社した前職の企業には7年間在籍しました。最初の2年間は大阪で営業をしていましたが、入社3年目に自分がずっと行きたかった部署に異動することができました。

――どのようなお仕事をされていましたか?

異動した部署は海外向けの商品企画で、販売に必要な知財や法規制対応などが主な仕事です。海外向けの製品企画は法規制の対応などが厳しく、社内に専門家もいるのですが、みんな手探りで進めるような状況でした。1年間ほどは「この製品のこの文字はダメ」といったトラブルが毎日続くような大変な時期もありました。

――転職をしようと思い始めたきっかけを教えてください。

ずっとやりたかった仕事なので頑張っていたのですが、業務範囲が広く実力のある先輩に囲まれていたので、だんだん自分が価値提供できているのか、成長できているのかを不安に感じるようになりました。入社して4年が経ったころに、社外の世界をちょっと見てみようと様々な転職サービスに登録し、どのようなポジションがあるのかを探したのが最初のきっかけです。本格的に動き出したのは6年目くらいからですね。

――7年勤めた会社を離れることに、迷いや怖さはありましたか?

とてもありました。転職への意欲が高まる一方で、現職でお世話になった方と離れる寂しさもありました。同期であればいつでも会えますが、お世話になった先輩とはなかなか会えなくなります。何年も求人を探してはいましたが、「あんなにお世話になったのに離れるのか…」というのがギリギリまで踏み切れない理由でした。

最後は、転職と現職に残るメリットとデメリットを全部書き出したり、前職を辞めた人や友人に「実際のところどうなの?」とたくさん聞いたりしました。いろいろな人に聞いてみて、自分にとって転職は大きなデメリットがないと気づき、最後は勢いで決断しました。このモヤモヤを変えられるなら転職しても良いかもしれないと考えたんです。

「ここだけの情報」を求め、転職エージェントを活用

――転職活動はどのように進められましたか?

最終的にはリファラル(紹介)で決まったのですが、それまでに3社の転職エージェントに話を聞きました。自分が興味を持っている日用品メーカーなど、希望する業界や職種に強いエージェントを選びました。会社というより、エージェントの方のプロフィールから得意領域などを見て判断していましたね。

転職エージェントを活用して良かったのは、会社の特徴を比較形式で教えてもらえたことですね。あとは、ホームページ上では見えない社風や、面接官の質問傾向を事前に教えていただいたので、事前に準備ができてすごく安心して面接に臨むことができました。転職の面接は心理的にハードルがあってドキドキしたのですが、サポートを受けられるのは大きかったです。

――最初にお仕事を探す時に、労働時間や給与など様々な条件があると思いますが、どの項目を重要視されていましたか?

やっぱり業界ですね。業界は日用品から食品まで広げて見ていました。職種については正直悩みながらでしたが、前職の企画マーケティングの仕事がすごく楽しかったので、まずは企画に絞って探していました。

重視したポイントの順番で言うと、1番は「自分の特技が活かせる職種やポジション」であること。2番目は、幼い頃からずっと思っていた「グローバルな環境で働いてみたい」ということ。そして最後が「給与面」です。1つの会社に長くいると将来の上がり幅がなんとなく見えてしまうので、そこを変えるには転職しかないのかなと思い、今より上がればいいなとフィルターをかけて調べていました。

2_小林百合華様

社会経験を積んだからこそ、転職活動も楽しめた

――実際に転職活動をしてみていかがでしたか?

上司に退職を伝えたのは心苦しかったのですが、転職活動自体はとても貴重な体験でした。企業に話を聞くのは就職活動以来で、社会人経験を積んだ現在とは見えていた景色や比較するポイントが全然違います。直接企業のことを教えてもらえるのは面白いし、開発秘話を聞いて一消費者として「買ってみようかな」と感じるような開発秘話が聞けるなど、楽しく面接を受けていました。

また、企業を知るだけでなく自分のことを知る機会にもなりました。仕事でフィードバックをいただくことはありますが、日々の業務が忙しくてなかなか自分のことまで深く掘り下げることはありません。転職活動は、自分の得手不得手ややりたいことを見直して、どのようなキャリアを描きたいのかを考えるきっかけになりました。

職務経歴書を書く時も、キャリアを振り返って「意外と自分はこういうことができるんだな」と実感して、実績や経験を武器に面接で話すことができました。新卒時代と比べて、「経験を生かして応募企業と戦える体験」が楽しかったですね。

――逆に転職に対して不安はありましたか?

もちろん、転職活動は楽しいことばかりではありません。前職はとても温かい職場だったので、転職後の人間関係には不安がありました。面接で「優しい人が多い」とは聞いていましたが、人間関係にはどうしても合う・合わないがあり、構築には時間がかかります。

仕事面では、扱う商品の領域が増えるので、勉強が必要だと覚悟していました。ただやっぱり、「自分ができることをやる」「できる人を探して聞く」しかないので、入社後は覚悟を決めて「知り合いを増やして色んな人に聞く」ということを実践しています。

――もしも過去に戻れるなら、「このタイミングで転職しておけばよかったかも」と思う瞬間はありますか?

タイミングで後悔はありません。正直なところ、経験を積んでいるほうが次の会社に貢献できることがたくさん増えると思うので、今回のタイミングで良かったと思っています。

転職を通じて、自分のキャリアに価値を見出せた

――実際に転職してみて、一番「ここが変わったな」と感じる部分はどこですか?

転職して一番変わったと感じるのは、仕事内容や環境ではなく自分自身です。自分に自信が持てるようになったことが、想像していなかった一番の変化でした。

前職ではベテランの先輩に囲まれていたので、「自分がやっていることに価値がないのでは?」と不安を抱えていました。でも新しい会社では、自分の責任範囲が広くなったこともあり、意見をすごく聞かれることが多くなりました。入社してわずか1週間で見解を求められたのですが、過去の経験から意見を言うと意外と影響力があり、転職したら自分に対する周囲の反応や評価が変わったことに驚きました。

――前職でのハードなご経験が、しっかり活きているのですね。

はい、毎日トラブル対応を続けた入社4年目の1年間は本当に大変でしたが、今は経験して良かったと思っています。トラブルが生じることも当たり前ではあるのですが、どこまでリスクを負うのかを判断するために、多角的な情報が必要になります。なので、入社して1週間の私の意見でも少しだけお役に立てたのだと思います。前職と現職では扱う領域が異なりますが、海外展開するには法規制をクリアしなければならないので、過去に学んだ対応方法やチェック観点が役に立っています。

3_小林百合華様

職務経歴書の作成と現職でのキャリアの確認を

――これから転職を考えている方に向けて、転職前にやっておいた方がいいことはありますか?

2つあります。1つ目は、転職を考えていなくても「職務経歴書」を作ってみることです。 特に職務経歴書はこれまでの経歴を可視化できるので、「自分、けっこう頑張ってるじゃん!」と自信やモチベーションにつながります。転職しなくても、今後のキャリアを考える際に役に立つので、職務経歴書は定期的に作って持っておくのがおすすめです。

――もう1つは何でしょうか?

もう1つは、所属企業で「今後どのようなキャリアを歩む予定だったか」を、転職を決断する前に聞いておくことです。職場にもよるかもしれませんが、上司や周囲の人はメンバーのキャリアパスや成長を考えて仕事を振ったり、関係各位に推してくれたりするなど、水面下で動いていることもあると思います。

上司にも素直に「別の機会を考えています」と前置きして、自分のキャリアパスの方向性や上司の考えを聞くことで、自分のキャリアを総合的に考えられると思います。自分が転職活動をしたときは、現職を選択肢に入れずに、新しい企業だけを見比べていました。自分が所属している企業でのキャリアも含めて検討しておくべきだったと後悔しています。

――最後に、あなたにとって「転職」とは何でしたか?

改めて自分を知る、いい場になったと思っています。日々の業務が忙しいと深く考える機会が減りますが、自分の得意不得意や夢を見直し、これからどのように生きたいかを探せる場になりました。職務経歴書もまず書いてみて、自分がやってきたことを見直すいい機会だと思います。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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