若手が経営の近くで挑み、次の時代の銀行をつくる。ドコモSMTBネット銀行、始動。

2026年8月3日、住信SBIネット銀行は「株式会社ドコモSMTBネット銀行」へ。新たなブランドと事業機会を手にした一方で、変わらないものがあります。スピード、フラットな関係性、そして年齢や年次にかかわらず、挑戦する人に任せる文化です。今回、話を伺ったのは、取締役 兼 専務執行役員の直海知之さん、執行役員の石井孝幸さん、入社5年目のグループマネージャー・宮川哲正さん。3人の言葉から、「銀行らしくない」組織の強さに迫ります。
株式会社ドコモSMTBネット銀行 / 取締役 兼 専務執行役員 10X事業本部長
直海 知之 Tomoyuki Naomi
2001年、ソフトバンク・ファイナンス株式会社に入社。その後、住宅ローン事業会社で代表取締役COO、取締役副社長などを歴任し、事業成長を牽引。ブロックチェーン領域の事業にも携わった後、2019年に住信SBIネット銀行へ参画。BaaS事業の立ち上げやモーゲージ事業の変革を推進し、現在は取締役 兼 専務執行役員として10X事業本部を統括している。 ※写真中央
株式会社ドコモSMTBネット銀行 / 執行役員 兼 事業企画部長
石井 孝幸 Takayuki Ishii
新卒で住信SBIネット銀行に入社し、ファイナンス領域の企画業務を担当。その後、大手アプリ企業で新規事業の立ち上げを経験し、2023年に再入社。現在はデジタルバンク領域の事業戦略や企画、ドコモグループとの協業などを推進している。 ※写真左
株式会社ドコモSMTBネット銀行 / グループマネージャー
宮川 哲正 Tetsumasa Miyakawa
新卒で住信SBIネット銀行に入社し、個人ローン領域の企画や新規事業の立ち上げを経験。入社4年目でグループマネージャーに就任。現在はデジタルバンク領域の企画やプロジェクト推進を担っている。 ※写真右
デジタル×リアル。新しい銀行体験が、ここから始まる。
── 住信SBIネット銀行からドコモSMTBネット銀行へ。これまでの強みと、ドコモグループとの融合によって生まれる可能性をどう捉えていますか。
直海:私たちの強みは、デジタルの可能性にいち早く着目し、新しいサービスをスピーディーに実現してきたことです。今では当たり前になった銀行と証券の連携なども、かなり早い段階から取り組んできました。常に新しいことを早くやる。そのスピードが、成長の大きな源泉だったと思います。
一方で、ネットだけでは接点を持ちづらかったお客さまもいます。そこに、ドコモのブランドや全国に広がるリアルな顧客接点が加わった。私たちが持つデジタルの利便性とリアルをシームレスにつなげることで、これまでにない銀行体験をつくれると考えています。
石井:私も新卒で入社してから、ネット銀行が世の中に徐々に浸透していくのを見てきました。それでも、まだまだ利用したことがない方はたくさんいます。今回、これまで私たちだけではリーチしづらかった層にもサービスを届けられるようになる。この10年、「ネット」を中心に考えてきた自分にとって、「リアル」に挑戦できることはすごく面白いですね。
宮川:できるビジネスの幅が、飛躍的に広がった感覚があります。リアルチャネルやクレジットカードなど、これまで持っていなかったものを組み合わせられるので、見える景色そのものが変わってきました。
── 社名も変わり、大きな転換期にあります。社内の空気も変わりましたか。
直海:最初は、不安を感じた社員もいたと思います。これまでSBIグループと一緒に成功体験を積んできましたから。ただ、社長自身が新しい環境を一番楽しんでいる。それが大きかったですね。上にいる人間がワクワクしていれば、その熱量は組織にも伝わります。新しいスタートを前向きに捉える空気が、社内全体に広がっていると感じます。
石井:最初は「これからどうなるんだろう」という声もありました。ただ、具体的な取り組みが進むにつれて、担当者が自然と自走するようになった。「自分たちでつくりにいくんだ」という意識も広がり、徐々に一体感が出てきたと思います。
宮川:銀行の社名が変わる瞬間なんて、仕事人生の中でもそう何度も経験できるものではありません。この変化の中に当事者としていられること自体、面白いですよね。

若手抜擢は、経営戦略だ。
── 石井さん、宮川さんをはじめ、若いうちから大きな役割を担う方が多い印象です。なぜ、若手に任せるのでしょうか。
直海:私たちは、これまでもこれからもチャレンジャーです。「あの銀行はいつも面白いことをやっている」と思っていただけるよう、新しいことを生み出し続けていきたいと思っています。
そのためには、若い人たちの柔軟な発想やエネルギーが大きな力になります。だからこそ、力のある人には年次に関係なく、早くから大きな仕事を任せる。若手抜擢は目的ではなく、事業を成長させるための経営戦略だと考えています。
── 一方で、銀行には専門性やガバナンスも求められます。
直海:もちろん、すべてを若手だけで進められるわけではありません。銀行には、高度な知識や経験が必要になる領域もあります。かといって、すべてをベテランや専門家に委ねればいいということでもない。新しいことに挑む力と、銀行としての基盤を着実に支える力。その両方を組み合わせることが大切です。安心・安全や信頼を守りながら、ベンチャーのようなスピード感でチャレンジできる。そうしたハイブリッドな組織が、私たちの強さだと思っています。
── 宮川さんは、実際に「任される側」としてどう感じていますか。
宮川:若手が何かをやること自体が、社内ではあまり特別ではないんです。私より若いメンバーでも、「この施策はこの人がやった」というものが普通にあります。「裁量がある」と掲げる会社はたくさんありますが、当社ではそれが実際の仕事に表れていると思います。細分化された仕事の一部分ではなく、商品や事業全体を任せてもらえる。自分がやったことが会社全体に波及していく感覚がありますね。

役員まで、5秒。
── 皆さんのお話を聞いていると、役職を越えた距離の近さも感じます。
石井:実際の席が近いですね。一般的な銀行だと、役員は別室にいたり、フロアが違ったりすることもあると思いますが、当社では本当に5秒くらいで話しかけに行ける距離にいます。何かあればすぐ相談して、その場で方向性を決めることができる。この距離感は、仕事のスピードにもかなり影響していると思います。
宮川:大きな会社の方針についても共有してもらって、一緒に議論する機会があります。経営陣に提案して、実際に反映されることもある。肩書を過度に意識せず、事業を良くするためにフラットに話せる環境ですね。
直海:新入社員でも普通に、私のところに直接来ますよ。Slackで「これ、すぐ承認してください」と言われることもあります(笑)。でも、その方が仕事は速いんです。何人も間に挟んで伝言ゲームをする必要はありません。直接聞いた方がいいことなら直接来ればいい。私は無理なときは「今は無理」と返せばいいだけなので。
── 新社名への変更に合わせて、組織そのものも変えていますね。
直海:事業部門を大きく統合しました。これまで事業ごとに分かれていた組織をまとめ、個別最適や余計なコミュニケーションを減らす狙いがあります。これだけ変化が大きいときだからこそ、組織もフラットに、スリムにして、もっと速く情報が流れる状態にしたい。社名もブランドも組織も変わった。まさに新しいスタートです。ここから、さらにスピードを上げていきます。

大きな挑戦を、早いうちから。
── ここからは、石井さん、宮川さんのキャリアや個人的な想いを詳しく伺います。まず、そもそもなぜ住信SBIネット銀行を選んだのでしょうか。
石井:もともとは金融業界を志望していたわけではありませんでした。就職活動中に、金融業界で働いていた兄から「これからを見るならネット銀行も面白いんじゃないか」と言われ、初めてネット銀行という存在を知ったんです。選考の中では、これからの銀行のあり方自体が変わっていくという話や、若手にもどんどんチャレンジさせるという話を聞きました。実際に入ってみると、本当に若いうちから新商品の企画や、経営判断につながるような仕事を任せてもらえました。
宮川:私の場合は、自分自身がネット銀行を使った体験が大きかったです。アプリが使いやすく、24時間365日取引できる。自分の生活を銀行の営業時間に合わせるのではなく、銀行が自分の生活にフィットしてくれる感覚がありました。それと、やっぱり「若手に裁量がある」という点ですね。就職活動ではいろいろな会社が言う言葉ですが、入社してみたら、本当にそうだったと実感しています。
── 入社後、どのようなキャリアを歩んできましたか。
石井:若手の頃はカードローンなどを担当していました。3年目くらいには、一つひとつの案件ではなく、「カードローン残高を1000億円突破させる」といった事業全体の数字を見るようになっていました。学生時代の同級生など、周囲の同世代が個別の案件に向き合うなかで、より大きな視点で仕事を捉えるようになっていたと思います。
その後、一度外に出ました。この会社しか知らないのに、「自分はできる」と思ってしまうのも違うなと。新しい銀行をゼロからつくる機会があり、そこへ挑戦しました。そこでは商品・サービス企画だけでなく、システム開発や事務企画、法令対応などにも携わり、事業全体を見る経験ができました。そして2023年に当社に戻り、グループマネージャー、部長を経て、現在は執行役員を務めています。
宮川:私はかなり短いスパンで幅広い経験をしました。最初の半年は法人口座の開設業務、その後はカードローンの企画やキャンペーン設計。2年目からは「新規事業をやってみよう」と、保険領域の事業にも携わりました。早いうちから複数の商品に触れたことで、それぞれが会社の中でどんな位置づけにあり、どう組み合わさって事業が成り立っているのかを理解できたことは大きかったです。一方で、担当が変わるたびに新しい知識が必要になるので、人から教わるだけでは足りません。自分で調べ、学ぶことは常に意識していました。
── キャリアの中で、特に印象に残っている仕事を教えてください。
宮川:保険の新規事業ですね。立ち上げた後、毎月赤字が出る時期がありました。自分でつくったものなので、本当に何とかしないといけない。コールセンターの人員配置を見直したり、架電先のリストを変えたり、お客さまへの案内トークを改善したり、オンライン販売を強化したり。考えられることを一つずつ試しました。最終的には黒字化できたのですが、この経験を通じて、企画するだけではなく、売上やコストまで含めて事業全体に責任を持つ感覚が身についたと思います。
石井:私は直近でいうと、ドコモグループとの協業と、新社名への移行です。発表当初は、社員の中にも「これからどうなるんだろう」という不安がありました。一方で、私は経営陣と話す中で、これからできることの面白さも見えていた。その状況で、現場の不安をどう払拭しながら、新しい事業戦略を組み立てていくか。社名変更という大きな転換点に、その両方を見ながら関われたことは非常に印象に残っています。
── 宮川さんは入社4年目に最年少で管理職に就任しています。石井さんから見て、なぜ早くから任されたのでしょうか。
石井:誰が見ても、仕事がピカイチだったんですよ。それこそ保険事業も、「これ誰がやったの?」と聞けば、みんなが「宮川」と答える。それくらい成果がはっきりしていました。それでいて、努力を必要以上に見せない。淡々とやるんです。だから、「もう担当者としては十分だよね。次はもっと高いレベルの仕事を任せよう」と自然になっていった。
特に強いと思うのは洞察力です。言われた課題だけをそのまま返すのではなく、「そもそもなぜこれをやるのか」「世の中はこれからどうなるのか」まで考えて、一段上の答えを返してくる。そこは私も一緒に仕事をしていて勉強になります。
宮川:褒めてもらえること、あまりないんですけどね(笑)。
石井:そうだった?(笑)
宮川:でも、今言っていただいた「洞察力」は、自分でも大切にしています。一つの会議でも、相手がなぜこの発言をしているのか、その背景にはどんな意図や会社の事情があるのかまで考える。ただ会議に出るのと、そこまで考えて出るのでは、全然違うと思っています。
── 逆に、宮川さんから見て石井さんはどんな存在ですか。
宮川:すごいと思うのは、「目配り」と「人に向き合う力」です。自分の部署だけでなく、会社全体を見て、「ここが詰まっている」と気づいたら入っていく。私自身、何度も助けてもらいました。それから、悩んでいるメンバーから絶対に逃げないんです。良くないところはきちんと伝えるし、良いところは認める。その人が前向きに仕事へ向き合えるように、ずっと考えている。自分も管理職になって、簡単ではないことが分かるようになったので、よりすごいと感じています。
石井:答えを全部渡すというより、きっかけをつくるだけなんです。うまくいかない理由は、本人の能力かもしれないし、環境かもしれない。何かヒントを渡して、そこから本人が頑張れるなら、その背中を押す。基本的にはそれだけですね。

自分で考え、答えをつくる人に、チャンスは集まる。
── 現在は、お二人とも経営に近いところで仕事をされています。
宮川:今はコンシューマーローンや法人領域、BaaSなど、複数の事業を横断して見ています。会社全体を俯瞰しながら、「この事業は今期どう進めるのか」「どうすれば組織がうまく動くのか」を方向付けしていく仕事です。大きな会社の方針について石井さんたちと議論し、それが経営の判断に反映されることもある。自分の仕事が会社全体に波及している感覚は強いですね。
石井:私はさらにその上流で、経営陣から直接方針を聞き、それを事業戦略として具体化する役割を担っています。今は特にドコモグループとの協業をどう現場まで落としていくか、銀行として重要なテーマをどう伸ばしていくか、といったところに入っています。経営層がどう考えているのかをすぐ近くで聞けるし、こちらの意見も求められる。若いうちからそういう目線で仕事ができることは、この会社ならではだと思います。
── 挑戦できる一方で、結果には厳しい会社でもあるのでしょうか。
宮川:結果は求められます。ただ、うまくいかなかったときに感情的に怒られるというより、「なぜこうなったのか」「次はどうすれば良くなるのか」をすごくロジカルに話す会社ですね。
石井:そこはそうですね。挑戦したこと自体を責める文化ではない。ただし、結果にはシビアです。
宮川:そうですね。そこは曖昧ではないです。
── どのような人が、この会社で活躍できると思いますか。
宮川:自分で学んで、自分で考えられる人だと思います。人から教えてもらえることには限界がありますから、自分でその領域に興味を持って調べて、それを施策にどう落とし込むのかまで考える。そういう人と一緒に働きたいですね。それと、これから入ってくる若い人たちは、私たちが学生の頃にはなかったAIなどを当たり前に使っている。むしろこちらが教えてもらうこともあると思います。新しい感覚をどんどん持ち込んでほしいです。
石井:私は「好奇心」ですね。宮川が言った「考える」にも近いですが、好奇心がないと、そもそも考え始めないと思うんです。例えば「保険の仕事をやろう」と言われたとき、「興味がありません」で終わるのではなく、「保険ってそもそも何だろう」と調べてみる。調べれば新しい疑問が生まれて、また考える。金融だけでなく、エンタメでもスポーツでも何でもいい。いろいろなことに興味を持って、その引き出しを金融に掛け合わせられる人は、この会社で強いと思います。
── 最後に、これから実現したいことを教えてください。
宮川:会社が目指している方向と、自分の目標はかなり重なっています。ドコモグループとの連携やBaaSなどを通じて、より多くのお客さまに使っていただき、メガバンク並みの規模へ成長していく。その中で、自分が考えたことや動かしたことが、そのまま会社の成長につながる仕事をしていきたいです。
石井:事業の方向性については、宮川と同様です。そのうえで、私自身がやらなければいけないと思っているのは、組織をもっと強くすることです。会社を大きくするために、単純に人を何倍にも増やせばいいとは思っていません。一人ひとりが自分で考え、自走して、今よりもっと大きな成果を生み出せる組織にしていきたい。
もう一つ、個人的には「ドコモSMTBネット銀行」という名前が、誰にとっても当たり前になるところまで持っていきたいですね。かつて住信SBIネット銀行も、知られていないところからここまで成長してきました。新しい名前でも、同じように多くの人に知ってもらえる銀行をつくりたいと思っています。
