人工衛星を迷子にさせない—— 衛星管制システムプロジェクトリーダー編|三菱電機株式会社

人工衛星を迷子にさせない—— 衛星管制システムプロジェクトリーダー編|三菱電機株式会社

気象監視やGPSなど、私たちの生活を支える人工衛星。その人工衛星が迷子や病気にならないように地上から見守る人たちがいます。三菱電機で衛星管制システムの設計や開発から、PV制作まで、人工衛星にまつわる様々な事柄を手掛ける衛星管制システムプロジェクトリーダーの稲沢さんに、宇宙開発の魅力とやりがいをお聞きしました。

三菱電機株式会社 電子通信システム製作所 衛星管制システムプロジェクトリーダー

稲沢 陸

・2022年 新卒入社
・2022年 電子通信システム製作所 インフラ情報システム部 地上システム課 配属
・2024年 電子通信システム製作所 インフラ情報システム部 宇宙利用促進システム課 配属

宇宙開発では「1人で100点」は不可能

宇宙開発は華やかな印象とは裏腹に、その多くは地道な調整の積み重ねで成り立ちます。稲沢さんはそんな宇宙開発のプロジェクトリーダーという重責ある役割を入社5年目にして担っています。

――人工衛星の管制システムの設計開発といった技術的なお仕事を想像していたので、プロモーションムービー(以下、PV)の制作まで担当されていると聞いて驚きました。

稲沢(以下、省略)僕たちが携わるプロジェクトは、実際の“ものづくり”だけではなくて、事業戦略としてどういったものがお客様に求められていて、実際に運用すると何が便利になるのかをしっかりと分析することも仕事の1つです。そのうえで三菱電機の強みとして何を、どうアピールできるかを議論しています。それを皆さんに伝えるためにPVを制作することもあるんですよ。

三菱電機様_2

――プロジェクトリーダーとはどんなお仕事なのでしょうか。

僕のメインタスクはプロジェクトが予定通りの期間と費用で完成できるように所内の旗振りを行うことです。僕が携わっている現在進行中のプロジェクトは主に2つあって、1つは既に運用している衛星管制システムを構成するハードウェアを更新するプロジェクトで、もう1つは先ほどプロモーションムービー制作の打合せをしていた次世代の衛星管制システムの開発です。

――リーダーの稲沢さんのお仕事が止まると、もしかして人工衛星も止まってしまうのですか?

そんなことはありませんよ(笑)。少なくとも僕の仕事が1日止まったとしても、人工衛星の運用が止まることはありません。そんなことがあっても止まらないように設計しているので大丈夫です。

ただ、新しいものを作っている所内の動きには遅延が少し発生すると思います。
自分で言うのも恥ずかしいですけど……それだけ活躍できていると思っています。

――入社1年目の自分と、今の自分で変わったことはありますか?

今は人に頼ることや相談することが大切だと思っていますが、入社したばかりの頃は自分の意見を言ったり、誰かに相談したりするのが苦手でした。当時は技術力が正義だと思っていて、自分の力だけで物事を進めて解決しようとしていました。もしも、あの頃の自分に会えるのなら、「自分1人で100点を出す必要はないぞ」ということをしっかりと伝えたいです。僕たちが携わっているプロジェクトはとても大きく、自分1人で問題を解決して100点を出すのは不可能なんですよ。「自分だけでは絶対に無理な世界」があることを伝えて、僕たちの仕事は「結局は人と人で出来ているんだよ」と伝えたいです。

宇宙開発を支えているのは「結局は人と人」。1969年に月面に人類初の1歩を記したアメリカの宇宙飛行士ニール・アームストロングや、『宇宙兄弟』の南波六太や日々人が月にたどり着いたのも、様々な人々の情熱と知恵があってこそでした。稲沢さんが三菱電機で学んだ「人に頼ること」が宇宙開発を押し進める大きな力になるのは今も昔も変わりません。

好奇心に満ちた仲間たちから受ける刺激

稲沢さんのまわりには幼い頃から宇宙が好きで、『宇宙兄弟』などの読み物に触れて早い時期から宇宙への道を選んでいた方も多いそうです。そうした仲間たちの中にあって、稲沢さんが宇宙開発の仕事を選んだきっかけは意外な理由からでした。

――宇宙開発のお仕事を選ばれたきっかけをお教えください。

実は三菱電機に入社する前は、宇宙には全然興味がありませんでした。小さい頃から航空機がずっと好きで、パイロットを目指した時期もありました。就職活動のタイミングでは航空機の製造に携われる仕事も探しました。

三菱電機に入社したきっかけは、特許取得数が日本一(※2021年当時)で技術開発に注力しているのが決め手でした。それだけ、最先端技術のためにリソースを割いている会社ですので、僕も最先端の技術に携われるんじゃないかと魅力を感じました。そうした素晴らしい環境にいるのですから、将来はやっぱり特許を取って名前を残したいですよね(笑)。

三菱電機様_3

――色々な方と一緒にお仕事されていかがですか?

幼い頃から宇宙が好きな方ばかりで、「勝てないなぁ」と思ったこともありましたね。でも、そもそも「宇宙」というフィールドそのものが、理屈抜きに格好いいじゃないですか。そんな格好いい世界の一員なんですから、もうここから出られないですね(笑)。
それと会社には聞き上手な方が多くて、どんな話題でも「何それ?」と興味を持ってくれて、それも楽しいんですよ。好奇心あふれる社風の会社なのかもしれませんね。

――では、稲沢さんが一番わくわくするのはどんな時でしょうか?

一筋縄ではいかない難易度の高い課題に取り組んでいる時です。専門家の方たちとアイデアを出し合って難易度の高いパズルを解いていく過程がすごく楽しいです。1人で解決できる課題ならばそれが一番いいのですが、宇宙開発ではそういったケースは多くはありませんからね。

10年後の未来へ向けて

人工衛星にとって宇宙はかならずしも安全な場所ではありません。宇宙空間に漂う無数のスペースデブリ(宇宙ゴミ)が人工衛星に接触して、動作に支障を来すような事態はあってはならないことです。
こういった危険を確実に避けるための仕組みを作ることも稲沢さんのお仕事です。

――稲沢さんが携わっている衛星管制システムの役割をお教えください。

人工衛星は一度宇宙に打ち上げたら、僕たちにできるのは地上から見守って上手く動くように指示を出すことだけです。それだけに一番怖いのは人工衛星からのSOSが届かなかったり、それに気づけなかったりすることです。今、三菱電機で作っているのは、そういった人工衛星をしっかりと監視して見守ってあげる次世代の衛星管制システムです。

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――実際にそういった事故を経験されたことはありますか?

入社3年目頃に、人工衛星からSOSが届いたことがありました。その時は他の業務はすべてストップして、対応に全リソースを当てました。運用に使用している衛星管制システムを作った方々にコンタクトを取り、皆さんの知識を総動員して問題を解消したのを覚えています。問題解決後にその人工衛星を運用している方々から「これで安心して運用できます」と声をかけていただいて、すごく嬉しくて報われた気持ちになりました。

――これから宇宙業界を目指す方々に、どんなメッセージを伝えたいですか?

華やかに見える宇宙業界ですが、実際は目の前の課題を1つずつ解決していく泥臭い部分もある仕事です。ただ、実際に自分が担当したシステムが支える衛星サービスを使っている方々を目の当たりにすると、大きな達成感が得られる業界でもあります。

――最後に10年後はどのような自分になりたいかお聞かせください。

時間はかかるかもしれないですけど、現在自分が携わっている次世代の衛星管制システムのプロジェクトに携わり続けて、最終的に製品を納入するところまで見守りたいですね。人工衛星の数や、プロジェクトに関わっている人数という意味でも大きいプロジェクトですし、そこでリーダーとして先頭に立ち続けられるように頑張りたいです。

最先端技術で宇宙を守る仕事、その本質は意外なほどに人間らしいものでした。稲沢さんは人工衛星が元気に働けるように、全力でプロジェクトに取り組んでいます。三菱電機ではこうした宇宙利用・開拓を支える人材を育成すべく、職場の先輩・同僚がサポートを務める「サポーター制度」といった教育プログラムにも力を注いでいます。宇宙に興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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※求人は動画公開時点での情報です。

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※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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