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転職にベストな時期はある?年代や状況別に転職を考えるタイミングを解説

転職 タイミング

転職を考えたとき、迷いがちなのが「タイミング」です。転職市場の動き、そして自身のキャリアの観点から最適なタイミングを選びたいものです。年間でチャンスが多い時期、年代別・状況別のタイミングの計り方、転職タイミングで悩んだときに考えるポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

転職にベストな時期は?

前提として、「誰にとっても転職にベストな時期」は存在しません。いつ動けば良い結果につながるのかは、人それぞれです。

しかしながら、1年を通して転職市場を見てみると、転職を実行するのにおすすめの時期があります。次の3つのタイミングに注目してみましょう。

12~3月に活動し、4月に入社

多くの企業は4月に新年度が始まります。新年度の戦略や組織体制整備に向けて採用を行う企業が増えるため、「4月入社」を前提とした求人が多く出てきて、選択肢が比較的豊富であるといえます。

また、新卒入社者の受け入れ、社内での人事異動に伴い、導入研修が充実していると考えられる時期でもあります。刷新されたばかりの組織や新年度からスタートするプロジェクトに入るのであれば、職場にもなじみやすいことも期待できます。

6~9月に活動し、10月に入社

上半期を振り返って下半期の戦略や組織体制を見直す企業では、下半期がスタートする「10月入社」を前提とした採用に動きます。つまり、4月入社に次いで求人数が増える傾向が見られます。

転職活動期間中には夏休みがあり、企業研究や面接対策にも時間をかけやすいため、面接通過率アップや納得感の高い転職につながる可能性もあるでしょう。

ボーナスを受け取った後に退職

ボーナスを受け取ってから現職を辞めるのも選択肢の一つです。未経験分野への転職などで年収ダウンとなる場合も、経済的なゆとりを持てるでしょう。

転職前にボーナスを確実に受け取りたい場合は、査定期間や受給条件などを就業規則で確認した上で、退職時期を踏まえた転職活動スケジュールを組みましょう。

【年代別】転職を考える最適タイミングは?

キャリアの観点で最適な転職タイミングを計るポイントについて、年代別にお伝えします。

新卒から20代前半

学生時代の就活では視野に入っていなかった業界・職種・企業を社会人になってから知り、現職以上に強い興味を抱くこともあるでしょう。

また、基本的なビジネススキル、一定レベルのポータブルスキル(業界・職種問わず持ち運びできるスキル)も身に付き、自身の強みやこれから伸ばしたいスキル、キャリアプランの方向性が見えてきます。現職以外の企業のほうが強みを活かせる・伸ばせると判断すれば、転職を考えても良いタイミングといえるでしょう。

20代後半

一通りのビジネス経験を積み、自身の強み・弱み、志向や仕事への価値観が明確になることもある20代後半。後輩の指導やチームリーダーの経験も経て、自身が「スペシャリスト志向」か「マネジメント志向」なのかも見えてくる人もいるでしょう。自身が目指すキャリアビジョンが現職で実現できないと判断すれば、転職によって将来の可能性を広げられるでしょう。

30代

30代になると、専門性が高まるほか、チームリーダーやマネジャーなどの経験を積むこともあり、「より高いレベルに挑戦したい」という思いが湧いてくる人もいるでしょう。より刺激的な環境を求める人や、「スペシャリスト志向」か「マネジメント志向」かが明確になってくる人もいるかもしれません。さらなる成長や志向に合うキャリアが現職で得られないと判断したら、転職の考え時といえるでしょう。

一方、30代は結婚・出産などでライフステージが変わる人もいるかもしれません。理想のワーク・ライフ・バランスを実現できる環境に移ることも選択肢の一つです。

40代以降

社会人経験が長くなる40代以降では、自社内で高いポジションに就いていたとしても、「やり切った」感があり、新しいチャレンジがしたいと感じる人もいるでしょう。一方で、自社内での昇進・昇格に伸び悩むケースも見られます。

このようなケースの場合、転職市場に出て、これまで培った知見やスキルを高く評価してくれる企業を探してみることで、自身の価値を発揮できる企業に出合えるかもしれません。

【状況別】転職を考えるタイミングは?

現在置かれている状況から、転職を考えるタイミングを考えてみましょう。よく見られるパターンをご紹介します。

キャリアチェンジしたい

異分野へのキャリアチェンジを考えている場合は、まず自社で実現の可能性を探ってみましょう。異動や出向などにより、会社を辞めずにキャリアチェンジができるかもしれません。

自社でのキャリアチェンジが図れない場合は、転職が選択肢の一つになるでしょう。

成長実感を得たい

ルーティンワークを繰り返していたり、専門性が磨けなかったりと、「成長実感がない」と感じる人は、まず今の仕事で工夫や改善できるポイントを探して行動を起こしてみるといいでしょう。それでも、工夫や改善の余地がない場合は、新しい経験ができる環境に転職するのも一つの方法です。

会社の事業方針・担当業務が変わった

所属企業の方針変更も、転職タイミングの一つかもしれません。仕事への満足度は、待遇や職場環境、仕事内容だけでなく、企業や事業の方針が自分の志向と合っているかも重要なポイントです。事業方針が変わり、モチベーションが保てなくなった場合は、転職するかどうかを慎重に判断しましょう。

事業方針は、転職後の企業でも変更する可能性はあるため、自分のやりたいことや理想のみを追い求めてしまうと、意図しない転職を繰り返すかもしれません。自己分析を通じて、自分が大切にしていることや仕事に対する価値観を明らかにして、冷静に判断しましょう。

他社からスカウトされた

転職サイトのスカウトサービスに登録すると、他社からスカウトの声がかかることがあります。それは自身の経験・スキルなどが他社から評価されたことを意味しますので、もしかすると現職以上に活躍でき、高く評価されるステージがあるのかもしれません。自身のキャリアの市場価値が高まっているとも考えられますので、可能性を探ってみるといいでしょう。

給与・待遇が変わらない

自身の給与・待遇が社内で平均水準以下の場合は、会社の評価基準を確認した上で、より評価される行動を意識することが大切です。

会社全体の給与水準が低いと感じる場合は、業界・職種の給与相場を調べ、自身の収入を世間の水準と照らし合わせてみましょう。自社の給与水準が業界の水準よりも低い場合、今いる業界の給与水準が他の業界よりも低い場合などは、転職によって他社や他業界に移ることで年収アップを図れるかもしれません。

特に、成果を挙げているのに給与に反映されない、納得できる評価制度がない場合には、転職を考えてみてもいいでしょう。

転職していいタイミングなのか悩んだら?

「今は転職してもいいタイミングなのだろうか」と悩んだ場合は、以下のポイントを考えてみてください。

転職したいと考えた理由を分析する

漠然と「転職したい」と思っている場合は、その考えに至った理由を掘り下げて分析してみましょう。現職に不満があるなら、今後解消される可能性があるか、希望を自社で叶えられるチャンスがあるかどうかを見極めます。

退職しても現職に迷惑をかけない時期を検討する

繁忙期の真っただ中、あるいは重要なプロジェクトの途中で離職すると、同僚に迷惑をかけてしまう可能性があります。さらには、そのプロジェクトでの実績を転職活動でアピールできないほか、応募企業から責任感を疑問視されてしまうかもしれません。なるべく区切りのいいタイミングに退職時期を設定すると良いでしょう。

結婚や出産などのライフイベントを考慮する

結婚や出産を控えている場合は、自分だけで決めず、事前に家族やパートナーに説明しておくことで理解を得やすくなり、サポート体制の構築にもつながるでしょう。

現職での昇進・昇格タイミングを考慮する

現職での昇進や昇格により、現在抱える不満が解消される可能性もあります。また、近々マネジャーへなどの昇進予定がある場合、マネジャー経験をしばらく積んでから転職活動をしたほうが管理職求人に応募できる可能性が生まれ、キャリアの選択肢が広がるかもしれません。

住宅ローンを組む予定を考慮する

転職した直後は住宅ローンが組みにくくなります。一般的な金融機関の審査は、2~3年は企業に在籍していることが条件になるからです。金融機関や条件によっては基準が緩和される可能性もありますが、できれば転職前に住宅ローンの手続きを済ませておくことをおすすめします。

また、転職直後はすぐにボーナスを受け取ることができなかったり、試用期間中だったりして、思ったよりも収入を得られない可能性があります。住宅ローンを滞りなく返済できるかどうかを、きちんと確認しておきましょう。

退職金や雇用保険の基本手当の受給要件を確認する

退職金が支給される企業では、勤続年数によって退職金の金額が変わることもあります。就業規則などには目を通しておきましょう。

また、雇用保険の基本手当を受給するには、原則、被保険者期間が離職の日以前の2年間に、通算12ヶ月以上あることが条件です。基本手当を受給しながら次の就職先を探したいと考えている場合は、被保険者期間が離職の日以前の2年間で通算12ヶ月以上あるか確認しておきましょう。

転職を考えるタイミングだと判断したら──転職活動の流れ

転職活動をするタイミングであると判断した場合、活動の流れは以下のとおりです。

  • 就業規則で退職の申し出の期限を確認しておく
  • 転職活動を始め、応募先から内定を得る
  • 内定企業の労働条件を確認し、内定承諾する
  • 在籍企業の上司に退職の意思を伝える
  • 退職日を決め、退職届を提出する
  • 後任が決まったら引き継ぎを行う
  • 退職手続きを行い、在籍企業に返却するものをまとめる
  • 入社に必要な書類を準備し提出する

転職のタイミングに迷ったら転職エージェントに相談しよう

担当している仕事やプロジェクト、キャリアプラン、転職市場の動向、家庭の事情など、転職にはさまざまな要素が重なって影響するため、いつがベストタイミングなのか迷ってしまう方も多いでしょう。

転職のタイミングに迷ったら、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。転職エージェントのキャリアアドバイザーは、数多くの転職支援を通じ、多くの転職成功事例を持っています。

過去の実績や転職市場の動向、経験・スキル、転職先に求める希望条件などを総合して、転職のタイミングに関する適切なアドバイスを受けられることもあります。「今はまだ動くべきタイミングではない。現職でもう少し経験を積んだほうがいい」とアドバイスされることもあるでしょう。

転職意思が固まっていない段階でも、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年12月24日
記事更新日:2023年10月02日
記事更新日:2025年06月19日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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