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4月入社を目指す転職ならいつから動くとよい?活動スケジュール・メリット・注意点も解説 

4月 入社 転職

転職するなら、区切りのよい年度末に退職し、4月から新しい会社で働きたいと考える人も多いようです。4月入社を目指すなら、いつから転職活動を開始し、どのように進めていけばいいのでしょうか。4月入社に向けた転職活動スケジュール、4月入社のメリット・デメリット、注意点などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。 

4月入社を目指すには、いつから転職活動すればいい? 

「4月入社」を想定した求人は、早ければ前年の11月頃から出てくることがあります。なるべく多くの求人から選びたいなら、12月~1月頃から求人情報の収集・応募を開始するといいでしょう。 

現職との退職交渉・引き継ぎ・退職には、一般的に1カ月~1カ月半ほどかかります。つまり、応募から2月半ば~2月中に内定を得ることが目標となります。面接期間が約1カ月程度に及ぶ可能性を想定すると、遅くとも1月初旬~中旬には応募を開始することが望ましいでしょう。 

4月入社を目指す際の転職活動スケジュール例 

転職活動に要する期間は、当然ながら人によって異なりますが、仕事を続けながら転職活動を行う場合、一般的には「3カ月程度」が目安となります。 

4月入社を目指す場合、転職活動がどのように進んでいくのか、スケジュールの一例をご紹介します。 

キャリアの棚卸し、応募書類の準備:12月~1月 

「キャリアの棚卸し」とは、これまでの経験を振り返り、身に付けた知識・スキル、自身の強みなどを洗い出して整理する作業です。最初にキャリアの棚卸しを行っておくことで、今後目指す方向性が明確になり、求人を見たときにより自身に合うものを見極めやすくなるでしょう。キャリアの棚卸しにかかる時間は人によって異なりますが、12月にはとりかかることをおすすめします。 

自分の「強み」がよくわからない場合、1on1ミーティングや評価面談などの機会、忘年会・新年会などのカジュアルな場面を使いに、上司や同僚に聞いてみるのも一つの手です。 

洗い出したキャリアをもとに「応募書類」の作成も進めましょう。一般的には「履歴書」「職務経歴書」を準備します。クリエイティブ系職種であれば「ポートフォリオ」(作品集)の提出を求められることもあります。 

応募企業探し・応募:12月~1月 

求人サイトを閲覧する、あるいは転職エージェントに登録するなどして求人を探し、応募します。あらかじめ希望条件を整理し、優先順位を付けておくと、多くの選択肢があっても選びやすくなるでしょう。 

なお、「1社に応募し、不採用なら次の1社に応募する」という進め方では、転職活動期間が長引き、4月入社に間に合わない可能性があります。複数企業に応募し、並行して選考を受けることをおすすめします。複数社を比較検討することで、より納得感を持って1社を選びやすくもなるでしょう。 

書類・面接などの選考:1月~2月 

書類選考を経て、面接に進みます。中途採用の面接は、一般的に1~3回程度行われます。面接回数は企業によって異なりますが、選考期間はおよそ1カ月かかることを想定しておきましょう。オンライン面接を行う企業では、面接時間・場所の自由度が高い分、早いタイミングで面接日程の設定がしやすいことから、2~3週間程度で採否の結論が出ることもあります。 

面接対策は、年末年始の休暇なども利用して行うといいでしょう。面接でよく聞かれる質問について、自分の考えを整理し回答を準備しておいてください。知識・スキルの整理だけでなく、「転職理由」「仕事に対する志向・価値観」「今後のキャリアプラン」なども語れるようにした上で面接に臨みましょう。 

内定獲得・条件交渉・内定承諾:2月 

選考を通過すると、企業から「内定通知」が届きます。同時に労働条件を記載した労働条件通知書も受け取りますので、内容を確認し、入社を承諾するかどうか返答します。雇用条件をすり合わせる「オファー面談」が設けられることもあります。 

4月入社を目指し、在籍中の企業との退職手続き・引き継ぎを行うためには、遅くとも2月中に内定企業への入社の意思決定をしましょう。 

現職の退職手続き・引き継ぎなど:2~3月 

「退職する場合は1カ月前までに申し出ること」など、退職通知の時期が就業規則によって定められていることもあります。企業によっては、2カ月以上前などに設定されているケースもあるため、転職活動を開始する段階で確認しておいてください。民法では退職の2週間前までに文章や口頭で申し出れば解約(退職)ができると定められています。 

引き継ぎや有休消化などの状況も踏まえつつ、遅くとも退職希望日の1カ月前までに退職意思を伝えることが望ましいといえます。まずは直属の上司に退職の意思を伝え、退職日や業務の引き継ぎの相談をしましょう。 

場合によっては、強く引き留められたり、後任者をすぐに手配できなかったりと、退職までに予想以上の時間がかかることもあるため、注意が必要です。転職活動中から引き継ぎ用の文書をまとめておくなど、準備を進めておくとスムーズに運びやすくなります。 

入社:4月 

転職先企業からの案内に従って入社手続きを行い、入社します。提出が必要な書類を3月中に準備しておきましょう。 

4月入社を目指すメリット 

4月入社を目指して転職活動をするメリット、実際に4月に入社するメリットとして考えられている一例をご紹介します。 

求人数が多くなる傾向が見られる 

厚生労働省では有効求人数を発表していますが、その年間推移に注目すると、1~3月と9~10月にかけて求人数が増える傾向が見てとれます。 

有効求人数の推移グラフ

(※)出典:一般職業紹介状況(令和7年5月分)(厚生労働省)
「有効求人数(実数、季節調整値)」(厚生労働省)を加工して作成

1~3月に求人数が増加する背景の一つとして、新年度の体制整備のため「4月1日入社者」を募集する動きがあります。加えて、冬季ボーナスを受け取った後に退職する人、年度末で退職する人もいるため、「欠員補充」の求人も比較的多く出てくる時期といえます。一方、年度の採用計画が充足していない企業では、募集を継続しています。

つまり、4月1日入社を想定した時期に転職活動を行うと、比較的多くの求人の選択肢があると考えられます。

現職の仕事の区切りがつけやすい

在籍中の企業でも、年度末にプロジェクトの区切りがついたり、新年度に向けて戦略や組織体制を刷新したりする可能性があり、自身の仕事も区切りがつけやすいかもしれません。「自分が退職した同僚に迷惑がかかる」といった思いから転職に踏み出せない人も、比較的行動を起こしやすいタイミングなのではないでしょうか。

企業側の受け入れ準備が整っていることも多い

企業側では、新卒入社者と一緒に導入研修を行う体制を準備していることもあります。

また、各部署には、新卒入社者だけでなく「異動者」がいることも多く、他の時期と比較して、「新しく入ってきた人に教える。職場に早くなじめるようにサポートする」という意識が高まっているともいえるでしょう。わからないことがあったときに質問しやすいといった空気を感じられるかもしれません。

組織状態によっては、入社後の業務に入りやすい

年度の始まり、新しい組織体制で、新しいプロジェクトがスタートするタイミングで入社する場合、職場には他の新入社員や異動者などもいることが多いでしょう。すでに人間関係が築かれているチームに新たに自分1人だけ入っていくよりも、組織や業務になじみやすいと期待できます。

4月入社のデメリット・注意点

4月入社を目指す場合、状況によってはデメリットと感じられることもあります。以下のポイントに注意しましょう。

選考ペースが想定と異なることがある

企業によっては新年度の体制を早期に整えたいと考え、4月入社者をできるだけ早く確定させようとすることもあります。そのため、応募者が想定していた以上に早いタイミングで内定が出て、入社の意思決定を求められることになるかもしれません。その場合、「複数企業をじっくり比較検討して決めたい」と考えていた人が、マイペースで転職活動を進めることが難しくなる可能性があります。

新卒採用が優先されることがある

新卒採用の予定人数が充足せず、3月ギリギリまで新卒採用を続ける企業も見られます。そうした企業では、新卒採用を優先し、中途採用の選考が後回しになった結果、5月・6月に入社がずれ込むことがあるかもしれません。

年度末の多忙な時期の転職活動をすることになる

4月入社を目指して転職活動を進める時期は、現職の企業でも年度末に向けて多忙になる可能性があります。仕事が忙しい状況で転職活動を行うことに、負担を感じる可能性もあります。

「新卒入社者との同時スタート」に負荷を感じることがある

新卒入社者も配属された職場で、上司や教育担当者が新卒入社者のケアに集中しがちになると、ある程度即戦力性を期待されている中途入社者は質問がしづらい雰囲気を感じることもあるかもしれません。 また、第二新卒(※)などで入社した場合、新卒入社者と同じスタートラインに立ちながらも、「社会人経験が少しでもあるから」と、成果を期待されることにプレッシャーを感じる人もいるようです。

(※)学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)。

4月入社の求人を探したいときは転職エージェントも活用しよう

転職エージェントを活用すると、「新年度からスタートする新規事業のため」「新年度からの組織刷新のため」など、公募情報だけではわからない採用背景や求める人材像を知れることもあります。

また、複数企業に応募する場合、各社の選考スケジュールを踏まえ、内定時期が揃うように応募タイミングを調整するアドバイスも受けられるでしょう。4月入社を実現させるために、転職エージェントのサポートも活用してはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。