
履歴書を作成する際の定番ワードに「現在に至る」「以上」があります。これらの記載には、どのようなルールがあるのでしょうか。「現在に至る」「以上」の意味、記載する位置、正しい書き方などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。見本画像も添えていますので、作成時の参考にしてみてください。
目次
履歴書の「現在に至る」「以上」の意味
履歴書の職歴欄の最後に表記する「現在に至る」とは「現在その職場に在籍している」ことを指します。「在職中」と同じ意味であるため、退職している場合には使いません。離職中の場合は、職歴の最終行に「一身上の都合により退職」と記載し、次の行に「以上」と書きます。
「以上」は「この先の記載はありません」という意味です。つまり「以降の学歴や職歴が存在しない」ことを示します。在職中と離職中どちらの場合も、履歴書の最後に「以上」と記入することで、提出する情報に書き漏れがないと示す役割を果たします。
【基本】「現在に至る」は左寄せ、「以上」は右に寄せて書く

在職中の場合は、職歴の最後の行に、左側に寄せて「現在に至る」と記載します。その1つの下の行に、右側に寄せて「以上」と記載します。
なお、離職中の場合は、職歴の最後の行に「一身上の都合により退職」などと記載し、次の行に右寄せで「以上」と記載します。
「以上」を入れるスペース(行)が足りない場合は?
職歴の記載に多くの行を費やし、行数が足りなくなった場合の対処法をお伝えします。
「現在に至る」で最終行を使ってしまう場合

職歴が多く、職歴欄にスペースが残っていない場合は、最終行に「現在に至る」と「以上」の両方を書く方法があります。
最終行まで職歴で埋まってしまう場合

職歴だけで最終行まで埋まってしまう場合、職歴の一部を省略して記載する方法があります。
見本のケースのように、所属部門や職務が変わらず、担当や勤務地(支店・営業所)などが変わっている場合は、統合して1行にまとめてもいいでしょう。
あるいは、見本のケースであれば、1社目の所属部署名(インターネット事業部 開発チーム 配属)を省く方法もあります。
履歴書と同時に提出する職務経歴書で職歴の詳細を伝えられますので、履歴書では優先して伝えたい職歴の詳細(応募企業で活かせる経験など)を記載し、それ以外は省略してスペース内に収めましょう。
学歴と職歴を分けて書いたときの「以上」の書き方は?

学歴・職歴欄は、一般的に、1行目に「学歴」と記入した上でその次行から学歴を記載し、その下に「職歴」と記入して職歴を記載します。その場合、「以上」は、職歴の記載の後のみに記載します。学歴の記載の後に「以上」を入れる必要はありません。
職歴がない場合

職歴がない場合、「職歴」の1行下に左寄せで「なし」と記載し、その1行下に右寄せで「以上」と記載します。
履歴書の「以上」に関わるよくある質問
履歴書での「以上」の書き方について、生じることが多い疑問にお答えします。
そもそも「以上」は必要ですか?
どうしても必要というわけではないものの、書くことが望ましいでしょう。「以上」の記載があることで、履歴書を読む採用担当者は「記載漏れがない」と判断できます。
「以上」の前に1行あけるべきですか?
職歴の記載と「以上」の間に空いている行があると、記載漏れがあるではないかと思われる可能性もあるでしょう。職歴の最終行の次の行に「以上」と記載しましょう。
以上を書き忘れたらどうなりますか?
「以上」を書き忘れたことが「不採用」の判断につながることはほとんどないため、それほど心配する必要はありません。
ただし、採用担当者によっては「ルールを守れない」「ミスをそのままにする」といった印象を抱くかもしれません。特に、正確性や緻密さが必要とされる職種においてはマイナス印象となる恐れがありますので、十分な注意が必要です。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事更新日:2024年11月05日
記事更新日:2025年07月14日
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