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転職が難しいと感じる人の特徴とは?うまくいかない理由と対処法|年代別の転職のポイントも解説

転職 難しい

「転職したいけれど、自分には難しいかもしれない」「経験・スキルに自信がない場合、転職は厳しいのでは?」などと、転職に対する漠然とした不安を抱えている人もいるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタント粟野友樹氏が、転職が難しいと感じる人に見られる特徴や、転職がうまくいかない理由と対処法、年代別の転職のポイント、未経験でも転職を実現しやすい業界などについて解説します。

「転職が難しい」と感じる人の特徴と対処法

まずは、転職が難しいと感じる人に見られる特徴の一例を解説します。対処法も併せて紹介するので、自分に当てはまるものに取り組んでみましょう。

応募企業の求める経験・スキルにマッチしていない

応募企業が求めている経験・スキルに対し、自分の経験・スキルがマッチしていないケースが挙げられます。例えば、同じ営業職であっても、法人営業と新規開拓では求められる経験・スキルに違いがありますし、ITエンジニア職なども、どのようなプロジェクトや工程、言語に携わるのかによって違ってくるものでしょう。応募する仕事にマッチした経験・スキルを身に付けていない場合は、選考見送りとなるケースが見られます。

一方、求人に「経験年数●年以上」「要マネジメント経験」「語学スキル(TOEIC●点以上必須)」「必須資格●●」などの募集要件が記載されていた場合、これらを満たしていなければ「求める経験・スキルにマッチしていない」と判断される可能性があります。
また、こうした募集要件を満たしていても、企業が求めている経験・スキルのレベルに達していない場合には、同様のことが言えます。特に、採用の水準が高い企業に応募している場合は、選考通過に苦戦しやすいでしょう。

【対処法】

過去の業務経験を振り返り、キャリアの棚卸しを行って自分の経験・スキルを整理した上で、そこにマッチする求人に応募することがポイントです。また、求人をきちんと確認し、必須となる募集要件を満たしているかを確認することも大事です。例えば、「必須資格」「要●●経験」などの記載がある場合は、有資格者・経験者であることが応募の前提となります。

ただし、「経験年数」については、記載されている年数を上回っていない場合でも、それに見合う経験・実績をアピールできれば選考通過できるかもしれません。経験・スキルのレベル感は、求人から把握することは難しいものですが、企業の採用ページの社員インタビューなどを読むことで「どのような業務や責任を任されるのか」をイメージしやすくなるでしょう。

経験・スキルをうまくアピールできていない

自分の経験・スキルを客観的に把握・整理していない場合や、企業研究をきちんと行っていない場合は、転職活動に苦戦するケースが見られます。また、応募書類や面接で、自分の経験・スキルをアピールしきれていなかったり、応募企業の求めていることに合致しない強みをアピールしていたりする場合は、「募集要件の水準を満たしていない」「求められている成果を出すことに期待できない」などの判断につながり、選考見送りとなる可能性があるでしょう。

【対処法】

キャリアの棚卸しで経験・スキルを整理し、自分の強みを明確にしましょう。さらに、企業研究を行って、応募企業の求める人物像や仕事の進め方などを把握し、入社後に発揮できる強みを考えてみることが大事です。

これらをもとに「入社後、どのような業務や場面でどういった強みを発揮できるのか」を具体的にアピールすることがポイントになります。過去の経験の中からその強みが伝わるエピソードも交えて伝えることで、より説得力を高められるでしょう。

キャリアビジョンやキャリアの方向性に一貫性がない

転職理由を明確にせず、イメージのみで応募企業を選んだり、職場や仕事に対する不満解消のみを目的として転職を繰り返していたり、これまで経験してきた仕事と将来目指したいキャリアがかけ離れていたりする場合は、ミスマッチや早期離職を懸念される可能性があります。そのため、転職実現が難しくなる傾向も見られます。

【対処法】

一般的に、企業はこれまでのキャリアや転職理由などの質問を通じて、求職者のキャリアビジョンに一貫性があるか、自社のキャリアパスと合致しているかを確認していると考えられます。「なぜ転職するのか」「今回の転職によって何を実現したいのか」「応募企業でどのようなキャリアを築いていきたいのか」を伝えることが大事でしょう。

仕事に対する価値観や志向性が応募企業にマッチしていない

募集要件に記載されている経験・スキルが十分にあったとしても、応募企業の社風やビジョンと仕事に対する価値観や志向性がマッチしていない場合は、入社後の定着性や活躍可能性に懸念を抱かれ、選考見送りになることがあります。

また、内定を得るために、無理をして自分の考えを応募企業に合わせた場合には、入社後にギャップを感じて早期離職するケースもあります。

【対処法】

企業のホームページや採用ページで、経営理念、社風、企業文化、先輩社員のインタビューなどを確認し、自分の価値観や志向性に合っているかを考えてみましょう。例えば、仕事の進め方においても、企業によって「チームワーク重視」「個人の成果主義」などの違いがあります。

また、年功序列を重視する企業もあれば、実力主義で大きな裁量や重要なポストを任せていく企業もあります。その企業で働く姿を具体的にイメージすることで、自分に合うかどうかを判断しやすくなるでしょう。

年収や勤務地、勤務時間などの希望条件が合わない

現実的ではない年収や勤務地・勤務時間を希望条件とした場合も、転職活動に苦戦する可能性があり、「自分の思うような環境に転職することが難しい」と感じてしまいやすいでしょう。

転職先に求める条件は重要ですが、多くの企業では給与テーブルや就業規則が設定されており、制度上、希望条件を実現できないケースがあります。また、経験・スキルに対して高すぎる年収や待遇などを求めた場合、「客観的な自己評価ができていない」「不満が原因で辞めてしまうのでは」などの懸念を抱かれるケースもあります。

【対処法】

 転職先に求めることを整理し、希望条件を明確にした上で優先順位をつけましょう。全ての希望を満たせる企業はそう簡単には見つからないものです。優先順位の低い条件にこだわりすぎず、譲れない条件をベースに求人を探すことで、応募企業の幅を広げることができます。

また、一般的な年収の相場観を把握するために、転職サイトなどで求人を確認し、企業が求める経験・スキルとモデル年収を調べてみるという方法もあります。

書類選考?面接?転職がうまくいかない段階別の理由と対処法

転職がうまくいかない理由と対処法を段階別に紹介していきます。自分に当てはまる理由がある場合は、対処法に取り組んでみることをおすすめします。

【転職準備】転職活動をうまく進められていない

「転職活動がスムーズに進まない」という場合は、以下のような理由が考えられます。

  1. 転職活動のスケジュール感や転職準備に必要なことがよくわからない
  2. 在職中の転職活動のために面接日程の調整がうまくいかない
  3. 1社ずつ応募して選考を進めている

【対処法】

  1. 転職活動の全体像を把握し、スケジュール感や必要な転職準備を理解した上で、今後にやるべきことの計画を立てる
  2. 応募企業に、在職中の転職活動である旨を伝え、業務時間外に面接を設定してもらえるか相談してみる
  3. 複数社に応募し、選考を並行して進める

【転職準備】自分に合う応募企業が見つからない・わからない

「応募したいと思える企業がなかなか見つからない」という場合は、以下のような理由が考えられます。

  1. 現職(前職)に対する不満のみが転職理由になっている
  2. 幅広く情報収集ができていない
  3. 希望条件を明確にしていない

【対処法】

  1. 不満を解消・改善するための希望条件を洗い出し、そこにマッチする企業を探す
  2. 転職サイトや検索エンジンだけでなく、転職エージェントや友人・知人経由でのリファラル採用(社員の紹介による採用選考)なども活用する
  3. 転職先に望む希望条件を明確にし、優先順位をつけた上で、譲れない条件にマッチする企業を探す

【選考】書類選考に通過できない

書類選考になかなか通過できない場合は、以下のような理由が考えられます。

  1. 経験・スキルに自信がなく、何をアピールすればいいのかわかっていない
  2. 応募書類でアピールする経験・スキル・強みが企業の求めていることとズレている
  3. 応募企業を絞り込みすぎている

【対処法】

  1. キャリアの棚卸しをしっかりと行い、幅広い業務に活かせる「ポータブルスキル」や自分の強みを洗い出す
  2. 企業研究を行い、応募企業が求める経験・スキルにマッチする部分や、業務において発揮できそうな強みをアピールする
  3. 希望条件や業界・業種・職種などにこだわりすぎず、応募企業の幅を広げてみる

【選考】面接選考に通過できない

「書類選考には通過できるのに、面接選考で落ちてしまう」という場合には、以下のような理由が考えられます。

  1. 面接対策をしていない
  2. 面接を受けた後に振り返りをしていない

【対処法】

  1. 面接でよく聞かれる質問に対し、アピールする内容を整理する。口頭で回答する練習も行う
  2. 面接終了後に振り返りを行い、改善点を見つけて次の面接に活かす

【選考】最終面接に通過できず、内定を得られない

「1次面接、2次面接には通過できても、最終選考で落ちてしまう」という場合は、以下のような理由が考えられます。

  1. 1次・2次・最終面接で全く同じ内容の回答をしている
  2. 1次・2次面接と最終面接の回答内容に一貫性がない

【対処法】

  1. 人事担当者、現場の責任者、経営層など、面接担当者の立場を踏まえた上で、質問の意図を理解する
  2. 最終面接の前に、1次、2次面接の内容を振り返り、一貫性のある回答を心がける

【内定】ミスマッチな企業を選択してしまう

内定時にミスマッチな企業を選択してしまい、入社後に自分がイメージしていた転職先と違うことに気づくケースもあります。こうした場合は、以下のような理由が考えられます。

  1. 待遇などの条件面のみで選択し、仕事内容や社風、職場の風土などを確認していない
  2. 「今の仕事を辞めたい」「今の職場から逃げたい」が理由で転職を決意した

【対処法】

  1. 面接時に仕事内容や社風、職場の風土をしっかり確認する。現場の社員との面談や職場見学などを設定してもらうのも一案
  2. 「転職先で実現したいこと=転職の目的」を明確にし、希望条件を整理する。現職のままで目的を実現できるかどうかも検討する

転職がうまくいく人の共通点

転職がうまくいく人に共通している点について、考えられる一例を紹介します。

転職の目的を明確にしている

先にも述べた通り、「転職の目的=転職で実現したいこと」を明確にしている人は、転職先が自分の目的にマッチしているかどうか判断しやすいと言えるでしょう。また、転職の面接では「転職理由」を聞かれることが多くあり、企業はその回答から入社後の定着性や活躍可能性を判断していると考えられます。転職理由を聞かれた際には、転職を決意した背景のみではなく、転職の目的についてしっかりと伝えることが重要です。

応募先企業で転職の目的を実現できるのか、転職理由が「現職(前職)の不満解消」になっていないか、しっかりと考えてみましょう。場合によっては、「今の会社に残った方が、目指すことを実現しやすい」という結論になるかもしれません。

転職市場を理解している

転職市場は、企業の採用ニーズと求職者数のバランスで成り立っています。例えば、企業の採用ニーズが少なく、求職者が多い「買い手市場」の場合は、少ない採用枠に多くの求職者が集中するため、選考通過がより厳しくなると言えます。
一方で、企業の採用ニーズが高く、求職者が少ない「売り手市場」の場合は、企業側は採用水準を見直したり、募集要件を緩和したりすることもありますし、未経験者の採用に積極的になるケースもあります。

転職市場を理解し、企業のニーズと自分の市場価値を踏まえている人は、企業とのマッチングもうまくいきやすいと言えるでしょう。自身の経験・スキルが転職市場でどのくらいニーズがあるのか、また、希望している条件が適正かどうかを理解しておくことが大切です。

中長期的なキャリアビジョンを考えている

一度の転職で希望を叶えられなくても、転職を重ねながら段階的に目指すキャリアを実現していく人も見られます。

転職で実現したいことについて、すぐに実現するのが難しい場合でも、「入社時点で絶対に叶えたい目標」と「入社後にいずれ叶えたい目標」を分けて考えることもできます。
例えば、「年収〇〇万円、マネジメント職を希望」「未経験で〇〇職にキャリアチェンジしたい」などの場合は、「リーダー職を経てマネジャーを目指し、5年以内に年収〇〇万円を実現する」「アシスタントなどから経験を積み、〇〇職を目指す」など、中長期的なキャリアを描くことで、実現可能性が高くなるでしょう。

【年代別】転職をうまくいかせるためのポイント

20代、30代、40代・50代の年代別に、転職をうまくいかせるためのポイントを解説します。

20代で転職する場合

20代前半の場合は、「第二新卒」としてポテンシャル採用を行う企業もあります。こうした場合は、経験・スキルよりも、入社後の成長性や定着性に期待している可能性があるため、成長意欲の高さや応募企業の社風・企業文化にマッチしている点などをアピールすることがポイントになるでしょう。また、一定以上のビジネスマナーを習得していることを求める企業もあるので、きちんとした振る舞いや言葉遣いを心がけることも大事です。

一方、20代後半の場合は、社会人としての経験年数に応じて経験・スキルも重視される傾向があるので、即戦力として活躍できる経験・スキル・強みをアピールすることも1つのポイントです。また、リーダーシップを求める企業もあるので、新人の指導やチーム・プロジェクトを取りまとめた経験などを伝えることで評価につながる可能性があります。

30代で転職する場合

30代の場合は、20代と比べて社会人経験の年数が長いことが考えられるため、即戦力人材として期待される傾向があります。応募企業に入社後、自身の経験・スキル・強みをいかに発揮し、どのような活躍貢献ができるかをアピールすることがポイントです。

また、企業によっては、30代に対してリーダー・マネジメント経験を求めるケースもあるため、組織やプロジェクトにおけるマネジメント経験をアピールすることで評価につながる可能性があります。マネジメント経験がない場合は、現職で経験を重ねてから転職活動を進めるという方法もあります。

40代・50代で転職する場合

40代・50代の場合は、長期的にキャリアを積み重ねていることが想定されるため、経験の豊富さやスキルの高さなどを期待される傾向があります。携わった業務・プロジェクト・顧客などにおける規模感や責任範囲、数字を挙げた実績などを伝えることで、経験・スキルの高さをイメージしてもらいやすくなるでしょう。
また、マネジメント経験や専門性の高いスキルを求めることもあるため、組織マネジメントや専門スキルについてアピールすることで評価につながるケースもあります。

一方、現職(前職)と同水準の給与やポジションを希望している場合は、条件が折り合わず、転職先がなかなか見つからないケースも見られます。待遇やポジションについては、内定の時点で希望を実現できなくても、入社後に実績を挙げることで段階的に実現していける可能性があります。中長期的な視点を持ち、応募企業の幅を広げることで選択肢が広がりやすくなるでしょう。

異業種・異職種への転職は可能?未経験転職した人の割合や転職しやすい業界とは?

未経験転職を目指す場合、「経験・スキルに自信がないため、そもそも転職は難しいのではないか?」と悩んでいる人もいるかもしれません。ここでは、調査データをもとに未経験転職の可能性について解説していきます。

【年代別】異業種・異職種に未経験で転職を実現した人の割合

株式会社リクルート(現・株式会社インディードリクルートパートナーズ )が行った「転職支援サービス『リクルートエージェント』の転職者分析」(※)では、異業種・異職種への転職は増加していることがわかっています。2022年度の転職決定者の業種・職種におけるパターンを分析したところ、「異業種×異職種」が39.3%で最多。また、「異業種×同職種」への転職も32.0%となっていました。

年齢別で見ると「異業種×異職種」に転職した人の割合は、20代が最も高く、20代前半は53.5%、20代後半は42.8%と、半数前後を占めています。年齢が上がるにつれて同職種への転職割合が高くなるものの、30代前半では35.7%、30代後半では31.4%、40歳以上の場合でも25.8%が、未経験の業種・職種への転職を実現していました。年齢にかかわらず未経験転職を実現できる可能性はあると言えるでしょう。

(※)「異業種×異職種」転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた「越境転職」が加速」(株式会社リクルート(現・株式会社インディードリクルートパートナーズ ))

未経験でも転職しやすい業界とは?

株式会社リクルート(現・株式会社インディードリクルートパートナーズ )が実施した「転職支援サービス『リクルートエージェント』の求人分析(※)」をもとに、転職しやすい業界の一例を紹介します。

「仕事の内容」に「未経験」という単語が含まれる求人の推移をまとめたところ、2018年度比で、21年度は1.6倍に、22年度は3.2倍と大幅な増加が明らかになっています。未経験求人の増加をけん引しているのは、「IT 通信業界・インターネット業界や、エンジニア職、営業職、接客・販売・店長・コールセンター職」となっていました。未経験でスキルに自信がない場合でも、急激なデジタル変革ニーズの拡大やコロナ禍後の需要回復などに人材供給が追い付かない業界・職種においては、採用の可能性があると言えるでしょう。

(※)「未経験求人が2018年度比で3.2倍に増加。2022年度で急増 新たな業界・職種へチャレンジできる機会が増加」(株式会社リクルート(現・株式会社インディードリクルートパートナーズ ))

「転職が難しい」と感じたら転職エージェントに相談するのも一案

転職エージェントでは、自身の経験・スキルや希望にマッチした求人の紹介を受けられます。「転職活動がうまくいかなくて辛い」「何がしたいかわからなくなった」「転職先が決まらずに疲れた」という場合にも、転職支援のプロから客観的なアドバイスを受けることで突破口が見つかるかもしれません。

また、転職エージェントによっては、キャリアの棚卸しや転職先に望む条件の洗い出し、応募書類の作成、さまざまな転職支援のサービスを受けられるケースもあります。転職を実現するために、転職エージェントを活用するのも一案です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
記事作成日:2021年03月26日
記事更新日:2024年12月13日
記事更新日:2025年07月02日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。