システムエンジニアに必要な英語力とは？仕事・転職に役立つ英語力を解説

システムエンジニアの皆さんからは、「今後のキャリアや転職のために、英語力を磨くべきなのか？」というお悩みの声が聞こえてきます。システムエンジニアの求人で英語力はどの程度求められるのか、英語力を磨けばどんなメリットがあるかについて、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがお伝えします。

システムエンジニアに英語力は必要なのか？

近年、システムエンジニアの求人において英語力が求められるケースが増えてきています。英語力を要件とするシステムエンジニア求人のうち、多くを占めるのは、メーカーを中心に、流通や金融といった事業会社の社内SEの求人です。

その背景にあるのは、海外への事業展開。海外事業を推進するにあたり、現地の子会社などへのシステム導入・運用が必要となるため、英語力が求められています。

もちろん、外資系企業でも、上司が外国人であったり、本国とのやりとりが必要であったりする場合は、英語力が必須となります。

一方、SIerの求人に関しては、英語力を求めるのは、一部の大手企業に限られています。

システムエンジニアにとって、英語力を磨くメリットは？

システムエンジニアにとって、英語力があることでどんなメリットがあるのでしょうか。
主には次の項目が挙げられます。

海外技術者と英語でコミュニケーションが取れる

海外拠点で働くエンジニア、あるいは自社内で働く外国人エンジニアとのコミュニケーションをスムーズに行うことができます。通訳を介さず自分自身で会話ができる、英文メールのやりとりがスピーディとなるなど、業務を効率的に進めることが可能となります。

英語のドキュメントや記事が読める

海外では、新しい技術やプログラミング言語が多く生み出されています。英文のドキュメントや記事を読んだり、英語の動画を見たりすることで、トレンドをいち早くキャッチアップすることが可能になります。エンジニアとしてのスキルアップに必要な情報を自ら取りにいけるということです。

オープンソース開発に参加しやすい

オープンソース開発には、多様な国のエンジニアが参加しています。プロジェクトの公用語は英語であるため、英語力があれば情報共有や連携がスムーズとなります。

転職する際に選択肢が広がる

転職する際も、英語力があれば応募できる企業の選択肢が大幅に増えます。特に、SIerやITコンサルティングファーム、大手事業会社のシステム部門への転職を目指す場合は、選考で有利となるでしょう。転職によって、グローバルな案件に携われるチャンスも広がります。

エシステムエンジニアに求められる英語力のレベルは？

TOEICスコアが800点以上あれば、採用選考ではかなり有利となります。650～700点以上でもクリアできる可能性は高いといえます。650点程度あれば、最低限の英文の読み書きと多少の会話ができると見なされます。

英語を使用する場面としては、ドキュメントやマニュアルの読解、メールのやりとりが多いため、「読み書き」の力があれば可。会話力もあれば尚可とされます。

外資系企業では、外国人上司との日常コミュニケーションがあるため、会話力が重視されるケースもあります。ただし、外資系企業の日本法人など、普段の業務に英語を使わない場合は、採用において英語力を求められることはそれほどありません。ただし、マネジャー以上のポジションに就くには英語力が必要となってきます。

なお、英語力はTOEICスコアよりも、「ビジネスシーンでどの程度使えるか」が注目されます。選考で英語力をアピールする場合は、「メールのやりとり」「ミーティング」「電話」など、どのようなシーンで英語を使ってきたかを細かく伝えるようにしましょう。

なお、ビジネスで英語を使ったことがない人でも、「これから英語力を磨いていく意欲」があれば受け入れられます。例えば、ある大手企業では、「入社時はTOEIC600点レベルでOK、入社後2年くらいで800点を目指してほしい」としています。

英語に対して抵抗がなく、独自で学習していること、これからも磨いていく向上心があれば、採用されるチャンスがあります。

英語力を磨けば、キャリアの選択肢が広がる

日本国内のマーケットは縮小傾向にあり、多くの企業が海外展開を進めています。システム開発・導入においても、今後は海外に関わる案件が増えていくでしょう。海外プロジェクトに携わるチャンスが得られるという面や、海外の最新技術を先取りしやすい面でも、英語力を身に付けておくと、エンジニアとしてのスキルアップにつながります。

また、英語ができれば、さまざまな国籍の、カルチャーやバックグラウンドが異なる人たちとコミュニケーションをとりながらプロジェクトを推進していく経験を積むことができます。技術だけに限らないビジネススキルを身に付けることで、キャリアを発展させられる可能性があります。

英会話スクールのほか、近年ではYouTube動画、英会話レッスン用アプリ、SNSのコミュニティなど、英語力を磨く手段やツールが多様化しています。自分に合うレッスンスタイルを選んで、英語力アップにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※本記事の内容は、2021年1月取材時点の情報です。