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面接練習はどうしたら良い?一人でもできる面接練習の手順と練習方法、注意点を解説

面接練習

転職活動のプロセスで、「面接」に不安や緊張を抱く方は少なくないかもしれません。事前に面接の練習をしておくことで、自信を持って本番に臨めるようになるでしょう。面接に向けての準備、自分一人で練習する方法、練習で意識したいポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

面接練習はなぜ必要?

なぜ面接の練習をする必要があるのでしょうか。まずは目的を確認しておきましょう。大きく次の2つが挙げられます。

本番で緊張せず話せるようにするため

普段は考えていることをスムーズに話せる人でも、面接のように慣れない場面では緊張してしまい、思うように言葉が出てこないこともあります。話の筋道も乱れ、準備した内容を伝えきれずに面接を終えてしまうかもしれません。

そのため、面接の練習をして「自分の考えを言葉にすること」に慣れておくことが大切です。繰り返し練習すれば、緊張する場面でも落ち着いて、採用担当者の質問意図に沿った受け答えができる可能性があります。

話し方や表情などを改善するため

面接では、話す内容だけでなく、話し方も注目されています。同じ内容を伝えるにしても、「声の大きさ」「話すスピード」「間の取り方」などによって、与える印象は大きく変わるものです。

また、「表情」も印象を大きく左右します。表情が硬いと「自信がない」「意欲が低い」といった印象を与え、逆に笑顔や穏やかな表情であれば、「話しやすい」「前向き」という印象を与えられるでしょう。

話し方や表情を意識して練習すれば、自身のクセを改善し、良い印象を与える話し方・表情を身につけられると期待できます。

一般的な面接の流れと聞かれやすい質問

面接の練習をするにあたり、一般的な面接の流れと聞かれやすい質問項目を理解しておきましょう。

対面面接の流れ

面接の流れは企業によって異なりますが、一般的には以下の流れで進むことが多いようです。

  • 入室・挨拶・アイスブレイク
  • 自己紹介(これまでの経験を1分程度で簡潔に伝える)
  • 採用担当者から募集内容の説明
  • 質疑応答(業務経験、志望動機、転職理由、自己PRなど)
  • 応募者からの質問
  • 採用担当者から今後の選考の流れについての説明
  • 退室

オンライン面接の流れ

オンライン面接(Web面接)の場合、面接そのものの流れは対面面接と基本的に変わりません。

  • PCまたはスマートフォンで、企業側から送られた面接用URLにアクセスする
  • 挨拶・アイスブレイク
  • 自己紹介(これまでの経験を1分程度で簡潔に伝える)
  • 採用担当者から募集内容の説明
  • 質疑応答(業務経験、志望動機、転職理由、自己PRなど)
  • 応募者からの質問
  • 採用担当者から今後の選考の流れについての説明
  • 退室(ログアウト)

面接で聞かれやすい質問

面接でよく質問される項目については、回答を準備しておきましょう。以下は、多くの企業で聞かれやすい質問項目です。

  • 自己紹介
  • 職務経験
  • 転職理由
  • 志望動機
  • 自己PR(得意領域・強み)
  • 企業への逆質問(「何か質問はありますか?」)

上記のほか、以下の質問が投げかけられることもあります。

  • 成功体験・失敗体験
  • 長所・短所
  • 仕事において大切にしていること
  • 経験・スキルを入社後にどう活かすか
  • 入社後にやりたいこと
  • 今後のキャリアプラン

面接練習の手順とチェックポイント

面接の練習は、次のステップを踏んで行うと良いでしょう。チェックしたいポイントもご紹介します。

想定質問と回答を用意する

上記に挙げた「面接で聞かれやすい質問」の項目について、どのように答えるかを考えて整理しておきます。

模擬面接を実施し、内容を記録する

想定質問に対して回答し、一連の流れを実施する「模擬面接」を実施し、その様子を録画・録音などで記録しましょう。

改善点を探しブラッシュアップする

記録した面接内容を確認し、改善点を探します。
このとき、次の項目についてチェックしましょう。

  • 声の大きさ(聞き取りやすい大きさか)
  • 話すスピード(早口になっていないか、ゆっくりすぎないか)
  • 姿勢(背筋が伸びているか、身体が傾いていないか)
  • 話し方(単調すぎないか、語尾が伸びたり消えたりしていないか)
  • 口グセ(「えー」「あのー」といった口グセを多用していないか)
  • 表情(無表情になっていないか、口角が下がっていないか、自然な笑顔があるか)
  • 無意識の動作(髪を触る、貧乏ゆすりをするといった無意識の動作がないか)
  • 視線(相手に目を向けているか、視線が揺れ動いていないか)
  • 話す内容(要点が整理されているか、結論→理由→事例の順で伝えているか)
  • 全体の印象(自信がある、落ち着きがある、意欲的…といった印象になっているか)

録音を文字に起こしてみると、「あー」「えー」などの無意味なつなぎ言葉の頻度を可視化できます。理論的な回答、矛盾がない回答になっているかどうかもチェックしやすいでしょう。

改善点が見えてきたら、どのように改善していくのかまとめてみましょう。改善点を意識しながら、練習を繰り返してみてください。

一人でもできる面接練習方法

面接の練習は、相手がいなくても自分一人で行えます。次の方法を試してみてください。

自分の姿を鏡に映す

鏡の前に椅子を置き、目の前に採用担当者が座っている想定で着席します。質問項目への回答を口に出して話しながら、自分の姿勢や表情を確認しましょう。

上半身全体が映るサイズの鏡を使用すると全体像を掴めるので、姿勢のゆがみや不自然な動作に気づきやすくなるでしょう。

動画を撮影する

パソコンやスマートフォンを使用し、模擬面接の様子を録画します。なるべく上半身全体が映るように調整し、正面のアングルで撮影すると良いでしょう。表情や受け答えするときの姿勢、全体の雰囲気を確認できます。また、動画であれば、声のトーンや話すスピード、口グセなども客観視できるでしょう。

ミーティングアプリを利用する

オンライン会議ができるアプリで新しい会議を作成し、自分だけ参加して録画します。

特に、オンライン面接を受ける場合は、実際に近い形での練習が可能となります。画面を通した見え方、聴こえ方などをチェックしましょう。

第三者を活用した面接練習方法

第三者に「採用担当者」役を務めてもらったり、客観的に見てアドバイスを受けたりする方法もあります。次のような「第三者」の協力を得ると良いでしょう。

家族や友人に協力を依頼する

家族や友人に採用担当者役になってもらい、本番を想定した自己紹介や質問を実施します。

気心が知れているだけに気が緩みがちになってしまうため、緊張感を持ちながら練習に取り組みましょう。また面接後は、感想や意見を率直に述べてもらいましょう。

この場合も、練習の様子を録画すると良いでしょう。協力してくれた家族や友人と共に録画を見返すことで、客観的な視点で問題点に気づいてもらえるかもしれません。

ハローワークの面接練習に申し込む

ハローワークで求職申込みを行うと、無料で面接練習を受けられることがあります。職員が採用担当者役となり、面接本番を想定した流れで練習ができるというものです。

ただし、実施状況はハローワークによって異なるようです。最寄りのハローワークに問い合わせ、実施条件や予約などについて確認してみてください。

(※)参考:ハローワークインターネットサービス 求職申込み手続きのご案内

セミナーやイベントなどを活用する

大規模な転職イベントなどでは、主催する人材サービス企業が、キャリア相談や面接練習ができるブースを設けているケースがあります。その企業のキャリアアドバイザーや、外部のキャリアコンサルタント有資格者などが模擬面接を行い、改善点などのアドバイスを得られる可能性があります。

また、転職エージェントなどが自社で開催する面接対策セミナーでは、面接対策についての講演を行った後、希望者が面接練習(模擬面接)を受けられることがあります。後日予約して面接練習(模擬面接)を受けられるケースもあります。

面接練習のポイント

面接の練習効果を高めるためには、次のポイントを意識してみてください。

型通りの練習ばかり繰り返すのは避ける

面接練習で型にはまった練習ばかり繰り返すことは避けましょう。本番の面接で、練習済みの回答と練習していない回答のギャップが明らかになり、説得力に欠けてしまう可能性があります。友人や家族と練習したり専門家に依頼したりと、さまざまな方法で練習してみることをおすすめします。

面接では、想定外の質問をされることも珍しくありません。せっかく練習を積み重ねてきても想定外の質問に慌ててしまい、本来の力を発揮できなくなってしまうこともあるでしょう。

複数の方法・シチュエーションで面接練習に取り組めば、面接に向けた引き出しも増え、柔軟性高く対応できるようになると期待できます。想定外の質問を受けたり、予想外のシーンに遭遇したりしても慌てずに対応できるかもしれません。

話す時間の長さを意識する

自己紹介や質問への受け答えをする場合は、1項目につき1~2分程度に収めるように意識してみましょう。話す時間の長さを意識することで、より簡潔かつ伝わりやすい回答ができるようになるでしょう。

模擬練習をしているときは、自分なりに時間を意識しながら回答します。また、録画で振り返るときは、どれくらいの秒数話しているのかカウントしてみてください。必要以上に時間がかかっていると感じたら、さらに簡潔な回答にするために、不要な言葉を省くよう意識してみましょう。

できる限り本番に近い環境で練習する

面接練習では、本番を想定したシチュエーションで練習することも大切です。入室から退出までの一連の流れを実際に行うほか、採用担当者を相手に話しているシーンも再現するようにしましょう。

本番に近いシチュエーションで練習することで、面接の疑似体験ができます。それによって面接のイメージを描ければ、本番での緊張も和らぐ可能性があります。

面接が不安な場合は転職エージェントに相談を

面接に不安があるときは、転職エージェントに相談して面接対策のアドバイスを受けてみるという方法もあります。また、転職エージェントは求人企業について、「採用担当者はどのような人物なのか」「どのような質問が想定されるのか」「選考で重視されるポイントは何か」といった情報を持っていることもあります。こうした情報を入手し、準備に活かすと良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2023年02月27日
記事更新日:2024年11月29日
記事更新日:2025年10月08日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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