
転職活動において、「履歴書」「職務経歴書」などの応募書類を郵送や手渡しで企業に提出する場合は、封筒に入れるのが一般的です。その際、封筒の表面に「履歴書在中」「応募書類在中」などと記載します。応募書類を入れる封筒の書き方、封筒への入れ方、渡し方、郵送方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
目次
「履歴書在中」「応募書類在中」封筒とは?
履歴書をはじめとする応募書類を、郵送や手渡しで企業に提出する際には、封筒に入れ、表面に「履歴書在中」「応募書類在中」と記載するのが一般的なマナーです。白色で、A4サイズの書類を折らずに入れられる「角形A4号」や「角形2号」の封筒を使うと良いでしょう。
「履歴書在中」と印字されている封筒も市販されています。また、市販の履歴書用紙を購入した場合、「履歴書在中」と印字された封筒(長形3号)がセットで入っていることもあります。
封筒に「履歴書在中」「応募書類在中」と記載する理由は、採用担当者に確実に、スピーディに届けるためです。企業側が自社に届いた郵便物を仕分ける際、中身が分かりにくいと誤って別の部署に配布してしまい、採用担当者に届くのが遅れる可能性があります。郵便物を最初に受け取った人が封筒を見たとき、「履歴書在中」「応募書類在中」の記載があれば、採用担当部署に届けるべき書類であることが一目で分かるでしょう。
なお、面接で応募書類を持参する場合も、封筒には「履歴書在中」「応募書類在中」と記しましょう。受付で提出するなど、採用担当者以外の人に渡す可能性もあるため、封筒の中身が分かるようにしておくと安心です。
「履歴書在中」と「応募書類在中」の違い
履歴書(+送付状)のみを送る場合は「履歴書在中」と記します。履歴書とともに職務経歴書、ポートフォリオ(クリエイティブ職などが提出する作品集)といった書類を同封する場合は「応募書類在中」と記しましょう。ただし、どちらを記載してもそれほど気にされることではないため、厳密に区別する必要はないでしょう。
「履歴書在中」「応募書類在中」封筒の書き方見本
封筒の表面への「履歴書在中」「応募書類在中」の書き方は、下記の見本を参考にしてください。

縦書きの場合は封筒表面の左下に縦書きで記します。宛名よりも下の位置に書くとバランス良く見えます。横書きにする場合は、宛名から離し、封筒表面の右下に横書きで記します。宛名よりも右寄りの位置に書くとバランスが取れます。
見本は郵送する場合の書き方になります。持参して手渡しする場合は、表面に宛先(応募企業の住所・社名)を記載する必要はありません。ただし、裏面の差出人(自分の住所・氏名)は記載しましょう。
封筒に「履歴書在中」「応募書類在中」と書くときのポイント
封筒に「履歴書在中」「応募書類在中」と記載する際には次のポイントを押さえておきましょう。
赤のペンを使う
なるべく目立つように、赤色の太字のペンで記載します。水性のペンだと、雨や手汗などで濡れた場合、にじんでしまう可能性があります。可能であれば、油性ペンを使うと良いでしょう。
「履歴書在中」「応募書類在中」の文字を枠で囲む
赤色のペンで、文字の周りを長方形の枠で囲みます。枠線がゆがんでいると雑な印象を与える可能性があるため、できる限りまっすぐな線を引くと良いでしょう。
スタンプを使う方法もある
文具店や100円均一ショップなどでは、「履歴書在中」のスタンプが販売されていることがあります。「送付する企業の数が多い」「手書き文字に自信がない」といった場合に、スタンプが便利でしょう。
「履歴書在中」「応募書類在中」封筒への書類の入れ方
封筒への書類の入れ方は、一般的には、上から「送付状(郵送の場合)→履歴書→職務経歴書→その他の書類」の順に重ねます。採用担当者はまず「履歴書」で応募者の基本情報を確認し、次に「職務経歴書」で詳細な職務経歴・スキルなどを確認するため、履歴書を一番上に配置しましょう。
また、書類は透明のクリアファイルにはさんでから封筒に入れることをおすすめします。郵送中や持ち運び時に折れたりしわになったりすることを防げるでしょう。

【参考記事】履歴書を入れる封筒のマナーとチェックリスト
「履歴書在中」「応募書類在中」封筒の手渡しの方法
採用担当者に直接手渡しする場合は、応募書類を封筒から出し、クリアファイルにはさんだ状態のまま、下に封筒を重ねて渡すと良いでしょう。封筒に入れたまま手渡すと、採用担当者に開封の手間を取らせることになります。
手渡す際は、相手から見やすい向きにし、両手で渡すと、丁寧な印象を与えられるでしょう。
受付で渡す場合は封筒のまま渡す
面接会場の受付で履歴書の提出を求められるケースもあります。その場合は、指示がない限り封筒に入れたまま渡しましょう。この場合も、相手から見て正しい向きで、両手で渡します。
「履歴書在中」「応募書類在中」封筒の郵送方法
「履歴書在中」「応募書類在中」の封筒を応募企業に郵送する場合のポイントをお伝えします。
郵送の場合の切手代は?
応募書類を折りたたみ、長形3号封筒(12.0cm×23.5cm)で郵送する場合は、「定形郵便物」に分類されます。薄型の封筒に履歴書1枚、職務経歴書1~2枚であれば50g以内で収まるでしょう。50g以内の定形郵便物の切手代は110円(※)です(2025年8月時点)。
しかしながら、応募書類に折り目を付けると、見栄えが良くないばかりか、採用担当者が読みづらさを感じるかもしれません。なるべく「角形A4号」または「角形2号」の封筒を使い、A4サイズの書類を折らずに入れることをおすすめします。
「角形A4号」「角形2号」は「定型外郵便物」に分類され、切手代は50g以内で140円、100g以内で180円(※)です(2025年8月時点)。
(※)出典:「国内の料金表 手紙・はがき」(日本郵便株式会社)
重さを量るスケールが自宅にない場合などは、郵便局に持ち込めば正確な料金が分かり、料金不足となる心配がないでしょう。
平日に郵便局に行けないときの対処法
企業に勤務しながら転職活動をしている場合は、平日の日中に郵便局に足を運んで発送することが難しいかもしれません。その場合、「ゆうゆう窓口」を活用する方法があります。郵便局の通常窓口が営業していない夜間や土日などでも郵便物を受け付けています。郵便局によって営業時間が異なるため、近隣の郵便局の営業時間を調べてみましょう。
(※)参考:ゆうゆう窓口・集荷・配達に関する郵便局を調べる
応募書類の作成に悩んだら、転職エージェントに相談を
応募書類は、書き方によって採用担当者の印象が異なることもあります。もし、履歴書や職務経歴書の書き方に悩んでいる場合は、転職エージェントに相談するという方法もあります。転職エージェントは転職支援実績から、応募書類をどのようにまとめれば良いかのノウハウがあります。
転職活動を効率的に進めるためにも、転職エージェントのサポートを活用してはいかがでしょうか。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。