履歴書の「通勤時間欄」はどう書くとよい？勤務地未定、転居する際などのケース別の書き方も解説

履歴書のフォーマットには「通勤時間」を記入する欄が設けられていることもあります。履歴書に通勤時間を記入する方法や意識したいポイント、通勤時間がわからない場合の記載方法、採用担当者が通勤時間から知りたいことなどについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

履歴書に書く通勤時間とは？

市販の履歴書用紙やWeb上からダウンロードできる履歴書フォーマットには、「通勤時間」を記入する欄が設けられていることがあります。

履歴書に「通勤時間」をどのように書くかについては、明確な定義やルールなどはありません。一般的には、「自宅から会社までの通勤に要する片道の時間」を記入します。所要時間は、電車・バスなどの公共交通機関や自家用車・自転車などで移動する時間、自宅・会社の最寄り駅などへ徒歩で移動する時間、すべてを含みます。

なお、厚生労働省が推奨している履歴書様式には、通勤時間の記入欄は設けられていません。しかし、応募企業に対して通勤時間を伝えておいた方がよいと判断した場合は、「本人希望記入欄」に記載しておくとよいでしょう。

履歴書の通勤時間を書くときのポイント

履歴書に通勤時間を記載する際、押さえておきたいポイントをお伝えします。

自宅から会社までの片道の時間を書く

通勤時間は、自宅から会社まで、「ドアtoドア」での片道の所要時間を記載します。所要時間は、「自宅から最寄り駅・バス停などまでの徒歩時間」＋「電車・バスなどの乗車時間」＋「会社の最寄り駅・バス停などからの徒歩時間」などと、通勤にかかるすべての時間を合計します。記入時間の後に（電車）（バス・電車）などの交通手段も添えておくと丁寧な印象となります。

複数経路がある場合、「最短」の時間を書く

自宅から会社までの交通手段や経路が複数ある場合は、ドアtoドアが最短時間となる交通経路を書くのが一般的ですが、交通費が極端に高くなるようであれば、時間と交通費のバランスを考慮して、経路を記載するとよいでしょう。

1時間未満であれば「0時間XX分」と書く

通勤時間記入欄がある履歴書フォーマットでは、「約　　時間　　分」と印字されています。通勤時間が1時間未満である場合、「約　0　時間　XX　分」と記入します。時間の部分が空白のままだと「書き漏れかもしれない」と思われる可能性があるためです。

通勤時間が1時間ちょうどである場合は、「約　1時間　0　分」と記入しましょう。

通勤時間は5分単位で書く

通勤時間は、5分単位で記入するのが一般的です。1分単位の端数は四捨五入して記入しましょう。

経路は出社時間に合わせて調べる

自宅から会社までの経路は、インターネットやスマートフォンアプリで提供されている乗換案内サービスや地図検索サービスで調べるとよいでしょう。
このとき、平日（土日勤務であれば土日）で、出社時間に合わせて「到着時刻」を設定すると、その曜日・時間帯に最適なルートが表示されるでしょう。曜日や時間帯によって電車の運行本数などが大きく異なることもあるため、曜日・時間を設定することで、より正確な所要時間を調べられるでしょう。

車・バイク・自転車など電車以外の場合

車・バイク・自転車などで通勤する場合は、地図検索サービスを活用し、移動手段を設定して調べるとよいでしょう。曜日や時間帯などで渋滞状況が異なることもあるため、出勤する曜日・時間を設定して調べると、より正確な所要時間がわかるでしょう。

通勤時間がわからない場合はどうしたらよい？

「これから転居を予定している」「入社後の勤務地が不明」など、通勤時間がわからない場合の書き方をご紹介します。

転職に合わせて引っ越しする場合

応募企業への転職が決まったら引っ越しを予定している場合、次のように記入しておくとよいでしょう。

勤務地が未定の場合

入社後の勤務地候補が複数あり、どのエリア・事業所に配属されるかわからない場合、希望する勤務地までの通勤時間を記載し、その旨を書き添えておきましょう。

テレワーク（リモートワーク）の場合

勤務条件がテレワーク（リモートワーク）中心であっても、自宅からの通勤時間は記載しておき、「※テレワークを希望しています」といった希望を書き添えておくとよいでしょう。

履歴書の通勤時間から採用担当者が知りたいこと

採用担当者は、履歴書に記載されている通勤時間をもとに、どのようなことを考え、判断しているのでしょうか。

勤務地が複数あるなら、通勤しやすいと考えられるエリアへの配属を検討する、社宅や社員寮などを保有する企業なら入居の提案を検討するといった可能性もあるでしょう。

一方で、通勤の距離や交通手段によっては、通勤手当が高額となることを懸念するケースも考えられます。もちろん企業によって視点は異なりますが、「通勤時間が長いと、心身の負担が大きいのではないか」という懸念もあるでしょう。通勤時間が極端に長いと、日々の通勤へのストレスから、仕事へのモチベーション低下や健康面への悪影響につながるのではないかと不安視する採用担当者もいると考えられます。

もし通勤時間の長さに対し、「採用担当者に懸念を抱かれるかもしれない」と考えるなら、「業務に支障はない」「採用いただけたら転居を検討する」といったことを伝えておくのも一案です。