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やりたい仕事がない・わからないときはどうする?原因と自分に合う仕事の探し方を解説

やりたいことがない 仕事

やりたいことがないし、やりたい仕事が何かもわからないという場合、どのように自分のキャリアを考え、仕事を選べば良いのでしょうか?今回では、やりたい仕事がない・わからないと感じる原因や、やりたい仕事の探し方・見つけ方などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

やりたい仕事がない・わからないと感じる5つの原因

まずは「やりたい仕事がない・わからない」と感じてしまう原因について解説します。

自分のことが理解できていない

例えば自分の強みや持ち味、やりがいの源泉など、自分自身のことを理解できていないと、やりたい仕事の方向性が見えにくくなりがちです。

「やりたいことがわからない」「興味がある仕事がない」という場合でも、自分の強みや持ち味などを活かして成果を出すことで「この仕事は自分の天職・適職なのだ」と感じるケースもあります。しかし、強みや持ち味などを把握できていないと仕事で成果を挙げにくく、「向いている」と感じづらくなるでしょう。

自分に自信が持てていない

興味のある仕事はあるものの、自分に自信が持てないことで最初からあきらめているケースもあります。「経験・スキルがないから無理」と思わず、興味を持った仕事に思い切ってチャレンジすることで、自分の得意・不得意が明らかになり、キャリアの方向性が見えてくる可能性があります。

また、「気になる業界はあるけれど、自分にできる仕事がない」と感じてしまうケースもあるようです。楽しそうだと思う業界があるなら、業界内のさまざまな仕事について調べてみることで、未経験からチャレンジできる職種が見つかるかもしれません。最初から「やりたい仕事」と「できそうな仕事」を切り分けずに、選択肢を広げることが大事だと考えましょう。

業界や仕事についての知識が少ない

世の中には数多くの仕事があり、あまり知られていない職業などもあります。「やりたい仕事がない」「楽しいと思える仕事がない」と感じる理由は、やりたい、楽しいと思える仕事を知らず、出会えていないだけという可能性もあります。多くの仕事を知ることによって、自分がやりたい仕事が見つかるかもしれません。

希望条件を重視しすぎている

給与や残業時間・休日休暇、福利厚生、勤務地など希望条件ばかりを重視しすぎてしまい、自分に合った仕事を見逃してしまっている可能性もあります。

例えば、転職サイトなどで仕事探しをする際、年収条件や休日数、勤務地などの検索条件から絞り込んだ場合には、条件に当てはまる求人のみしか検索結果に表示されなくなってしまいます。

業界・職種を絞り込みすぎてしまい、ほかの求人が視野に入っていないケースもあるようです。希望条件も大事ですが、業務内容や仕事のやりがいという視点から探してみることで、自分に合う仕事が見つかる可能性もあるでしょう。

理想の仕事を追い求めすぎている

興味を持った仕事があっても「今の仕事より給料を下げたくない」「ハードワークはしたくない」「生涯働き続けられるような専門性を身につけたい」「安定的に働ける企業が良い」など、転職先に求める条件が多く、仕事選びが進まないというケースもあります。

業界や職種によっても異なりますが、全ての希望を満たすパーフェクトな仕事を見つけるのは難易度が高いと言えるでしょう。

また、未経験分野への転職を考えている場合、入社当初の待遇や仕事内容に納得できず、その結果「自分に合う仕事がない」と感じるケースもあるようです。しかし、入社後に経験を積み、成果を挙げていくうちに給与アップができたり、目指す職種やポジションに就けたりする可能性もあります。理想の仕事を追い求めるあまり、仕事探しの段階から選択肢を狭めてしまうことなく、中長期的な視点で考えることが大切です。

原因別・やりたい仕事の探し方・見つけ方

前述の「やりたい仕事がない・わからない」原因別に、やりたい仕事の探し方・見つけ方について解説します。

自己分析を行い、自己理解を深める

これまでの経験を棚卸しして、自己分析してみましょう。その上で、携わってきた業務一つひとつを振り返り、どのような成果を挙げ、評価を得たのか、どのような工夫をしたのか、何に喜びややりがいを感じたのかなどを書き出してみると良いでしょう。

自己分析の過程で、自分はどのような仕事で力を発揮できたのか、どういう仕事にやりがいを感じるのかなどを、改めて思い起こしてみることをおすすめします。それらがやりたい仕事を探すうえでの重要なカギになるでしょう。

過去の成功体験を振り返る

成功体験とは、自分の強みや持ち味が発揮できた結果、成果につながったりほめられたりした体験を差します。これまでの成功体験や、嬉しかったこと、周囲にほめられたことなどを振り返る過程で、自分の得意分野ややりがい・醍醐味に気づける可能性があります。それを軸に考えれば、成果を出しやすく、やりがいを感じやすい仕事が見つけやすくなるでしょう。

業界・職種研究を行う

「やりたい仕事がない」と悩んでいる人の中には、「長く○○業界にいたから」「△△職の経験しかないから」などの理由でごく一部の業界・職種しか見ておらず、視野が狭くなっているケースがあるようです。

世の中にはさまざまな業界や仕事があり、異分野でも活かせる経験・スキルはあります。ほかの業界や職種にも視野を広げ、調べてみることで、興味を持てそうな仕事が見つかったり、経験が活かせそうだと感じる仕事に出会えたりする可能性があるでしょう。

希望条件に優先順位をつけて整理する

転職先に求める希望条件が多すぎると、その条件に縛られすぎてしまい、「やりたい仕事は何か」が見えづらくなってしまう可能性があります。

また、希望条件を全て満たそうとすると、どうしても年収、企業規模、休日休暇などといった比較検討しやすい定量的な条件を重視してしまい、「やりがい」を後回しにしてしまう傾向にもあります。

希望条件に優先順位をつけて整理し、「絶対に譲れない条件」と「妥協しても良い条件」を明確にしておくと、求人を選ぶ際の視野が広がり、やりたい仕事かどうか、自分に合いそうかどうか、判断しやすくなるでしょう。

「将来なりたい姿」から逆算する

将来どんな自分になっていたいのか、「なりたい姿=キャリアビジョン」から逆算すれば、今どんな仕事に就けば良いのか見えてくる可能性があります。

キャリアビジョンは多くの場合、経験を積むごとに変化していくものですが、まずは仮置きでも良いので設定してみると、「これはキャリアビジョンに合っている・合っていない」など、仕事を選ぶ上で判断がしやすくなるでしょう。

転職エージェントなど「第三者の力」を借りる方法もある

「自分一人では何がしたいのかもわからず、何が適職なのかもわからない」と感じたら、他者の力を借りてみるのも良いでしょう。

例えば、家族や友人に自分に向いていると思う仕事は何か聞いてみる、無料の適職診断や適職セミナーなどを活用してみる、転職フェアなどに参加してさまざまな業界・企業・職種に触れてみる、などの方法が考えられます。

転職支援のプロである転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。

転職エージェントは無料で登録・利用ができ、キャリアアドバイザーとの面談を通じてキャリア相談できるケースもあります。キャリアアドバイザーに自分の思いを具体的に話すことで、やりたい仕事が明確になったり、キャリアの棚卸しによって自分の強みを洗い出すことができたりするかもしれません。

また、転職エージェントでは、求職者の希望条件と経験・スキルにマッチする求人を紹介してくれるので、幅広い角度から自分に向いている仕事を提示してもらえるかもしれません。意外な適職や、あまり知られていない職種などを発見できる可能性もあるでしょう。

年代別・やりたい仕事がないときの考え方、動き方

社会人経験の長さや経験してきた業務範囲、スキルなどによって対処法も変わってくる可能性があります。ここでは、年代別に「やりたい仕事がない、わからない」ときの考え方と動き方をご紹介します。

20代は、さまざまな仕事に挑戦して経験値を増やす

社会人経験がそれほど長くないことが多い20代の場合、仕事を通じてやりがいや醍醐味を感じた経験が少ないというケースもあるでしょう。業務範囲が限定的な場合はなおさら、やりたい仕事自体ピンと来ないという人も多いかもしれません。

そのため、まずは現在の職場で、いろいろな仕事に挑戦してみるのは一つの方法です。新しい仕事にチャレンジしたり、部署横断のプロジェクトに手を挙げてみたりと、行動範囲を広げ知見を増やしていく中で、新たな気付きが得られたり、思わぬやりがいが見つかったりする可能性があります。挑戦の過程で試行錯誤を繰り返し、ビジネスパーソンとしての経験値が上がることで、将来の方向性も見えてくるかもしれません。

30代は経験・スキルを活かせる仕事から考える

ビジネスパーソンとして一定の経験を積んだことの多い30代は、「できること」から考えてみると良いでしょう。

自身の経験やスキル、強みを活かせる仕事は、すなわち成果が上げやすく評価されやすい仕事と言えます。評価されれば、それがやりがいにつながり、「自分の適職はこれだ」と実感しやすくなるでしょう。

ただ、中には「できることであり、評価される仕事だけれど、やりがいは持てない」というケースもあるかもしれません。この場合は、20代と同様、新たな仕事に挑戦してみるのは一つの方法です。

新しい業務を経験する中で、思わぬ自分の特性ややりがいの源泉に気づけるかもしれません。また、意外な場面でこれまでの経験を活かすことができ、改めて自分のスキルや強みを実感できる可能性も考えられるでしょう。

40代は、改めて自己分析に取り組んでみる

業務経験豊富な方が多い40代だからこそ、「今さらやりたい仕事なんて思い浮かばない」というケースもあるでしょう。

自分自身が「楽しい」「面白い」と感じるかどうかを判断軸にすれば、やりたいと思える仕事が見つかる可能性はあります。ただ、勤務先や転職先は多くの場合、40代に対して即戦力としての活躍を求めているため、「楽しい・面白い」だけでは仕事選びが難しい側面もあるでしょう。

だからこそ、今一度「自己分析」に取り組んでみるのは一つの方法です。これまでの経験を振り返り、やりがいを感じた場面を洗い出してみるのはもちろん、「あまり好きになれなかった」「やりがいを感じなかった」経験についても、「どのように行動すればやりがいを感じられたのだろう?」「今の自分なら、どのように取り組むだろう?」などと考えてみるのもお勧めです。あまり重要視していなかった業務や苦手意識を持っていた業務に対する見方が変わり、過去の経験の中から興味を持てる仕事が見つかるかもしれません。

もしくは、20代と同様、新たな仕事にチャレンジしてみるのも有効と言えるでしょう。経験のない業務から刺激を受け、狭まっていた視野が開けるかもしれません。社内でのチャレンジが難しければ、副業などでチャレンジの範囲を広げるのも方法です。

やりたい仕事がない場合の転職活動の注意点

「やりたい仕事はわからないけれど、今の仕事は合わないので早く辞めたい」というケースもあると思います。そのような場合は、次のような点に注意が必要です。

安易に退職を選ばない

「今の仕事にはやりがいを感じないから」と安易に退職を選ぶのはリスクが大きいでしょう。

退職後に、自分のやりたいことをじっくり考えるのは一つの選択肢ではありますが、ブランク期間が長くなるにつれ焦りが生じ、意に沿わない転職を決めてしまう可能性があります。

可能であれば前述のような方法で、やりたいことをある程度明らかにした上で退職するか、退職前に転職活動を進めたほうが良いでしょう。

理想を追い求めすぎない

現状への不満から、転職先に対して自分の理想ばかりを追い求めてしまったり、好きや憧れだけで仕事を探そうとしてしまったりするケースがあるようです。

理想や好き、憧れという軸だけでは、自分に合う仕事かどうかは判断できず、もし転職できたとしても、力が発揮できるとは限りません。。強みや持ち味、特性といった視点も加えながら、活躍できそうな仕事を探すと良いでしょう。

一人で考え込みすぎない

「今の仕事を辞めたいのに、やりたい仕事が何なのかわからない」ことに悩み、行き詰まってしまう人は少なくないようです。そんなときは独りで考え込みすぎるのではなく、友人や先輩、家族など第三者からアドバイスや情報を得ることを優先すると良いでしょう。自己分析や業界・企業研究を行ったもののピンと来ないという場合も、第三者の客観的な意見が良いヒントになる可能性があります。

転職支援のプロである転職エージェントも、相談相手になり得るでしょう。転職エージェントを利用したからといって、必ずしも転職しなければいけないわけではないので、キャリアのアドバイスや仕事選びの情報を得るために、気軽に相談してみるのも一つの方法です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2025年1月31日 記事更新日:2025年07月31日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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