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仕事でミスをしたときの対処法 | ミスをする原因と対策、落ち込む気持ちの切り替え方

仕事のミス

仕事のミスが原因で「会社に損害を与えてしまったかもしれない」「取り返しがつかないミスをしてしまった」「自分には向いていない気がするから辞めたい」などと考え、落ち込んでしまうケースもあるようです。

仕事でミスをしたときの対処法や、ミスが多い原因とミスを減らすための対策、落ち込んだときの考え方などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

仕事でミスをしたときの対処法

仕事でミスをしたときは、「取り返しがつかない」と落ち込むより、迅速に対処することが重要です。きちんと対処することで、失敗を挽回できたり、信頼を失わずに済んだりするケースもあれば、「意外と大したことじゃなかった」と気づくケースもあるものです。
以下に、ミスをしたときに対処することを順を追って紹介するので、参考にしてみましょう。

1:ミスの内容について正確かつ迅速に報告する

仕事でミスをしたときは、なるべく早い段階で上司に報告しましょう。ミスを隠そうとするケースもありますが、その後に発覚する・しないにかかわらず、ミスを隠蔽すること自体が大きな問題と言えます。ミスを報告しなかったために深刻な事態に発展し、会社に損害を与えてしまうケースもあるので、迅速に報告することが大事です。また、ミスに至った経緯については、主観ではなく客観的な視点を持って、事実を正確に伝えましょう。

2:上司からミスに対応するための指示を受ける

自己判断で解決しようとすると、ミスを重ねたり事態を悪化させたりする可能性もあるため、上司などから指示を受けて対応しましょう。

3:誠意をもって謝罪し、対応策を伝える

自分のミスによって迷惑をかけた人がいた場合は、自らの非を認めた上で誠意をもって謝罪しましょう。ミスの大きさや相手によって、メールやチャットのみで謝罪をすることを快く思わないケースもあれば、直接訪問や電話での謝罪に時間を割きたくないというケースもあるので、最も誠意を伝えられそうな方法を取るといいでしょう。自分では判断できない場合は、上司に指示を仰ぐことも一案です。

また、謝罪だけで終わらせず、「今回のミスをどのようにカバーするのか」「今後にどのような対応策を取るのか」まで補足できるといいでしょう。

4:原因を振り返って今後の対応策を考え、実行する

ミスを起こすまでの経緯を振り返って分析し、同じミスを繰り返さないためにはどうすればいいかを考えることも重要です。上司にも相談し、対応策を決めた上で実行していきましょう。

5:関係者に対応策を報告・共有する

対応策が固まったら、あらためて関係者に謝罪と報告を行います。ミスを繰り返さないためにも、今後は対応策に従って行動し、信頼の回復に努めましょう。

仕事でミスが多い原因とは?

仕事のミスを減らすためには、ミスの原因を知ることがまず重要です。仕事でミスが多くなってしまうときに、考えられる原因の一例を紹介します。

まだその仕事に慣れていない

「部署異動」「担当業務の変更」「昇進(リーダーやマネジャーになったなど)」、あるいは「転職」をしたばかりの状態である場合、当然ながらその仕事に慣れていないため、想定外のミスをしやすいと言えるでしょう。

仕事に集中できていない

睡眠や休息が不足していたり、体調が優れなかったりするなどで、仕事に集中できていない可能性もあります。また、作業を進めやすい環境を整えていないことが集中力の低下につながるケースもあります。

例えば「パソコンに保存しているファイルやフォルダが整理されていない」「デスク回りに資料が散乱し、整理整頓ができていない」「仕事に無関係のものが視界に入ってくる」などが挙げられます。

担当業務を遂行するスキルやキャパシティが不足している

担当している業務に対し、スキルが足りていない可能性もあります。また「多くの仕事を引き受けてしまう」「複数の仕事を同時に進めて混乱を招いてしまう」など、自身のキャパシティを超えていることも考えられます。

「頼まれると断れない」「周囲にサポートを依頼できない」といったタイプの場合は、こうした状況に陥りやすいかもしれません。

仕事の優先順位付け、スケジュールの管理ができていない

自分にとって進めやすい仕事や興味がある仕事を優先し、急ぎの仕事や重要な仕事を後回しにした場合、時間の余裕がなくなり、焦って対応することになりがちです。仕事の優先順位付けや、時間配分が適切に行われていないために、ミスが発生しているケースもあります。

わからないことを確認せずに進めている

仕事を進める中で迷うことがあったとき、上司や先輩に相談・確認をすることなく、自己判断や思い込みで仕事を進めてしまった結果、誤った方向へ進んでしまうケースもあります。

成果物に対する責任感が不足している

業務を一通り終えた後、最終チェックを怠ったり、周囲にチェックを依頼しなかったりしたために、ミスに気付けないケースも見られます。成果物に対する確認が不足している場合などに起こりやすいミスと言えるでしょう。

仕事でミスが発生しやすい組織の傾向

仕事のミスが発生する原因として、組織側に問題があるケースも見られます。ミスにつながる組織の要因としては、次のような一例が挙げられます。

上司が適切な仕事をアサインできていない

異動や昇進により、上司が部下の経験・スキル・適性を把握していないために、その人に適した仕事をアサインできていない可能性があります。

人手不足で一人ひとりの業務負荷が高い

慢性的に人手不足となっている職場では、一人ひとりが担う業務負担が大きくなる傾向があります。目の前の業務をこなすことで精一杯になっている場合、計画的に業務を進められなかったり、入念なチェックができなかったりするために、ミスが発生しやすくなるケースもあります。

業務システムやツールなどの環境が整備されていない

扱いにくい業務システムやツールを使っているために、ミスを招くケースもあります。また、IT化が進んでおらず、業務効率化のツールなどを整備していない職場の場合は、「手入力」「目視による確認」「手作業によるコピー」などのアナログな工程を経ることで、ヒューマンエラーが起きやすくなると言えるでしょう。

チーム内のコミュニケーションが不足している

上司から部下に対し、仕事内容について十分な説明がなされていない場合や、チームのメンバー同士でノウハウや注意事項などの共有がされていない場合は、コミュニケーション不足によってミスが発生しやすくなるケースも見られます。

教育・研修が整備されていない

業務の遂行に必要な知識やスキルを学ぶ研修・教育が整備されていないために、仕事の進め方や手法を十分に理解できていないケースもあります。正しい進め方がわからない場合や、知識や経験がない場合は、自分自身でミスにつながるのかどうかを判断することも難しいでしょう。

仕事でミスをしないための9つの対策

ミスを発生させないための対策は業務内容によって異なりますが、以下のポイントを意識することで予防できる確率を高めることができるかもしれません。個人の力のみでは実現が難しい場合は、チームや上司に対策を提案してみるのも一案です。

わからないことを残したまま進めない

わからないことがあるときは、そのままにして進めるのではなく、その場その場で確認・質問しましょう。次に同じような状況が発生した場合、ミスを防ぐことができます。

ダブルチェック体制を作る

同僚や上司に協力してもらい、仕事の途中段階や成果物に対してチェックをしてもらう仕組みを作っておくと安心できるでしょう。もしミスがあった場合、問題が大きくなる前に対処できます。

自分の仕事であることを意識する

仕事でミスを減らすためには、自分の仕事に対する責任感を持つことも大事です。「これは自分の仕事だ」という自覚を持つことで、より注意深く、慎重に業務に取り組めるでしょう。

また、チームのメンバーや関係者などの確認ミス、報告・共有ミスなどが要因でトラブルが発生したり、自分のミスにつながったりするケースもあります。こうした場合は、ミスを防ぐ仕組みや方法を考え、提案してみることも必要かもしれません。任されている業務だけでなく、かかわっている仕事全体を自分ごととして捉え、ミスが発生しにくい環境を整えていくことで、今後の仕事をスムーズに進めやすくなるでしょう。

チーム内のコミュニケーションを活性化する

チーム内のコミュニケーションを増やし、わからないことを気軽に質問したり、迷ったときに相談できたりするようなムードを作っていきましょう。積極的に質問をしたり、他のメンバーに情報を提供したりするなど、自ら働きかけていくことでチームのコミュニケーションを活性化できるかもしれません。

作業を適切に分担する

自分が担当する業務の習熟度を見極めたり、やるべきことに優先順位を付けたりするように意識するといいでしょう。
「業務量が多すぎる」「経験がなく、わからないことがある」という場合には、自分に負荷がかかりすぎている部分を他のメンバーに分担してもらったり、サポートしてもらったりすることで、ミスを防ぎやすくなります。

一人で抱え込むとミスを招いたり、パフォーマンスが落ちたりする可能性があります。組織としての成果や目標達成を意識した上で、適切な仕事をアサインしてもらえるよう上司に相談してみましょう。人員が足りていない場合は、他部署からの異動による補充や新規採用を提言してみるのも一つの方法です。

ITツールの活用を検討する

入力ミス・転記ミス・計算ミスなどアナログな単純作業でヒューマンエラーが発生している場合、ITツールの導入による自動化で解決できる可能性があります。さまざまなツールがあるので、自社の業務に合うものを探して提案してみるのもいいでしょう。

仕事に集中しやすい環境を作る

パソコンに保存されているデータやデスクに積まれている資料など、煩雑になっているものを整理し、集中しやすい環境を整えましょう。

フリーアドレスのオフィスであれば、仕事の内容に応じて働く環境を変えるなどの工夫をしてみるのもいいでしょう。定期的に休憩を取るなど、集中力を維持するための体調管理も大切です。

研修などに参加し、スキルアップを図る

業務スキルを高めることで防げるミスもあるものです。業務に必要なスキルや知識が身に付く研修に参加したり、先輩社員を講師に招いて勉強会を開いてもらったりするなどで、自らスキルアップの機会を設けるといいでしょう。

信頼できる上司や先輩に相談してみる

信頼できる上司や先輩などに相談し、改善策のアドバイスをもらうのも一つの方法です。仕事の全体像やそれぞれの業務の目的などをあらためて教えてもらうことで、ミスを未然に防ぐために注意すべきポイントなども見えやすくなるでしょう。

仕事で大きなミスをして落ち込んだときの切り替え方

「取り返しがつかないミスをしたことで、会社に大きな損害を与えてしまった」「日頃からミスが多い」「最近、急にミスが増えている」「立て続けに大きなミスをした」など、仕事のミスが原因で落ち込んだときに、気持ちを切り替える方法を紹介していきます。

ミスの要因を整理し、自分なりに対策を考える

ミスしたことに向き合い、ひと区切りをつけることで、前に進みやすくなるでしょう。なぜミスが発生するのかを振り返り、その要因を整理した上で、改善のための対策を自分なりに考えてみることがおすすめです。改善に向かう対策が決まり、今後やるべきことが見えれば、前向きな気持ちに切り替えられるかもしれません。

信頼できるパートナーや友人などに悩みを打ち明ける

自分一人で抱え込んでいるよりも、誰かに悩みを打ち明けることで、気持ちが軽くなったり、考えを整理できたりするケースもあります。信頼できるパートナーや友人など、今の気持ちを吐き出しやすい相手に話してみるといいでしょう。

職場の上司や同僚に相談する

職場の上司や同僚に相談してみることで、改善策が見つかる可能性もあります。仕事の全体像や意識したいポイントなどをあらためて確認することで、ミスを減らすことができるかもしれません。
今の自分が悩んでいることを率直に話し、改善すべき点や注意すべきことなどについて聞いてみるのも一案です。客観的なアドバイスをもらうことで、具体的な改善策につなげやすくなるでしょう。

ミスは誰にでも起こり得るものだと心得る

自分を追い詰めすぎず、「ミスは誰にでも起こり得る」と考えることも大事です。ミスをしたことは、「今後、同じミスを繰り返さない自分へと成長できる機会」と捉えることもできます。
優秀な上司や先輩も多かれ少なかれ、ミスを経て今があるものなので、自分自身を成長させる機会として前向きに受け止め、今後、どう改善していくかを考えてみてはいかがでしょうか。

仕事と関係ない趣味やスポーツなどでリフレッシュする

自分のミスや失敗のことがどうしても頭から離れない場合は、仕事とは関係ない趣味やスポーツなどでリフレッシュすることもおすすめです。
好きなことに熱中し、気持ちが切り替われば、ミスをしたことにも向き合いやすくなり、落ち着いて今後の改善策を考えることができるかもしれません。

ミスが続いて「今の仕事を辞めたい」と思ったらどうすればいい?

ミスが続いていることで落ち込み、「今の仕事を辞めたい」と思っている場合でも、感情のままに辞めることはおすすめできません。以下の考え方を参考に、辞めるべきかどうかをしっかりと検討してみましょう。

漠然と「辞めたい」と思っている場合

仕事のミスが原因で「自分にはこの仕事は向いていない」と思った場合でも、今の会社のままで自分に合う仕事が見つかる可能性もあります。部署異動や職種転換、チーム替えなどが可能かどうかを検討してみることも大事です。
また、辞めるかどうかを決めずに転職活動を始めてみるのも一つの方法です。ほかの企業を知ることによって、自分により向いている仕事が見つかるかもしれません。反対に、今の会社のいい部分が見えて、ミスをしないように前向きに取り組もうという気持ちになれるケースもあります。

転職を決意している場合

自分に合う会社や向いている仕事を見つけるためには、まずは自分が得意なこと、苦手なこと、続けていて苦にならないことなどを洗い出してみましょう。苦手なことに取り組むより、得意なことや苦にならないことのほうが力を発揮しやすいものなので、そこに重なりそうな仕事なら向いているかもしれません。

「自分一人では向いている仕事を探すことは難しい」と感じたら、転職エージェントを活用するのもおすすめです。転職支援のプロから客観的なアドバイスを受けることで、「これまで視野に入れていなかった意外な仕事が向いている」と気づく可能性もあります。

仕事のミスが原因で辞める場合、退職理由はどう伝えればいい?

転職活動の面接では、退職理由を聞かれることがあります。「仕事のミスが多いために、今の仕事が向いていないと感じた」「仕事のミスが続いて職場にいるのが辛い」などの理由をきっかけに転職を考えた場合でも、そのまま伝えれば業務の遂行能力や活躍貢献性を懸念される可能性があるでしょう。

仕事でミスしたことを隠したり偽ったりするのではなく、まずは仕事でミスをした原因について自分なりに振り返り、どのような仕事内容や環境なら自分の力を発揮できるのかを考えてみることが大事です。今の仕事・環境について向いていないと感じている部分を整理した上で、より自分の強みを活かせる仕事内容や環境を求めていることを伝えれば、採用担当者の納得度を高めやすくなるでしょう。

以下に一例を紹介するので、参考にしてみましょう。

前職のスタートアップ企業のようにさまざまな仕事を同時並行で行うより、取り組む仕事の領域が明確化されている環境で、より専門性を高める働き方をしたいと考え、転職を決意しました。

前職でさまざまな仕事を経験する中、自分には顧客のフォローを中心とする営業より、新規開拓の提案を行う営業に適性があると感じ、自分の力をより発揮できる仕事を目指すために退職いたしました。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2023年12月22日
記事更新日:2024年07月29日
記事更新日:2025年09月10日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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