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履歴書に送付状は必要?書き方・例文・テンプレまで完全ガイド

職務経歴書

履歴書や職務経歴書を送付する際、送付状(添え状)を同封すべきか、またどのように書けばよいか迷う方もいるでしょう。送付状は、採用担当者が最初に目にする書類でもあり、ビジネスマナーを踏まえたきちんとした内容に仕上げたいものです。そこで今回は、送付状の基本的な書き方や注意すべきポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタント粟野友樹氏がテンプレートの紹介も交えて解説します。

送付状(添え状)とは?履歴書に添える目的と必要性

履歴書や職務経歴書などの応募書類に送付状(添え状)を添える目的とその必要性について説明します。

送付状の目的や役割は?

応募書類に添える送付状には、企業に対する挨拶状としての役割があります。同時に、「誰が」「誰に」「何を」送ったかを採用担当者に分かりやすく伝える役割もあります。

履歴書などの応募書類を送るときには送付状を添えるのが一般的

履歴書などの応募書類には送付状を添えるのが一般的であるため、送付状を同封することで、ビジネスパーソンとしての丁寧な姿勢をアピールできるでしょう。また、多くの応募書類を扱う採用担当者に対する配慮を示すことができるという利点も挙げられます。加えて、応募書類には盛り込めなかった補足事項を伝えることも可能となり、書類の入れ忘れなども防げるでしょう。

送付状は、シンプルな構成のもので問題ありません。具体的な書き方については、追って説明します。

送付状の見本と書き方

送付状の書き方を、見本を示しながら説明します。

送付状の見本・テンプレート

[送付状の見本]

履歴書送り状

(※)作成:編集部
テンプレートをダウンロードする

送付状に記載する9つの構成要素

送付状に盛り込む構成要素について説明します。

1. 送付年月日

送付状の右上に、書類を投函する日付を記載します。西暦・和暦のどちらでも問題ありませんが、履歴書や職務経歴書と一致させることが大切です。

[例]
20XX年X月X日 あるいは 令和X年X月X日

2. 宛名

応募先企業名と、採用担当者の所属部署や氏名を明記します。部署宛の場合は「人事部御中」、担当者宛てには「様」を付けて記載します。担当者名が分からない場合は「採用ご担当者様」と記しましょう。なお、企業名については、略称ではない正式名称を記載することが大切です。

[例]

株式会社○○○○
総務部人事課 採用ご担当者様
株式会社○○○○
総務部人事課 ○○○○様
株式会社○○○○
総務部人事課 御中

3. 自分の名前・住所・連絡先

自身の連絡先として「郵便番号」「住所」「氏名」「電話番号(携帯電話)」「メールアドレス」を記載します。住所は都道府県名から記載し、メールアドレスは勤務先のものではなく、個人のメールアドレスで連絡が取りやすいものを選びましょう。

[例]

〒108-XXXX
東京都千代田区霞が関○丁目○番地○号
△△△ハウス○号室
090-XXXX-XXXX

4. 頭語+時候のあいさつ

頭語には一般的に「拝啓」を用います。略式である「前略」は避けましょう。「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」としたり、頭語・時候のあいさつと相手の発展を慶ぶ言葉を組み合わせたりする書き方もあります。

[例]

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
拝啓 ○○の候、貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

5. 応募の経緯

応募のきっかけを簡潔に記します。志望動機や自己PRは履歴書や職務経歴書に記載する内容なので、送付状には記載しなくても問題ありません。

[例]

私は大学卒業後、システムエンジニア・プログラマー、IT関連機器の営業職と、一貫してIT関連の業務に携わってきました。ものを作る側・売る側と、両方の経験・知識を持っていることが、私の強みであると感じております。この経験と知識を活かし、貴社クライアントのニーズを的確に察知し、さらなる信頼の獲得と事業の拡大に貢献していきたいと考えております。

6. 面接に対する希望

書類選考に通過した場合は、面接を希望していることを記載します。

[例]

ご検討の上、ぜひとも面接の機会をいただけましたら幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。

7. 結語

文末には、頭語に対応する結語を用います。「拝啓」で始めた場合は、「敬具」で締めるのが一般的です。

8. 同封書類

同封する書類の名称と枚数を明記します。

[例]

履歴書 1枚
職務経歴書 2枚

9. 締めくくり

送付状の右下に「以上」と記載し、文章の終了を示します。

送付状の例文をパターン別に紹介

送付状は、応募目的や状況に応じて書き分ける方が、アピール力が増したり自身の状況がより伝わったりすることが期待できるでしょう。応募の経緯や熱意が伝わるような要素をコンパクトに盛り込むことが大切です。

中途採用の場合の例文

応募書類の送付につきまして

20XX年X月X日

株式会社○○○○
総務部人事課 採用ご担当者様

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の採用情報を拝見し、下記の応募書類をお送りします。

貴社が募集されている〇〇職は、私のこれまでの〇〇業界での経験を活かせると考え、応募いたしました。
ご多用中、誠に恐縮ではございますが、ご検討の上、ぜひ面接の機会をいただけましたら幸いです。
何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。

敬具

履歴書 1枚
職務経歴書 2枚

以上

キャリアチェンジを目指す場合の例文

応募書類の送付につきまして

20XX年X月X日

株式会社○○○○
総務部人事課 採用ご担当者様

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の採用情報を拝見し、下記の応募書類をお送りします。

△△業界は未経験ではございますが、前職で培った〇〇スキルを活かし、貴社で新たなチャレンジができればと考え、応募いたしました。
ご多用中、誠に恐縮ではございますが、ご検討の上、ぜひ面接の機会をいただけましたら幸いです。
何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。

敬具

履歴書 1枚
職務経歴書 2枚

以上

ブランクあり・転職回数が多い場合の例文

応募書類の送付につきまして

20XX年X月X日

株式会社○○○○
総務部人事課 採用ご担当者様

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の採用情報を拝見し、下記の応募書類をお送りします。

出産・育児のため、数年間、職を離れておりましたが、再び就業を希望し、貴社に応募いたしました。不明な点などございましたら、ご連絡いただければ直ちにお返事申し上げます。

ご多用中、誠に恐縮ではございますが、ご検討の上、ぜひ面接の機会をいただけましたら幸いです。
何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。

敬具

履歴書 1枚
職務経歴書 2枚

以上

新卒の場合の例文

応募書類の送付につきまして

20XX年X月X日

株式会社○○○○
総務部人事課 採用ご担当者様

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の募集を拝見し、ぜひ応募させていただきたく応募書類をお送り申し上げます。

ご多用中、誠に恐縮ではございますが、ご高覧の上、面接の機会をいただければ幸いです。
何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。

敬具

【同封書類】
●履歴書   1枚
●エントリーシート 2枚

以上

送付状のよくあるNG例【修正ポイント付き】

送付状において間違いやすい点について、修正の仕方も含めて解説します。

宛名の間違いや敬称の誤り

「○○○工業株式会社」という企業名を「株式会社○○○工業」とするなど、いわゆる「前株」「後株」を間違えてしまったり、「ヤ」を「ャ」と表記したりするなど、宛名に間違いがあると、ビジネスマナーを疑われてしまいかねません。また、本来は企業・団体・部署などの組織宛ての場合に用いる敬称「御中」を、「○○株式会社御中 採用ご担当者様」などと、不要な箇所に挿入してしまうケースも見受けられます。企業名は正式名称を確認し、敬称は、採用担当者宛てであれば「様」、組織宛てであれば「御中」と明確に使い分けましょう。

自己PRや志望動機が長過ぎる

送付状は、あくまでも「添え状」であり、自己PRや志望動機を長文で書くことは避けたいものです。自己PRや志望動機を盛り込むこと自体は問題ありませんが、なるべくコンパクトにまとめましょう。例えばA4横書きの文書であれば、2~3行(150字)程度に収めておくと無難です。

コピペ等により記載ミスがある

別の企業宛てに作成した送付状を使い回したり、部分的にコピー&ペーストしたりすると、宛先が別会社の名前のままになっていたり、送付年月日の日付が違っていたり、応募職種が募集内容に合致していなかったりといった事態も起こり得ます。使い回しは極力避け、コピー&ペーストする場合も、必ず最終チェックを行って、ケアレスミスを防ぎましょう。

履歴書の送付状に関するよくある質問

履歴書の送付状について寄せられる質問に答えます。

送付状を入れ忘れたらどうなる?

送付状を入れ忘れたときは、却って手間を取らせることになるため、採用担当者へのお詫びの連絡などはしない方がよいでしょう。後から追加で送付状を送る必要もありません。送付状を入れ忘れただけで、選考外となることは一般的に考えにくく、過度に心配する必要はないでしょう。ただし、注意力散漫な印象を受ける採用担当者もいるかもしれないため、次回から忘れず同封するように気をつけましょう。

送付状は毎回書き換えるべき?

別の企業宛ての送付状を書き換えたり、コピー&ペーストして使い回したりすると、作成時間こそ短縮できるものの、企業名や送付年月日を間違えるなど、ミスにつながる可能性があります。また、テンプレートをそのまま使うのも、企業への熱意が伝わりにくくなってしまうことが危惧されます。応募先の企業や職種に合わせて、その都度、適切な内容にあらため、あくまでも自分の言葉で書くことが大切です。

PCで作成しなくてもOK?

送付状は、パソコンを使わずに作成しても問題ありません。黒のボールペンなどを用いて作成してもよいでしょう。書式は、横書きだけでなく、縦書きにするやり方もあります。便箋は無地のシンプルなものがおすすめです。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。