転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 転職準備 > 仕事に不満がある場合の対処法は?転職先が見つかる前の退職リスクも紹介

仕事に不満がある場合の対処法は?転職先が見つかる前の退職リスクも紹介

仕事 不満

「会社に将来性を感じられない」「仕事内容が合わない」など、何らかの不満を感じて転職を考える方は多いようです。しかし不満の解消だけを目的にした転職は、転職後にまた別の不満を抱いて転職を繰り返してしまう可能性が高くなります。
そこで仕事に不満がある場合の対処法や、仕事を辞める前に考えておきたいリスクについて人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

みんなが感じている仕事の不満は?

厚生労働省が発表している「雇用動向調査(令和3年上半期)」によると、前職を辞めた理由は「その他の個人的理由」「定年・契約期間の満了」を除くと、男性は「給料等収入が少なかった」」7.4%、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が、10.3%と多い理由となっているようです。
前年同期と比較すると、男女ともに上記の回答に次いで「会社の将来が不安だった」が上位の退職理由となっています。

出典:「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況」(厚生労働省)

仕事の不満別対処法

退職する前に、現職で対処できることがないか考えてみましょう。不満の理由別に対処法をご紹介します。

会社の将来性が不安

会社の将来性が不安な場合は、人材としての市場価値を高めておくことが大切です。現在の仕事を続けながら将来的に転職しやすいように、スキルを積極的に磨く、マネジメントや専門知識を身につける、副業や経験・スキルを活かした社会貢献活動などで新たな経験を積む方法があります。
社内の他の事業に今後伸びそうなビジネスに関わる部署やグループ会社があれば、異動願いを出して経験・スキルを積むという手もあるでしょう。

仕事内容が不満

仕事にやりがいや面白さを感じられない場合は、自分が「どのような状態であれば満足できるのか」を考えてみましょう。例えば「無駄な書類作業が多くて不満」であれば、効率的な作業方法を考えてみる、改善案を上司に提案するなどです。
また社内で成果を出している人に、仕事の進め方や面白さを聞いてみる方法もあります。やり方や視点を変えてみることで、これまでと違う感触を得られるかもしれません。

労働条件が悪い

残業が多いなど労働条件に対する不満は、まずチームメンバーや他部署と比較してみましょう。自分だけ残業時間が多いのであれば、仕事を多く抱えているか、進め方が非効率かのどちらかの可能性が考えられます。業務量に偏りがある場合は、上司に相談してみましょう。
仕事に慣れていなかったり、こだわりが強すぎたりして非効率になっている場合は、残業の少ないメンバーに進め方を聞くなどして、仕事のプロセスを見直すとよいかもしれません。所属する組織だけが残業が多いのであれば、上司や人事に相談するか、異動願いを出すなどの手段もあります。

給与が安い

業界や企業規模によって給与水準は異なります。給与に不満がある場合は転職サイトや口コミサイトなどで、同業他社の給与と比較してみましょう。
同業他社と比べて低くないのであれば、社内評価を上げて給与アップを目指すために、評価基準を確認する方法があります。上司との査定面談で、評価を上げて給与アップするにはどのような成果を出せばいいのか相談してみましょう。
同業他社と比較して給与水準が低いようであれば、給与水準が高い業界や職種、外資系企業への転職などを検討するのもひとつの方法です。

人間関係が悪い

人間関係の不満を改善するには、対象となる人物を観察し、どのように接すれば良好な関係を築くことができるか把握することから始めてみましょう。
異動や退職などもあるため、長年にわたって同じ人物と働くとは限りません。仕事だと割り切って、できるだけストレスのかからない距離感で接するように心がけましょう。
どうしても我慢できない場合は、上司に相談して関わりの少ない仕事に変えてもらったり、他の組織に異動したりして遠ざかる方法もあります。

社風が合わない

社風とは企業理念や雰囲気、人間関係などの様々な意味がありますが、問題を社風とひとくくりにせず、まずは具体的な理由を考えてみましょう。
例えば自分は仕事のプロセスを大事にしているが、上司は結果のみを評価していると感じていた場合、自分から仕事のプロセスを丁寧に伝えるコミュニケーションを疎かにしている可能性もあります。自ら上司に相談することで解決することもあるでしょう。

人事評価に納得できない

たとえば、同僚の評価が上がり、自分は正当に評価されていないと感じる場合などは、自己流で仕事をしている可能性があります。
評価の仕方については、上司から事前に口頭や表などのデータで示されているはずなので確認してみましょう。さらに上司から自分に足りない部分について直接アドバイスを受けるのも有効です。
しかし上司との関係に問題がある場合には、正当な評価が受けられないこともあるかもしれません。今後も上司の対応が変わるのが難しいと判断したら、部署の異動や転職を考えてみてもよいかもしれません。

キャリアパスが描けない

キャリアパスとは企業内で目指すことのできるキャリアの道筋のことです。
キャリアの選択肢が少ないことや、ロールモデルがいない場合も仕事に不満を抱く一因となるでしょう。
しかしキャリアパス制度がない企業の場合でも、先輩社員のキャリアを把握することで、転職せずに理想のキャリアを実現できることもあるため確認してみましょう。

仕事を辞める前に退職のリスクを考えよう

仕事に不満を抱いて、次の職場を見つける前に勢いで退職してしまうのは注意が必要です。考えられるリスクを具体的に解説します。

空白期間が発生するリスク

不満が募って転職先を見つける前に退職してしまうと、次の会社に入社するまでの期間が空白となります。
採用担当者の多くは、空白期間に対して「無計画で行動するタイプなのでは」「転職先が決まらなかった何らかの原因があるのでは」などの不安を感じる可能性もあるため、期間が長引くと転職活動にも支障が出ます。
また空白期間が長引くうちに焦って転職先を決めてしまい、納得度の低い転職になる可能性もあるでしょう。

収入が不安定になるリスク

次の会社で給与が支給されるまで収入が途絶えてしまうので、生活を維持するお金が必要となります。交通費などを含め転職活動にはお金がかかるため、貯金を切り崩さなければならない場合もあるでしょう。

もちろん雇用保険の基本手当(失業手当)の給付もありますが、不満が原因で退職する場合に多くは「自己都合」となるため、給付までに一定の期間を要します。収入が不安定になってしまうのも、退職リスクのひとつです。

別の不満が生じて転職を繰り返すリスク

自分が求める希望条件にすべてマッチするような、完璧な職場はめったにないものです。不満解消のために転職しても、次の職場で別の不満が発生するかもしれません。
短い期間に転職を繰り返してしまうと、思い通りのキャリア構築ができなくなったり、転職活動時に採用担当者から定着性に不安を持たれたりするリスクもあります。

退職する前に転職エージェントに相談を

仕事に不満を抱いて、勢いで退職してしまうのはリスクがあります。まず現職で改善できることがないかを検討し、どうしても解決しないようであれば、仕事を続けながら転職活動を始めてみるのがおすすめです。

転職エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーが自己分析やこれまでの業務の棚卸しなどのサポートを通して、あなたの希望に合った求人を紹介します。
企業に応募して実際に話を聞いてみることで「現職の意外ないいところが見つかった」「転職すると現在より条件が下がる可能性が高い」など、現在の職場に対してポジティブな発見があるかもしれません。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2022年06月03日 記事更新日:2023年09月14日

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。