
転職活動にあたって履歴書を作成しているとき、免許・資格の記載欄に「運転免許も書くべきだろうか」「運転免許をどのように書けばいいのだろうか」と迷う方もいるようです。履歴書での運転免許の書き方、運転免許の取得日や正式名称の確認方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
履歴書に自動車運転免許は書いた方がよい?
自動車運転免許を取得している場合、応募する仕事に運転が必要かどうかに関わらず、履歴書の「免許・資格」欄に記載するとよいでしょう。もちろん、応募する職種の業務内容に自動車の運転が含まれる場合は記載しておきます。
ドライバー職であれば当然ながら自動車運転免許が必要ですが、営業職などは取引先への訪問に自動車を使用するケースもあります。それ以外の職種でも、例えば郊外にある工場・事業所・店舗などへの出張にあたり、自動車を運転する機会があるかもしれません。このように、一見、自動車を運転する必要がない職種であっても、企業としては「運転できると望ましい」と考えているケースもあり得ますので、記載しておいた方がよいでしょう。
ただし、応募企業の仕事で活かせる資格を多数保有しており「免許・資格」欄に書き切れないとき、かつ自動車の運転を必要としない職種である場合は、運転免許の記載を省略するのも一案です。
履歴書に自動車運転免許を書く際のポイント・注意点
| 年 | 月 | 免許・資格 |
| 20XX | X | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
| 20XX | X | 普通自動二輪車免許 取得 |
| 20XX | X | 2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格 |
| 以上 |
履歴書に自動車運転免許を記載する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
自動車運転免許は「免許・資格欄」に書くのが基本
自動車運転免許は、履歴書の「免許・資格欄」に記載します。
履歴書には略称ではなく、正式名称を記載しましょう。例えば「普通免許」は、「普通自動車第一種運転免許」が正式名称です。取得年月も記載します(※運転免許の種類ごとの正式名称と取得年月の確認は後ほど解説します)。
なお、AT(オートマチック)車限定の免許を取得している場合は、「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」と付記するとよいでしょう。MT(マニュアル)車免許の場合は特に付記は必要なく、「普通自動車第一種運転免許 取得」と記載します。
アピールしたい順に記載する
免許・資格は取得時期が古い順に記載する方法もありますが、応募する仕事に役立ち、企業にアピールしたいものを優先して上に書く方法もあります。
応募企業の仕事に活かせる資格を多数保有している場合は、関連性が高い順に上から記載してもよいでしょう。
自動車運転免許の取得日や正式名称の確認方法
履歴書の免許・資格欄には「取得日」「正式名称」を正しく記載する必要があります。これらは以下の方法で確認が可能です。
取得日の確認方法
運転免許の「種類」と「取得日」は、運転免許証で確認します。

運転免許の種類は運転免許証の下部中央に記載されています。「種類」欄に表示されている略称が、自身が取得済みの免許です。
取得年月日は運転免許証の下部左側に、下記3つに分類して記載されています。
- 二・小・原……二輪・小型特殊・原動機付自転車の免許
- 他……二輪・小型特殊・原動機付自転車以外の第一種免許
- 二種……二種免許
「二・小・原(二輪・小型特殊・原動機付自転車の免許)」に分類される「小型特殊自動車免許」と「原動機付自転車免許」など、同じ種類で複数の免許を取得している場合は、最も古い取得年月日のみが記載されています。
履歴書に記載したい免許の取得年がわからない場合は、警察署や運転免許更新センターなどにある「ICカード読み取り装置」を使って確認するか、運転免許センター発行の運転免許経歴証明書を取得するなどして確認できます。
自動車免許の正式名称一覧
履歴書には、略称ではなく正式名称を記載する必要があります。自身の運転免許証に記載されている略称と正式名称を以下の表で照らし合わせて確認してみてください。
なお、2017年に道路交通法の一部が改正され、取得している免許で運転可能な自動車の範囲が変わり、正式名称も変わっているものがあります。現在の正式名称を記載してください。自身が2017年以前に作成した履歴書を参照し、運転免許の記載を流用すると、当時の名称とは異なっている可能性があるため注意が必要です。
| 略称 | 正式名称 |
| 大型 | 大型自動車第一種運転免許 |
| 中型 | 中型自動車第一種運転免許 |
| 準中型 | 準中型自動車第一種運転免許 |
| 普通 | 普通自動車第一種運転免許 |
| 大特 | 大型特殊自動車免許 |
| 大自二 | 大型自動二輪車免許 |
| 普自二 | 普通自動二輪車免許 |
| 小特 | 小型特殊自動車免許 |
| 原付 | 原動機付自転車免許 |
| け引 | 牽引自動車第一種運転免許 |
| 大二 | 大型自動車第二種運転免許 |
| 中二 | 中型自動車第二種運転免許 |
| 普二 | 普通自動車第二種運転免許 |
| 大特二 | 大型特殊自動車第二種運転免許 |
| け引二 | 牽引自動車第二種運転免許 |
採用企業が運転免許の保有を問う理由
ドライバー職以外でも、採用企業が運転免許の有無を確認する理由は、入社後、業務で自動車を運転する必要が生じた場合、対応できるかどうかを確認するためと考えられます。
先にも触れたとおり、顧客や取引先を訪問したり、自社の工場・事業所・店舗などに出張したりする場合、公共交通機関がない地域や最寄り駅・バス停などから遠い場所であったりすると、自動車を使用する機会があるかもしれません。そうした状況にも対応可能かどうかを見ている可能性があります。
そのため、自動車運転免許を取得していても、「ペーパードライバー」であり実際の運転経験が少ない場合、その旨を補足として記載しておくか、面接の際に伝えるようにしましょう。
また、製造業・運輸業・建設業などであれば、小型特殊自動車の免許を取得していると、職種問わず「工場・倉庫内での業務を任せられるかもしれない」「工場・倉庫内業務を理解し、効率化などを考えてくれるかもしれない」といった期待が寄せられ、プラスの評価につながる可能性もあるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。