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自己PRで責任感を伝える例文|アピールのポイントと注意点を解説

自己PR 責任感

「自己PRで責任感の強さをアピールしたい」「自己PRの書き方や責任感をアピールする例文が知りたい」と考えている人もいるでしょう。組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタント粟野友樹氏が自己PRの書き方やポイントについて解説します。責任感の言い換え例や例文も紹介するので自己PR作成の参考にしてみましょう。

責任感とは?自己PRでアピールすることは有効?

「責任感」とは、自分の仕事や行為についての責任を果たそうとする気持ちを意味します。
自己PRで責任感をアピールする場合、どのような評価につながる傾向があるのでしょうか。以降で詳しく紹介していきます。

企業が評価する2つの責任感

企業が評価する責任感の傾向として、与えられた仕事を最後までやり遂げるという「受動的な責任感」、プラスアルファの目標や自責の意識を持って取り組める「能動的な責任感」という2点が挙げられます。

1:受動的な責任感

受動的な責任感とは「決まりを守る」「仕事をやり遂げる」「課された役割を果たす」などのスキルと言えます。仕事においては、ルールや規定に従うことや納期・期限などを守る責任感が求められます。また、仕事を進める中では、新たな課題が見つかったり、困難にぶつかったりしたりすることもあるものです。途中で投げ出さずに「どのようにしたら仕事を最後までやり遂げられるのか」を考えて進めていく責任感も、仕事において必要なものと言えるでしょう。

2:能動的な責任感

能動的な責任感は、指示された仕事や自分に課された役割にとどまらず、自分にできることを考えて行動していくスキルと言えます。目標達成や問題解決などに主体的に取り組み、より良い方法を考えて実行したり、周囲を巻き込んで行動したりすることで、より大きな成果や組織全体への貢献につなげていこうとする責任感の強さは、ビジネスパーソンとしてより評価されやすいでしょう。

「責任感の強さ」を自己PRでアピールすることは有効?

仕事においては、「課された業務を、責任を持って果たす」「責任感を持って目標達成に向かう」ということが求められます。そのため、こうした点をクリアできるだけの「責任感の強さがある」と判断された場合は、どのような仕事・職種でも一定以上の評価を得られる可能性があるでしょう。

以下に、「責任感の強さ」をアピールすることで与えられる印象の一例を紹介します。

  • ルールや規定を遵守できる真面目さがある。
  • コツコツと任された仕事をやり遂げてくれる。
  • すぐに辞めることなく、定着して中長期的に働いてくれる。
  • 課された目標を達成しようとする粘り強さがある。
  • 納期や締め切りを守る計画性がある。

また、能動的な責任感の強さをアピールする場合は、「より大きなプロジェクトや重要なポジションを任せられる」「組織全体に貢献できる」などの印象を与えられる可能性もあります。

「責任感」をアピールする自己PR例文【職種別4選】

営業職、事務職、IT系の技術職、製造業の技術職といった4つの職種別に、責任感をアピールする自己PR例文を紹介します。

営業職の自己PR例文

私の強みは、顧客の要望に全力で応える責任感の強さです。
現職では、○○という商品の提案営業を3年間続けており、その過程でさまざまな顧客を担当してきました。これまでには、要求する水準が厳しく頻繁に担当変更を希望する顧客、前任者への不信感から信頼関係構築に時間がかかる顧客など、難しいケースに遭遇しました。
まずは信頼を取り戻すことを最優先し、週に一度の訪問やゼロベースでの提案をしたり、先方が主催する展示会の準備を手伝ったりと、地道な行動を積み上げていきました。こうした活動を3カ月にわたり徹底した結果、顧客から信頼を寄せられ、売上を3倍に伸ばしました。
今後も顧客の期待に応えるべく、責任感を強く持ち続け、職務を全うしてまいります。

事務職の自己PR例文

業務における責任を果たすため、自ら学び続ける姿勢を大切にしています。
事務職として管理部門全般を担当した後、新たに経理の仕事を任されました。当初は経理の知識が一切なく、上長の指示を待つことが増えたため、必要な知識を身につけようと自ら簿記を学び、3カ月後に簿記3級を取得しました。
業務を円滑に進められるようになった現在も簿記2級の勉強を進め、年内の取得を予定しています。
自分の責任を果たすだけでなく、チームにより貢献していくことを目指し、仕事の質を高められるように取り組み続けていきたいと思います。

IT系技術職の自己PR例文

エンジニアとしてプロジェクト全体に責任を持ち、役割以上の力を発揮することをモットーとしています。
納期や予算の厳しい案件を営業担当が持ち込んだ際にも、顧客の要望に応えていけるよう、実現可能な道筋を一緒に考えています。
技術職は、仕事の質を落とさないために「できないこと」を判断するケースが多くあります。しかし、営業の立場も理解しながら「できること」を探した結果、これまで10件のプロジェクトで顧客の要望を実現できました。
今後も手がける案件の質を落とすことなく、その実現に責任感を持って取り組み、技術職の領域を超えた力を発揮していきたいです。

製造業の技術職の自己PR例文

主体的に問題解決に取り組む責任感の強さを長所としています。
品質管理担当エンジニアとして問題解決と改善活動に取り組み、生産ラインでの不具合が発生したときも自ら原因究明に努めました。部品検査工程のログを分析し、部品供給サプライヤーのロット間差異に起因した微細なズレを発見。そこで、工程間連携強化のために検査基準を追加し、作業員研修を実施。さらにサプライヤーと協議し、部品品質安定化策を導入しました。
不具合の発生を未然に防ぐ施策によって品質が安定し、品質管理コストも年間約○万円削減できました。この改善活動は、ほかの生産ラインにも展開され、工場全体の安定稼働に寄与できています。
このような「自分ごととして主体的に問題解決する責任感」と「再現可能な改善活動」を通じて、貴社の生産現場で持続的な品質向上を支えたいと考えています。

自己PRで「責任感」をアピールする言い換え例

「責任感」を自己PRでアピールするケースは一定数見られるため、ほかの求職者との違いを伝えるために、別の表現に置き換えて工夫することが大事でしょう。
以下に言い換え例を紹介するので参考にしてみましょう。

【責任感の言い換え例】

  • 使命感が強い。
  • リーダーシップがある。
  • 何事も粘り強くやり遂げる。
  • 真面目で几帳面な性格である。
  • 計画性を持って物事に取り組む。
  • 目標達成のためにコツコツと努力を継続する。
  • 自分の役割を果たすために尽力する。
  • 物事に妥協せずに取り組む。
  • より高い目標の達成を目指す。

「責任感」をアピールするエピソードの選び方のコツ

自己PRに説得力を持たせるためには、裏付けとなるエピソードを伝えることが重要です。ここでは「責任感」をアピールするエピソードの選び方のコツを紹介します。

「自ら取り組んだこと」を選ぶ

自己PRのエピソードでは、職務に対し、主体性を持って取り組んだことを伝えましょう。与えられた仕事や任された責務・任務において、どのような目標を掲げ、どのような行動をして、どのような成果を出したのかまで伝えることがポイントです。

「大きなプロジェクトに携わった」「責任あるポジションを任された」などの目を引く実績がない場合でも、主体的・能動的に動き、自ら工夫・改善したことを積極的にアピールするといいでしょう。また、数字なども含め、客観的な指標となる成果を伝えることも大事です。

「他者と連携したこと」を選ぶ

「責任感」には「一人で抱え込んでしまう」「自己完結型で融通が利かない」など、マイナスの側面をイメージさせる可能性もあります。どのような仕事も1人では完結できず、他者との連携や協働をすることが求められるものなので、他者と連携したことや周囲に働きかけたことなどについても触れることで、プラスの印象につなげやすくなるでしょう。

「再現性・継続性があること」を選ぶ

自己PRのエピソードでは、単発の出来事ではなく、複数の場面や相手に対して責任感を発揮したことを伝えましょう。「相手や業務の内容が変わっても、同じように責任感を持って取り組める人物」であることが伝わり「どのような環境でも再現できるスキルを持っているため、入社後にも同じ力を発揮できる」という評価につながります。

また、「責任感」という言葉には「責任を持って、やり遂げる努力を続ける」という継続性も含まれると言えます。瞬発的に力を発揮したことではなく、継続的に取り組んだことを伝えれば、より説得力が生まれるでしょう。

「責任感」を効果的にアピールする自己PRの書き方

責任感を効果的にアピールすることに役立つ自己PRの書き方を解説します。

応募企業が求める人物像にマッチする「責任感」を考える

自己PRを作成するにあたって、応募企業の求人票や採用ページ、SNS、先輩インタビュー記事などから求める人物像や入社後の仕事の進め方などを確認することが大事です。どのようなシーンで責任感が求められるのか、責任感を発揮することでどのような成果を挙げられるのかを考えてみましょう。

「責任感」が伝わるエピソードを洗い出す

過去の経験を振り返り、目標数字の達成やプロジェクトの完遂など、自分が責任感を発揮したことを洗い出しましょう。応募企業が求めている責任感に当てはまっているものを選ぶことがポイントです。また、具体的な数字や規模感などの客観的な成果までしっかり振り返ることも大事です。客観的な事実として、よりアピールできる材料となってくれるでしょう。

「責任感」を自分らしい表現に言い換える

先に紹介した言い換え例を参考に、「責任感」を自分らしい表現に言い換えましょう。責任感を発揮したエピソードをもとに、どのような言い換えができるかを考えます。

入社後の仕事にどのように活かせるのかを考える

入社後の仕事内容に対し、どのような場面で責任感を発揮できるのか、それによってどのようなことに貢献できるのかを考えましょう。自分がこれまでに経験した業務を振り返って考えてみることが大事です。

以前と同じ職種に応募する場合でも、仕事の進め方は企業によって異なるものです。応募企業の仕事の進め方を踏まえた上で、どのような場面で責任感を発揮できるのかを考えなければ、アピールにつながらない可能性があります。企業の文化や労働環境などを調べ、それらを把握しておけば、面接で質問された際にも「どのように責任感を発揮して活躍していけるのか」を答えやすくなるでしょう。

自己PRの構成に落とし込む

書き出し(冒頭)では、「結論=自分の強み・長所とする責任感」を簡潔に伝えます。次に、責任感を発揮した具体的なエピソードを伝え、そこで得られた成果・評価を伝えましょう。最後に、応募企業・職種でどのように責任感を活かせるか、どのような貢献ができるのかを伝え、活躍する姿をイメージしやすくすることが大事です。

【自己PRの構成】
(1)結論となる「強み」(書き出し)
(2)根拠となる「具体的なエピソード」
(3)強みを活かして「貢献・活躍できること」

「責任感」をアピールする際の注意点

責任感にはプラスの印象がある一方、伝え方を間違えるとマイナスのイメージになる可能性もあるでしょう。責任感を自己PRするときの注意点を説明します。

「成果」とセットで伝える

「いかに責任感を持って仕事に頑張って取り組んだか」をアピールしても、取り組みの結果として成果が出ていなければ、「意欲や姿勢があるだけで責任を果たしていない」と判断される可能性があります。取り組んだことに対し、客観的に数値化できる成果もセットで伝えることで、説得力を持ってアピールできるでしょう。数字としての成果につながっていない場合は、社内外の関係者からどのように評価されたのかを具体的に伝えることが大事です。

ネガティブな印象にならないようにする

長所は短所の裏返しでもあるため、この点を意識して自己PRをする必要があるでしょう。責任感を強調しすぎると「頑固」「融通が利かない」といった印象を与える可能性もあります。
責任感がネガティブな印象とならないために、応募企業の社風や働き方などに配慮した伝え方を意識しましょう。たとえば「責任感を持って大きなプロジェクトを達成しましたが、チームメンバーの負担が過多にならないよう配慮しました」など、気配りができる面などを併せて伝えると印象がよくなるでしょう。

社会人として当たり前のことを例に出さないようにする

責任感をアピールする際に「仕事に遅刻したことがない」など、社会人として当たり前のことを例に出さないようにしましょう。
責任感をアピールするには、より自分の経験を深掘りして「担当するプロジェクトが途中で中止となりそうな際、○○という改善をして最後まで遂行できた」のように主体性を持って行動した内容を伝えると効果的です。

過度なハードワークに取り組むイメージを与えないようにする

責任感を持って仕事に取り組む姿勢を伝えたいがために、長時間の残業や休日出勤などのハードワークで対応してきたことをアピールするケースも見られます。しかし、企業によっては「労働基準法や自社のルールをしっかり守ってくれるのだろうか」「ハードワークを当たり前とする姿勢によって、職場環境を乱したり、ほかの社員に影響を与えたりするのではないか」などの懸念を持たれる可能性もあります。昨今、企業には国の定めた残業規制を守ることが求められているので、責任感を重視するあまり、過度なハードワークに取り組むイメージを与えないようにしましょう。

自己PRで悩んだら転職支援のプロに相談してみよう

責任感は、社会人に求められる大切な要素のひとつと言えます。アピールする内容によっては企業から評価されるでしょう。前述の通り、自身の経験をもとにした具体的なエピソードと共に、「応募企業でどのように責任感を活かせるのか」を適切かつ具体的に伝えることがポイントになります。

自己PRで「どのようなエピソードを伝えればいいのかわからない」「応募企業の仕事をイメージしきれない」という場合は、転職エージェントに相談するのも一案です。転職活動を進めていく中で、自力では解決が難しい問題に当たるかもしれません。そのようなときはキャリアアドバイザーが自己PRの作成をサポートしてくれるので、転職を実現できる可能性を高められるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年06月26日
記事更新日:2022年12月23日
記事更新日:2024年08月01日
記事更新日:2025年10月21日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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