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第二新卒に適した転職時期とは?転職活動の進め方やスケジューリングのポイント

第二新卒 転職時期

第二新卒として転職を考える場合、転職に適した時期はあるのでしょうか?転職しやすい時期や、時期に応じた転職スケジュールの立て方などについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

第二新卒に適した転職時期はある?

「そもそも第二新卒とはいつまでを指すの?」と疑問に感じている人もいるかもしれません。一般的には、学校卒業後おおむね3年以内の社会人を指すケースが多いようです(※1)。
ここからは、第二新卒が転職を目指す場合、転職に適した年数や月があるのかどうかについて解説します。

※1厚生労働省では、第二新卒を次のように定義しています。「それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者とした(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)」

(※)出典:「若年者雇用を取り巻く現状」(厚生労働省)

社会人2、3年目は「一定の社会人経験」と「ポテンシャル」を備えていると判断されやすい傾向にある

社会人1年目、2年目、3年目といった年次で考えた場合、「この年次だから特段スムーズに転職にきる」というものがあるわけではありません。が、求人にもよりますが、企業が求める人材が経験・スキル面のみにフォーカスするならば、一般的には経験年数が長い方が選考に有利に働く可能性が高いと考えられます。一方で、2、3年目のビジネスパーソンの場合、ビジネスマナーや仕事におけるスキルが一定は身についていると期待できることに加え、若手ならではのポテンシャル(潜在能力)や柔軟性も兼ね備えている点を評価するケースが多いようです。

上期・下期のスタートにあたる4月入社、10月入社がおすすめの転職時期

第二新卒に限らず、中途採用は企業ごとの採用タイミングで行われるため、4月入社を基本とする新卒採用のような決まった時期はありません。ただ、多くの企業の期初にあたる4月、下期のスタートに当たる10月という区切りの良い時期に、中途入社者を受け入れようと考える企業は多く、その時期は求人件数も増加傾向にあります。

年度末や上期末に退職する人の欠員補充に動く企業も少なくないため、4月入社、10月入社を目指して転職活動をするのは一つの方法と言えるでしょう。

第二新卒の転職時期に4月入社が適している理由

第二新卒が「4月入社」を目指して転職活動を行うメリットについて解説します。

求人件数が多い傾向にある

4月は多くの企業にとって年度替わりのタイミングとなるため、年間の採用計画に則って求人を増やす傾向にあります。

4月入社の場合、採用選考は1~3月に行われる傾向があり、「年度末までに採用予算を使い切りたい」「採用目標を達成したい」「採用人数が充足した形で新年度のスタートを切りたい」など、企業の採用意欲も他の時期に比べて高いケースが多いようです。

「新年度という区切りで、新卒を含めたポテンシャル人材を増員したい」と考える企業もあり、第二新卒のチャンスも大きいと考えられます。

手厚い研修が受けられる可能性がある

4月は多くの企業で、新卒が入社するタイミングになります。この時期に入社すると、新卒と合同で研修が行われるケースが多く、他の時期に比べて手厚い研修を受けられる可能性があります。
一緒に中途入社する同期入社者も多いと考えられるため、いざというときに頼れる心強い仲間ができたり、同期を通じて人間関係の構築ができたりすることも考えられます。ともに励まし合い、切磋琢磨できる可能性も高いでしょう。

新年度で組織になじみやすい

新年度は、組織変更や人事異動があったり、新しいプロジェクトが始まったりする時期であるため、新しいメンバーが加わりやすいタイミングでもあります。中途入社者も、新しい環境にスムーズに溶け込みやすいでしょう。

第二新卒の転職時期に10月入社が適している理由

4月入社と同様に、第二新卒が「10月入社」を目指して転職活動を行うメリットについて解説します。

求人件数が多い傾向にある

この時期も求人件数が増える傾向にあります。ボーナスをもらった後に退職する人が一定数いるほか、下期に入るタイミングで増員や欠員補充を行いたいという企業ニーズがあるためです。4月入社と同様、人材を増員したうえで下期をスタートしたいと考える企業もあると考えられます。

比較的早期に現場で働ける可能性がある

4月入社とは異なり、新卒入社者と一緒に研修を受ける可能性は少なく、その分早く現場に出て業務に取り掛かれる可能性があるでしょう。

すでに社会人経験のある第二新卒には、職場内で実務を通して知識やスキルを習得し、早く戦力になってほしいと考える企業は少なくないようです。早く現場に出て新しい仕事をキャッチアップしたいという人には、10月入社は良いタイミングと言えそうです。

現職でボーナスをもらってから転職活動できる

一般的には、6月は夏のボーナス支給時期にあたります。応募先企業の採用スケジュールや転職活動の進め方などにもよりますが、ボーナスをもらった後に転職活動をスタートしても、10月入社に間に合う可能性は高いでしょう。

4月入社、10月入社を目指す転職活動のスケジュールと流れ

4月・10月に入社するケースを想定した、第二新卒の転職活動スケジューリング例をご紹介します。

事前準備・応募(目安:約2週間)

転職の目的を明確にしたうえで、キャリアの棚卸しや情報収集、企業研究、自己分析や求人選びといった事前準備を整え、応募します。

4月入社の場合は1月、10月入社の場合は7月が、事前準備・応募の一つの目安となります。
株式会社インディードリクルートパートナーズの転職動向調査では、リクルートエージェントにおける第二新卒歓迎とある求人は増加傾向にあることが報告されています。ニーズが高いことから、ともすると好条件の求人に目移りしてしまいかねません。入社後のミスマッチを防ぐためにも、転職の目的を明確にしておくことが重要です。

(※)出典:「Z 世代(26 歳以下)の就業意識や転職動向」(株式会社リクルート<現:株式会社インディードリクルートパートナーズ>)

第二新卒は社会人経験年数が短いことから、実務経験に自信がないという人もいるでしょう。職務経歴書などでアピールすることが思いつかない場合は、キャリアの棚卸しと自己分析を通じて自分の強みを整理し、業種や職種を問わずに持ち運びができるポータブルスキルを中心にまとめると良いでしょう。

面接(目安:約1カ月)

書類選考に通過したら、次は面接となります。4月入社の場合は1~2月、10月入社の場合は7~8月が、面接の目安となります。働きながら転職活動をしている場合は、仕事の合間を縫っての選考となるため、業務を調整する必要もあるでしょう。

面接では、社会人経験の年数が短い場合でも、社会人としての経験をベースに自身の強みや志望動機などをエピソードとともにアピールすると、説得力が増すでしょう。そのためにも、企業研究や面接対策などの事前準備が重要です。

内定承諾(目安:約1週間)

内定が出たら、労働条件やキャリアパスなどをしっかり確認したうえで、内定を承諾するか決断しましょう。4月入社を目指す場合は2月の半ばまで、10月入社を目指す場合は8月半ばまでが、内定獲得の目安となります。
現職も含めて、複数の企業を比較検討することで、より納得感が高い転職となることが期待できるでしょう。

退職・引き継ぎ(目安:約1カ月)

現職の上長に退職の意思を伝え、退職手続きについて相談したうえで、退職願を提出します。民法では退職日の2週間前に申し出れば退職が可能ですが、企業によっては就業規則に退職を申し入れてから退職までの期間が定められている場合もあります。あらかじめ退職に関する規定を確認しておきましょう。

引き留められる可能性もあるため、あらかじめ退職理由を整理しておくことで、交渉の余地を残さないよう心掛けると良いでしょう。

また、十分な引き継ぎができるように、有給休暇の消化との兼ね合いを考慮しながら退職スケジュールを組むことが望ましいでしょう。

第二新卒は転職時期を気にしすぎなくても良い

ここまで、第二新卒の転職に適した時期についてご紹介してきましたが、実際には、それほど転職時期にこだわる必要はないとも言われます。その理由をご紹介します。

第二新卒を歓迎する求人は通年あるから

第二新卒を積極的に採用している企業の多くは、4月や10月といった時期に限らず、年間を通して求人を行っているケースが多いでしょう。特にポテンシャルを評価し、経験よりも意欲や熱意、将来性の高さを重視している企業では、通年で募集を行う傾向があります。したがって「この時期を逃すと転職できないのでは」などと過度に心配する必要はないでしょう。

求人が増える=転職活動する人も増えるから

4月入社、10月入社のタイミングは、求人が増える傾向にあり、転職チャンスも大きいでしょう。ただ一方で、求人の多さに惹かれ転職活動をする人も増える傾向にあるため、競争率が高くなりがちな時期とも言えます。
前述のような、4月入社・10月入社のメリットは考慮しつつも、自分が希望する業界や職種、企業群の求人状況を見ながら、時期を検討すると良いでしょう。

スケジュールに縛られすぎるとミスマッチのリスクが高まるから

転職に適した時期を優先しすぎると、「この時期に転職を決めなければ」と焦ってしまい、十分に企業を見極めないまま転職を決めてしまうリスクが高まります。
転職で最も大切なのは、「自分にマッチした企業を選ぶこと」です。スケジュールに縛られすぎることなく、「自分に合っているかどうか」を重視しながら転職活動を進めることが大切です。

「転職したい」と思ったときに行動することが大切だから

前述のように、第二新卒の転職に適した時期はありますが、自分自身が「転職したい」と思ったタイミングが動きどきです。「今は適した時期ではないから、転職活動は見送ろう」などと思っていると、魅力的な求人を取り逃してしまうかもしれません。

希望に合った求人を見逃さないためにも、求人情報は定期的にチェックすると良いでしょう。転職エージェントなどを活用し、定期的に情報交換するのも一つの方法です。

第二新卒が転職を実現するためのポイント

第二新卒が希望に合った転職を実現するためには、主に次のポイントに留意すると良いでしょう。

「なぜ転職するのか」を明確にする

なぜ転職するのか自問自答し、自身の思いと向き合うことで、「現職では何が合わなかったのか」「自分が仕事やキャリアに求めているのは何なのか」を明確にしておきましょう。「実際に働く中で、自分がやりたいことが明確になった」「自分の適性が理解できたことで、今後のキャリアを考えるようになった」など、企業が納得できるような説明をすることが大切です。

多くの企業は、「第二新卒というタイミングで、比較的早期に退職を選ぶ理由」を知りたいと考えています。納得できる明確な理由があれば、「入社してもまたすぐに辞めてしまうのでは」という懸念が払しょくされ、入社後も長く働いてくれそうだと期待してもらいやすくなるでしょう。

自身の強みを明確にする

社会人経験が短い第二新卒でも、その中で身についた経験やスキル、学んだことなどは必ずあります。これまでの職務内容を振り返って整理し、自身の強みを言語化することが大切です。

例えば、「新しい業務に前向きに取り組む柔軟性」や「報連相の丁寧さ」などは立派な強みです。仕事のスタンス、成長意欲や学習意欲の高さ、業務を通じて学んだことや改善したことなども、伸びしろを感じさせるアピールポイントになります。

2年目、3年目になれば、仕事において成果や実績を上げた経験を持つ人もいることでしょう。数字で示せるものがあれば、エピソードとともに伝えれば即戦力となり得ることをアピールできるでしょう。

希望条件を洗い出し優先順位をつけておく

転職先に対する希望条件が多すぎる場合や、「とにかく現職・前職より条件が全て上回る会社に入りたい」「大手企業に転職したい」といった漠然とした希望である場合は、ミスマッチが起こりやすいので注意が必要です。

業界や職種、仕事内容、勤務地や働き方、給与、社風など、自分が重視したい条件を具体的に洗い出したうえで、優先順位を明確にしておくと、自分の希望に合った求人を選択しやすくなるでしょう。
応募書類や面接で志望動機を伝えやすくなったり、内定を複数獲得したときにより自分にマッチした企業を選択しやすくなったりすることも考えられるでしょう。

迷ったときは転職エージェントに相談を

第二新卒の場合、大半の人が初めての転職活動になると思われます。キャリアの棚卸しや仕事における強みの洗い出し方、応募書類の作成や面接対策など、就職活動とは違う難しさを感じる人も少なくないようです。

転職活動の進め方に迷ったときは、転職エージェントを活用するのは一つの方法です。キャリアアドバイザーとともに自身のポータブルスキルを抽出したり、アピールポイントについてアドバイスを得られたりするケースもあるため、転職活動に不安感のある人は活用を検討してみると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年07月26日
記事更新日:2024年10月04日
記事更新日:2025年09月18日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。