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自己PRで主体性を伝えるポイントと注意点【例文付き】

自己pr 主体性

転職活動では、応募書類に自己PRを記載したり、面接で「自己PRをしてください」「あなたの強みを教えてください」と言われて答えたりする場面があります。このとき「主体性」をアピールするとしたら、どのように伝えれば良いのでしょうか。企業が求める主体性、「自主性」との違い、主体性をアピールするコツ、注意したいポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。職種別の例文もご紹介しますので、参考にしてみてください。

主体性とは

自己PRを適切に行うために、「主体性」とはどのような性質として捉えられているかを確認しておきましょう。

そもそも主体性とは

「主体性」とは、「自ら意志を持ち、自分で判断・行動していく姿勢」を指します。仕事においては、問題解決や現状の改善などに向け、課題・目標を自ら設定した上で、自分の判断と責任のもとに行動していける力などを意味します。

主体性と自主性の違いとは?

主体性と類似した言葉に「自主性」があります。自主性とは、「何かしらの事柄に対し、人から指示される前に自ら行動していく資質」です。自主性は、組織や上司などから課されている範囲の中で自ら行動することを指しています。多くの事柄を自分で判断し、自ら行動する「主体性」とは意味合いが異なります。

企業が求める主体性とは

変化が激しい時代の中、どのような業界・企業においても、次に必要な打ち手を模索し続けている状況です。新しい事業の立ち上げや組織の立て直しなどにおいて、主体性がある人材の活躍を期待していると言えます。経営・マネジメントの視点を持ち、主体的に取り組める人材を求める企業が多く見られます。

また、テレワークを取り入れている企業もあるため、どのような環境下でも主体的に成果を出せる人材を求める傾向もあるでしょう。会社が行動管理をしなくても、自ら考えて行動し、報告・相談や連携なども自ら行いながら目標達成に向かえる人材は、プラス評価につながりやすいようです。

主体性を自己PRで言い換えると?

主体性は、次のような言葉でも表現できるでしょう。

自律性
他者からの指示や介入なしに、自身で判断し行動する力がある
積極性
受け身の姿勢ではなく、自ら物事や課題に関わっていく
当事者意識
自分事として捉え、責任感を持って関わっていく
責任感
自分で決めたことを最後までやり遂げようとする

応募企業の求人情報などを読み、どのようなワードが使われているかをチェックし、その表現を使うのも一つの方法です。

自己PRで主体性を伝えるポイント

自己PRで「主体性」をアピールする場合は、以下のポイントを意識してみてください。

冒頭で強みを強調する

職務経歴書の自己PRに記載する、あるいは面接で自己PRを求められて答える際には、まず自分の強みを端的に伝えましょう。「私の強みは、主体性を持って取り組めることです」など、冒頭で強調しておきます。

エピソードを交えて具体的に伝える

冒頭で挙げた強みについて、これまでどのような状況において、どのように発揮したのか、具体的なエピソードを語ります。以下の要素を盛り込んでストーリーを構成すると、説得力が高まるでしょう。

状況・課題
どのような状況で、どのような課題に直面したのか
行動
その課題に対し、どのように考え、どのような工夫や努力をしたのか
成果
行動の結果、どのような成果を得られたか、状況が改善されたのか

特に意識したいポイントは、「会社からの指示ではなく、自ら課題を発見し、自ら対策を考えて行動した」エピソードを選ぶことです。自主性ではなく、主体性を持って行動できることが伝わりやすくなるでしょう。

入社後の活躍・貢献イメージを伝える

応募企業を研究して仕事の特性をつかんでおき、「自分の強みをこのように活かして活躍・貢献できると考えている」と伝えるのも良いでしょう。採用担当者から期待を持たれる可能性があります。

主体性の自己PRで注意したいポイント

主体性を自己PRでアピールする際は、次のポイントに注意しましょう。

「協調性がない」と思われないように注意する

長所と短所は表裏一体であるため、伝え方によってはマイナス点を懸念されるケースもあります。主体性をアピールする場合は、「自己中心的に仕事を進めるのではないか?」「協調性がないのではないか?」「他人の意見を聞かず、独断で仕事を進めるのではないか?」などの懸念を持たれないように注意しましょう。

例えば、チームワークを大事にする企業などの場合は、「チームで主体性を発揮したエピソード」を伝えるといったように、応募企業にマッチするポイントをアピールすることをおすすめします。

「主体性」と「自主性」を混同しない

先にも述べたように、「主体性」と「自主性」には違いがあるので、混同しないように注意しましょう。例えば、会社から指示されたことに対して自主的に行動したエピソードを伝えた場合、「アピールしたい強みに対し、実際の行動がズレている」と受け取られる可能性もあります。主体性をアピールする際には、自ら課題や問題、改善すべき点などを発見し、解決に向かったエピソードを伝えましょう。

自己PRで主体性を伝える例文

応募書類や面接で主体性をアピールする場合の例文を、営業・エンジニア・企画の職種別にご紹介します。

自己PR例文①(営業)

私の強みは、主体性を持って行動できることです。現職の営業組織では、成功・失敗事例や営業の進捗状況などの情報共有がされず、連携が図りにくいことを課題と感じていました。そこでチームリーダーを任された際、週2回の共有会議と情報共有フォーマットを運用し、営業部門全体にもチャットで共有する仕組みを作りました。半年後にはチームの売上が20%向上し、失注率の低下にもつながりました。この取り組みは営業部門全体にも正式に導入され、翌年は売上昨対比が115%アップと、業績向上に貢献できました。貴社(御社)においても、営業組織全体に好影響を及ぼす取り組みを主体的に進め、成果の最大化に貢献したいと考えております。

自己PR例文②(エンジニア)

私の強みは、組織力強化のための施策を実行していく主体性です。現職ではWebサービスにおけるエンジニア部門のリーダーを務めています。人員不足で外部委託コストがかさむ中、現在の人員で対応するため、年単位での技術力の底上げ計画を立てました。社内勉強会の開催、技術情報共有チャンネルやNotionを活用した技術情報wikiの充実、人事部と協議して自己学習支援制度の導入などを計画しました。技術力向上に取り組んだ結果、生産性がアップし、外部委託費を年間○万円削減できました。組織力強化を実現した主体性を活かし、貴社(御社)のエンジニア組織づくりに貢献していきたいと考えております。

自己PR例文③(企画)

私の強みは、新しいことを積極的に学んで取り入れていく主体性です。現職の企画部門で行っているデータ分析について、従来の手法では精度が不十分だと感じ、最新の分析ツールを自ら学習して適していると判断したツールの導入を提案しました。その結果、施策の効果をより正確に検証できるようになり、課題がつかめて次の企画立案にも活かせました。現在は生成AIツールの効果的な活用法について学んでいます。○○サービスのマーケット拡大を目指す貴社(御社)においても、新たな手法の導入を主体的に行い、貢献したいと考えております。

効果的な自己PRに、転職エージェントも活用しよう

自己PRで迷った場合は、転職エージェントに相談してみても良いでしょう。キャリアアドバイザーとの対話を通じ、自身の強みを整理・言語化を図ってみてください。自分の主体性について、より強みとなる部分や説得力のあるエピソードなどを発見できるかもしれません。

また、転職エージェントは求人企業が求めている人材像をつかんでいることもあります。そうした情報も活用し、応募企業に適切な表現でアピールすると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2023年10月18日 記事更新日:2025年10月21日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。