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「忍耐力」を自己PRで伝えるポイントと注意点【例文付き】

自己pr 忍耐力

転職活動では、応募書類に自己PRを記載したり、面接で「自己PRをしてください」「あなたの強みを教えてください」と言われて答えたりする場面があります。このとき「忍耐力」をアピールするとしたら、どのように伝えれば良いのでしょうか。企業が求める忍耐力の要素、忍耐力をアピールするコツ、注意したいポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。職種別の例文もご紹介しますので、参考にしてみてください。

忍耐力とは

一口に「忍耐力」といっても、状況や場面によって性質が異なります。自己PRを適切に行うために、忍耐力とはどのような性質として捉えられているかを確認しておきましょう。

そもそも忍耐力とは

「忍耐力」のそもそもの意味は、「苦しい状況や困難に直面したとき、それを耐え忍ぶ力」です。さらには、「目標達成のために努力し続ける力」を指すこともあります。

怒りや焦りといった感情に流されず冷静に対処できる人、不満やストレスがあっても前向きな姿勢を保てる人、うまくいかなくても諦めずに努力を続けられる人などは、「忍耐力がある」と捉えられる傾向が見られます。

企業が求める忍耐力とは

企業が求める忍耐力――つまり「仕事や組織内で活かせる忍耐力」とは、ただ「じっと耐え忍ぶ」ことではないと考えられます。ストレスフルな環境下でも心折れることなく前へ進んでいける力、壁にぶつかっても乗り越えていける力が求められているといえるでしょう。

もちろん企業によって求める要素は異なりますが、一例として次のような力が挙げられます。

失敗してもポジティブに乗り越えられる

仕事をしていると、失敗したり、成果が出なかったりすることもあるでしょう。そのような状況でも過度に落ち込まず、「学びを得た」などとポジティブに捉え、気持ちを切り替えて次に進む姿勢が求められます。

ストレス耐性が強い

「経験がない仕事を任せられる」「責任が重い役割を任せられる」「顧客から難しい要望を受ける」など、強いプレッシャーがかかる場面もあります。そのようなときも冷静に対応し、普段どおりに力を発揮できると、周囲から頼もしく思われるでしょう。ストレスフルな環境を活かして自分の潜在能力を引き出し、成長につなげることも期待されます。

仕事を最後までやりきる力がある

長期間にわたるプロジェクトなどでは、その過程で想定外の事態に直面することやトラブルが発生することもあります。うまくいかないときも途中で投げ出したり諦めたりすることなく、その時々で最適な解決行動をとり、ゴールを見据えて推進してほしいと考えられています。

目的達成に向けた努力ができる

ビジネスでは、社内外の複数の利害関係者間で意見が対立したり、ビジネス環境が刻々と変化していったりと、時には「当初の目的を達成することが困難ではないか」と思われる状況もあるものです。

そうした局面でも、目先の着地点を探るのではなく、「別のやり方を模索する」「関係者を説得する」など、当初の目標達成へ向けた行動を継続できる力が期待されます。

忍耐力を自己PRで言い換えると?

上記のように「忍耐力」は、さまざまな捉え方ができます。そのため「私は忍耐力があります」と伝えるよりも、別の表現を使った方が企業より伝わりやすくなる可能性があります。

応募企業の求人情報をしっかりと読み込み、「仕事の特性」「求める人材像」をつかんだうえで、それにマッチする表現を考えてみましょう。例えば以下のように、同じ「忍耐力」を伝えるにも、採用ポジションに合った言い換えを工夫してみましょう。

  • 緻密な作業にコツコツと取り組める
  • 果敢にチャレンジし、失敗しても諦めない
  • 理不尽なクレームに対しても冷静に対処できる
  • 困難な状況に遭遇しても、最後までやり切る

自己PRで忍耐力を伝えるポイント

自己PRで「忍耐力」をアピールする場合は、以下のポイントを意識してみてください。

冒頭で強みを強調する

冒頭で、自身の強みがどのようなものかを端的に伝えます。先にも触れたとおり「忍耐力があります」というだけでは伝わりにくい可能性があるため、「緻密な作業にコツコツと取り組めます」「果敢にチャレンジし、失敗しても諦めません」など、仕事上で発揮できる力を伝えましょう。

エピソードを交えて具体的に伝える

冒頭で挙げた強みについて、これまでどのような状況において、どのように発揮したのか、具体的なエピソードを語ります。以下の要素を盛り込んでストーリーを構成すると、説得力が高まるでしょう。

状況・課題
どのような状況で、どのような課題に直面したのか
行動
その課題に対し、どのように考え、どのような工夫や努力をしたのか
成果
行動の結果、どのような成果を得られたか、状況が改善されたか

入社後の活躍・貢献イメージを伝える

応募企業を研究して仕事の特性をつかんでおき、「自分の強みをこのように活かして活躍・貢献できると考えている」と伝えるのも良いでしょう。

忍耐力の自己PRで注意したいポイント

「忍耐」というワードは、「つらい状況でも我慢する」というイメージを持たれることがあります。その姿勢は、場合によっては「受動的」「消極的」と受け取られる可能性もあります。「我慢せずに行動すれば、早急に改善できたのではないか」「他の方法を考えたり工夫したりしなかったのか」などと思われてしまうかもしれません。

多くの企業では「我慢できる人」よりも「主体的に困難克服の行動を起こしていける人」を求める傾向があるため、主体性を発揮したエピソードを語ることが大切です。先述のように言い換えて表現し、ポジティブな印象につなげることを心がけてみてください。

自己PRで忍耐力を伝える例文

応募書類や面接で忍耐力をアピールする場合の例文を、営業・事務・エンジニアの職種別にご紹介します。

自己PR例文①(営業)

 私の強みは、粘り強く顧客のニーズに応え、信頼関係を築くことです。前職の○○サービスの提案営業においては、細かな要望が多い顧客、頻繁に変更を求める顧客にも真摯に対応してまいりました。前任者から引き継いだ、トラブルを起こして取引停止となった顧客では、自社への信頼を失った状況から関係の再構築に取り組みました。難しい課題に対してもしっかりと向き合って提案を行ったことで信頼を獲得し、取引額を3倍に伸ばしました。△△サービスの拡大を図る貴社(御社)においても、この強みを活かして新規顧客獲得に貢献したいと考えております。

自己PR例文②(事務)

 私の強みは、ストレス耐性が高く、緻密な作業にコツコツと取り組めることです。現職では、顧客管理のデジタル化に取り組んでいます。紙やExcelでバラバラに管理されていたデータを一元化するにあたっては、膨大かつ煩雑なデータ整理・入力作業、営業担当者へのヒアリング作業が難航しましたが、「システム稼働後に円滑に運用できる」ことを目標にやり遂げました。デジタル化を推進されている貴社(御社)でも、私の強みと経験が活かせると考えております。

自己PR例文③(エンジニア)

私の強みは、難易度が高いプロジェクトも最後までやり切るタフさです。受注管理システムを刷新するプロジェクトにおいては、複数のシステムに影響を及ぼし、範囲が大きいため、各部署のキーパーソンとの協議を重ねる必要がありました。部署・職種によって意見や要望が異なることもありましたが、ムダを省いたことで運用コスト20%削減にもつながりました。私の「やり切る力」を活かし、貴社(御社)のDX推進にも貢献したいと考えています。

効果的な自己PRに、転職エージェントも活用しよう

これまでお伝えしたとおり、「忍耐力」を伝えるにはさまざまな表現があります。応募企業が求めている人材像を理解し、適切な表現でアピールすることが大切です。

迷った場合は、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。転職エージェントのキャリアアドバイザーと対話することで、自身の強みを整理・言語化できるかもしれません。

また、転職エージェントは求人企業が求めている人材像をつかんでいることがあるため、そうした情報も活用し、適切な表現でアピールすると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日 : 2023年10月20日 記事更新日:2025年10月21日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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