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離職票の役割と、届く前に転職が決まった場合は?

離職票 転職

会社を辞めて、雇用保険の基本手当(失業手当)を受給する場合は、ハローワークが発行する離職票が必要です。離職票はどのように入手し、手続きすればいいのでしょうか。また、退職証明書との違いは何でしょうか。

離職票の内容と発行の流れ、記載方法などを解説します。

社会保険労務士法人 岡 佳伸事務所代表 岡 佳伸氏

アパレルメーカー、大手人材派遣会社などでマネジメントや人事労務管理業務に従事した後に、労働局職員(ハローワーク勤務)として求職者のキャリア支援や雇用保険給付業務に携わる。現在は、雇用保険を活用した人事設計やキャリアコンサルティング、ライフプラン設計などを幅広くサポート。特定社会保険労務士(第15970009号)、2級キャリアコンサルティング技能士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士など保有資格多数。

「離職票(雇用保険被保険者離職票)」とは

離職票は、雇用保険の基本手当(失業手当)を申請する際に必要となる書類です。ハローワークから発行され、雇用保険の資格喪失を通知する「雇用保険被保険者離職票-1」と、離職前の賃金の支払い状況と離職理由が記載された「雇用保険被保険者離職票-2」の二種類があります。雇用保険の受給に必要な書類なので、「すぐに次の会社で働くことが決まっている」「雇用保険の基本手当を受給しない」という場合は、離職票は必要ありません。

離職票の発行の流れ

従業員が退職すると、企業は「離職証明書」を作成し、ハローワークに届けなければなりません。離職証明書は、退職した従業員に対して自動的に作成している企業もあれば、事前に退職予定者に対して離職票の発行を確認している企業もあります。雇用保険の基本手当を受給する予定の方は、念のため会社に離職票が必要であることを伝えておきましょう。

離職票が届かない場合

企業は、退職した従業員が被保険者資格を喪失した翌日から10日以内に離職証明書を提出しなければなりません。退職して10日以上経っても離職票が届かない場合は、手続きがされているかどうか会社に確認してみましょう。

なお、会社の手続きが遅い場合は、ハローワークに身分証明書や退職証明書などを持参して、雇用保険の加入歴を調査してもらい、受給資格がある場合はハローワークの仮決定を受けることもできます。その場合は、会社から離職票が届いたら本決定を行うことになります。また、ハローワークに離職票の交付請求を行い、会社に督促してもらうことも可能です。

離職票の書き方と確認事項

離職票は基本的に会社が入力項目を埋めるため、求職者自身で入れる箇所は多くはありません。入力箇所と確認事項をご説明します。

雇用保険被保険者離職票-1

雇用保険被保険者離職票-1

雇用保険被保険者離職票-1の離職者氏名などは記載されているので、ハローワークの窓口で個人番号を記入しましょう。また、「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」の欄に、基本手当などの振込を希望する金融機関名を記載します。金融機関確認印の欄もありますが、通帳やキャッシュカードを持参する場合は空白でも手続きが可能です。

雇用保険被保険者離職票-2

雇用保険被保険者離職票-2

雇用保険の加入歴などは会社側で入力されるため、左側の「離職理由」の離職者記入欄に記載します。自己都合による退職で、事業主との認識に相違がなければ、「具体的事情記載欄(離職者用)」の欄に「同上」、「事業主が〇を付けた離職理由に異議」の欄に「無し」を選択し、左下の署名欄に署名と押印します。

例えば会社都合退職なのに「自己都合」と書かれているなど、会社が記載した退職理由と事実が異なる場合は、ハローワークに相談しましょう。ハローワーク側で調査が行われます。

離職票と退職証明書の違いとは?

退職証明書は、企業が退職者に対して退職を証明するために発行する書類を指します。様式が決まっている離職票と異なり、内容やテンプレートは企業によって様々です。

退職証明書は、労働者から申請された場合、企業は必ず交付しなければなりません。転職先の企業から退職証明書を求められた場合は、在籍していた企業に発行を依頼しましょう。なお、退職証明書の発行義務は退職から2年以内と定められています。

離職票を紛失した場合の再発行の方法

現在、電子申請で発行されている離職票はPDFで作成されているため、再印刷が可能です。離職票を紛失した場合は、まず会社に相談し、メールや郵送で送付してもらえないかを確認してみましょう。

また、ハローワークに再交付の申請書を提出することで、再発行してもらうこともできます。「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」に必用事項を記載し、運転免許証や住民票など、本人確認ができる書類のコピーを添付して郵送、または窓口で申請しましょう。