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自己PRで「行動力」をアピールするための書き方とポイント【例文・言い換え例あり】

自己PRで「行動力」をアピールしたいと考えている場合、「効果的にアピールできる書き方が知りたい」「自己PRの例文や行動力の言い換え例を参考にしたい」という人もいるでしょう。「行動力」をアピールする自己PRの書き方やポイント、言い換え例などについて組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。「行動力」の自己PR例文も紹介するので参考にしてみましょう。

自己PRで「行動力」をアピールするのは効果的?「企業が求める行動力」とは?

自己PRで「行動力」をアピールすることは、どのような評価につながるのでしょうか。ここでは、企業が求める行動力や評価されるポイントなどを解説していきます。

「行動力」の定義

「行動力」とは、思い立ったことや考えたことに対し、実際に行動を起こして実現していく力を意味します。また、実現に向けて行動する勇気や度胸、気概などを表す言葉でもあります。

企業が求める行動力

仕事においては、「目標達成や課された役割を果たすために、自ら考えて行動し、実現できる力」が必要とされるので、企業もこうした行動力を求める傾向があると言えるでしょう。
また、中途採用の場合は、即戦力人材として状況に応じて臨機応変に行動していける力に期待されているケースもあります。一方、時代が変化する中、企業が成長を続けていくためには新たなチャレンジに向かうことも重要なので、行動力を持つ人材がそれを実現・実行していくことに期待しているケースもあるでしょう。

企業が行動力を評価するときのポイント

企業が行動力を評価するときには、「主体性」「実行力」「巻き込む力」などをポイントとする傾向も見られます。

【行動力を評価するポイント】

●主体性があるか
上司の指示がない場合でも、組織の目標などに照らし合わせた課題を自ら設定し、課題解決をするために主体的に取り組み、成果につなげられるか。

●実行力があるか
課題状況の分析やアイデアの提案をするだけでなく、具体的な取り組み方を考えて実行に移し、試行錯誤しながら課題解決や成果につなげられるか。

●巻き込む力があるか
課題の解決に向かうとき、自分一人で取り組むのではなく、周囲の関係者を巻き込み、組織・チームとして取り組むなどで、周囲を動かす力や巻き込む力を持っているか。

行動力と好奇心の違い

「行動力」と「好奇心」に同じような印象を抱くケースもありますが、意味は大きく異なります。

  • 行動力:目的を持ち、その実現に向かって行動する力のこと。
  •  好奇心:目的の有無に関係なく、さまざまな事柄に興味を持つ性質のこと。

大きな違いとしては、「目的が明確かどうか」「行動に移しているかどうか」という2点が挙げられます。さまざまな事柄に興味を持ちやすい人は「好奇心が強い」とは言えますが、行動力があるとは言えないでしょう。好奇心を自己PRでアピールしたい場合は、「好奇心を持った事柄に対し、どのような目的を持ってどういった行動をしたのか?」など、あらためて自分の行動を振り返ってみることをおすすめします。

行動力があるタイプの特徴

行動力があるタイプの特徴の一例を以下に紹介します。

  • 目的意識を持っている→物事に取り組む際、自分なりの目的を持って行動する。
  • 主体性を持って物事に取り組む→指示通りに動くだけではなく、自ら考えて行動する。
  • 責任感が強い→物事に対し、責任を持ってやり遂げるために行動する。
  • 向上心がある→自己の成長のため、目標に向かって行動し続ける。
  • 計画性がある→目標達成のために計画的に行動する。
  • 実行力がある→目標達成を実現するために必要なことを実行していく。
  • 巻き込む力がある→周囲に対して影響力を与え目標に向かって推進する。

当てはまるものがある場合は、行動力を強みとしてアピールすることもできるでしょう。

行動力のある人に向いている企業とは?

「新しいことへの挑戦を重視する環境がある企業」「新しい領域を手がける企業や成長・拡大している業界の企業」「リーダーやマネジメントを担う役職・ポジション」などは、行動力のある人に向いている傾向も見られます。具体的な例を以下に紹介します。

新しいことへの挑戦を重視する環境がある企業

ベンチャー企業、スタートアップ企業、新規事業に積極的な企業、事業や組織風土の変革期にある企業、グローバル展開をしている企業などでは、新しいことに挑戦する人材が求められる傾向が見られます。

新しい領域を手がける企業や成長・拡大している業界の企業

新規性の高い事業領域や成長・拡大中の市場は、主要なプレイヤーやサービス・価格などが明確になっていないことから、市場形成の過程の段階にあると言えるでしょう。より迅速にサービスなどを形にして市場に投入していくことが有利に働くこともあるため、行動力が重視される傾向も見られます。

職種別に求められる行動力の傾向

職種によっても、求められる行動力は変化する可能性があります。それぞれの傾向を解説するので、自己PR作成の参考にしてみましょう。

営業職に求められる行動力

営業職では「顧客との接点を自ら増やす行動力」が重視される傾向が見られます。たとえば、新規開拓や既存顧客の深耕においては、積極的にアポイント・接点を取り、提案の機会を作る姿勢が成果にも表れるでしょう。また、顧客の潜在ニーズを探るために現場に足を運ぶ、顧客に深くヒアリングをして関連情報を収集するなど、自ら動いて情報を得る行動も大切です。さらに、提案や受注後にうまくいかなかった際には、素早く改善策を試す柔軟な行動力も求められるでしょう。
営業職に求められる行動力は、「数(打席に立つ回数)」と「スピード(行動を起こすスピードや改善のスピード)」を武器に成果を引き寄せる力と考えることもできるでしょう。

企画職に求められる行動力

企画職では「情報を集め、企画を具体化する行動力」が求められる傾向が見られます。市場調査や競合分析などデータの収集を主体的に行い、それをもとに企画案を具体化する力が重要となるでしょう。机上のアイデアだけでなく、関係部署や顧客に直接ヒアリングし、仮説検証を繰り返す姿勢も大事です。また、企画を実行に移す際には他部門を巻き込む力や社内調整をする力も必要になるため、自ら動いて合意形成を図る積極性も求められるでしょう。
企画職における行動力は、アイデアを現実の施策へとつなげる推進力そのものと言えるかもしれません。

技術職に求められる行動力

技術職では「現場で課題を発見し、解決までを実行する行動力」が評価される傾向が見られます。設計や開発においては、問題が発生した際に待ちの姿勢ではなく、自ら実験や検証を進め、原因を突き止める行動が重要と言えます。また、新しい技術やツールを積極的に学び、実務に応用して改善を行う姿勢も重視されるでしょう。さらに製造現場や営業部門などと連携しながらトラブルシューティングに動くなど、周囲を巻き込む行動力を求められることもあります。
技術職における行動力は「技術を成果につなげる実行力」と言えるでしょう。

事務職に求められる行動力

事務職では「周囲をサポートし、業務効率を高める行動力」を重視する傾向が見られます。与えられた業務を正確にこなすだけでなく、システム、業務フローなどの非効率に自ら気づいて改善に動く積極性が求められるでしょう。また、各部門との調整や突発的な依頼への対応においても、迅速に行動する行動力が評価されやすいかもしれません。
事務職の行動力は「組織をサポートする実行力」と位置づけることもできます。

「行動力」を強み・長所としてアピールする自己PRの書き方

ここでは、行動力をアピールする自己PRの書き方を解説していきます。

1:応募企業が求める「行動力」の傾向を探る

仕事を遂行するためには行動力が必要と言えますが、企業によって、行動力が求められる場面も評価される点も異なるものです。
「個々の裁量に任せる」という社風の企業では、指示されなくても自分で判断して動くことを求められます。新たな手法の導入を提案するなど「変革」の行動を起こすことが期待されているケースもあるでしょう。

応募企業の組織体制や社風、業務内容などを調べ、自分の行動力をどのように活かせるのかを考えてみましょう。中途採用への応募であっても、新卒採用ページにも目を通しておくことをおすすめします。

2:過去を振り返り、「行動力」を発揮したエピソードを探す

過去の経験を振り返り、応募企業が求めているような行動力を発揮した場面を思い出してみましょう。そのときの状況や行動を具体的なエピソードで 伝えれば、活躍できるシチュエーションをよりリアルにイメージしてもらいやすくなります。

3:「行動力」を発揮した結果、得られた成果・評価を洗い出す

積極的に行動を起こした結果、チームや組織にどのような成果やメリットをもたらしたかを洗い出しましょう。客観的事実としての成果・評価を伝えることで、説得力を高めやすくなります。数字として伝えられる成果や、周囲からどのような点を評価されたのかまで、具体的に伝えることが大事です。

4:「行動力」の言い換えをする

「行動力」という言葉は抽象的であり、幅広く解釈することができます。そのため、「行動力があることが強み」と伝えるだけでは、どのような行動力があるのかを採用担当者がイメージしにくいと言えます。自分が発揮できる行動力を具体的な表現に言い換えることで、自分ならではの強み・長所をアピールできるでしょう。

5:自己PRの構成に落とし込む

書き出し(冒頭)では、「結論=自分の強み・長所とする行動力」を簡潔に伝えましょう。続いて、行動力を発揮した具体的なエピソードを伝え、そこで得られた成果・評価についてアピールします。最後に、応募企業・職種でどのように行動力を活かせるか、どのような貢献ができるのかを伝えることで、活躍可能性をイメージしてもらいやすくなります。

【自己PRの構成】
(1)結論となる「強み」(書き出し)
(2)根拠となる「具体的なエピソード」
(3)強みを活かして「貢献・活躍できること」

行動力をアピールする自己PRの例文

職種別に「行動力」をアピールする例文を紹介するので、自己PRの作成に役立てていきましょう。

営業職の例文

目標達成に向かう行動力を強みとしています。
前職では営業職を務めていました。取引先は○○業界が中心だったのですが、△△業界も顧客になり得るのではないかと考え、△△業界の人が集まるセミナーに参加し、業界の人とつながりを作ってニーズを聞き出しました。そこで得た情報をもとに△△業界向けの提案書を作成し、営業をかけた結果、1年間で○社の顧客を獲得。その結果、売上前年比が◯%アップし、目標達成率も前年比120%を実現できました。
貴社に入社後は新規開拓に注力し、顧客の幅を広げながら売上向上に貢献していきたいと考えています。

IT系技術職の例文

私の強みは、自ら課題を発見し、解決していく実行力だと考えています。
前職でシステム部門に所属する中、全社的に残業が多いことに課題を感じました。自ら社内の全部署に声をかけて、時間や手間がかかっている雑務などについてヒアリングして課題を整理したところ、業務の進捗確認のやりとりや、進捗共有の報告書作成などに時間がかかっていることがわかりました。

そこで、業務管理システムの導入を提案し、業務効率化のためのシステムを開発・導入した結果、残業時間が短縮され、全社の残業時間を◯%削減できました。
貴社に入社後は、部署やチーム全体の業務効率化にも取り組み、組織全体に貢献していきたいと思います。

社会人経験が短く、経験・スキルに自信がない場合の例文

第二新卒など、社会人経験が短い場合は、「仕事で行動力を発揮できた経験が少ない」と感じている人もいるかもしれません。そうした場合は、以下のように学生時代の経験を伝えることも一案です。

目標に向かい、やり遂げる行動力を強みとしています。
学生時代にニュースで○○問題を知ったとき、何とか力になりたいと考えました。○○問題について詳しく調べたところ、専門的に取り組んでいるNPO団体があることを知り、ボランティアスタッフとして活動に参加。より多くの人にこの問題を知ってもらうことを目標に掲げ、自分の大学でもセミナーを企画・開催することにしました。

何もかも初めての経験でしたが、NPO団体の方に相談したり、社会問題に取り組む大学のボランティア・サークルに声をかけて協力者を募ったりしながら実現に漕ぎ着け、当日には○人の参加者を集めることができました。
貴社に入社後は、目標に向かってやり遂げる行動力を活かし、より多くのお客様の困りごとを解決する企画を実現していきたいです。

「行動力」をアピールする言い換え例

「行動力」は抽象的な表現のため、採用担当者によっては自社でどのように活躍してくれそうかというイメージがしづらい可能性があります。そこで行動力を効果的にアピールするためには、より具体的な表現に言い換えて伝えることもおすすめです。

物事を最後までやり抜く力

「物事を最後までやり抜く力」という表現を使うと、自分が与えられた仕事にトラブルや困難が発生しても、最後まで責任を持ってやり抜くことをアピールできます。これは、プロジェクトが途中でつまずいたとしても、諦めずに解決策を見つけ出して取り組む姿勢を示します。
面接では具体的な経験を交えて、課題を克服して仕事をやり抜いたエピソードを語るといいでしょう。

目標達成に向けて試行錯誤できる力

「目標達成に向けて試行錯誤できる力」と言い換えることで、柔軟な思考と状況に応じた行動がとれることをアピールできるでしょう。目標に対して一つのアプローチだけではなく、必要に応じて方法を変えながら、最終的な目標達成に向けて行動できる能力があるということです。
この力をアピールすることで、行動力だけでなく創造性もアピールできるでしょう。

関係者を巻き込む力

プロジェクトを推進する際には、自分一人の力では限界があります。そこで、行動力を「関係者を巻き込む力」と言い換えることで、チームワークを大切にする姿勢やリーダーシップも示すことができます。これは、チームメンバーや他部署と協力して仕事を進め、全員の能力を引き出し最高の成果を目指す能力と言えるでしょう。
上記の表現に加えて主張を裏付けるエピソードも伝えられると、採用担当者がより魅力的に感じられる自己PRとなります。

自己PRで行動力をアピールするときの注意点

自己PRで行動力をアピールするときに注意したいことを解説します。

行動した理由を明確に伝える

行動力をアピールする際は「行動に移した理由」も伝えるようにしましょう。
企業が求めている「行動力」は「行動する目的が明確で、その目的通りに実行できる能力」とも言えるでしょう。ただ行動したのではなく、目的を持って実行に移したことをアピールするためには、行動に移した理由まで具体的に伝えることが大事です。

「主体性」が伝わるエピソードを選ぶ

行動力をアピールするエピソードは、「主体性」が伝わるものを選ぶことが大事です。たとえば「与えられた仕事を指示通りにやり遂げた」というだけでは、行動力があるという評価にはつながりにくいものです。自分なりに主体性を持って積極的に取り組んだことを探してみましょう。また、抽象的で具体性のない場合は、説得力に欠けるため、なるべく具体的に伝えるようにしましょう。

「計画性がない」と思われないように注意する

行動力をアピールしたいあまり、目的や結果に触れず行動したことだけにフォーカスして伝えれば、計画性がないことを懸念される可能性があります。計画性がないと判断された場合は、「期限内に目標達成をすることができない」「無駄な業務やミスが発生しやすい」など、マイナスな印象につながることも考えられます。目的に向かって行動したことと、それに伴う結果までしっかりと伝えましょう。

行動した結果として、客観的な成果を伝える

行動した事実のみしか伝えていない場合は、入社後の活躍可能性や貢献性を判断できないかもしれません。行動の結果として「どのような成果を挙げられたのか」まで伝えることが大事です。数字による成果、上司・顧客から評価されたこと、周囲から感謝されたことなどを客観的に伝え、行動力が成果につながった実績をアピールしましょう。

応募企業で行動力を活かせる場面の具体例まで伝える

応募企業が求めている職種や業務内容に沿った場面での行動力の具体例を挙げることで、より効果的にアピールできるでしょう。たとえば営業職に応募する場合は、「部署の期末目標の達成が厳しい状況だったが、情報共有の時間を確立して営業活動の効率を高めた結果、目標達成を実現した」などの具体例を伝えると、活躍するイメージをしてもらいやすくなります。

自己PRで「書かないほうがいいこと」とは?

自分の実績をアピールしたいあまり、高い成果を出した経験や、表彰された事実などを列挙するケースがありますが、その背景にある自分の考えや行動まで伝えなければ、評価にはつながりにくいでしょう。

また、「コミュニケーション力のないマネジャーに問題を感じ、自らリーダーシップを発揮してメンバーをまとめた」など、前職の職場や上司、同僚などを批判することで、相対的に自分の強みをアピールするケースも見られますが、ネガティブな印象を与えやすいので避けたほうがいいでしょう。

また、自己PRは強みをアピールするものですが、弱みにまで触れてしまうケースもあります。たとえば謙虚な気持ちから「行動力が強みである反面、慎重さに欠ける部分もあるために注意している」などと書いた場合でも、問われてもいないことを伝えたために自ら評価を下げてしまう可能性があります。質問の意図を理解し、的確に回答するという意味でも、求められていないことは書かないほうがいいでしょう。

自己PRに悩んだら転職エージェントに相談するのも一案

自己PRが思いつかなかったり、どのように伝えればいいのかわからなかったりする場合は、転職エージェントに相談するのも一案です。転職支援のプロであるキャリアアドバイザーから、客観的なアドバイスを受けることで、自己PRの内容をよりアピールできるものにできるかもしれません。また、キャリアの棚卸しや応募書類の作成、面接対策などのサポートを行う転職エージェントもあるので、よりアピールできる自己PRの作成や伝え方に役立てることもできるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2018年12月17日
記事更新日:2022年12月23日
記事更新日:2023年11月28日
記事更新日:2025年10月21日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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