
履歴書を作成する際、どんなに慎重に臨んでもうっかり書き間違えてしまうことはあります。履歴書を作成している時に書き間違ってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。この記事では、修正する際のポイントや、そもそも間違えないようにするための方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
履歴書は修正厳禁で間違えたら書き直す
履歴書は、正式なビジネス文書です。応募者の記録として応募企業内で保管され、共有されることがあるうえ、内定後は雇用契約や処遇決定の際に参考にされる可能性もあります。書き間違えてしまった場合は、修正テープや修正液を使って直すのではなく、一から書き直しましょう。
「一文字程度の間違いだったら修正してもいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、履歴書の修正は、正式なビジネス文書としての信頼性を損なう行為です。修正テープや修正液を使って修正することで、文字の視認性が悪くなる可能性もあります。
そもそも、修正跡のある履歴書では、採用担当者に良い印象を与えるのは難しいでしょう。「入社意欲が低いのではないか」「仕事ぶりも雑でいいかげんかもしれない」などと思われてしまうかもしれません。
履歴書の提出後に修正をしたくなったら?
履歴書を企業に提出した後に、書き間違いに気づ付いてしまった場合は、次のステップで対応すると良いでしょう。
Step1. できるだけ早く連絡をする
書き間違いに気づいた段階で、すぐに連絡を入れましょう。メールや電話などで企業の採用担当者に連絡し、履歴書の書き間違いに気づいたことを伝えましょう。その際、どの部分を間違えてしまったのか簡潔に説明するとともに、お詫びの言葉を添えることが大切です。
Step2. 再提出の意思を伝え、判断を仰ぐ
連絡を入れる際には併せて、「修正した履歴書を再提出したい」との意思を伝えましょう。ただし、企業によっては再提出を求めないケースもあるため、判断を仰ぐと良いでしょう。
Step3. 再提出する際は一言添える
企業から再提出の指示があれば、それに従いできるだけ早く修正履歴書を作成し、提出しましょう。その際、送付状(添え状)にお詫びの言葉と訂正内容を記載すると、誠実な姿勢が伝わるでしょう。
そもそも修正しないようにするには?
履歴書を作成する際には、そもそも書き間違えることのないよう準備し工夫することが大切です。次のような方法を取ることで、書き間違いのリスクを減らすことができるでしょう。
方法1. 下書きをする
あらかじめパソコンなどで見本を作成し、それを見ながら書き写すのは、ミスを減らす一つの方法です。履歴書のテンプレートなどを活用して作成し、見本通りに記入していくと良いでしょう。
なお、鉛筆で下書きしてから、ボールペンで上から清書するのはあまりお勧めできません。鉛筆の跡が残ってしまったり、下書きを消しゴムで消す際に文字がよれ、インクで汚れてしまったりする可能性があるので注意が必要です。
方法2. 使いやすいボールペンを使う
記入する際には、使いやすいボールペンを使用するのがポイントです。気合いを入れるために新しいペンを下ろす人もいますが、使い慣れたもののほうが丁寧に書きやすいでしょう。
使い慣れたペンがない場合は、不要な紙に試し書きをするなどして手に慣れさせると良いでしょう。
方法3. 時間に余裕をもって作業する
提出期限ギリギリに作成すると、どうしても焦ってしまい、書き間違いが起きやすくなります。誤字脱字に気づかないまま提出してしまい、印象を損ねてしまうケースもあるかもしれません。日程や時間に余裕をも持って、ゆっくり履歴書作成に臨みましょう。
方法4. 落ち着いて集中できる環境で作業する
雑然とした場所や騒がしい場所などで作成すると、どうしても集中力が削がれミスが発生しやすくなります。カフェなど公共の場で作成する人も見受けられますが、他の客とぶつかって飲み物がこぼれるなどして汚してしまい、一から書き直し…といったこともあり得ます。自宅の整理整頓された机など、落ち着いて履歴書作成に臨める環境で作成すると良いでしょう。
方法5. パソコンで作成する
パソコンで作成して提出するのも一つの方法です。Web上でダウンロードできる履歴書テンプレートを活用すれば、誤字脱字や記入ミスがあってもすぐに修正できるので、直筆での作成に自信がないという人は検討してみると良いでしょう。
履歴書の修正に関するよくある質問
履歴書の修正に関して、よく聞かれる質問について解説します。
一文字の誤字でも書き直す必要がある?
繰り返しになりますが、履歴書は正式なビジネス文書であり、一文字の間違いであってもそれだけで信頼を失いかねません。たとえ一文字でも修正テープなどで直したりせず、初めから書き直しましょう。
消せるボールペンを使っても良い?
消せるボールペンの利用は避けるべきでしょう。消せるボールペンのインクは、摩擦や熱で消えるのが特徴であり、第三者が改ざんできてしまうため、ビジネス文書には不向きです。油性のボールペンなどを使用しましょう。
履歴書のコピーを使いまわしても良い?
履歴書をコピーして使いまわすのはNGです。いくらきれいにコピーしても、原本でないことは企業に伝わります。手を抜いている、誠意がないと受け取られかねません。応募企業ごとに志望動機や自己PRをカスタマイズできないため、その企業に合わない内容になってしまい、入社意欲を疑われる可能性もあるでしょう。
汚れや折れに気づいた場合、それでも書き直すべき?
書き間違いと同様、汚れや折れも印象が良いとは言えません。汚れたり折れたりしたまま提出してしまうと、「仕事も雑で手抜きをするタイプなのではないか」と思われてしまう可能性もあるでしょう。
履歴書を汚してしまわないよう、書き終わったらインクがしっかり乾くまで待ち、クリアファイルなどに保管しておくと、不用意な汚れや折れ、ヨレなどを防ぐことができるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。