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面接で「最近のニュース」を聞かれたときの答え方や選び方、印象に残る回答例

面接 気になるニュース

採用面接で「最近、気になったニュースを教えてください」と質問されることがあります。そもそもこの質問には、どのような意図があるのでしょうか。

この記事では「最近のニュース」を聞かれる理由や答え方を解説すると共に、回答例や気になるニュースの収集方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

面接で「最近のニュース」を採用担当者が聞く理由

「気になる最近のニュースは?」という質問の背景には、主に次のような意図や目的があると考えられます。

「情報感度」を測るため

情報感度とは、情報に対する関心や興味の度合いのことを指します。情報感度が高い人ほど、的確な情報を素早く多く収集できたり、情報収集力に長けていたりする傾向にあると評価する企業があるようです。また、集めた情報を適切に精査し取捨選択する判断力や、情報を的確にビジネスにつなげる行動力・先見性も備えていると期待されているようです。

「仕事に対する価値観」を探るため

価値観とは、物事を評価する際の判断基準や考え方を指します。例えば、同じニュースに触れても、それに対する感想や分析の仕方は人によって異なるものです。

したがって、最近のニュースを聞くことで、基本的な考えが自社の理念や風土に合うかどうかを判断し、入社後のミスマッチを防ぎたいと考える企業もあるようです。

面接で聞かれる「最近のニュース」の選び方

面接で答える「気になるニュース」の選び方として、主に次のような方法が考えられます。

いずれのニュースも、「なぜそのニュースを選んだのか」「ニュースに対してどう感じたのか」など、自分なりの意見を伝えることが大切です。

直近1~3カ月など数カ月以内のニュースから選ぶ

直近1~3カ月程度を目処に公開・発表された、時事性の高いニュースの中から探すと良いでしょう。

「最近の」といっても、必ずしも直近のニュースを選ぶ必要はありませんが、過去1年を超えるようなニュースを取り上げると「情報に疎い」と思われてしまう可能性があるでしょう。数カ月以内のニュースの中から、自分なりの意見や考えを伝えられるニュースを選ぶと、一定の情報感度があると判断される可能性があります。

志望する業界や企業、仕事内容に関連するニュースを選ぶ

志望する業界や企業、仕事内容に関連する内容のニュースを選ぶと、志望度の高さをアピールできる可能性があります。その際、志望企業の競合のニュースにもチェックしておくと、視野が広がり、自分なりのエッジが立った意見が伝えられるかもしれません。

社会課題など広く認知されているニュースから選ぶ

広く認知されているニュースは、多くの人が興味を持ち自分なりの意見を持っていると考えられるため、面接の場でも会話が弾みやすく、相互理解をより深められると考えられます。

ニュースサイトのアクセスランキングやSNSの急上昇ワードなどをチェックし、ESG関連や人口動態などマクロな視点のニュースを選ぶと良いでしょう。視野の広さをアピールできる可能性があります。

※環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を指します。

面接で「最近のニュース」を聞かれた際の答え方

面接で「最近のニュース」を答えるときは、次のような点を意識しましょう。

「最近のニュース」を答えるときの流れ

面接で「気になるニュース」を答える際には、次の4つのSTEPで伝えると良いでしょう。

  1. ニュースの概要
  2. ニュースの詳細
  3. 気になるニュースとして選んだ理由
  4. 自分の意見

STEP1.ニュースの概要

ニュースの概要を伝えるときは、まず「今興味を持っているのは○○のニュースです」などニュースのキーワードとなる言葉を取り上げ、どのようなニュースについて伝えようとしているのか端的に説明しましょう。

採用担当者としても話の冒頭にニュースの概要がわかると、この後どのような話が展開されるのか想像しやすくなるでしょう。

STEP2.ニュースの詳細

続いてニュースの詳細を簡潔に述べます。

採用担当者によっては、ニュースの内容を良く知らない場合もあります。ニュースの詳細を伝えると、発言の内容を理解してもらいやすくなるでしょう。

専門性が高いニュースの場合は、どこからそのニュースを仕入れたのか、情報ソースも伝えられるようにしておくと良いでしょう。

STEP3.気になるニュースとして選んだ理由

続いて、このニュースが気になった理由を伝えます。

採用担当者の多くは、ニュースを選んだ理由を聞くことで、どのようなことに興味・関心を示す人なのかを知ろうとしています。「なぜこのニュースを選んだのか」「どの部分に興味を惹かれたのか」など、「なぜ」「どうして」に触れながら伝えるようにしましょう。

STEP4.自分の意見

最後に自分の意見を述べます。

採用担当者は、ニュースに対してどのような考えを持つ人物なのか、思考の深さや関心、さらには人間性なども測っていると考えられます。

「すごいと思った」「大変だと感じた」などのように感想で終わることのないよう、ニュースに対する自分なりの考えや意見を述べるようにしましょう。

回答の際に意識したいポイント

回答する際には、「事実」と「意見」を切り分けて伝えることを意識しましょう。ニュースという「事実」に対して、自分はどのように考え、どのような意見を持っているのかを切り分けることで、客観的に考える力や課題発見力、相手が理解しやすいように話せる力などをアピールできる可能性があります。

取り上げるニュースは、できる限り応募した業界や企業、職種に関するものを選ぶことも大切です。関連性のないニュースを選ぶよりも、応募企業への志望度の高さや興味関心の高さを伝えられるでしょう。

なお、興味を持っていても、政治、宗教などのニュースは避けるのが良いでしょう。これらのニュースは、価値観や思想、信念などによって「何が正しいか」「何を大事にするか」が多種多様なため、理解や共感を得にくく、意見交換が難しくなるケースが多いと考えられます。芸能人や有名人などのゴシップや炎上に関わる話題も、面接の場にはふさわしくないでしょう。

面接で印象に残る「最近のニュース」の回答例

最近のニュースについての回答例をご紹介します。これらの構成を参考にしながら、自分ならではの意見をまとめましょう。

回答例1:金融・経済関連のニュース

私が注目しているのは、この夏、日経平均株価が最高値を1年ぶりに更新したというニュースです。

大学時代のゼミで、株式市場の動向と企業の業績の関連性について研究したことがあり、以来、日本市場の株価動向に注目してきました。今回の株価上昇は、2025年4月―6月期のGDPの伸びが市場予想を上回る伸びとなり、アメリカの関税措置の影響も限定的と見る向きが増えたことが主な背景とされています。

物価高で個人消費は停滞が続いており、市場に過熱感があると思いますが、各調査機関では関税措置の懸念軽減や日本企業の自社株買いの動きなどを背景に、これからも堅調な動きが続くと予想されています。

○○業界の法人営業として、株式市場は企業や市況を理解するのに役立つため、これからも動向に注目したいと考えています。

回答例2:自然・天気に関連するニュース

私が気になっているニュースは、ここ最近の記録的な猛暑です。外回りの多い営業としては危機感を覚えるほど暑く、先日は出張先の名古屋で40度を経験し熱中症になりかけてしまいました。

今年の異常ともいえる猛暑は偏西風の影響が大きいとされていますが、水不足が深刻な地域がある一方でゲリラ豪雨が増えるなど、大気が不安定になれば災害も起きやすく、作物にも深刻な影響を及ぼします。そのため、地球温暖化対策に取り組む姿勢はこれまで以上に人々に求められると考えています。

御社においては、全社を挙げて脱炭素に取り組むなど、温暖化対策に注力されていると伺っています。私個人も、微力ではありますが節電やリサイクル、ごみを減らすなどの取り組みを続けていきたいと考えています。

回答例3:人手不足・雇用課題に関連するニュース

私が気になっているニュースは、日本の労働力不足の深刻化です。

少子高齢化などを背景に、生産年齢人口は1990年代をピークに減少し続けていると報道番組で取り上げられていましたが、特に地方においては人材流出に歯止めが効かず、深刻な人手不足に悩む企業が増えているようです。私の故郷である○○県においては、黒字経営にもかかわらず人材の確保が難しく事業を畳む中小企業が増えていることが問題視されており、この問題を少しでも解決したいと思い、新卒で人材業界を選んだという経緯があります。

御社においては近年、地方に営業所を増やし、地方企業の人材不足解決に尽力するとの姿勢を表明しており、深く共感しています。御社において人材業界での経験を活かしながら、人手不足に悩む企業に寄り添い、課題解決を実現していきたいと考えています。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2018年12月17日
記事更新日:2024年11月29日
記事更新日:2025年10月01日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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