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面接の自己紹介|押さえるポイントと好印象につなげる例文を紹介

面接 自己紹介

転職活動の面接では、冒頭に「自己紹介」を求められることがあります。第一印象を左右する可能性があるため、しっかり準備しておきたいものです。この記事では、企業が自己紹介を求める理由、自己紹介で伝える内容、意識したほうが良いポイントなどについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。例文もありますので参考にしてみてください。

面接担当者が自己紹介を求める理由3つ

面接で自己紹介を求められる理由は、主に次の3つが挙げられます。

面接の“起点”を作るため

面接の冒頭では応募者の緊張をほぐすために、アイスブレイクとして面接担当者が雑談を振ることがあります。対話で空気が和んでから面接を進行するために、自己紹介を促すケースがあるようです。面接への起点となるパートであるため、簡潔にわかりやすく伝えることが重要とされます。

面接で深掘りするテーマを選ぶため

自己紹介の内容をベースに、応募者の経験やスキル、志望動機などを大まかに把握し、これからの面接で掘り下げるポイントを見極めようとしている面接担当者もいるようです。

したがって、自身の強みやスキルなど面接で深掘りして聞いてほしいキーワードがあれば、自己紹介の中に盛り込むと良いでしょう。

仕事で必要な「伝え方のスキル」を把握するため

短時間で要点をわかりやすく伝えるには、プレゼンテーション力や情報を整理する力、場の状況を把握する力などが求められるため、自己紹介を通じて表情や話し方なども含めた「伝える力」が見られているケースもあります。

次の「面接の自己紹介で押さえたほうが良いポイント」を参考に、簡潔でわかりやすい自己紹介を準備しておくと良いでしょう。

面接の自己紹介で押さえたほうが良いポイント

面接の自己紹介では、主に次の4つのポイントを押さえると良いでしょう。

自己紹介は45~60秒程度で完結させる

自己紹介は通常、面接の冒頭に行われます。その後に職務経歴や志望動機などさまざまな質問が控えているため、自己紹介は45~60秒程度にまとめると良いでしょう。

結論と実績の裏付けになる数字を述べる

短い時間でインパクトある自己紹介をするためには、数字や実績を交えて定量的に伝えるのもポイントです。その際、応募企業の採用ポジションの業務と接点がある内容を強調して伝えると良いでしょう。あらかじめアピールしたい経験・実績の要点を整理し箇条書きにして組み立てると、簡潔に話しやすくなります。

求人内容とつながるキーワードを入れる

自己紹介の中に、企業が求める人材像につながるようなキーワードを盛り込むと、「自社とのマッチ度が高そうだ」と興味を持ってもらえる可能性があります。「求人内容を十分に理解している(=企業理解がある)」と判断され、志望度の高さもアピールできるかもしれません。

表情や声のトーンなども意識する

面接の冒頭に聞かれることが多い自己紹介は、応募者の第一印象を大きく左右する可能性があります。第一印象で好感を持ってもらうために、落ち着いたトーンでハキハキと話し、表情にも気を配りましょう。

【パターン別】面接の自己紹介で伝える内容の例

面接担当者からの「自己紹介をしてください」という投げかけには、いくつかのパターンがあります。ここではパターン別に、答え方のポイント・例文をご紹介します。

「簡単に自己紹介してください」

「簡単に」と言われた場合は、特に手短に要点を押さえて話すことが大切です。

あいさつと氏名、直近の職種、実績や身につけたこと、入社意欲といった基本情報を、それぞれ端的にまとめて伝えましょう。

回答例

○○と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。私は○○大学を○年に卒業後、○年間、法人営業を経験してまいりました。直近は○○社において○○業界を対象とした○○サービスの営業を務めており、新規顧客開拓や他部署と連携しての組織営業を強みとしています。御社の○○サービスの拡販に私の経験を活かせると考え、応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

「自己PR を含めて自己紹介してください」

上記で紹介した簡潔な自己紹介をベースに、自身のスキルや強みに関する情報を追加して自己PRを伝えましょう。 応募企業が求めているものと自身の経験・スキルがマッチしていることや、自身の強みを活かして貢献できることなどをアピールすると良いでしょう。

このパターンの場合は、あいさつと氏名、強みと実績数字、強みを支える行動や工夫、入社意欲が基本的な構成要素となります。

回答例

○○と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。私は○○大学を○年に卒業後、○○社の営業部門で5年間○○サービスの法人営業を務め、○年に○○社に転職しました。直近は○○業界を対象とした○○サービスの営業を務めています。私が強みとするのは、新規顧客開拓や、他部署と連携しての組織営業です。御社が今後、中堅~大手企業に向けて○○サービスの拡販を進めていかれるにあたり、私の経験が活かせると考えています。また、現職ではチームリーダーとしてチームマネジメントも手がけており、若手メンバーが自走できるようになる育成に注力しています。組織拡大中の御社において、営業として活躍を目指すほか、メンバー育成やマネジメントにおいても貢献したいと思います。

「職務経歴を交えて自己紹介してください」

自己紹介に職務経歴に関する情報を加えるパターンです。これまでの職務経歴を長々と全て伝えるのではなく、応募企業で活かせる経験を選び抜いて、要点を簡潔に伝えるようにしましょう。

この場合の構成要素のイメージは、あいさつと氏名、職務経歴の概要、最新実績の詳細、入社意欲となります。

回答例

○○と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。私は○○大学を○年に卒業後、○○社の営業部門で5年間○○サービスの法人営業を務め、○年に○○社に転職しました。1社目は精密機器メーカー、2社目はSaaS関連会社と業界は変わりましたが、一貫して法人営業として経験を積んできました。直近ではエンタープライズ営業チームで大手企業を担当していますが、今期は大手ネット企業のリプレイス営業を実現し上期の社長賞を受賞しました。これらの経験を、成長中にある御社で思う存分発揮し、さらなる利益成長に貢献したいと思い志望いたしました。

「志望動機も入れて自己紹介してください」

簡潔な自己紹介に志望動機を追加して伝えましょう。応募企業に対して魅力を感じているポイントに加え、自身のスキルをどのように活かしたいのかを盛り込むと良いでしょう。

この場合は、あいさつ、氏名、強みと実績、志望動機と入社意欲、入社後の展望が基本構成イメージとなります。

回答例

○○と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。私は○○大学を○年に卒業後、○○社の営業部門で5年間○○サービスの法人営業を務め、○年に○○社に転職しました。直近は○○業界を対象とした○○サービスの営業を務めており、新規顧客開拓を得意としています。現職ではお客様の課題に対して、自社のサービスだけでは解決できないことがあり、もどかしさを覚えています。御社はサービスラインナップが多彩で、他部署と連携しながら顧客課題をトータルサポートできるところに魅力を感じました。また、御社が新たにリリースされた○○サービスは○○業界でもニーズがあると感じたため、私が培った業界の知見とネットワークを活かして拡販に貢献したいと考えました。

面接で自己紹介をする際の注意点

一般的な失敗例をもとに、面接で自己紹介をする際の注意点をご紹介します。

注意点1. 経歴を時系列で全て語ろうとしない

自己紹介の中で、自身の職務経歴を時系列で長々と話してしまうケースが見受けられます。端的に伝えることが重要な自己紹介において、要点がない話を長々と続けるのは、好印象を持ってもらえない可能性があります。

経歴はポイントを絞り、応募企業にマッチしたものを中心にピックアップすると良いでしょう。

注意点2. 自己紹介と自己PRを区別する

自己紹介では、経歴や志望理由についても触れますが、自分をアピールしたいあまり、自己PRを長々と話してしまう人がいるようです。自己紹介はあくまで「自分の紹介」であり、「強み」をアピールする自己PRとは性質が異なります。

自己PRは、この後さまざまな質問を通して伝える機会があります。「自己PR を含めて自己紹介してください」というパターン以外は、「自己紹介は面接全体のサマリーである」と捉え、なるべく端的に伝えると良いでしょう。

注意点3. 抽象的な表現を多用しない

短い時間で端的に伝えようとするあまり、経験や強みなどが抽象的になってしまうケースが見受けられます。抽象的な表現を多用してしまうと、具体的な内容が伝わりにくくなるので注意が必要です。

例えば、「営業に携わった」は「営業に5年間従事した」、「コスト削減に取り組んだ」は「前年比〇%のコスト削減を実現した」、「商品企画に尽力した」は「1年間で〇本の企画を立案した」などというように、数字や固有名詞などを盛り込んで具体的に伝えると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2022年12月22日
記事更新日:2023年09月28日
記事更新日:2024年11月05日
記事更新日:2025年10月01日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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