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ポストコンサルの選択肢【1】コンサルティングファームからコンサルティングファームへ

ハイキャリアコンサルタント/立花 真美

ハイキャリアコンサルタント
立花 真美

国家公務員として7年間法務行政に携わった後、2007年にリクルート(旧:リクルートキャリア)に入社。一貫して戦略・企画系職種の方々のご転職支援と、当該ポジションの採用支援に従事。現在、コンサルティングファーム在籍者(*IT領域除く)のご転職支援およびコンサルティング経験のある方々をターゲットにしている経営企画系求人を担当(ポストコンサル専任)。
<得意分野>
・経営企画領域(M&A、経営管理、構造改革等)・事業開発領域(事業創出・事業推進・新規事業等)・コンサルティング(戦略・総合・M&A)

 

ビジネスモデルや働き方の変革にあたり、コンサルへのニーズが拡大

コンサルティングファームの採用は、現在、非常に活況です。年間数百名単位の採用計画を立てているファームも多く見られます。
採用ターゲットとなるのは、やはりコンサルファーム経験者。また、現在は事業会社に勤務していても、以前にコンサルファームに在籍した経験を持つ方も歓迎されます。

コンサルタントニーズが高まっているということは、事業会社からコンサルファームへの依頼が増加しているということ。まずは、どんな案件依頼が増えているのかをまとめてみましょう。

ビジネスモデルの変革/新たな事業の創出

世界中でAI、IoT関連ビジネスが進化していく中、言語の壁がある日本ではテクノロジーの導入で遅れをとっています。日本の大手企業のビジネスモデルは、グローバルなマーケットで見ると古くなっている。どの企業も危機感を抱いており、持続成長の道を模索しているけれど、国内にはロールモデルとなる企業が見当たらない。そこで市場環境やライフスタイルの変化に応じ、自社のリソースをどう活用していくかをコンサルに相談する…というケースが増えているのです。
目指すのは、ビジネスモデルの変革や新たな事業創出。そういった依頼案件が戦略系ファームに押し寄せています。これを受け、戦略系ファームではデジタル部門を新設するなど、クライアントのニーズに沿って自社の体制も整備、拡大中。以前のように、経営戦略・事業戦略を考案する人だけでなく、デジタル分野の知見を持つ人材も迎え入れている状況です。

投資/M&Aの推進

前述のとおり、多くの企業が事業創出に意欲的。その手段として投資、M&Aも活発化しています。協業先のベンチャーへの投資やM&A、あるいは大手企業とのアライアンスや部門M&Aなどを検討するにあたり、投資の知見を持つコンサルタントのニーズが高まっています。FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)と呼ばれる分野の方々です。FAS系コンサルファームでも案件が増加しており、人材不足の状況です。

働き方改革

働き方改革が叫ばれる中、IT導入による業務効率化のニーズも大。AIやRPAを活用した業務改善、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの案件依頼も増えています。ビジネスが向かう方向を見据えた上でITの設計ができる人材が求められています。

――こうしたニーズを背景に、戦略系、FAS系、IT系と、いずれの分野であってもコンサル経験者には転職のチャンスが豊富な状況です。特に、「ビジネス戦略」と「ITの上流工程」両方の経験を持つ方は選択肢が広がっています。

ハイキャリアコンサルタント/立花 真美

今、ファームtoファームの転職をする価値とは

では今、コンサルティングファームからコンサルティングファームに転職することに、どんなメリットや価値があるのでしょうか。もちろん専門性によって異なりますが、実際に次のような転職ケースが見られます。

年収アップ/タイトルアップ

格上のコンサルファームに転職することで年収アップが図れます。また、戦略系で経験を積んだ方が、戦略コンサルを強化しているFAS系・会計系ファーム、あるいは総合ファームに移り、タイトルや年収アップを果たす方もいらっしゃいます。もともと年収が高い方々ですが、100万~200万アップが叶っています。

スキルアップ/市場価値アップ

戦略系からFAS系に移るコンサルタントからは、「これまではPLだけを見てきたが、BSも見て、経営構造を俯瞰した上で改革できるようになりたい」という声をお聞きします。
また、戦略を立てた後、その手段としてやはり「M&A」が持ち上がってくる。そのフェーズになったときにM&Aの専門家へ渡すよりも、自分で理解し、手がけられたほうがコンサルタントとしての価値はぐっと上がります。そのように守備範囲を広げ、人材としての市場価値アップを狙って転職する方も見受けられます。

なお、将来的に「事業会社の経営ボード」を目指す方にとっても、そのタイミングが来たときの選択肢を広げるために、今、ファームtoファームの転職を活用するといいでしょう。
「経営を学ぶためにコンサルに入ったが、IT効率化や業務企画、業務改善しか経験していない」――そういう方は、コンサル出身といえど、事業会社の経営企画や事業企画への転職は難しいのが実情です。しかし、「コンサル経験」があれば、別のコンサルに移り、そこで事業企画や経営企画、FASに携わるチャンスがあります。

近年、事業会社で求められるのは、事業開発、事業戦略策定、投資、M&A、IPOなどの経験。また、海外現地法人の責任者、CFOなどのニーズもあります。ご自身が将来、事業会社の経営ボードとして手がけたい分野をイメージし、その経験が積めるファームに移っておく。そんなキャリア構築を検討してみてはいかがでしょうか。

次回は、「コンサルティングファームから事業会社へ」の転職について、今どんなチャンスがあるか、一方でどんなリスクがあるかをお伝えします。

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