多くの企業が新たな人材の採用を行う際、さまざまな求人媒体に求人を掲載します。
求職者はこの求人広告を見て応募する企業を決めることになります。そのため求人広告の内容は、企業の採用活動にとって重要な要素のひとつだといえます。
今回は求人広告に記載すべき内容や、自社の魅力が伝わるアピールポイントの書き方などについて解説します。

求人広告に書くべき項目とは

求人広告には法律で最低限明示することが定められている項目と、求職者からの応募を増やすうえで記載することが望ましい項目があります。

求人広告の定義

求人広告とは、企業が人材を募集するにあたって求人媒体を介して出す広告のことです。企業は求人広告を用いて、入社後の労働条件や労働環境、そのほかアピールしたいことなどを求職者に伝えます。

法律で定められた最低限明示すべき項目

職業安定法、健康増進法にて、以下の項目を求人広告に記載することが義務付けられています。

参考:労働者を募集する企業の皆様へ(厚生労働省)

業務内容

採用後にどのような業務に従事することが予定されているのかを具体的に記載します。

契約期間

契約期間の定めのない無期雇用なのか、契約期間の定めのある有期雇用なのかを記載します。有期雇用の場合は、契約期間も具体的に記載します。

試用期間

採用後、本採用(正式採用)するか判断するための試用期間を設けるかどうか、設ける場合は試用期間の長さも併せて記載します。

就業場所

採用後に配置されることが予定されている事業場の名称や所在地を記載します。

就業時間・休憩時間・休日・時間外労働

労働日における所定の始業時刻と終業時刻、休憩の開始時刻と終了時刻、企業の所定の休日、時間外労働(法定労働時間を超える労働)の有無、時間外労働がある場合は月の平均時間や上限時間などを記載します。

賃金

所定労働時間分就業した場合の賃金額を記載します。また、固定残業代を導入している場合は、「月○時間分の時間外労働に対して毎月○円を支給する」といった金額と根拠を記載します。

加入保険

労働・社会保険(労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険)の中で採用後に加入する保険の種類を記載します。

募集者の氏名又は名称

募集者の氏名もしくは名称を記載します。一般的には、社名を記載します。

派遣労働者として雇用する場合

派遣労働者として採用する場合は、雇用形態が派遣労働者であることを記載します。

受動喫煙防止措置の状況

屋内での喫煙が可能であるかどうか、社内の喫煙室設置の有無など、受動喫煙防止に関する内容を具体的に記載します。

応募者にアピールするうえで書くことが望ましい項目

求人広告には、法律で定められた項目以外にも、求人企業が任意で記載することが可能です。次のような項目に関して、自社の魅力を分かりやすく伝えることで、より多くの応募者が集まることが期待できます。

教育制度

採用後の研修制度や個人のキャリアアップへの支援内容などを具体的に記載することで、社内の様子がより伝わり、求職者に対してよい印象を与えることができるでしょう。

福利厚生

私生活の充実や子育てに対する支援内容などを具体的に記載することも、求職者の応募意欲を高めることにつながります。

社風

休暇を取りやすい、社内での風通しがよいといった社風は応募者によっては魅力的に感じることがあります。これらの内容を具体的に記載することで、社内の様子がより伝わり、求職者に対して自社の社風をより伝えることができるでしょう。 

応募につながらない求人広告の特徴

応募につながらない求人広告の特徴として、以下のようなことが考えられます。

労働条件が他社より魅力的ではない

給与や休日、福利厚生などの労働条件が他社より魅力的でないと求職者が感じている場合、応募につながらないことがあります。具体的には、諸手当を加えた給与の総額が他社よりも低い、年間休日日数が他社よりも少ない、他社のほうが福利厚生の中身が充実しているなどです。そのためあらかじめ競合しそうな他社の労働条件を参考にし、可能な範囲で改善するよう検討しましょう。

業務内容が具体的でない

職種だけが記載してあり具体的にどのような仕事をするのかが不明な場合、求職者が入社後に自分が働いている姿をイメージできず、応募につながらないことがあります。

たとえば、自社の業務が既存顧客を定期訪問する営業フォローがメインであり、顧客管理用にタブレット端末が貸与され、営業事務業務は別の担当者が行うといったものだとします。
この場合、求人広告に、単に「営業業務」としか記載しなかった場合、業務内容が具体的にイメージできない求職者も少なくないと考えられます。

そのため既存顧客を定期訪問する営業フォローがメインであることや、営業事務業務は別の担当者が行うことなどを記載し、自社の求める人材が就業後のイメージを持てるよう配慮することが大切です。

自社の求める人材が魅力を感じるポイントが記載されていない

自社の求める人材が求人広告の内容に魅力を感じることができなければ、応募を集めることは難しくなります。まずは自社の求める人材要件を明確化し、人材要件を基に求める人材が自社に魅力を感じることのできる内容にすることが大切です。

たとえば、仕事もプライベートも充実させたいという志向のある人材をターゲットとした場合、生産性の高い仕事の進め方が社内で定着しており残業もほとんど発生しないことやテレワーク制度も充実していることなどをアピールするとよいでしょう。

採用要件のハードルが高すぎる

募集に関しては、このような能力や経験、資格などを有している人を優先的に採用したいという採用要件を求人企業側が設定することが一般的です。しかし、採用要件のハードルを高く設定しすぎると、該当する人材がいないことが原因で応募が集まらないことがあります。そのため他社の求人広告を調査し、必須ではない要件や入社後に獲得が可能な要件などに関する記載を控え、ハードルを極力低く設定することで、基本的な要件を満たした人が応募してくる可能性が高まります。

※採用基準に関しては、以下の記事をご参照ください

採用基準とは?求める人材を適切に見極めるための設定方法、見極め方を解説

応募したくなる求人広告の例文とポイント

応募したくなる求人広告の例文を、以下に解説します。

【例文】

週3日までリモート可能、あなたの経験を弊社の商品企画に活かしてみませんか

募集者の氏名
又は名称
株式会社○○
会社概要創業:○○年、事業内容:○○、従業員数:○○人、所在地:○○
当社は○○に関する○○の分野で国内企業第3位の売上を誇る会社です。○○に関して、お客様より高い評価をいただいています。
業務内容営業企画の業務
「お客様の声」を分析し、顧客満足度を高めるための新商品を企画し販売につなげることがメインの業務です。市場調査や企画のための研究などを自己の裁量で行うことができます。
週3日までテレワークが可能です。
応募前のお電話やWebによる質問にも応じておりますので、お気軽にお問い合わせください。
就業場所当社本社内(東京都○○区○○…)
賃金年収:800万〜1,000万円
契約期間期間の定めなし
試用期間の有無試用期間あり(3カ月間)
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
◎就業時間  9:00〜18:00
◎休憩時間  12:00〜13:00
◎休日    土日、祝祭日、夏季休暇、年末年始休暇、誕生日休暇
◎時間外労働 あり(月平均10時間程度、月上限時間45時間)
加入保険労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険
受動喫煙防止
措置の状況
屋内禁煙(喫煙室の設置あり)
応募資格必須要件:新商品・新サービスの企画開発業務経験3年以上
歓迎要件:
・○○業界における業務経験
・○○資格の保有
応募者への
メッセージ
当社はテレワークを導入するなど柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。柔軟な働き方によって仕事に対するパフォーマンスを高めることを大事にしています。そのような価値観を歓迎してくれる人からの応募をお待ちしております。

ポイント1

求人広告は内容を詳細に読み込む前に、自分にとって有益な情報なのかどうかを判断する人が多いといえます。興味のある人が目を止めやすいタイトルをつけることが大切です。

ポイント2

法律で定められた項目がすべて含まれている場合、求人広告の内容や順序に関しては企業が自由に設定できることがあります。その場合には、 求職者が興味を持って読み進めることのできる順序で項目を設置していきましょう。

ポイント3

今後の成長を期待することのできる企業なのだという印象を求職者に持ってもらうことが、応募者数の増加につながる傾向があります。そのため事業の強みなどを簡潔に記載することが望ましいです。

ポイント4

入社後に自分自身が活躍しているイメージを求職者に抱いてもらうことが、応募者数の増加につながると考えられます。そのため、具体的な業務内容や業務に付随した魅力的について記載するとよいでしょう。

ポイント5

働き方に関して他社と比較して自社の魅力といえる点を具体的に記載することが、応募者数の増加につながるでしょう。

ポイント6

社風や企業としての理念を明確に伝えることで、社風や理念に共感する求職者からの応募が増えることが期待できます。 

ポイント7

求職者が気になることを事前に確認することができる仕組みを設け、その情報を基に求人広告を改善していくことが応募者数の増加につながります。応募フォーマットに応募にあたって何を重視するかを聞くアンケートを設けるといった方法もありますので、試してみてもよいでしょう。

求人広告におけるNGワードと表現

ここでは、求人広告におけるNG表現について解説します。

性別を限定する表現

求人広告において、性別を限定するといった性差別につながる表現の記載は原則禁止されています。

具体的には、以下のような表現などを行うことが該当します。
・○○職(男性限定)
・男性歓迎
・営業マンやウェイターなど性を限定する表現

年齢を制限する表現

求人広告において、年齢を制限する表現の記載を行うことは原則禁止されています。

具体的には、以下のような表現などを行うことが該当します。
・○歳未満の人限定
・○歳未満の人を歓迎
・○歳以上の人は別途適性検査あり
ただし、業務の内容やキャリア形成などの観点から、年齢を制限することが認められるケースもあります。

参考:厚生労働省「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」

性格や心身などの特徴を指定する表現

求人広告において、性格や心身などの特徴を指定する表現の記載を行うことは原則禁止されています。

具体的には、以下のような表現などを行うことが該当します。
・明るい性格の人を募集
・身長○cm以上の人を募集
・髪の毛の色が○色の人を募集

特定の人を差別もしくは優遇する表現

求人広告において、特定の人を差別もしくは優遇する表現の記載を行うことは原則禁止されています。

具体的には、以下のような表現などを行うことが該当します。
・日本国籍の人を募集
・心身に障害のない人を募集
・○○地区に居住している人限定

虚偽の労働条件などの表現

求人広告に虚偽の労働条件などの記載を行うことは禁止されています。

具体的には、以下のような表現などを行うことが該当します。
・賃金を実際に支給する金額よりも高く記載する
・休日を実際に与える日数よりも多く記載する
・時間外労働時間を実態よりも少なく記載する

まとめ

企業が市場に供給するモノやサービスに関する広告は「自社のモノやサービスの特徴や優れた点」を消費者に伝え、購入量を増加させること目的としています。求人広告も同様に「自社の労働条件・労働環境や魅力的な部分」を求職者に伝え、応募者数を増やすことを目的とします。そのため、求人広告には、応募してもらいたい人材に魅力的に感じてもらえるように分かりやすく記載することが大切です。解説した求人広告を記載する際のポイントなど、本記事の内容が今後の採用活動の助けになれば幸いです。

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