人材募集については、「求人媒体や人材紹介以外に、どんな求人方法があるの?」、「採用ターゲットをどう設定したらいいのか悩んでいる」というお声をよく聞きます。主な採用手法である求人媒体から、人材紹介、最近注目を集めているソーシャルリクルーティングまで、多くの選択肢の中から、自社に最適な方法を選び取っていただくため、各手法の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

【厳選】人材募集における13の手法とメリット・デメリット

公共職業安定所(ハローワーク)から、いま注目されているSNSを活用した求人方法まで、ここでは主な13の採用手法について、ご説明いたします。

1.ハローワーク(公共職業安定所)

全国544カ所のネットワークがあり、就職件数は146.5万件(2018年度実績)。身近な相談窓口として親しまれているのがハローワークです。求人情報を掲載するには管轄のハローワークで事業所登録シート、求人申込書を記入すると「求人票」として最大3ヶ月公開されるほか、WEBサイトへ公開も可能です。

メリット 

  • 無料で掲載できる
  • 通勤圏内の求職者の目に留まりやすい
  • 条件によっては助成金の給付を受けられる

デメリット 

  • 求人票の内容が就業条件のみで情報量が乏しい 
  • ハローワークを通じての面接調整となるため選考に時間がかかる

こんな企業の採用におすすめ 

  • 採用予算が少ない 
  • 通勤が便利な近所の人を採用したい 

2. 求人媒体(WEBメディア)

求人サイト(リクナビNEXT、マイナビ転職、doda、エン転職など)に求人情報を掲載し、応募者を集める方法です。就業条件のほか企業の強みや魅力、仕事の面白さなど多くの情報を盛り込め、写真やサイトによっては動画も使用できるため視覚的に会社の雰囲気も伝えられます。求職者側もスマホやパソコンで時間や場所を問わず検索でき、24時間応募することが可能。多くの求職者にアプローチできます。

メリット

  • 場所・時間を問わず、多くの転職希望者にアプローチできる 
  • 検索機能を利用してより求める要件にマッチした求職者に情報を届けられる

デメリット

  • 採用できなくても広告掲載料としてコストが発生する(一部成果報酬型を導入している媒体もあります)

こんな企業の採用におすすめ 

  • 一定以上の人数を採用したい 
  • より多くの母集団の中から選びたい

3.求人媒体(紙メディア)

新聞、折り込みチラシ、フリーペーパーなどへ求人情報を掲載する方法です。フリーペーパーは駅やコンビニなど人の目につきやすいところにラックが設置されており、手軽に手にとってもらえます。また細かくエリアを区切って地域限定版を発行している場合が多く、狙った層へ情報を届けることができます。物理的に大きさが決まっているため情報量としてはWEBより少なくなります。

メリット

  • スマホ、パソコンを使い慣れていない求職者も応募しやすい 
  • ピンポイントで求職者へアプローチできる

デメリット

  • 発行後の情報変更ができない 
  • 情報量が限られている

こんな企業の採用におすすめ

  • 企業認知度の高いエリアで求職者にアプローチしたい

4.検索エンジン

WEB上の採用の求人情報や、タウンワーク、バイトル、エン転職、マイナビ、リクナビといった求人サイトに掲載されている求人情報を検索できる求人情報専門の検索エンジン(Indeedなど)を利用する手法です。例えばIndeedの利用者は日本国内で月間訪問数3,460万(調査:Similar Web 総訪問数より。2020年1月時点)で、さまざま求人情報を掲載しており、検索エンジンを利用することで多くのユーザーに出会えます。有料掲載と無料掲載があり、有料掲載の場合は料クリック数に応じて課金される形態です。

メリット

  • 無料で掲載できる 
  • 多くの求職者の目にとまる 
  • 有料掲載の場合、効果に応じて予算を増やしたり、減らしたりと柔軟な運用ができる

デメリット

  • SEO対策など、効果アップのための運用に手間がかかる 
  • 無料掲載だと上位表示されない

こんな企業の採用におすすめ

  • 採用予算をかけられない 
  • 自社サイト・採用ページ(採用サイト)を有している

5.自社ホームページ、採用ページ(採用サイト)

求職者は応募の段階や選考の過程で、興味のある企業のホームページを閲覧し、情報収集しています。求人媒体では伝えきれなかった社員のインタビューや職場の雰囲気、沿革や企業理念など魅力を掲載することで、より応募意欲やマッチングの精度を高めることができます。

メリット

  • 自社の魅力を十分に伝えられる、表現の自由度が高い 

デメリット

  • HPの発見性が低いと直接の応募にはつながりづらい 
  • コンテンツの制作など工数がかかり、リリース後も常にデータを更新する必要があり手間がかかる 

こんな企業の採用におすすめ 

  • 長期的に採用を行っていく企業
  • 採用ブランディングを行いたい企業

6.SNS(ソーシャルリクルーティング)

Facebook、Twitter、Instagramなどを採用に活用していくソーシャルリクルーティングとよばれる方法です。SNSの普及により、新たな採用手法として取り入れている企業も増えてきました。求職者とタイムリーに、気軽な双方向のコミュニケーションがとれるほか、拡散や口コミなどの効果も期待できます。

メリット

  • 双方向のコミュニケーションがとれ、ミスマッチが防げる 
  • 採用コストが抑えられる

デメリット

  • 定期的なコンテンツの投稿など手間がかかる 
  • 成果に結びつくまで一定の時間がかかる

こんな企業の採用におすすめ 

  • 長期的に採用を行っていく企業
  • 採用ブランディングを行いたい企業

7.人材紹介

厚生労働大臣の認可をうけて職業紹介を行っている民間の「転職エージェント」と呼ばれる人材紹介会社に、自社が求める人材の職種・スキルなどを伝え、要件にマッチする人材を紹介してもらう方法です。紹介者を採用した場合に料金が発生する成功報酬型が多く、相場は採用した人材の年収の35%前後が一般的です。

メリット

  • 初期投資が不要 
  • 日程調整など候補者との連絡の手間がかからず、求める人材に効率的にあえる

デメリット

  • 年収帯によっては採用コストが高くなる

こんな企業の採用におすすめ 

  • コストや工数をかけず効率的に採用したい 
  • 求める経験・スキルが高い 
  • 非公開で採用活動を行いたい

8.人材派遣

人材派遣には業務の期間だけ就業する「一般派遣」、ゆくゆく社員としての雇用を予定する「紹介予定派遣」があります。派遣する人材に関しては派遣元に一任されており、派遣会社が自社の常用社員や登録スタッフの中から、派遣先企業が求める人材を選出します。派遣会社と労働派遣契約を結び、時給×実働時間を派遣料金として支払います。

メリット

  • 必要な期間だけ、求めるスキルを持った即戦力の人材を確保できる 
  • 採用費、人件費を削減できる

デメリット

  • 自社雇用ではないので長期的に働いてもらうことは難しい 
  • 業務内容によっては利用できない

こんな企業の採用におすすめ 

  • 期間限定でスキルをもった人材を必要としている

9.採用イベント

会場に訪れた求職者に直接、貴社の魅力、仕事のやりがいなどを伝えることができます。イベント会場では、各企業がブースを設置し、求職者は会場を回りながら興味を持った企業のブースに座り説明を聞くスタイルが主流。第二新卒、UIターンを狙ったもの、エンジニア限定など職種を絞ったものなど様々なイベントが開催されています。

メリット

  • 求職者に直接、会社や仕事の魅力を伝えられコミュニケ―ションがとれる
  • 会場を回遊している潜在層の求職者にも声をかけられる

デメリット

  • 来場者数が少なかった場合、効率が悪い 
  • 着席率をあげるための事前準備に時間がかかる

こんな企業の採用におすすめ

  • 採用担当者のコミュニケーション力が高い企業
  • 経験・スキルよりまず人物タイプを重視したい企業 

10.求人チラシ・ポスティング

求人のチラシやポスターを作成し、飲食店などであれば店内に掲示したり、店頭で配ったりなどで募集する方法。コストはかかりますが、新聞折り込みやポスティングなどで、多くの人に情報を届けることも可能です。

メリット

  • コストがかからない(社内制作の場合) 

デメリット

  • 大きな効果は見込みづらい

こんな企業の採用におすすめ 

  • 採用予算をおさえたい 
  • 通勤が便利な近隣の人を採用したい

11.社員紹介(リファラル採用)

社員の知人・友人を紹介してもらう採用手法です。最近は「リファラル採用」と呼ばれて、多くの企業が取り入れています。自社の仕事や企業文化、候補者の人柄を理解している社員が紹介するためマッチングの精度が高く、離職率も低い傾向にあります。

メリット

  • 採用コストが抑えられる 
  • 転職市場には出現していない潜在的な人材に出会える確率が高い

デメリット

  • 紹介者の入社意欲にばらつきがあり、入社までに時間がかかる 
  • 紹介者と候補者の人間関係に配慮する必要がある 

こんな企業の採用におすすめ 

  • 採用予算をおさえたい 
  • 企業文化にマッチする人材を採用したい

12.タレントプール

タレントプールとは、自社が今まで接点をもった候補者を管理するデータベースです。「採用したい人材だが、いま社内のポジションに空きがない」、「入社の時期が合わない」など、さまざまな理由で採用見合わせになった候補者のデータベースを作成、定期的にコミュニケーションをとることで、再びニーズが発生したときに採用につなげられます。

メリット

  • マッチングの精度が高い 
  • 転職潜在層へアプローチできる

デメリット

  • 採用までに時間がかかる
  • 定期的にコミュニケーションをとる必要があり、工数がかかる

こんな企業の採用におすすめ 

  • 時間がかかってもいいので、いい人材を採用したい

13.ダイレクト・ソーシング(ダイレクトスカウト)

企業が直接、データベースから採用候補者を探し、その人の経歴などに合わせ、仕事内容や自社の魅力を伝えるスカウトメールを送信し採用へつなげていく手法です。ビズリーチや、ミイダスなどダイレクトリクルーティングに特化したサービスがあります。

メリット 

  • 求人サイトや人材紹介に登録していない人材に出会える可能性がある 
  • 効率的に活用した場合、コストが抑えられる

デメリット

  • レジュメの確認、スカウトメールの送信など工数がかかる

こんな企業の採用におすすめ

  • 採用難易度の高い人材を採用したい企業
  • 自社で採用ノウハウを蓄積したい企業

※ほかにも、採用活動の一部を社外に委託する採用代行RPO (Recruitment Process Outsourcing)とよばれるサービスもあります。採用業務をアウトソーシングすることにより、採用以外のコア業務である人事制度の策定、組織開発などに人事のパワーを投入できます。

求人媒体(WEBメディア)と人材紹介の基本情報 

現在、一般的な手法となっている求人媒体(WEBメディア)と人材紹介について、詳しくご説明いたします。

求人媒体(WEBメディア)、総合求人サイトと専門型特化サイトがある

「リクナビNEXT」、「doda」、「マイナビ転職」、「エン転職」など幅広い職種を掲載している総合サイトと、女性をターゲットにした「女の転職type」、第二新卒に多く利用されている「Re就活」、IT・WEB系の20~30代の登録者が多い「FINDJOB!」、アルバイトに特化した「フロムエーナビ」など、それぞれの領域に強みを持つ専門特化型サイトがあります。

求人媒体(WEBメディア)の料金形態

広告掲載に対して料金が発生する広告掲載型(応募や採用がゼロの場合でも料金が発生します)と、応募や採用に対して課金していく成功報酬型があります。掲載期間は2週間、または4週間が多く、掲載期間と広告サイズによって料金はさまざまで5万~180万円などと異なってきます。年間回数券や各種キャンペーンなど、各社ごとにプランを工夫しています。

求人媒体(WEBメディア)への求人の出し方

求人媒体を取り扱っているのは、運営会社と販売代理店(専属、総合)があります。運営会社は直販と呼ばれる、リクルート、マイナビ、パーソル、エンなど。販売代理店には一社だけと契約する専属代理店と、さまざまなメディアを扱う総合代理店があります。担当営業と打ち合わせを行い、人材要件を設定し、出稿の時期、広告サイズやオプション機能を決め、広告作成のため取材を行い掲載へ。その後は、各サイトの応募者管理を使って、候補者と入社までコミュニケーションを図っていきます。直販は自社のサービスに精通しているため効果を最大化させる提案やサポートが魅力、総合代理店は複数のメディアを組み合わせたり、職種によってメディアを使い分けたりできるメリットがあります。いずれも企業担当営業・広告制作スタッフと良好なコミュニケーションを築き、自社への理解を深めてもらい、適切なアドバイスをもらうことが採用成功へつながります。

人材紹介の種類

人材紹介には大きく3つ、「一般・登録型」、「サーチ型」、「再就職支援型」があります。「一般・登録型」の人材紹介会社は、事務職や営業職など幅広い業種・職種を扱うリクルートエージェントなど幅広い業界・職種に対応する大手と、メディカル、IT、保育士など、特定の業種・職種を専門に扱う会社があります。「サーチ型」はヘッドハンティングとも呼ばれ、自社のデータベースだけでなく、その人材紹介会社やキャリアコンサルタントの独自の人脈などを使って、求める人材を探していきます。また「再就職支援型」は、事業縮小や人員整理時に活用されます。

人材紹介への依頼の仕方

自社の募集ポジションに応じて、人材紹介会社を選定します。会社により企業対応(リクルーティングアドバイザー)と候補者対応(キャリアアドバイザー)が分業化されているケース(片面型)と、すべてを一人の担当者が行うケース(両面型)があります。片面型はそれぞれの担当者が効率よく動けるため、たくさんの候補者を推薦してくれる反面、双方の連携が課題。両面型は、一人の担当者に情報が集約され、企業理解・候補者理解も深められるメリットがありますが、業務量に限りがあるため推薦者の数は限られてきます。人材紹介は、まず求人票に記載されている情報が候補者との接点になります。作成のため、人材要件を明確に伝えるとともに、実際に働くイメージを持ってもらうため職場の雰囲気や企業文化も詳しく伝えることで、より自社にマッチする人材を紹介してくれる確率が高まります。

自社に適した人材募集の見極め方とは

多くの手法の中で、どれを選択するかは、採用を成功させるために極めて重要です。できれば複数の手法を併用していくことが望ましいと思います。いくつかのケースで考えてみましょう。

IT企業などで専門性の高い人材を採用したい場合

「人材紹介」+「ダイレクトスカウト」

その分野を得意とする人材紹介会社へ依頼するとともに、経歴を確認してオファーできるダイレクトスカウトを利用し、欲しいターゲットにアプローチします。

新商品拡販のため短期間で大量の人数を採用したい場合

「総合型求人サイト」+「人材紹介」

総合型求人サイトと人材紹介を併用し、多くの母集団を形成します。選考を効率よく進めるため個別に選考するのではなく、自社で説明・選考会を開催し、多くの候補者と一度に接点を持ち、説明会と選考会を同時に行うことで採用までの期間を短縮する方法もあります。

人材募集を成功させる3つのポイント

人材要件の明確化

採用する際の基準となる、どんな人を採用するのかを言語化したものが「人材要件」です。会社の経営理念・ビジョン、現場からヒアリングした必要な経験・スキル、職場にマッチする人物タイプを合わせ、MUST、WANTなど優先順位をつけていきます。できるだけ人による解釈の違いがないよう、具体的な言葉に落とし込んでいきましょう。

自社の強みを明確化

求人媒体の広告制作、人材紹介での求人票、そして面接など選考過程で、自社の強み・魅力を候補者にわかりやすく伝えることが大切です。そのためには、企業力、組織・風土、仕事の魅力などに分けてそれぞれの魅力を言語化し、採用に携わるすべての人が共有していくことが大切になってきます。改めて言語化することで社員が、自社の魅力を認識する良い機会ともなります。

採用ターゲットに適した採用手法の選定

求めるスキル、採用人数などの採用難易度、採用コストや人事のマンパワーの有無、労働市場の変化を含めて総合的に判断することが大切です。

無料で出来る注目の人材募集

私たちの普段の生活の場面で欠かせないコミュニケーションの手段となってきたTwitter、Instagram、LINE、Wantedlyなどのソーシャルメディア。これを採用に活かすソーシャルリクルーティングという手法を取り入れる企業が増えています。

SNSで優秀な人材を採用する方法

各メディアにもそれぞれ特徴がありますので、採用したい人材の要件によって、どんなSNSを利用している層か、どんなコンテンツに興味を持つかを考え情報を発信していくことが大切です。例えば、自社の活躍人材の仕事を具体的に紹介したり、自社のイベントの様子を画像や動画を交えて紹介することで雰囲気を伝えたりと、幅広い表現ができるのもSNSの魅力です。

SNSで採用成功させるコツ

更新頻度を高く、採用ターゲットにとって魅力的な情報を発信し続けること、反応に対してはできるだけ早く応えていくことで、ファン層を拡大していくことができます。SNSから自社のホームページや求人情報へ誘導するなど、他の採用手法と連動させることもより効果的です。

SNSで人材募集するときに陥りがちな失敗

気軽に投稿できるがゆえに、個人情報の流出や著作権侵害など、企業イメージを損なう情報が投稿される恐れがあります。情報発信する担当者を決め、事前の教育やガイドラインの設定、社内のチェック体制を整えるなどの対策を講じてリスクを管理しましょう。

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