働き方改革の一環として、今の時代に適した制度として注目されているのが、「フレックスタイム制」ですが、このフレックスタイム制には2種類の労働時間があり、「フレキシブルタイム」と「コアタイム」に分かれています。今回は「フレキシブルタイム」について詳しく見ていきます。

フレキシブルタイムとは

フレックスタイム制は「フレキシブルタイム」と「コアタイム」に分かれており、「フレキシブルタイム」とはいつでも出勤と退勤を労働者が決定できる時間帯のことを指します。たとえば、フレキシブルタイムが6時~10時、16時~20時に設定されている場合、6時~10時の間で労働者はいつでも出勤が可能で、16時~20時の間で労働者はいつでも退勤が可能です。たとえば月曜日は8時に出勤して17時に退勤、火曜日は10時に出勤して19時に退勤するなど労働者の裁量によって決めることができます。

コアタイムとは

一方で「コアタイム」は必ず働いていないといけない時間帯を指します。フレックスタイム制における必須勤務時間ともいえます。コアタイムを設定する時間帯は社員同士や取引先とコミュニケーションが取りやすい10時~12時、13時~16時などを設定する企業が多く見られます。

フレックスタイム制とは

そもそも「フレックスタイム制」とはどのような制度なのか、詳しく見ていきましょう。フレックスタイム制とは「一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が⽇々の始業・終業時刻、労働時間を⾃ら決めることのできる制度」で、導入の際には就業規則等への規定と労使協定の締結が必要です。また、フレックスタイム制は2019年4⽉に法改正が⾏われました。法改正のポイントは「フレックスタイム制の総労働時間の清算期間の上限が、1ヶ⽉から3ヶ⽉に延⻑される」というものです。詳細は割愛しますが、下記のリンクより詳しい内容が閲覧可能ですので、ぜひ合わせてご覧ください。

※フレックスタイム制の導入方法とは?改正内容やメリット・デメリットを紹介

フレックスタイム制を導入しやすい業種を紹介

フレックスタイム制は労働者が時間にとらわれずに柔軟に仕事ができる制度です。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況」(※1)によると業種別のフレックスタイム制導入率の上位1位が情報通信業で25.3%、2位が学術研究、専門・技術サービス業で13.9%となっています。その一方で、医療、福祉は1.7%、教育、学習支援業は2.0%となっており、働く時間と場所に融通が利く業種は多く導入している傾向が見て取れます。また、研修・開発部門でフレックスタイム制を導入した企業もあります(※2)。同社では、まず3か月のフレックス制の試行期間を設け、フレックスタイム制度の運用に誤りがないか、社員同士のコミュニケーションが十分に行われているか、制度が十分に活用できるかどうかの調査を行い、導入に踏み出しました。このように「自社にフレックス制がなじむのか」試行期間を設けるのも有効な方法のひとつです。

※1:出典 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査の概況」

※2:出典 厚生労働省 効率的な働き方に向けてフレックスタイム制の導入(事例編-1)

フレキシブルタイムとコアタイムの理想のバランスとは

いつでも出勤と退勤を労働者が決定できる時間帯であるフレキシブルタイムと、必ず働いていないといけない時間帯であるコアタイム、このバランスの理想はどこにあるのでしょうか。一つの事例としては、コアタイムを10時~15時・16時に設定するというもので、朝は余裕を持ってスタートできる時間、退勤も遅くなる心配のない時間です。全ての企業に共通する正解はありませんので、ここでは事例を見てみましょう。

株式会社ゲットイット

ITハードウェアサービスを営む株式会社ゲットイットでは、入社後のコアタイムは10時~17時となっていますが、入社6ヶ月経過後にはコアタイムが11時~14時に変更となります。一通りの業務を覚えるまではコアタイムを長く取り、仕事を覚えてからは裁量を持った働き方に切り替えるという制度になっています。
※本事例は、公開日時点の内容です。

コアタイムを決める際の注意点

実はフレックスタイム制においてコアタイムは絶対に設定しなければならないものではありません。コアタイムの設定は企業の風土や考え方次第です。そこで、ここではコアタイムを設定する際の注意点を見ていきます。まず、コアタイムが長すぎる場合です。たとえば、休憩時間が1時間の会社でコアタイムを9時~17時に設定してしまうと、フレックスタイムの割合が極端に短くなり、労働者は自由な働き方が難しくなります。逆に、コアタイムを11時~12時にした場合はどうでしょうか。今度は極端にフレキシブルタイムの割合が多くなり、「集まる機会が少なすぎる」「いつも捕まらない人がいる」「どこにいるのか分からない」など社員同士の連携やお客様をはじめとした外部とのやり取りもしづらくなります。また、7時~8時や19時~20時をコアタイムにするなど、早い時間や遅い時間だけに設定するのも避けた方がよいでしょう。たとえば「水曜日の8時~9時は全社で重要な会議がある」などの場合は、コアタイムを日によって変えることができます。従業員と自社の経営戦略・運営方法を踏まえて設定するのがよいでしょう。

まとめ

フレックスタイム制の導入にあたり、「フレキシブルタイム」と「コアタイム」をどの時間帯に設定するかは、多様化する働き方が浸透するなかでとても重要な問題です。人材を獲得する上でも採用ブランディングの一環になりますので、自社に最適な方法を選んでください。

※採用ブランディングについては、以下の記事をご参照ください。

採用ブランディングの目的とメリットや成功させるポイントを紹介

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