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部下育成に悩んだら!育成を成功させるポイント、失敗する4つの原因を解説

部下育成の基本

部下育成とは、具体的に何をすることでしょうか。「業務上の改善点を指導する」「仕事のコツを教える」といった行動を思い浮かべますが、何よりも大切なのは「本人が学ぶプロセスを支援する」ことではないでしょうか。人は自ら経験することによって学び、成長していくものであると考えます。アメリカのコンサルティング会社であるロミンガー社の調査によると、ビジネスパーソンの成長の70%は「仕事上の経験に関すること」で決まるとされています。残りは「上司や取引先からのフィードバック」が20%、「研修など」による成長が10%。つまり部下にどのような経験をさせることでどのようなことを学ばせていくのか、その視点を持って臨むことが、効果的な部下育成につながります。

部下が育つ上司の特徴

部下が育つ上司の特徴として、何よりも大切なのは「信頼できる」ことです。いくら上司といえども、信頼を寄せられない人に部下はついていこうとは思いません。そのためにも上司自身が「約束を守る」「ミスをしたら謝罪する」「仕事への責任感がある」「積極的に部下を支援する」「会話に時間を割く」といった信頼に結びつく行動を日常的に積み重ねることが重要です。信頼関係が構築できて初めて、部下への影響力を発揮できるのです。まずは部下にどう見られているのか、きちんと信頼を得られているか、自らを客観的に判断し、必要に応じて改善をしていく必要があります。

部下の特徴を把握する

部下の特徴を把握するための有名なフレームワークとして、「WILL/SKILLマトリクス」というものがあります。縦軸が「やる気(WILL)」、横軸が「能力(SKILL)」で、部下の状況を客観的に判断して振り分けていきます。

以下4つのタイプに合わせて育成方針を決定していきます。

やる気はあるが、能力が低い。→指導する

WILLがあっても、SKILLが足りていない人材です。やる気があるため前向きに業務に取り組みますが、スキル不足により壁にぶつかる可能性がありますので、適切なフォローやアドバイス、スキルアップに向けた指導をしていくことが重要になります。

※やる気については、以下の記事をご参照ください。
動機付けとは?ビジネスにおける「やる気」の高め方を徹底解説

やる気があり、能力も高い。→委任する

WILLもSKILLも高い、いわゆるハイパフォーマーともいえる人材です。すでにうまくいっている状態が多く、上司が介入することでモチベーションが低下するリスクもありますので、ある程度好きに行動できるように任せたり、より大きな裁量やリーダーなどの役割を与えたりと、さらに力を発揮させることが重要です。

やる気もなく、能力も低い。→命令する

WILLもSKILLもない人材が該当します。一定のレベルに達するまでは、上司が細かく命令を出し、強制的に業務を行わせるようにする必要があります。やる気を引き出す指導は多くの時間と労力を要しますので、業務を任せることでスキルを伸ばすことを重視するのも一つの方法です。また、スキルが身につくことで業務範囲が広がり、やる気につながることもあります。

能力は高いが、やる気が低い。→着火する

SKILLは高いものの、WILLが低い人材です。4つのタイプの中でマネジメントとして難しい部類に入ります。スキルの高さからある一定の成果をあげられるため、上司のアドバイスに耳を傾けようとせず、自分のやり方で進めるタイプも多くいます。このような部下に対しては、いかにモチベーションを高めていくかが重要になります。やる気のスイッチがどこにあるのかは人それぞれで異なりますので、コミュニケーションを取りながら見極めていきましょう。

※1on1については、以下の記事をご参照ください。
1on1とは?効果的なやり方、導入方法、具体的なテーマ例を紹介

部下育成で失敗する4つの原因

部下育成で失敗しがちなポイントを紹介します。

コミュニケーション不足

育成においては日頃から部下が話しやすい関係を築き、部下の状況を的確に把握することが大切になります。自分の経験や考えを話したがる上司も多いですが、育成において重要なのはまず聞き上手であること。正確な情報収集や状況把握が適切なフォローにつながっていきます。

必要以上に指示を与えてしまっている

緊急度の高い業務を行う際や新人を育てる際には指示を行う必要もありますが、ある一定のレベルまで達してからも指示を与えすぎてしまうと、部下が受け身の姿勢になってしまうことがよくあります。部下自らが考えて能動的に動ける状態を作ることが成長を促す機会になっていきます。

フォローが足りない

仕事を任せて考えさせることは大切ですが、よくある失敗は「放置」してしまうこと。業務の習熟度合いによっては指導が必要な期間もありますし、困っているときを見逃さずに適切なタイミングでフォローしていくことが求められます。あまり口を出さずに、後ろからしっかり見守っていくスタンスが大切です。

フィードバックが足りない

部下に業務を任せっきりにしたり、結果のみで判断してしまったりすると、頑張って取り組んだ部下のモチベーションを下げることにもつながりかねません。部下と一緒に取り組みについてフィードバックする機会を設けましょう。その際は、結果だけでなくプロセスまで評価すること、より具体的に褒めることで、部下のモチベーションアップにもつながります。

※フィードバックについては、以下の記事をご参照ください。
フィードバックとフィードアップの違いは?ビジネスでの使い方を事例付きで紹介

部下育成を成功させるポイント

ともに目標と育成計画を立てる

部下育成において、「いつまでに」「どのような能力・意識を」「どの程度まで」高めていくかという育成計画が重要になります。ただ、この計画は上司の意向だけで決めていいものではなく、部下自身が意思を持って取り組んでいくプロセスが重要になります。面談など部下との対話の場面を作って、上司からの成長の期待や要望を部下に伝え、一方で部下の目指す将来像や取り組みたいテーマを本人から引き出しながら、ともに成長目標を作ることで、部下の納得感や意欲も高まります。

成長につながる仕事を任せる

上記で述べているとおり、部下が成長する起点は「業務上の経験」が70%を占めると言われています。上司が部下に任せる仕事の内容次第で、部下の成長に大きな影響を与えます。上司としては「組織目標の達成」という目的から仕事を割り当てるケースも多いですが、それだけでなく、この仕事を通じて部下は何を学べるのかという「育成視点」を持って、部下の仕事設計を行う必要があります。

育成のPDCAを回していく

仕事を任せて結果がでたら、それをフェアに評価してフィードバックしましょう。その上で次のゴールとテーマを決めていきます。こうした育成のPDCAサイクルを回していくことで、部下の成長をどんどん促していくことができます。

部下に合わせたコミュニケーション

効果的に業務経験から学びを与えていくためにも、部下一人ひとりの特性に合わせたコミュニケーションも重要になります。たとえば、まだ業務に習熟していない部下の場合は積極的に「教える」必要がありますが、十分に習熟している部下には「考える」機会を与えることが大切です。日頃から、部下の特徴や業務の習熟度合を意識的に把握し、個々に応じた関わり方を試しながら指導も行っていきましょう。

効果的な部下育成の方法

効果的な部下育成の方法を知るには、実践や本で学ぶほか、外部の研修を活用する方法もあります。たとえば株式会社リクルートマネジメントソリューションズでは、さまざまな人材育成研修を開催していますので、いくつかご紹介します。

育成担当者研修 ~自律的な新入社員の育て方~

単なる「教える」「注意する」といった発信型の育成ではなく、部下が本来持っている意欲と力を引き出し、自分で考え、自分から動ける自律的な人材へと育てるためのポイントを理解し、部下育成に生かしていただくためのコースになっています。

出典:リクルートマネジメントスクール「【オンライン研修】育成担当者研修 ~自律的な新入社員の育て方~【1日】」

部下育成のためのコミュニケーションスキル

「問題を発見し、原因探索から解決策を考える手法」と「問題の中にチャンスを見つけ、発展させる手法」をうまく使いこなし、「業績向上」と「メンバー育成」の両方を実現するコミュニケーションスキルを身につけることを目指す研修です。
出典:リクルートマネジメントスクール「部下の成長につながる「1on1」の進め方 ~やる気を引き出し、行動からの学習を促す対話の方法~【1日】」

「【オンライン研修】部下の成長につながる「1on1」の進め方 ~やる気を引き出し、行動からの学習を促す対話の方法~【1日】」

部下を知るメガネ ~部下のやる気を引き出すポイント~

「部下のタイプが多様化する中で、マネジャーとして、いかに部下を動機づけして、育成していくかという考え方をもつ」ために、部下一人一人を見る観点を豊かにもつことや相手に応じた動機づけの仕方を学ぶ研修です。

出典:リクルートマネジメントスクール「部下を知るメガネ ~部下のやる気を引き出すポイント~」

※研修の内容は、公開日時点のものになります。

上司の育成の仕方によって、部下のスキルややる気を大きく伸ばすことができます。ぜひ育成を成功させるポイントや失敗につながる注意点などを参考に、ご自身の育成スキルを高め、部下の成長につなげていってください。