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・まず何か1つ変えてみる、そこから道は開ける

2011年12月22日更新

大手銀行員から作家への転身を遂げ、2003年から主人公である半沢直樹の奮闘を描いた『オレたちバブル入行組』を連載、2011年に『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞した作家池井戸潤さん。一見順風満帆に見える経歴だが、なかなか仕事がなかったり、自分の作品が思ったようにニーズに刺さらないなど、苦悩に喘いだ時期があったという。池井戸さんがその困難を乗り越えた方法とは?

  • 大手銀行を退職。競争力を見極め、新たな道へと進む
    大手銀行を退職。競争力を見極め、新たな道へと進む
    ビジネス書の1冊目が出版に結びついたことでライターの道を拓き、続いて中小企業のコンサルタントや会計士向け講演などの仕事を獲得していった。

    自分をランクアップさせる鍵は、今いる場所にこそある

    バブル期入社でなんとなく入った銀行は、すぐに「合わない」と感じ、最初から「いつか辞めよう」と思っていました。銀行って、「何でも一緒に」と横並びで、細部まで何事もマニュアルで決められる組織。大人の幼稚園みたいなものです。それでも7年間勤めたのは、中小企業向けの融資という仕事そのものは面白かったから。

    銀行では様々な企業や経営者と向き合うことができたし、どう稟議をまとめれば融資をできるのかのノウハウや手法など、「お金を貸す技術」を身につけました。それが小説を書く上で、リアルなビジネスの場面を書く際の判断基準になって、今でもすごく役に立っています。

    私の場合は銀行でしたが、今いる場所で得たものがまったく別のところで活かされるというのは、どんなことにおいても言えることだと思います。そのとき、その場所で得た知識や技術というのは、必ずどこかで活きてくるもので、決して無駄ではないんです。自分をスキルアップさせる、ランクアップさせる鍵が意外と身近にあるということに気づく。それはとても大事なことだと思います。

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  • 自分の競争力を見極め、独立を成功させる

    ヒラから役付きへの昇格のタイミングの後で退職すると、自分を推薦してくれる上司に迷惑がかかって辞められなくなると思い、その前に銀行を退職。辞めたあとは、自宅の一室を事務所にして、顧客のデータベースを作る会社を立ち上げました。いろんな会社の成功や失敗のパターンを見ていたので、起業する時に事務所を借りたり、人を雇うなどのお金のかかる方法は取るべきでないと思っていたんです。

    ところが、全然思うようにいかない。今振り返ってもこの時期が一番辛かったんじゃないかな。理由は明らかでした。銀行の看板を背負っていたときとは正反対で、一人で独立した自分には看板がない、信頼されてもいない、お金もないわけです。お客さんにとって「この人に仕事をお願いしたい」と思わせるものを確立しなければ、仕事としてやっていけない。危機感を感じ、自分の競争力になるものは何かを真剣に考えてみました。銀行で培ったお金を貸すスキル、知識は充分ある。それと書く技術。学生時代から小説を書き込んでいたので、書くことは得意でした。この2つについては自分なりに競争力があると判断したんです。だからこの2つを合体させて、中小企業の社長向けにお金の借り方のノウハウを書いた原稿を出版社に持ち込むことにしました。そうしたら『銀行取扱説明書』(中経出版)という本として出版してくれたんです。

    その後、その本を読んだ他の出版社からもお誘いを受けるようになっていきました。ビジネス書の執筆や講演会、コンサルタントとしての仕事も依頼されるようになり、やっと仕事が軌道に乗ってきたんです。最初に執筆した本は、リサーチをしたのではなく、自分が書けることを書いたわけですが、運良く「お金の借り方を知りたい」というニーズがあったんですね。競争力がある自分の強みを見極め、それを仕事に活用したことで、辛い時期を脱することができたのだと思います。


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