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コラム転職徒然草 - 悲喜こもごも編

炎上に負けるな (2013年9月25日)

消防白書によると、現在日本で年間に起きる火災は約5万件。1日当たりで137件の火災が起きているわけだが、これは昭和50年前後のピーク時に比べると2割以上少なく、減少傾向が続いている。

一方、最近世間を騒がせているのは、インターネットの『炎上』騒ぎだ。不謹慎な言動や、イタズラ投稿写真が拡散され、今まで何の関わりもなかった人たちから、膨大な批判意見が寄せられる。なかには、誹謗中傷や脅迫まがいのものまであるというから、自業自得の面はあるにしても、こわいものである。

ソフト開発A社は数ヶ月前に『炎上』を経験した企業。役員のひとりが、インターネット上で発したコメントが「不正行為にあたるのでは?」との疑惑を呼び、批判的な意見が寄せられた。その時、当該役員は軽率にも「こんな些細なことに噛みついてくるな」と反発、炎上騒ぎに発展してしまった。

現在の採用担当:Nさんはそのとき総務部にいて、炎上の火消し役を任された。
何度も謝罪文を直し、寄せられた意見で返信先のわかるものには、逐一、応対をしていった。しかし、どんなに真摯にメールを書いて送っても、返ってくるのは罵倒ばかり。わずか一ヶ月にも満たない間のことだったが、Nさんは体重を3キロも減らしたという。

A社の取引先は法人ばかりで、炎上騒ぎについては同情的、業績が下がるようなことはなかったが、採用活動への影響は大きかった。
募集をかけても、以前に比べて人が集まらず、内定を辞退されることも多くなった。それも無理はない、インターネットでA社の名前を検索にかけると、上位に炎上の話題があがってきてしまっていたのである。
なかには「あの炎上騒ぎを起こした会社は、どんなところなのか面接に潜入してみた」という野次馬応募者の投稿まであり
「採用セミナーで、スマホの端末をいじっている人を見るだけで、ドキッとしてしまうんですよ」
とNさんがこぼすほど、A社は神経質になっていた。

そうした状況下、A社の総務求人に応募したTさん(26歳)は、炎上騒動のことを知ると、露骨に不快そうな顔を見せた。
もしや、脇の甘いA社役員に不信感を持ったのかと思ったのだが、
「そういうネットの話はアテになりませんよ。一度、嫌な経験をしている会社は、かえって安心できます」
と言って、A社に好意的な様子だった。

A社が採用に苦戦していることからも分かるように、転職者、特に若い人はインターネットの情報に敏感だ。ちょっとでも悪い噂を目にすると、希望条件に合致していても、応募すら止めてしまう方が少なくない。
口コミ情報はあくまで主観的なもの。興味を持った会社は、ぜひ自分の目・耳で確かめるように勧めているのだが、最初から決めつけるような態度の人が多いのは残念なことである。

インターネットの情報をバッサリ切り捨てたTさんに、我々は少なからず驚いたのだが、実はそれには理由があった。A社の二次面接、採用担当のNさんと二人きりになると、Tさんは「実は…」と自身の炎上経験を切り出した。

あるコミュニティサイトで、友人らとのやりとりのなかで、某芸能人を茶化すようなコメントを残したTさん。その日から、Tさんのサイトには無数のコメントが書き込まれるようになった。
悪口雑言の数々を見て、慌ててサイトを非公開にするも時遅く、どこかにTさんのプロフィールが載せられたせいで、メールアドレスにもイタズラや誹謗のメールが届くようになってしまった。Tさんはアカウント閉鎖をせざるを得なくなり、一時は友人との連絡もなるだけ控えるほど、インターネット恐怖症になっていたという。

同年代で似たような経験をした、NさんとTさんはすっかり意気投合。Nさんは上司にTさんの採用を熱心に進言しているそうだ。
「よほど、気があったんですね」
我々がNさんに話を持ちかけると、
「ええ。この間は一緒に飲みにいって、盛り上がりました。仲間がいてくれれば、もう怖くありません。次は炎上に加担するような連中にビシッと言ってやりますよ!」

酒の席の勢いだろうか、怯えていた二人は、傷をなめ合う中、怯えを怒りに変えてしまったらしい。Nさんは「次はビシッと」と言うが、それをするには、もう一度A社が炎上を経験しなければならないのだが…。

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