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二次面接で聞かれることは? 質問・逆質問の回答ポイントを解説【例文付き】

企業の中途採用においては、一次面接を通過後、あまり日を空けずに二次面接が行われるのが一般的です。一次面接で高評価を得て手応えを感じても、二次面接で落ちてしまうケースは少なくありません。
一次面接や最終面接との違い、よく聞かれる質問と回答例、逆質問への対応法、通過のためのポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

二次面接の特徴や評価されるポイント

まずは、二次面接の目的・特徴を理解しておきましょう。人数・時間・質問内容・通過率、一次面接や最終面接との違いをお伝えします。

面接担当者の人数や特徴

二次面接の面接担当者数は、1名~多くても3名程度が一般的です。もっとも多いのは1名のケースで、2名体制であれば「現場管理職+人事」や「現場管理職+現場メンバー」、場合によっては「人事管理職+現場管理職」といった組み合わせが想定されます。

3名の場合は、「現場管理職+現場メンバー+人事」や「現場管理職+現場メンバー2名」、もしくは「人事管理職+現場管理職+現場メンバー」などで構成されます。

なお、二次面接が最終面接となる場合は、「経営陣(社長/役員)+現場管理職+人事管理職」や「経営陣(社長/役員)+1次面接で会っていない方の管理職(現場管理職or人事管理職)」といった構成になることが多いようです。

また、オンライン面接の場合、時間調整がしやすい分、複数のチームメンバーも参加し、総勢4~5名が面接相手となることもあります。ただし、この場合も面接をリードする担当者は1~2名であり、主にその人の質問や表情などに集中すればよいでしょう。

面接時間

二次面接の時間は、一般的には60分で設定されることが多いようです。ただし、二次面接が最終面接となり、経営陣も参加する場合などは、現場や人事とは異なる中長期的・総合的な観点から確認していくため、90分以上など長めの時間で設定されることもあります。

質問内容

二次面接では、一次面接で得た情報や評価をもとに面接を行うのが一般的です。従って、一次面接と同じ質問内容について、より詳細に聞かれることも多くなるでしょう。配属先部門の管理職の場合は経験・スキル面を、人事部門の管理職などの場合は人物タイプ面をより細かく確認しようとします。

転職理由や志望動機、自己PR(長所・短所、成功体験)などについては、一次面接とは別の角度から深掘りする面接となる可能性が高いといえます。

通過率

二次面接の通過率は、一概には言えません。募集職種・ポジション、応募者数・ライバル応募者の状況、企業の採用ニーズの高さなどによって変動します。

一次面接や最終面接との違いはある?

一次・二次・最終面接(三次以上)の位置付けは、当然ながら企業によって異なります。とはいえ、大まかに共通している傾向はあります。一次・二次面接のいずれかでは、主に「採用ポジションの要件を満たす経験・スキルがあるか」「チームや組織の雰囲気になじめそうか」といったポイントを確認します。

一方、最終面接では、より長期的な視点で見られます。「企業理念への共感はあるか」「入社後に成長・貢献してくれそうか」「入社への意欲は高いか」などを見極めようとする傾向があります。

例えば面接が3回にわたって行われる場合、それぞれ誰が面接を行うかは、大きく次の2パターンがあります。

    1. 一次面接:人事担当者 → 二次面接:現場担当者 → 最終面接:役員
    2. 一次面接:現場担当者 → 二次面接:人事担当者 → 最終面接:役員

(※面接が2回で終了する場合は、二次面接に役員も同席するケースが多い)

面接担当者によって、評価するポイントは異なります。もちろん、何を重視するかは企業や人によりますが、大まかには次のような傾向が見られます。

人事担当者 現場担当者 経営陣(社長/役員)
●会社全体の社風にマッチしているか
●長く働き続けてくれるか、すぐに辞めてしまわないか転職理由や志望動機を軸に、就職・転職・異動などの転機における判断基準を確認し、応募者の人物タイプ(価値観や志向性)を読み取ろうとする。定着の可能性を探るため、志望度や意欲、企業への理解度にも注目する
●応募者の経験・スキルの水準が業務にマッチしているか
●組織やチームにフィットし、活躍してくれそうか転職理由や志望動機のほか、職務経歴書の深掘りに重点を置き、具体的な数値や期間等を交えて「どんな行動を取ったか」「そのとき何を考えていたか」「成功要因は何か」といったことを確認する
●理念・ビジョンへの共感度
●自社の価値観やカルチャーにマッチしているか
●キャリアビジョン経営の視点で、総合的な組織とのマッチ度、中長期的な活躍・貢献の可能性に注目する。将来的なキャリアビジョンが、自社が目指す方向性と合っているかどうかもチェックする

二次面接でよく聞かれる質問と回答のポイント

二次面接で聞かれることが多い質問について、回答する際の例文と伝え方のポイントをご紹介します。

【例文付き】転職理由の回答ポイント

<回答例>
「今の職場は個人主義が強く、皆、自分が業績を挙げることだけを考えていますし、ときには足の引っ張り合いをすることもあります。しかし、私としては仲間同士の信頼関係を築き、チームワークを活かして顧客に貢献したいと考えています。御社では部署間・職種間のコミュニケーションが活発とお見受けしましたので、私が希望する働き方ができると思い、志望いたしました」
  • 回答のポイント
    転職理由が現職への不満である場合、そればかり話すとマイナス印象を与えます。転職理由はあくまできっかけとし、「転職で実現したいこと」を中心に語り、志望動機へつなげるとよいでしょう。

例文では「人間関係への不満」を挙げましたが、「残業が多くてつらい」→「効率的に仕事を進めて成果を出したい」、「仕事が単調でつまらない」→「やりがいを感じられる新しい仕事にチャレンジしたい」といったように、前向きに転換してみてください。

【例文付き】志望動機の回答ポイント

<回答例>
御社の「飲食業界の課題を解決する」というミッションに共感いたしました。御社が飲食業界に向けて提供されているITツールは市場でのシェアが高く、事例を拝見して顧客から高く評価されていると感じました。私が食品メーカーの営業として培ってきた知識・経験を活かし、新規顧客開拓や顧客の満足度向上に貢献したいと考えています。
  • 回答のポイント
    企業は志望動機を聞くことで、入社意欲や熱意の強さを見ています。「経営理念や事業内容、人や組織、評価など、どういう軸で興味があるのか」「どの業務内容で自分の経験・スキル、強みを発揮できるのか」などが伝わるように答えてください。

「他社でも同じことが言える」と思われるような内容は避けましょう。異業界への転職であれば「なぜその業界に興味があるのか」も具体的に伝えます。

【例文付き】実績、経験・スキルの回答ポイント

<回答例>
大手企業向けの営業を担当していましたが、中小企業も担当することになりました。そこで、中堅企業向けでは複数の営業代理店を開拓し、私自身は大手の営業に注力できる体制を築きました。代理店各社の顧客対応の質を均一化するため、マニュアル整備や勉強会も実施。結果、中堅企業対象では前年比で売上150%、新規開拓社数2倍を達成できました。
  • 回答のポイント
    特に面接担当者が現場の責任者である場合は、専門領域の経験・スキルを深掘りされます。ここでは、より具体的・客観的に伝えることが重要です。「達成率○%」「売上○%増」など成果やスキルは数字で示しましょう。さらに「達成に向けてどう考え、どんな行動をしたか」の具体的エピソードも伝えます。

【例文付き】長所(強み)/短所(弱み)の回答ポイント

<回答例(長所)>
私の強みは「課題発見力」です。現職では取引データを分析し、ここ数年でオンライン経由の問い合わせが増え、受注率・継続率が対面を上回っていることに気付きました。従来は対面営業を重視する文化が根強くありましたが、オンライン向けの営業マニュアルを整備した結果、売上を前年比160%に伸ばすことができました。
<回答例(短所)>
私は心配性で、新しい取り組みをする際に慎重になりすぎてしまうことがあります。そのため、さまざまなリスクを想定し、対策の選択肢をしっかり準備しています。そのように不安を解消することで、スピーディにプロジェクトを進められるように心がけています。
  • 回答のポイント
    応募者が自分のことを客観視できているかを見ています。また、応募者の人となりや仕事に対する姿勢、仕事の進め方などを判断し、社風や雰囲気に合っているかどうか、共に働くイメージが持てるかを確認します。

長所は、仕事の中でどう発揮されるのかを面接担当者がイメージしやすいよう、実際のエピソードを踏まえて伝えてください。一方、短所を伝えるときは、裏返すと長所になること、短所を克服しようとしていることを伝えるのがポイントです。

【例文付き】入社後の働き方の希望、キャリアプランの回答ポイント

<回答例>
私は現職でチームリーダーを務める中で、メンバーを成長させることに自分はやりがいを感じるのだと気付きました。御社では組織拡大を図っており、主体的に考えて動ける社員の育成を目指しているとお聞きしています。営業として早期に実績を挙げ、マネジャーに昇格し、メンバー育成に貢献したいと考えています。そのため、さまざまなマネジメント理論についても勉強しています。
  • 回答のポイント
    企業は応募者の志望度や意欲、中長期的な組織とのマッチ度(人物タイプ、経験・スキルの両面)の確認をしています。加えて、応募者が業務内容を正しく理解しているか、応募者の方向性やビジョンが自社と合っているかにも注目します。夢やビジョンの具体的な内容や将来設計、それらに向けて自分がどのような行動や努力をしているかを含めて伝えられるといいでしょう。その際、応募企業のビジョンや方向性とズレがないよう注意してください。

二次面接での逆質問の例

面接の最後は、一般的に「何か質問はありますか?」と聞かれます。疑問や興味関心を、率直に面接担当者に伝えましょう。

また、それまでに伝えきれていない自己PRなどがあれば、それも交えつつ質問に結びつけてください。逆質問の例をいくつかご紹介します。

【例文付き】企業理解を深めるためのポイント

<質問例>
「具体的に何人くらいのチームで動くのですか?」
「新規顧客の開拓について、御社ではどのような手法をとっていますか?」
「現在、御社の売り上げ構成比では○○が最も大きいようですが、今後の拡大戦略の中で特に伸ばしていく分野はどこでしょうか?」
  • 質問のポイント
    組織体制や仕事の進め方、商品・サービスの特性、今後の事業の方向性などに注目して質問しましょう。

【例文付き】入社意欲を伝えるためのポイント

<質問例>
「御社では、20代・30代の社員も責任ある役割を担っていると伺いました。私も早期にリーダー、マネジャーを任されたいと思いますが、中途入社で活躍し、高く評価されている方々の特徴があれば教えていただけますでしょうか?」
「入社後すぐに活躍できるようになりたいので、今のうちに勉強しておいたほうがいいこと、取っておいたほうがいい資格などがあれば教えてください」
  • 質問のポイント
    入社後の仕事の仕方をより具体的にイメージしようとする質問は、意欲が伝わりやすいでしょう。

【例文付き】企業選びの軸を確認するためのポイント

<質問例>
「私は複数部署を横断した連携・調整力を強みとしており、それを今後も活かしていきたいと考えております。御社では、リーダーやマネジャーに対し、どのような力を求めているのでしょうか?」
「私は現職で、新しいことを企画する力が評価されてきたと考えております。御社では◯◯などの新規事業も積極展開されていますが、今後は具体的にどのようなプロジェクトを計画されていますでしょうか?」
  • 質問のポイント
    転職理由や志望動機で語った内容と連動させ、より理解を深めようとする姿勢を見せてください。

NGな逆質問とは?

以下の逆質問は、心証を損ね、評価ダウンにつながる可能性があるため、くれぐれも注意しましょう。

  • ホームページや会社案内を見れば、すぐにわかるような質問
  • 仕事の内容に直結しない、興味本位の質問(面接担当者のプライベートの過ごし方など)
  • ネガティブな質問(離職率、ネットでの悪い口コミなど)

また、質問相手を間違えないように気をつけましょう。現場の部長などに福利厚生について質問したり、人事担当者に現場の人員配置について聞いたりしても、明確な回答は得られない可能性が高いでしょう。

二次面接を通過するためのポイント

二次面接の通過率を高めるために、次のポイントを意識してください。

自己分析と企業研究を行う

まずは自己分析を行い、強みを認識することが大切です。ただし、自身の強みを一方的にアピールするだけでは評価を得られません。応募先企業を研究し、その企業が求めている人材像をつかんだ上で、自身の強みを活かせるポイントをアピールしましょう。

キャリアプランを考えておく

企業は、入社後長く活躍してくれることを期待しています。入社直後の仕事だけでなく、中長期でどのように成長し、どのようなポジションを目指すのかを語れるようにしておくことをおすすめします。

応募書類・一次面接での回答と一貫性を持たせる

転職理由や志望動機など、応募書類に記載した内容や一次面接で語った内容とズレがあると、不信感を抱かれてしまいます。内容には一貫性を持たせることを意識しましょう。

困ったら転職エージェントに相談するのも一つの手

転職エージェントでは求人の紹介だけでなく、企業の募集背景や求める人物像などの情報提供も受けられます。また、一次面接を通過後、キャリアアドバイザーを通じて企業からのフィードバックを受け、それを踏まえて二次面接の対策をすることも可能です。

「面接相手はどんな人なのか」「二次面接ではどんな質問をされるのか」「選考でどんなポイントが重視されているのか」など、転職エージェントが持つ情報を上手に活用しましょう。 希望すれば、模擬面接サービスで面接の練習をすることも可能です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2022年05月30日
記事更新日:2023年04月27日
記事更新日:2023年10月18日 リクルートエージェント編集部

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