
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
自分の経験がどこで生かせるか、イメージできていなかった
転職事例:飯島さん(29歳) |
前の会社では、アプリケーションエンジニアとして顧客先に常駐して働いていました。でも、プロジェクトごとに職場を転々と移動するのに疲れてしまって…。「腰を落ち着けて働きたい」という思いから、転職活動を始めました。
自社内で働ける職場は…と考えたとき、まず思い浮かんだのが事業会社のシステム担当者、「社内SE」です。求人サイトで社内SEの求人を探し、何社かに応募しました。でも、すべて書類選考で落ちてしまったんです。
そこで、リクルートエージェントに相談したところ、うまくいかない理由がわかりました。
社内SEの求人で求められるのは、会計・流通・生産管理といった「業務アプリケーション」の知識・経験、あるいはサーバやインフラまわりの経験が中心。それに対し、僕が主に経験してきた業務はデータベース管理にまつわるアプリケーションツールの開発。社内SEを目指しても、自分の経験が生かせるポジションはほとんどなかったんです。
考えてみれば、「自社内で働きたい」という希望ばかりが先に立って、「経験を生かす」という意識が薄かった。
CA(キャリアアドバイザー)さんからは、「まずは、自分の強みをどこで生かせるか、というところから考えましょう」と言われました。
転職成功のポイント!
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「アプリ経験」ではなく「データベース経験」を生かすという選択肢に気付く
CAさんから提案されたのが、「データベースエンジニア」という選択肢です。
「自分はアプリケーションエンジニア」という認識だったので、少し驚きました。でも、「データベース関連事業に特化した企業を幅広く探していけば、アプリケーションエンジニアほどライバルは多くないし、企業側のニーズとうまくマッチすればスムーズに運ぶかもしれない」と聞き、納得して挑戦することにしました。そして、データベースエンジニアとして「自社で働ける」企業をいくつか紹介していただき、応募したんです。
そして面接対策。CAさんからある指摘を受けました。「転職理由をどう説明するか」ということです。「常駐先を転々と移動するのは落ち着かなくて嫌だ、というだけでは、ネガティブな印象を抱かれてしまいますよ」と。そこで、「なぜ自社内で働きたいのか」について、改めて話し合いました。
そして、CAさんからの質問に答えていくうちに、自分の中にある「チームで協力して取り組みたい」「顧客先で業務の一部を担うだけでなく、裁量権をもってコアな部分に携わり、自分の強みを築いていきたい」という志向を整理することができたんです。面接ではそれを伝えました。
転職成功のポイント!
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スキルへの評価は60点。それでも採用された理由は…
僕はアプリケーション領域でもデータベース領域でも経験が中途半端だったので、なかなか書類選考を通過できず、苦戦しました。けれど、十数社応募したうち、1社から内定をいただけたんです。
CAさんから聞いた話では、僕のスキルに対する評価は60点くらいだったとか。それでもプラス評価を得られたのは、データベース関連の資格を取得していたからでした。といっても、資格そのものが評価されたのではなく、担当分野に関連する知識を高めようとする意欲が認められたんだそうです。
独自に勉強していたから、「もっとコアな部分に携わり、強みを磨きたい」という転職理由も納得してもらえたんですね。その期待に応えられるよう、早く技術を習得して即戦力になりたいと思っています。
担当キャリアアドバイザーより飯島さんが評価されたポイントとしては、「向上心」のほかに「コミュニケーション力、調整力」も挙げられます。彼は1人で常駐先に行っていたことから、会社の代表として顧客との折衝・調整を務めていました。転職先でも自社内のエンジニア同士での調整が必要となるため、経験が生かせると評価されたのです。 エンジニアの皆さんは、自分の技術スキルをどう生かすか、どうアピールするかに集中しがちですが、注目されているのはそれだけではありません。自分では「当たり前のこと」としてこなしていたことが、他の人と差別化できる強みとなることもあります。そうした+αの強みの発見を、私たちキャリアアドバイザーがお手伝いします。 |