
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
社風への不安を抱きつつ、第一志望の会社の面接へ
転職事例:及川さん(27歳) |
独立系SIerで、ネットワークエンジニアとして働いています。でも最近、待機状態になることがあるのです。自社ではネットワーク関連の案件が少ないんですよね。アプリケーション開発が中心で、ネットワーク部はマイナー部門なので。このままでは、今以上の経験を積めないことに焦りを感じて、転職活動を始めました。
リクルートエージェントさんからいくつか求人案件を紹介していただいたんですが、その中でも特に興味を持ったのが、ネットワーク案件に強いA社でした。プロジェクト数が豊富だし、自分が進みたい方向でキャリアを積んでいけそうだったから。第一志望として応募し、書類選考は難なく通過しました。
そして、CAさんと面接対策の相談。A社の社風、面接で見ているポイントなどを聞いたところ、体育会系のようなノリがあって、人間関係も密接なんだそうです。飲み会、バーベキュー、旅行などのイベントも多いとか…。
正直、戸惑いました。僕は口数が少ないほうで、「皆でワイワイ」というのは得意じゃないし、人とのコミュニケーションを面倒くさく感じるところがあって…。でも、そこそこ人数のいる会社だし、「自分みたいな人間もいるんじゃないか」「技術で勝負すればいい」と開き直り、面接に臨みました。
転職成功のポイント!
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自分のキャラクターを貫いたが、面接中の空気は重く…

1次面接に出てきた現場担当の方は、聞いていた社風のイメージ通りの方でした。社内イベントなどの話を聞くと、社員同士の一体感、団結力といったものを大事にしていることが伝わってきましたね。
でも、それに調子を合わせることはしませんでした。だって、自分のキャラクターを変えて、無理に合わせにいっても、入社したら素の自分がわかってしまうわけだし。無理に「明るく元気な人」を演じても、後で気まずくなるだけでしょう。おとなしくてノリが悪いと思われようが、素の自分を貫いたんです。
1次面接後、A社からの感想をCAさんから聞きました。技術面の評価は高いけれど、「元気がない。ハツラツさが感じられない」と思われたそうです。でも、それがありのままの自分なわけで。1次面接は通過しましたが、不自然にふるまうのは嫌なので、2次面接はいつもどおりの自分で臨みました。
すると、面接担当の方は不安そうな感じで、社内イベントへの参加意欲や、同僚とのコミュニケーションのことなど、どんどん突っ込んで聞いてきたんです。結局、それだけで面接時間のほとんどが費やされてしまった。僕としては、これまでの経験をどう生かしたいか、A社で何を目標とするのかを話したかったのに、ほとんど伝えられませんでした。
転職成功のポイント!
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不採用でも仕方ないと割り切っていたのに、大きな後悔が残る
結果は、不採用でした。
「ありのままの自分を見せて、それが受け入れられないなら、どうせ入社してもうまくいかないから不採用になってもいい」……そんな風に思っていたはずなのに、強いショックを受けている自分がいました。
他の求人を見てみても、A社ほど、仕事内容やキャリアプランが魅力的な会社はない。やはり、一番入りたかった会社なんです。
1次面接で「元気がない」と思われたことはわかっていたんだから、2次面接でもう少し声を張っていたら…、笑顔を見せていたら…。大きなチャンスを、自分からわざわざ潰してしまったようで、今は後悔しています。
普段の業務と違い、面接は特別な場所。だったら、特別な自分で臨むことも必要だと、今は思っています。
担当キャリアアドバイザーより相手企業の社風に合わせ、自分のキャラクターを無理に作ることはおすすめしません。 けれど、面接という場では、ほとんどの応募者は普段よりも「何割増しかの自分」で臨むものです。「明るく元気な人」が好印象を抱かれることは、皆さん承知しています。ライバル達がそれを意識してふるまう中、自分だけが素のままでいると、通常以上に暗く見えてしまう恐れがあります。面接では、欠点の方が注目されやすいもの。本来の自分の強みをわかってもらうためにも、欠点と見られそうなポイントは少しがんばってクリアしておきたいものです。 |