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経済評論家・山崎元 が語る 転職原論 ~20・30代ビジネスパーソンのための転職成功ガイド~

02.お金と時間と自由の交換法則

(2009年11月19日)

お金と時間と自由の交換法則

お金と時間と自由の交換法則

大げさに「法則」と名付けるのは気が引けるが、人生にあって、お金と時間と自由は、相互に緩やかに交換できることを知っておくと得だ。

お金が足りない場合、働く時間を増やすことによって、お金を作ることが出来る。逆に、お金に余裕があれば、働く時間を別の時間に振り向けることが出来る。

また、仕事を選ぶ際に、楽な仕事や好きな仕事(=自由に選んだ仕事)の報酬はしばしば安く、我慢の多い仕事の報酬は高いことが多い。加えて、お金をたくさん持っているなら、手に入るものの範囲も、出来ることの範囲も広がる。お金があれば避けられる不幸は多い。時間と自由の全てが、文字通りお金で買える訳ではないが、時間・自由とお金は緩やかに交換可能であり、お金を通じて、時間と自由もある程度交換できる。

人生の戦略を考える上では、お金・時間・自由を、時に必要に応じて交換して、バランス良く成長させて行くといい。転職する場合も、自分が、その転職で、お金・時間・自由のうち、何を求めているのかを意識しよう。

好きなことを仕事に出来るか

世の中には、好きな仕事、やり甲斐のある仕事をすることによって、満足なお金を得ることが出来るような仕事の機会もあるが、それが有利な機会である場合、簡単には手に入らないことが多い。この場合、自分が持っている時間や自由、あるいはお金を、しばし犠牲にして、たとえば経験を積むなり、勉強をするなりして、お金も自由も共にレベルを上げた状態を手に入れる戦略があり得る。

たとえば、原稿を書いたり、発言したりして、自分の意見を他人に伝えることが好きで、そうしたことを仕事にしたいと思う人がいるだろう。筆者もそういった仕事は好きだ。しかし、いきなり原稿を書いても掲載して貰えない場合が多いだろうし、多少の原稿料を稼ぐことが出来ても、生活が成立しない場合も多いだろう。

こうした場合に、自分の興味のある仕事の経験を積みお金と時間を投入しながら、その分野で得た専門知識や経験を文章や発言にして発信していくというような手段がある。但し、書いたり・話したりを職業化していく上では、既存の仕事の時間や、あるいは仕事で得たお金を、経験や学習に投資しなければならないケースもあるだろう。お金や時間とのバランスを取りながら、自由のレベルアップを追求するのだ。

「好きなこと」を仕事にすることはおおむね可能だ。但し、いきなり全面的に可能なことは少ないし、働くうちに、「好きなこと」が拡がったり、変化したりすることもある。

稼ぎの立地条件

稼ぎの立地条件

同じ学校を、同じ時に、同じような成績で卒業して就職しても、数年後には、単純に年収で較べると、何倍もの差が付くことがある。仕事により、人により、稼げるお金の差はなぜ発生するのか。この問題では、重要な観点が二つある。「お金に関する立地条件」と「代わりのいる仕事・いない仕事」だ。

お金に関する立地条件とは、ある個人が、どのような立場でビジネスに関わっているかだ。人にも職業にも貴賤はないが、分かりやすく「階級」という言葉を使うと、「株主階級」、「ボーナス階級」、「給料階級」、「非正社員階級」の4種類の立場がある。

成功した企業の大株主(例えば起業家)は年収に換算すると数億円あるいはそれ以上の単位の年収になることがある。株式は数年先、数十年先の利益を先取りして現在の価値として評価するので、巨額の富をもたらす場合がある。

大きな金額を稼ぐセールスマンや金融機関のトレーダー、あるいはアナリストや弁護士のような専門職の場合、「その年の稼ぎに対して、その年(あるいは翌年)のボーナスで報いる」形の報酬システムになっていて、給料よりも多いボーナスを受け取り、典型的には数千万円(場合によっては億を超える)といった年収を稼ぐ人たちがいる。彼らは、収入変動と場合によっては雇用のリスクを取ることと、代わりが簡単には見つからない専門職であることが特徴だ。企業家が仲間として確保したいスキルや顧客を持った人が多い。

今のところ、ビジネスパーソンとして最大の勢力は、ある程度の雇用の安定性を持ち、ほぼ一定の給料で働く「給料階級」だ。会社は通常、彼らの稼ぎに対する貢献よりも安い一定額を彼らに支払う(そうでないと会社が潰れる)。典型的には、年収数百万、1千万円の大台に乗るとかなり多い方だ、というのが彼らの経済状況だ。

近年、急激に増えてきたのが、雇用が不安定で、年収も少ないことが多い、「非正社員階級」だ。満足してマイペースでこうした形態で働く人もいるが、正社員のポジションを取ることが出来なくて、こうした形態で働いている人もいる。一部には、「ワーキング・プア」などと呼ばれる、フルタイムで働いているのに、生活が立ちゆかないくらい低収入の人もいる。

「六本木ヒルズ」のような巨大オフィスビルには、同じ「35歳のビジネスパーソン」でも、4つの階級全てが一緒に働いていることが多い。まさに「格差の坩堝(るつぼ)」だ。

上記の「ボーナス階級」と「給料階級」を分ける境界線になることもあるが、同じ仕事を多くの他人が代わりにこなすことが出来る場合、その仕事の報酬は安くなる傾向がある。

近年進行した経済のグローバル化は、世界的なモノ・情報・お金のやりとりのコストが下がったことによって、日本の労働者の「代わり」が、外国に大量にいるという状況を作りつつある。たとえば、製造業のエンジニアは中国や韓国の技術者とも競争しなければならないし、IT技術者はインドの技術者とも競わなければならない。

率直にいって世間は甘くないが、有利・不利を分ける原則を理解しておきたい。

大切な資源は「時間」

お金、時間、自由は全てが大切だが、敢えて一番を決めるなら「時間」が最も貴重だ。お金も、自由も、時間がないと役に立たないからだ。

たとえば、3000円の本を一冊読むことを考えよう。時給が2000円の人がこれを読み終えるのに3時間かかるなら、この本を読むことの本当のコストは、本代の3150円(+消費税!)に2000円×3時間=6000円の時間コストを加えた、9150円なのだ。考え方は人それぞれだが、時間にコストが掛かっていることは確かだ。役に立たない本は、たぶん、捨てるよりも、読み続ける方が「もっと、もったいない」といえる。本は気楽に買ってもいいが、読まない勇気も必要であり、読書の時間は厳しく割り当てるべきだ。

こうした考え方は、どんな家を借りるかといった選択にも使える。仕事にも勉強にも時間が必要な若いビジネスパーソンは、「職住接近」の住まいが合理的な場合が多いだろう。

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