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企業インタビュー 次世代リーダーへのメッセージ

2011年10月21日掲載

日産自動車株式会社

電気自動車を世に出すことで人々のライフスタイルを変える

EV技術開発本部 EVパワートレイン開発部 部長 
伊藤 健

1979年に入社。総合研究所でシャーシ制御などの研究に携わる。90年以降は電子技術の先行開発を手掛け、次世代車の可能性を追求。現在に至る。

EV技術開発本部 EVパワートレイン開発部 部長 伊藤 健

わずかな可能性を求めて続けた地道な開発

わずかな可能性を求めて続けた地道な開発
リクルートエージェント(以下RA):
日産自動車が電気自動車(EV)の開発を始めたのは、いつからですか?
日産 伊藤健(以下、伊藤):
我々が所属するEVパワートレイン開発部は、すでに前身となる部署が1990年に立ち上がっていたんです。まだバブル期だったということもあって、ガソリン車に替わる次世代車の開発に目を向ける余裕が当時はまだあったんですね。そこで、半導体を使った電子部品の設計から生産技術に至る研究を始めたんです。
ところがご存知の通り、カルロス・ゴーンが日産自動車にやってきた1999年という年は、次世代のことを考える余裕など持てない時期で、自社で開発を手掛けなくても優秀なサプライヤーと組んでいけばいいじゃないかという考え方になっていったんです。 当然、次世代車の各開発部門のほとんどは、撤退を余儀なくされました。
RA:
そのような状況から、どのようにして電気自動車を開発する土壌が出来上がっていったんですか?
伊藤:
ただひとつ、燃料電池自動車(FCV)の開発は、将来につなげる技術として細々とながら続けていました。モータとインバータの試作と評価をくり返して、できる限りの内製化(設計や生産などを自社で行うこと)を目指していたんです。
ところが2000年代半ばころになると、それまでコストが高く、重量が重く、短時間しか駆動しなかったバッテリーの技術革新が進んで、電気自動車を作ることのできる可能性が高くなってきました。すでに撤退したハイブリッド車(HV)の参入には大幅に乗り遅れていましたから、燃料電池自動車で開発したモータとインバータを使った電気自動車を製品化するほうが現実的になってきたんです。
とはいえ、すぐに上からのゴーサインが出たわけではありませんでした。2000年代前半はハイブリッド車も、燃料電池自動車も、電気自動車も、その可能性はまったくの未知でしたからね。そんな中で我々チームは独自に開発を進め、電気自動車に限りなく近いモデルを試作し、経営陣を招いた試乗会を行ったんです。彼らは経営のプロというだけでなく、無類のクルマ好きですから評価を得ることはとても難しいのですが、とても興奮した感想をいただき、成果を認められたことで日産リーフの開発のきっかけになりました。それが2007年のことで、倉庫になっていた座間工場も大幅なリューアルをすることになり、本格的な開発が始動したんです。

電気自動車は、ガソリン車とはまったく別の乗り物

電気自動車は、ガソリン車とはまったく別の乗り物
RA:
電気自動車を開発するにあたって、内製化にこだわった理由は何でしょう?
伊藤:
内製化の大きなメリットは、コストを抑えられるということです。電気自動車の基幹部品は主に、動力源となるバッテリーと、その電気を変換するインバータ、それから車輪を駆動させるモータですが、外部で作った既製品を単に組み合わせればいいかというと、そういうわけにはいきません。自動車の開発は、安全性はもちろん、運動性能、加速性能などを極限まで追求していく作業ですからね。また、外部のサプライヤーに頼らないとものが作れないという状況はメーカーにとって危険な状態で、スタンダードになるのはむずかしいと思うんです。そういう意味でも、内製化によって電気自動車を開発することには、大きな意義がありました。
RA:
そうした多くの苦難を乗り越えて作り上げた「日産リーフ」、どういうクルマなんですか?
伊藤:
電気自動車のリーフは、もはやガソリン車とはまったく別の乗り物です。リーフには排気口がありません。つまり、走行中に二酸化炭素はもちろん、窒素酸化物もいっさい出しません。排ガスがゼロであるというだけでなく、ガソリン車がエネルギーを熱にして外に逃がしているのに比べて、100%電気自動車であるリーフはエネルギー効率もよく、燃費もはるかに優れているんです。
優れているのは、それだけではありません。これまで、何度か試乗会をくり返してきましたが、これほど驚きと感動の声が返ってきた試乗会はありませんでした。「これを経験してしまったら、もうガソリン車には戻れない」という声を聞いたときは、うれしかったですね。
RA:
今後の課題は、何でしょう?
伊藤:
ひとつは、電気自動車を社会に根づかせるためのインフラ構築です。もうひとつは、私たち技術者に科せられた課題ですが、クルマの性能を今よりさらにあげていくこと。1回の充電でより長い距離を走れるクルマを作っていかなくてはいけませんし、お客様に望まれるクルマづくりを目指していかなくてはなりません。今はやっと、そのスタート地点に立ったところで、今後も努力を続けていかなくてはなりません。

インタビューを終えて

次世代環境技術を搭載し、エンジンの効率を高めた低燃費のクルマを開発する「ピュアドライブ」に加え、自然界への排出ゼロのシステムを構築する「ゼロ・エミッション」という大きな目標に舵をきった日産自動車。そして、この12月に発表される日産リーフは、「ゼロ・エミッション」実現の試金石として、大いに注目されている。だが、開発者の話を聞いてみると、リーフが単に環境にやさしいというだけでなく、クルマが人間に与えてくれる感動をも追求した製品なのだということがよくわかった。

企業情報

日産自動車株式会社
この夏、8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「エルグランド」、アイドリングストップを搭載したエンジン進化型エコカーである新型「マーチ」を発表し、ともに好調な立ち上がりとなって波に乗る日産自動車。さらにこの秋には、新型フーガでハイブリッド市場に参入する他、12月には満を持して電気自動車(EV)・リーフを発表する。内燃機関の燃費向上とともに、走行中に排出ガスを一切出さない「電気自動車」の社会普及を目指して大きく舵を切ったその行方に、注目が集まっている。
社名 日産自動車株式会社
本社所在地 神奈川県横浜市西区高島
設立 1933年12月26日
資本金 6,058億1,300万円
従業員数 連結 17万5,766名
事業内容 自動車、船舶の製造、販売および関連事業

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